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月刊くじら 3月号

 色々作った。色々あった。これからも色々あることだろう。インターネットの深海からこんばんは、どうも電ǂ鯨です。


 最近だと出歩くことが少なくなった影響で、夜が怖くなってしまったことがあんまりにもショックでした。いつか話したかもしれないが、深く奥底まで旅行という行為を楽しむには、まずからだがその場所に馴染んでいることが前提条件だと私は思う。だからこそ、そこに対する物珍しさ、そぐわない感じに支配されているうちは、そこに落ちているありふれたよいものが見つけにくい(その場に慣れないからこその良さも当然あるのだが、それはそれとして)。


 いまは夜を旅行するにしても、まだ空間そのものに慣れていないので、何かを拾い上げることまで頭が働かないわけです。だから、なるべく早くまた自分の時間として取り戻したいものですね。


という話をしたところで、3月号始まるよ。


〈目次〉

・異次元散歩メソッド

・今月の落書き

・最近の制作の話

・おまけ


・異次元散歩メソッド


 さて、最近世情からして、遠くに行くことは推奨されていない。なので、わたしもからだを動かす時なんてのは、少し歩いて銭湯に行く時だったり、近場のスーパーに売っていないような食料品を買いに行く時だったり、パソコン周りの何かしらを物色しに行くときなどに限られてしまうわけだが、その最小限の移動距離をなんとか自分にとって情景の餌場にしようと試みた結果、見つけた方法が「異次元散歩メソッド」というわけ。


 つまるところ、例えば駅を出て、目的地に行き、駅に戻るまでに自分が歩く知らない道を「止むを得ず通る、いつも過ごしている次元から少しずれた世界」と定義する、という散歩法なのです。例えば普通に街にある電灯と、知らない次元にある灯り装置だったら、捉え方とか向き合った時の感情も全く変わってくるというわけ。前者は普通にホッとする灯りだけど、後者は「定期的に浴びないと体の分子がほつれてしまう」ような、レジンを固める光みたいなものだと見なすことができる。


異次元散歩メソッドは以下の手順で行われる。


手順① 関所で必要な薬を買う

 駅を降り、異次元を通らないと目的のスーパーで必要なパスタが買えない。しかしそこは本来自分たちの適応している環境ではないので、1分とたたずに体がほつれてしまう。そうなったらもうこちらには帰れないので、コンビニで必要な薬品を買う必要がある。それは一見するとふつーのホワイトチョコレートだが、一粒食べると一定の時間、体をほつれないように維持することができる(向こう的には普通の食料品だけど、偶然にもこちらの住民に対してそういう効果を持っている)。まあ場所によって薬がどういう形態かは違うので、気をつけて見定めましょう。あ、あと通貨はしっかり元の世界のもので支払えるところにしましょうね。


手順② 出発する

 さて、間違ったら体がほどけてしまうわけですが、決して焦ってはいけません。私たちの目的のうち一つは、「異次元のたくさんの景色を目に収めること」でもあるわけだから。頭と目と、その他五感をフルに活用して、異次元の世界を頭に組んでいきましょう。メイン通りの地面の材質はコンクリートじゃないかもしれない。黒くグニグニした、ゴムのようなアスファルトかもしれない。本当は住宅地でも一本道で、左右の分かれ道は絵や何かで、通るとぶつかってしまうのかもしれない。もしくはあの鉄塔は送電のためではなく、街全体に存在しない空を映し出すためのスクリーンの部品なのかもしれない。夜は昼になり、昼は幻想色に変わるかも。ここで薬をまた一粒、使わなければ体がほどけてしまう。危なかった、小指が少しほつれたボタンみたいになっていた。でも服用したのでしばらくしたら戻るだろう。現実であった人間たちで、困ったように笑いながら糸くず状になった腕の表面を見せてくれたひとがいたっけな。あれは次元をまたぐ医院じゃないと治してもらえないだろうな。

 しかし気をつけなければならない。恐れから薬を一度に大量に服用してしまうと、体が向こうから戻れなくなってしまうので。最初のうちはマニュアル通りの間隔で、一粒ずつ、怖さを感じても焦らないで。慣れたら「油断さえしなければ」適切なタイミングで服用することができるよーになります。


手順③ 目的を果たす

 目的のお店に着いたのなら、早くそこで買い物を済ませましょう。早くと言っても、見たことのない謎の野菜やら、知らん文字でラベルに色々書いてある知らん調味料を、次の買い物に来る時のために目星つけながら。だけどあまりジロジロ見てはいけないし、驚いたそぶりを出してもいけない。こっちが向こうから見てユーレイみたいなものだとして、ユーレイと分かったらみんな不安がってしまうので。なるべく、普通に、違和感のないように、滑らかに目線、手、足を動かして。向こうの通貨も忘れずに持ってきましたか?それではお会計へ。


手順④ 帰る

 さて、目的も半分は果たせたわけなので、帰り道は適度な緊張感を持ちながら、油断せずに楽しみましょう。うっかり服用を忘れてほどけないように。行きの景色と比べて、帰りの景色は弛緩していることが多いので、緩んだ箇所から新しく見えるようになった色々なものを見てみましょう。駅に着くまでにすべての薬を飲み切って、あとはさも何事もなかったかのような顔をして最寄り駅まで。


 そうやって見るもの聞くものとかのいろいろを電飾で飾り付ければ、誰もがまたもう少し永らえることができるだろうか?


・今月の落書き

繰り返し言うが絵がすごく青いのはうちの照明に青いフィルムをかぶせて、部屋中が真っ青になるようにしているから。昼白色の蛍光灯は怖い、なんか知らんけど。暖色の灯か、あるいは海の底みたいな色か、あるいは色々意味のある色がいい。

書きなぐり。

書きなぐり2。

書きなぐり3。

曲用イラストラフ。(後述の理由により一旦打ち止め。)


・最近の制作の話

 二月に暮しガスメータを投稿した後に、間髪入れずに次の作品を書こうと思った、というか書いていたんだけど、思った以上にうまくいかなかった。大抵歌詞を書くときに「説明臭さ、登場人物がどういう状況にいるかを話すことに歌詞の多くの部分を割くこと」をなるべく減らすように心がけているんだけど、これがどうしても今回は状況説明になってしまう。かといって、抽象的な感情を書くだけで済ませてしまうのも、あまりにも説明不足だなあ、と思ってしまう。


 結局のところ、歌詞でもなんでも過去との連続性を考えてしまうとダメだ。守るべきものだとか時間だとか人とのつながりだとかが自分を形成して、形成した型から動けなくなってしまうことが自分を細らせていくのが許せない。そういうものが、なんだか自分の中で「今までの自分とつじつまを合わせよう」なんて思考を導いてしまう部品の一つになってしまっているんではなかろうか。


 まあそういった意味で一旦制作を打ち止めにして別の曲を何個か書いている。

そのうちの一つは何とかして早いうちに作っちまいたいものです。なぜなら今月、ちょっとすごいことが起こったりするので、その時に自分を新しく知ってくれた人とかいきものたちに、「ちゃんと今作っているよ、作品を出しているよ」ってことを分かってもらいたい。まあリスナー諸氏においては、ほんの少しだけでも楽しみにしていてもらえると嬉しいです。


・おまけ

 落書き程度の段階の曲のラフ(楽器とかも適当。ここから直したり厚みを出したりする)

コンビニ街落書き段階

 サビのベースのグルーブ感が結構気に入っている。ただ歌詞に悩んでいるので優先順位は二番目以降になりそう。


 変な曲作ってるときが最近楽しい。ガスメータは明確にカタルシス的な展開のある曲だから、しばらくはなんか力を入れない、アルバムの中ほどに入れるような曲が書きたい。


 力を付けたい。強くなりたい。そのために例えばこれから駄目なものをたくさん作ったとしても、通過儀礼のようにそこから手がかりをちゃんと得たいと思う。



 さて、こんなところで月刊くじら3月号は終わりです。今月はなんだか色々なことが起きそうな気がする。それにこころのほうがついて来てくれりゃ上々だと思う。あと上に書いたようにちょっとすごいこと(自分の中では)が起こるので、楽しみにしていてくれればなと。3月は転機の多い月になりそうなので、しっかり自分をたもって、地道にやっていけれあいいなと思います。作業配信等でリスナーたちの世話になることも多いと思うので、気が向いたら遊びに来てください。まぁ任せます。


 それから、最近音楽制作ソフトで「Cubase」というやつを導入したのだけど(分かる人は分かる、有名で安定しているソフト)、思ったより操作感が難しくて途方にくれたりしている。もしも使えるようになれば、現環境と相性の悪い、自分の好きなシンセサイザー(Dexed、Massive Xなど)が使えるようになるので是非とも覚えたいが、思ったより時間がかかりそう。分厚い説明書てきな本を買ったのだけど、説明書に書いてある言葉の意味さえ分からない現象が起こっている。

 いままではそういう問題に関して、一人で数か月格闘して諦めたりしていたが、最近少しずつ対外的に交流を増やすように心がけているので(また、幸運にもそういう機会を多く頂いている)、誰か他のいきものとかの手を借りたりするのもいいかもしれないね。いずれにせよ、去年や一昨年の、何も作れんかったときとは自分を取り巻く状況が変わりつつあるのを感じるので、しっかり伸ばしてくれた手はつかむようにしたいと思う。


 まあ自分がここまでこうやって細々続けられているのも、リスナー諸氏、それから支援してくれている皆の助けがあってこそなので、本当に毎月ながらありがとう。なおかつ無理せずに、続けるなりやめるなり、お気軽にしていただければ幸いです。

 それでは頑張ります。これからも気が向いた場合は電ǂ鯨をよろしく頼むよ。


では。





                         …Cubase覚えなきゃね。



                     3月号おし米(高級銘柄米(うそ))

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