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そんなに怖くない食品化

(ん…ああ、こころ、あれ?私、どうしたの…?) 姉のまいが気が付いた時には、妹の心がにやにやしながら見下ろしている状態だった。 こころとまい。二人は魔法使いの子孫にあたるが、魔法が使えるのは一族でこころだけだ。 だからたまにこうして未知の環境に置かれることがあるが、今回はその中でも埒外だったといっていい。 「あ、おねーちゃん、起きた?」 (起きたっていうか、身体が動かないんだけど…これ、どうなってるの…?) 「ん?ああ、そこのところをきちんと説明するね?」 こころはこれでも高校生で、恋の一つでもしたいお年頃だ。 「で、いきなり手料理は難しいから、クッキーでも作ってみようかと思ったの。でも材料が足りなくて。いちいち階に行くのも面倒くさいし。」 (…まさか) 「そう!おねーちゃんに生地になってもらうことにしました!パチパチパチ。」 (ええ・・・) そんなわけで、今回のクッキングテーマはクッキーだ。 「ええとまずは、水とバターを入れてよくかき混ぜないとね。」 (ちょっ…やめてっ、変なもの入れないでっ、混ぜないでっ、おかしくなるっ、目が回るっ、あああああっ) 「大丈夫だよ。ちゃんとレシピ見たもん。あってるはずだもん。たぶん」 (そういう問題じゃないっ…んああああっ!やめろっ、やめてくれぇっ!) 「ええと、混ぜたら適当に冷蔵庫に入れて冷やそうか。じゃあお姉ちゃん、あとでね?」 (ちょっと、待って…) 無情にも冷蔵庫のドアは閉じられ、一時間の間、こころは音楽を聴いて過ごした。 「さてと、そろそろいいかな?お姉ちゃん、どう、固まった?」 (寒い…寒いから…もう出してよ…) 「うん、じゃあ型抜きだね。」 (…へ?) クッキーを作りたい人100人に聞いた結果。クッキーづくりの何が楽しいのか。 型抜きと答える人がほとんどだったという。 (や、やめてぇっ、ああっ、私の意識が分裂していくっ!あ、あれはわたしでっ、ああっ、私が私でぇぇっ、だめぇぇっ!) 「お姉ちゃんって、反応が結構面白いよねー星型もいいけど、ハート形も作っておこう。」 (ああっ!型ごとにわけないでぇぇっ!だめっ、だめだからああっ!) 「さて、あとは焼くだけだけど。ああ、安心して、少し熱いけど死にはしないから。苦しくないように調節してあるからね。」 (はあっ、ハアッ…もう、もうやだああっ・・・) 「もうひと踏ん張り!がんばれ。」 (あ、あああっ、こころっ、もうやめてくれ…) 「じゃあ‼完成したらまた会おう!」 (こころおおおおおおっ!) そうして、完成したものがこちらになります。 (はああっ、はあっ、や、やっと終わ…ひゃあああああっ!こころっ、何をっ!) 「ああ、食べられて感じちゃった?マンコの部分も胸の部分も混ぜ込まれてるからねえ。ちょっとずつ味わって食べてあげるね?」 (あんっ、やめてくれぇぇっ、あんっ!あんっ!) 「これは試作品だからね。最後まで残さず食べてあげる。」 (はあっ、おねがいだっ、あっ、全部食べないでっ…戻れなくなるっ) 「大丈夫、何とかなるって、多分。」 (こころっ、やめてぇぇっ、ふゃああっ、ひゃああっ) 「最後のひと切れだけど、どうしよっかなー」 ツンツンとつつくたびにびくびくと震えるクッキー。 (やあっ、もうひとおもいに食べてくれぇぇっ、からだがもうっ、おかしくなりそうだぁぁっ!) 「ふふっ、やっと素直になったね。じゃあ、ごちそうさまでした。」 (ふぁああああああんっ!) 「あ、あれ…?」 「おはよう。お姉ちゃん。」 「私、戻ったの?」 「うん、私の体内から分離するだけだから。」 「そう…」 安心した表情を見せる愛。だがここで、違和感に気づく。 「あれ?私の体がいまいち動かないんだけど…」 「料理の上達には練習あるのみ!そんなわけでもう一回生地になって、ね?」 (いやあああああああっ!) 姉の絶叫が響き渡った。


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