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月刊くじら 2023年4・5月合併号

6月になっちまった。

 申し訳ない。まとまった文章書けなかった。タイトルは自戒のために4・5月合併号のまま。

 一応5月の間に何個か別の記事は投稿したけど、これを出していなかったことがずっとなんか引っかかってたのでとりあえず書き上げることにする。


〈目次〉

・ファミレスにいる

・天使のつばさはマジックテープ

・奥多摩に電話機を看取りに行った。

・今月と先月の落書き。

・最近作ったもの

・おまけ


それではいってみよう。


・ファミレスにいる

 ファミレスにいる。


 奥のほうが仄暗くて見えにくいほどのぼんやりとした明かりは、お店の雰囲気を作るためのもののように見えて、その実、お客さんが自分や他人の姿を具体的に認識しないようにこの明るさにしているんだな、とわかる。


 また、かちゃかちゃと食器が鳴る音も、食事の際の音も、全部が「自然に発生している」というよりは、意図的に空間性を付加しているように感じる。自分だけ?


 目の前の細長いグラスにはいっぱいに水が張ってあって、自分が目をやったときだけ、思い出したように、冷や汗をじわっとかくみたいに結露する。グラスも客商売をしているので、お客さんに見られたときにはがんばって水の入ったグラスをまっとうしようとする。


 相席している目の前の男が話してくれる。顔立ちまでしっかりと見える距離なのにどうにも認識しにくいままで。

ひそひそと、

「驚かないで聞いて欲しいんだけど、ここの客はみんな幽霊なんだよ。」


 「みんな幽霊で、だけどそういう奴らの中で、自分を何者か定義できるほど魂の強度をもっていない人たちが唯一自分を霧散させない方法として、こうしてここで反復行動として食事のまねごとを繰り返すんだよ。」


 「ここの職員は、つまり店員さんや料理やお水や、食器や椅子や机は、そういうもんたちが幽霊として居続けられるように、ずっと『食事という行為』を提供し続けているんだ。」


 目線だけで周りを見やると、何度見たって果たしてどの人も静かに咀嚼し、複数人の席では不明瞭な会話を続けていて、食事を楽しんでいるというよりは、むしろ「食事をしていることを継続しつつ、それを意識外に置いている」感じがする。そういう事実を、やっぱり薄暗い店内がごまかしてくれるのだ。


 そしてその話をこのひとから聞くのも、もう何回目になるのかわからない。ただ時間を進めることをを放棄して得た擬似的な永遠のなかで、このひとも含めて、みんなが自分の魂が消えるのをなんとなしに酷く恐れて、不明瞭なまま存在することを望んでいる。


 ここを出るためには一言きみに「その話、本当はもう何回も聞いてるんだよ。」と申し訳なさそうに言えばいい。そうすればきみがまず居なくなって、それからきみが居なくなったことが弱くゆるやかに空間を伝播して、他のみんなも自重でほどけていき、誰も居なくなってしまった店内をあとにすることができるだろう。


 それがでどうにもできなくて、ぼくはもうずっとファミレスにいる。


・天使のつばさはマジックテープ



 例えば天使なんかも、東京なんかで天上のお仕事をするには分厚くて重厚なつばさが邪魔になると思う。依頼先が路地裏だったときなんかは体ほど大きいつばさに、植物のかけらや小さな生き物、ばっちい水や、すすやホコリがついてしまうからきっと困るだろう。


 もしも天使が定期的に製造される天上の生き物だとしたら、最近になって例えばどこかの地上査察使が、地上の世界のマジックテープに着想を得て、「天使の羽も現代の地上の住宅事情を考慮して、脱着可能なものにするのなんてどうでしょうかね。」なんて言い出し、実行されたとしたら。


 まず、当然つばさも脳からの命令で動かすので、羽そのものにもしっかり神経が通っていることが前提として、つばさを脱着可能にするには、くっつけた時にちゃんと神経もつながらなくてはならない(つまり我々が体と腕を切り離して、くっつけるといつでも使えるようにする、みたいなイメージ)。


 そこで、神経を芯にしてチューブ状に被覆した、光ファイバーみたいな神経線をつばさと体の接着地点から出るようにして、それが接続された時に神経が繋がるようにする。まずマジックテープ(天上のマジックテープは頑丈なのでぐらつかない)でつばさと体をくっつけ、くっつけたところの内部でさらに覆われて守られた神経が接続されることで、不慮の事故で神経が千切れることを防ぐことができる。


 こんなかんじ。隆起した肩甲骨部分は目立つから、普段から服装とかに気をつけないといけないかもしれない。さらさらの夏用マフラーとか!


 そういえば分離する機構上、つばさの方も一つの生命みたいになるので、本体の心臓とつながっていない状態で血液を回して、栄養を取らなくてはならない。(一応つばさを完全な「モノ」にすることもできるけど、造花みたいになってしまうし。あと、ヒトが外付けのつばさとかで飛ぼうとすると苦労がものすごいからなあ。)

 これについてはどうしよう、手持ちの楽器ケースみたいな大きい鞄の中に、擬似的な心臓や栄養タンクみたいなものを、接続部位から供給するような場所をつくって、普段はそこで保管とつばさの生命維持をする、とかでもいいのかもしれない。


 あるいは、つばさそのものに生命活動をさせる手もある。そっちのほうが自然だし単純だけど、常に命を三つ(本体と両翼それぞれ)携行しているのはちょっとコスト高いし、何よりつばさの扱いが難しくなりそうだからなあ。位の高めの天使しかそういうのは許されないかもしれない。こっちのケースはなんの装置も必要ないので、より簡易的で、金管用の楽器ケースみたいに中がふかふかのものを用意しようか。


 パカっとケースを開けて見せてもらうと、小さな哺乳類を手の中に包んでいるようなほのかな体温があるんだね。基本的に脳はないけど、ある程度の神経と命令系統は備えているから、ひょっとしたら改造してミニ脳なんかをくっつけてやれば、ある程度思考して勝手に動いてくれるつばさができるかもしれない。車のAI走行の原初バージョンみたいに。



 なんといっても分離式つばさの便利なのは、ひと目で天使とわかるような装いではなくなるというか、(まあ見た目のあまりの清潔さなどで、分かる人には分かるんだけど)雑踏に紛れられるほどには目立たなくなるので、人間の行動範囲に深く入っての仕事がやりやすくなるということ。仕事のついでに人間界の土産をちょろっと買っていくとか、焼売のお弁当を新幹線でつまむとか、そんなこともできるかもしれない(そんな「欲」があの子らにそもそもあるのかはわからないが)。


肩甲骨の穴から、一斉に神経線を伸ばしている天使。


 とにかく、最近はそんな感じのことを考えていた。なんか、つばさの片一方をなくしちゃった子がもう片っぽを人間の作った義翼にして、なくした方を探す話とか、あるいは小さな子が、家にやってきた天使の肩の隆起を見てしまう話とか、ありがちなお話でも楽しくなりそうな設定でいいなぁと思った。


 天使の制服の多くは白い服だから、白い服を着て、大きな、チューバだとかコントラバスが入るようなケースを携帯している子がいたら、ひょっとするとはそういうことなのかも知れない。


・奥多摩に電話機を看取りにいった。


 これはもう先月の初めの方の話だけど、マシュマロにて「電ǂ鯨のアイコンにしている電話機が撤去される」という話を聞き、自分のアイコン性を数年間も支えてくれたあの子を、最後に一目でもみておこう、と思い、深夜に車で奥多摩まで飛んで行った(この車は文字通り本当に「飛んで行った」のである。羽が生えてね…)


 夜の道、奥多摩までゆるゆると街に占める人間さの密度(人工物も含めて、ひとが縄張りとしている感じ)が下がっていくのがとても心地よかった。途中鹿や狸なんかも出てきて、特に鹿はアスファルトの真ん中でバランスを崩してヘロヘロとこけそうになっていた。


 日頃は電車で、主に曇りの日や彩度が低い日なんかに出かけてゆくのだけど、夜中にあそこまで車で行くと、空気の冷えた感じや無人の時間帯の感じも相まって、周りが森になっていくたびに「自分の中で『神域』と定義している場所に行くんだな」という感じがより一層強い。


 どういうきっかけであの場所をそういうものとして捉え始めたのかはもはや覚えていないけれど、あそこでは自分と周りの境目があいまいになるというか、脳がとろけて周りにトロ出していくような感覚を得ることができる。頭の中にいつでもある、秋か春の冷たいしとしと雨降りの、青い日の川沿いの道を歩く風景だとか、真っ黒な夜のしたで、駅から見えない鎖でつながっている程度の限りなく狭い行動範囲のなかで見るあらゆるものの感覚。いわゆる極度に理想化偶像化されて、もはや架空になってしまったよ〜な景色や場所に、現実世界で一番接近できるから奥多摩が好きなのかもしれない(そしてまたその時見たものは、いくらかの時間を置いて架空の景色の肥やしになる)。


 そして今回は車できたから、電車の時間を全く考慮しないで歩き回れるのがよかったね。


奥多摩線白丸駅入口。この階段を登ると自分のアイコンの電話機がある。

あった。(ちなみにこの写真Twitterにあげたらちょっと伸び始めたからすぐ消した。)この銀のケーブルのだらしなく飛び出した感じとか、若干虫のすみかになってるところとか、扉がギイと開くところとか、ちょっとほっとかれているところもよかった。


 令和5年4月13日をもって、この電話機は完全に現実のこの場所から消滅して、あたしや誰かの頭の中で永遠になったそうです。形がなくなることで、こわれないかたちを、各々の思考や記録の中に確立した、とも思っていて、そんなことが自分の一番身近なアイコンにおこったことが不思議でおもしろい。


 けどやっぱりさみしい。あの後はまだ見に行ってないけど、今度また行こうかな。


以下、ついでに夜通し散策したさいの写真

奥多摩駅周辺。ちょっといつもは行かないところまで歩いた。

ブレ。正直写真に関しては特に綺麗に撮る趣味はないし、こういうのが一枚くらいあった方が、差し色的に記憶を呼び起こしやすくなってすき。


なんなら制作に使うときは、ある程度情報が曖昧な方が、特定の場所さが薄れていいのかな、なんて思っている。

綺麗な街だった。あかりが全体的に赤みがかっているなのが、なおさら景色を引き立たせている。

橋。ふたごの街灯がきれーだね。

石灰の工場。駅の向こうの学校の付近から。


 今度は昼に行きたいな。街でない、山のほうにたましいが根付いているから(山鯨ってことなのか?)、最近は山欠乏症になっている。


 酒蔵も見に行きたいし、温泉にも入りたいなァ。


・今月と先月の落書き

グッズ欲しいねのらくがき(あたしの場合、グッズ出すには曲書かなきゃいけないんだけど。義務的な気持ち)。ていうかストピくん以外にも色々ほしい。


★グッズ小話

 それはそれとして、うちのリスナーは多分「グッズだぞ!」っていうのよりも、もっとささやかなものが欲しいんじゃなかろうかと思っている(普段使ってても、あわよくばなんとも思われんような。)。当たってるのかはわからないけど…。


 あたしの中では(あたしの中では、ね。みなさんにはみなさんなりの価値があるだろうし)割とグッズはお守りのイメージがあって、例えば2018のときなんかは、琴葉姉妹のアクキーをかばんの中に入れて「この子たちがいるから大丈夫」とやっていた。


 それの延長というか、たとえばみんなの持ってる身の回りの小さなもののいくつかにあたしの世界をちらっと侵入させて、そういうお守りにする、ってコンセプトで作るのはどーなんだろう。と考えている。


 前にマシュマロでいいグッズの候補をもらった(まだ秘密)んだけど、まあ「こんなものが欲しい!」なんてのがあったら、教えてくれると経験の少ないあたしとしても助かるわけです。知見が広がるからね。


もしなんかあったら教えてくださいな。お願いしますm(_ _)m


(以下、再び落書き)

iPad導入直後。まだ入り抜きがひょろひょろしてる。

導入直後その2。ダバダバストピくんのアニメーションもどきだ!クリスタ(お絵かきソフト)の高い方にしたので、アニメがたくさん描けるようになりました。ソフトが別物すぎてびっくりした。これ入れてたら「ねむりも」の動画とかにあんな時間かからなかったかもしれない。なので練習。

困っちゃったときの。この辺で「あ、能動的に絵を書くことをしていない」と気付いたので反省して今は色々練習するようにしている。

で、やけくそ。

左目の中に化け物の卵がずっと温められている子。自分の中にずっと飼って飼い続けている心のわだかまり、解決できない日常のもやもやみたいなものが日々左の眼窩のたまごに温度と栄養を与え続ける。ついには目は真っ赤に充血して、隠さなきゃいけないほどになってしまった。


孵化直前のころの絵。

反省したので少しずつ練習。できていないうちに下手になっている。

練習その2。なにこれ。

・最近作ったもの

 とりあえずボカデュオ関連だったり、リミックスだったりもあって忙しく、どうしてもすぐに自分のコンテンツを出せるような状態にならなさそうだったので、「ならばちょっとしたモノでも作ってしまおう!」と思って、とりあえず短い曲を最速で作って、妹に文字入れと背景をお願いした。


 その流れで動画構図の確認とかもだいぶ相談しながら進めたんだけど、やっぱり1人でずっと変なとこにつまづいてるよりも大分いい。思ってたよりも、周りに誰かいる状態での制作は自分にとっていいのかもしれない。ためしに、今後はしばらく各所に助けてもらいながら、なおかつ自分のおいしいと思うところもうまく混ぜ込みながら制作してみようかな、と思っている。


以下ラフ

構図ラフ。デカシャワー側から俯瞰しているような感じにしようと思ったけど難しすぎてやめた。

ストピくん案1。かわいい。けどなんか牛みたいになっちゃった。

最終的に泥っぽくして花を咲かせることにした。頭から花が生えてるの可愛い。



ちなみにこいつはクリスタのアニメーション機能の練習も兼ねている。こうも簡単に作れるのはありがたいな。

これは観賞用のストピくんgif。



・おまけ

ボカデュオやリミックスやなんかでうんうん唸っていたので4、5月はちゃんとした曲を書いていなかったので、合間になんとなく作ったものを何本か。


FLstudioの練習で作ったサティのジュ・トゥ・ヴ(最初の方だけ、著作権切れ確認済)

jutoxuvu


これはなんとなくつくったやつ。

word detekohen

これも。

amehitori2


・さいごに

 書くことばっかりいっぱいあったのにため込んでしまった。本当にすまない。それはそれとして、レシートみたいなFANBOXを出すことはわりと楽しいことの一つだったりする。


 今月号をあくまで4、5月合併号と銘打ったからには6月号の更新も近いうちにして、帳尻を合わせなければならないし、まだ話すことはかなりあるはずなので、それは次回に持ち越すことにします。


 今回どうにかして書き上げるにあたって大きな役割を果たしてくれたのが、友人の貸してくれたiPadであり、最近自宅の海のPC周りがほとんど用をなさなくなってきていることもあって(フジツボだらけになって起動スイッチがもう押せない)、ペンタブで絵を書くのがやりにくいときに、どこでも無限に書けるiPadはものすごくありがたい。


 外でノートを開いて、そこに何か書いて、カメラで撮ってPCに送る手間が大分省略された。すごい。なんなら起き上がれないような状態でもむりくり絵を書けるので、少しずつ死ぬ時間が減っている気がする。


 ひょっとしたらあたしの知らないだけで、そういうなんかすごい便利グッズみたいなのってたくさんあるのかも。探したり方々に尋ねて教えてもらったりします。あたしもあたしなりに探すので、みんなも気が向いたら教えてネ。




 さて、今月号はここまでです。本当に遅くなって申し訳ない。いつもありがとう。非常に助かってます。わたしは君たちに奥多摩にいかせてもらったり、曲かかせてもらっていると言っても全く過言ではない。ありがとう。そして久しぶりに言うけど無理はしないようにおねがいします。


 じゃあ曲書いたり、グッズの案を練ったり、さぼってた販促をしたりします。


 それではまた近いうちに



以上




                       小骨が刺さりませんように。


              あ、あとサムネイルそろそろ変えたい。本当に以上

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