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年明けは大掃除から! 後編

(むぐっ…ん、ああっ、そんなにいっきにいれちゃ、だめですっ、せんぱいっ、あと、色が付きそうなものは別に、ん、んんっ、はあっ、はあっ、せんぱ、まって、もうこれで容量いっぱいっ、んああっ!) 「俺はみんながいちいちわめく容量ってやつがさっぱりわからん。めんどいから一発で終わらせちまおうぜ。その方が一度で済むし、エコだって、きっと。地球にやさしい。」 (わ、私にも優しくしてくださいっ、んっ、だめっ、それいじょういれたらこわれちゃうっ、 やあっ、せんぱいっ、だめっ、だめええっ…!いっぱいいっぱいですっ、ぬいて、ぬいてくださいっ、ふぁあああっ…) 「…前から聞きたかったんだけど、その反応って、素なの?演技?俺をからかうためのジョーク?」 (なんのはなしですかっ、ひっ、せんぱいの、くさいいっ、さいごのせんたくもの、いつですかぁ・・・) 「いや、それは…忘れた。まあ、申し訳ないとは思ってるさ。男の洗濯物女の子に表せるのはなって。でも、なんだろうな、男の口で俺の洗濯物現れるのがすごい嫌というか。」 (その気持ちを、もう少し私にも向けてくださいっ…!んあああっ!) 「でも、やってくれるんだろ?今日はそのつもりで家に来てくれたじゃないか。」 (それはそうですけどっ、もう少し、普段の私に、優しくっ…ひうっ、ぐううっ、もうむりっ、もうげんかいですっ、はいりませんっ、これ以上は、ほんとに死んじゃう、しんじゃうからああっ!) 「分かったわかった。もう全部入れたから。普段のお前にも、元に戻ったら優しくするよ。」 (…ホントですか?) 「…ああ、多分な。じゃ、始めるぞ。」 (ちょ、いきなりっ、せんぱっ、そこさわっちゃだめっ、どこ触ってるんですか!センパイのエッチっ!ふゃああっ、やっ、やあああっ!) 「いや、ただボタン触っただけなんだけど。…どこ触ったんだ俺は。」 それでもボタンを触らなければ洗濯機は動かない。ボタンを触る人間がいて初めて洗濯機は洗濯機として機能できるのだ。 「…触るぞ」 (えっ、センパイっ、待って、まだ心の準備が、あっ、ああっ、せんぱい、そんな、びんかんな、エッチ、ですっ、やああっ…) 多分ここでいいだろうと、ついでに数か所余計に押して反応を楽しみ、そしてようやく洗濯機は動き始めた。 (ふぁああっ!せんぱいっ、きますっ、きますうっ!わたしのなかっ、せんぱいのがっ、あばれまわってっ!ふぁあああっ!) 「誤解を招く言い方をするな!って言いたいところだけど…まあ、間違ってはないな。悪いけど、我慢してくれ。」 (はあああんっ!せんぱいっ、みないでっ、こんなはしたないところ、みないでくださいっ、みちゃだめっ、だめええっ…!) ・・・少なくとも、演技でからかっているわけではなさそうだと、良太はアヤノの流れ込んできた気持ちを読み取った。 どこがはしたないのかはさっぱりわからなかったが、本気で顔を真っ赤にして悶えているのだろうなとは、一応本気で理解したつもりだ。 そして、 「そうかそうか。そんなにみられるのが嫌か。分かった。じゃあ、お前の洗濯が終わるまで、ずっとここで見物させてもらうよ。」 (んあああっ、せんぱいぃっ、やああっ、だめっ、ダメですぅぅっ…ふぁああっ、あたしっへんなところ、はずかしいところみられてるっ、センパイに体のなかむちゃくちゃにされながらっ、センパイにみられてるっ、やああっ、だめっ、だめええっ…!) 「そうかそうか。恥ずかしいところがどこなのか俺にはさっぱりわからんが。まあ、がんばれ。」 (はああんっ、おかしく、おかしくなっちゃうっ、センパイのまえで、だめなのにっ、だめなのにぃぃっ!) お前がおかしいのは元からだろ、というツッコミを、ギリギリで良太は飲み込んだ。 せっかくかわいい声で悶えまくるアヤノの姿を、そんなつまらない茶々で汚したくはなかったからである。 (せんぱいっ、わたしもう、もうっ!) 「ああ、もう脱水か、早かったな。」 (わたし、もう、頭、真っ白にっ!) 「…そっか。洗濯機は終わりがあるからきちんとイけるのか。」 今更ながらに得心した良太をよそに、アヤノの身体と精神は文字通り限界を迎えていた。 そして、 (あひゃああっ!?わたしっ、わたしっ!もうイキますっ!だめっ、ふぁっ、せんぱいっ、やっ、あっ、あああああっ!?) その声を最後に、洗濯機アヤノの声は、聞こえなくなった。 「自分の体で洗った洗濯物を干す気分はどうだ?」 「…センパイの馬鹿。」 「…ごめん。少しだけやりすぎた。」 「少しだけですか!?」 「いやだって、なんかあれじゃん、あそこで一人別の場所で時間つぶすってのも、なんかかわいそうだったし。俺から見ればあの時はただの洗濯だしな!?一人部屋の中で悶々としてるお前の声聞くのもそれはそれで…精神的に、な?」 「…まあいいでしょう。」 なんだか分からないまま許された良太。パンツを洗濯ばさみに挟むたびに、ああ、これをこいつが口に含んだんだなあと感慨深く思い、その都度アヤノに文句をいわれる。 そしてついでにこれだけは言っておこうと、さりげなく。 「まあ、あれだ。いつも悪いな。できればこれからも頼む。」 「そういうことは、私の顔を見て言ってください。」 「…」 「ヘタレ。」 こういう関係も、間違いとは言い切れないあたり、人間とは不思議である。


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