仮タイトルは「妄信が怖い」。
最初に思い付いたフレーズが「モニターの前に不安なたましいが座っている」という一節。なるべくやるせなさそうに笑う感じが表現したかった。まあそういうのは伝わらなくたっていい。
●ラフ
この時点では「もう信じることさえ」が「妄信することさえ」だった。ちょっとひねくれてて好きではあったが、あまり複雑な言い回しを盛り上がるところにもっていきたくない。できれば平易な言葉でわかりやすく聞き手の心臓をサクっと一突きにしてやりたい。ようかんにナイフを突き刺す感じで。あとこのときはたのCパート(加速するところ)がなかった。
●下書き
上のラフに全体の流れを付けたもの。ここでたのCパートが生まれた。ここで最後めちゃくちゃ早くしたら面白そうだなと思ってそうした。この時点ではただの早回しなので滑稽さがまさっている。たのCパートはきっと歌うときにすごく楽しいんだろうな、と思いながらなるべく素直なメロディにするよう心掛けた。
●たのCパート(こだわりポイント)
前に月刊くじらで少しここら辺乗っけたけど一応再掲。
主にこの辺の主役を担っているのはベースとリードシンセ。どっちもTAL-Noizemaker。こういうパキッとしつつ厚い音を出すときに重宝している。現状使用率上位のフリーシンセ。メロディが素直なので、その代わりとして二つのパートがそれぞれ不協和になるようにフレーズを作っている(0:09とかわかりやすい)。
二回目のたのCパートの後半は、とにかくごちゃごちゃさせるのを目指した。
左のピアノはなるべく素直な、練習曲みたいなフレーズに。その分安定するのでベースとリードは暴れていい。0:10のリードのフレーズが個人的に気に入っている。こういう時はなるべく、不協和を作っても他のところでバランスを取って、ぎりぎりの線でポップに収まるような音の組み方を心がけている。
真ん中の後ろの方で鳴っているのはVOX Continentalのオルガンの音色。最近オルガンの中でもこれがお気に入り。自分の中ではモーモールルギャバンのキーボードのユコ=カティがよく使っているイメージ。何が好きっておもちゃみたいないい意味での薄っぺらさがあって(個人の感想)、その個性がすごく前に出てくれる。ちなみにくらがりでも使用している。
●サルパ
コーラスにサルパの名前を入れるのは京都のイベントの前日、四条のあたりを歩いているときに決めた。絶対に左右でサルパを連呼している姉妹ちゃんはかわいいから。他に深い意味はない。
途中で語呂とかリズムが良くなるから、色々な種類のサルパの名前を入れた。歌詞に載せていないのは本筋から大分離れているから。
●その他楽器こだわりポイント
ドラムはTR-707、727のセットに909と808をごちゃごちゃに混ぜたうえで、キックとスネアだけフリーのDR-Fusion2のものに差し替えている。ドラムを打ち込むときはなるべく泥臭くなるように、故意的にハウスとかダンスよりもロックとかテクノの雰囲気に寄せた。なのでタム(中太鼓)とかがドコドコいっている。
あと最後のオルガンは不安な音程で〆ることで不吉さをあらわしたつもり。
●歌詞について(細かい解釈は除く)
基本的なテーマは、「不安と閉塞と絶望感の中で、他にどうしようもないから一番きれいに踊っていることを選んだこどもたち」というもの。「こどもたち」っていうのはいわゆる良い意味での幼児性というか、まあ製作者は50%しか伝えられないので、各々好きに解釈してもらって構わない。残りの50%を自分の解釈で受け入れることで、リスナーにとって楽曲は完成するものだから。
ちなみに一番気に入っているところは
「世界でいちばんごみための夜にぼくらはいちばんまたたいたねえ。」
ってところ。
サムネのこれは適当に描いた落書き。ストピくんは結局歌わなかった。
ということで、行き場をなくした裏話。