図書委員の場合
Added 2020-12-02 12:20:21 +0000 UTC「ええと、センパイ、女の子のなっちゃったんですか…」 「…うん、どうかな…?」 図書委員たちの答えは分かっていた。 「かわいいっす!」 「あのっ、俺ッ、せんぱいならっ!」 あたふたし始める図書委員たち。モテないのがまるわかりである。 男子校にはもともと男子しかいないため、可愛らしい男子というものにしばしば注目が集まることがある。 今年の2年のうち、有名どころの一人がこの黒田であった。背の小さいメガネ男子。小柄で童顔、優しい。男子校において同性に持てる要素を備えていたのである。 「かわいい男子ランキングトップ5に入るセンパイなら絶対可愛いと思ってましたっ!」 「う、うん…ありがとう…」 図書委員たちは、クラスの女体化をひそかに楽しみにしていたのである。 ―もし黒田が女体化したら…と。 高くない確率なのは分かっていた。だが、どうしても期待せずにはいられなかった。 そしてあきらめない心は、時としてこういう事態を引き起こす。 同級生、後輩、センパイと、黒田を見る目は変わった…否。 以前よりまして強くなったというべきだろう。 「黒田君、今日はもう帰りなさい。」 「えっ、でも。」 「いいから…」 黒田をとっとと帰らせ、残るは図書委員の面々。3年までも集まってきており、黒田以外の全男子が集結していた。 「これより、黒田和樹(くろだかずき)に対する適切なかかわり方かいぎをおこなう。」 『はっ!』 面々の眼は、本気だった。 「この図書委員は、女子が一人しかいない。黒田君が女子になるまでは、本当の男子校のように、全員が男子だった。だが、誰もイライラすることはなかった。なぜか?理由は簡単だ。黒田君がいたからだ!」 図書委員長の発言に各方面から声が上がる。 「そうだ!」 「その通りだ!黒田君がいたことで図書委員は絶妙な立場をキープしていた!」 全員の意見を聞き終え、委員長は告げる。 「本来、どこの誰が女体化しようが、我々は構わないつもりだった。…ぶっちゃけ、この中から女体化した奴が出てくれば、それはそれでうれしいなとか考えてたが、この結論。黒田君が黒田ちゃんになったことについて、みんなどう思う?」 『最高!』 「だよなあ」 皆は思った。男の気持ちが分かる女の子って、最強だよなあ、と。 そう、黒田君だって男なのだ。 「となれば、男の俺たちが本気でお願いすれば、そこそこの何かはしてくれるはずだ!もちろん!我々は黒田君のことを大切な仲間だと思っている!だから、あの柔道部のような乱暴を彼にしてはいけないことくらい、分かっていると思う。」 言われるまでもなく、全員が分かっていたことだ。 「そこでだ!いったい彼はどこまでならしてくれるのか?どこまでやってくれるのかを考えてみたいと思う!」 全員の眼が真剣そのものだった。 そんな会議が行われていたとはつゆ知らず、翌朝。 (ううっ、女の体って、動きづらい…お風呂も、目のやり場に困るし…) いろいろな苦悩を抱えた黒田は、今日も図書委員の仕事を果たしに図書室の戸をあける。 「よし、今日もがんばって…え?ええっ!?」 図書室の扉を開けるとそこは、男子たちの土下座の集まりだった。 「あ、あの、どうしたんですか?あたまをあげてください!」 『いいえ、俺たちにはそんな資格はないです。』 「え、ええー。でも…」 困惑する黒田は、それでも精いっぱい、図書委員の話を聞こうとした。 「黒田よ。俺たちはお前が女子になったと知って、正直ドキドキしている。女に免疫がないんだ。それは、お前だってわかってもらえると思う。」 「まあ、みんな男子校ですから…」 そこに不思議はないようで、風斗も自分の胸をちらりと見て顔を赤らめる。そのしぐさに胸を打たれた男子は多いようで。顔を赤くする面々がどんどん増えていった。 「そ、そこで、だ。お前に折り入って頼みがあるんだが…」 土下座の姿勢を崩さない委員長がしどろもどろになりながら、 「頼む!女のオナニーを目の前で見せてくれ!」 『お願いします!』 男子たちからのあまりにもストレートなお願いに、黒田は一人、呆然としていた。 「保、僕も男ですから…気持ちはわかりますよ?でも、ぼくもまだ慣れてないし…」 『お願いします!せめてそういう動画でもいいから!』 そのあんまりな熱意に、黒田も押され気味になり、最終的には、 「せ、せめて、も、もう少しだけ待ってくださいっ!いっ、一週間後くらいなら…」 その時、図書室では静かにというルールは確実に霧散し。 『おおおおおおっ!』 図書委員の面々は歓喜の涙を流したという。 この学校には女体化男子用のシャワールームがある。黒田はそこで自分の体を見ることにした。変に大きな鏡が連続して存在するのは、自分の姿を確認させるためだろう。 「自分だけど、自分じゃないみたいで…かわいいかも…」 だが、この時の黒田はどうかしていたようで、おもむろに、鏡の前に座ると、自分の胸を揉み始めた。 「ぼくもっ、今は女の子だからっいいよねっ!んあっ、や、柔らかい…」 10分後、 「ふぁあっ!女の子ってっすごいぃぃっ!ああんっ」 そこには自分のマンコに指を突っ込みながら、喘ぎ声を出す黒田の姿があった。 自分の胸をつまむと、鏡の向こうの美少女は顔をいやらしく赤く染め、よがり狂う。 「アンッ!らめっ!あっ、アンッ!あアアンッ」 そして、声を聴いて、初めてそれは自分が出した甘い声だと気づくのだ。 「こんなのっ、知ったらあっ、アンッ、もう男に戻れなくなるぅっ、やあんっ、ひうっ、やあアアンッ」 「僕っ男なのにぃっ、おマンコっ、気持ちいいっ!きもちいいよぉっ、アアンッ!」 必死に自分の穴に指を突っ込み、かき回す。 まるで、全身が性器になったようであった。 「あんっ!あんっ!これがっ…女の子っ、ああんっ、これがっ、僕っ、ひゃあんっ!」 目の前の自分の様子に興奮してしまい、鏡と分かっていても思わずキスをしてしまう。 その事実に、目の前の自分が唇を奪われている様子に、黒田の全身はますます熱くなった。 「ああんっ、だめぇっ、身体、熱くてぇっ、あんっ、おかしくなるよぉっ!アアアアッ!アンッ!」 だが、勿論あまり触りなれていない女の体だ、黒田の触り方も完ぺきとは言えない。 「もどかしいよぉっ!アンッ、イきたいのにっ!ファアアアンッ、ああっ!」 「胸とおマンコっ…!一緒に触ればっ、ヒャアアン!アアアアンっ!」 だが、黒田の体は着実に進んでおり、限界は意外と早かった。 「な、なにかくるっ、でもっ、ああんっ、ダメえっ、指が止まらないよぉっ!アンッ!アンッ、ヒャアアンっ!」 身体の奥がうずいて、ただでさえ色っぽい声も、だんだんと大きくなっていく。 「あんっ!あんっ!んあっ、ああああっ!ンヒャアアァンッ!」 たった一人、誰にも見られていない環境で、黒田は一人限界を迎える。 「アアンッ!ダメっ、もう限界っ!ぼくっ!男なのにっ、女の子としてイっちゃう!ああっ!ファアアアンッ!」 誰にも見られることはなく、ただ一人、快楽に身をゆだねる黒田が痙攣する。 「はあっ、はあっ、イったっ、女の子っ、すごいぃっ、アンッ、ハアッ…」 黒田が女の子に目覚めた瞬間だった。 数日後、 「はい、これです…ほかの人にばらまいたらダメですよ?」 「ありがとう…ありがとう…」 図書委員にとある動画が配布された。 言わずもがな、黒田のオナニー動画である。 「ああっ、俺たちの黒田君がっ…!」 「俺っ、トイレ行ってくるっ!」 次々とトイレに向かう男たち。 そんな様子をニコニコと見守りながら、どこか以前と雰囲気が変わったような黒田は、 「ふふっ、まったく、かわいいなあ。」 誰にも聞こえないような声で呟き、今日も仕事に取り組むのであった。