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あいまり
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注文の多いサキュバス様

 太陽が大分西に傾き、空が僅かに茜色に染まり始めた頃。  二人の若い少女が、大分山奥の木の葉がよく茂ったところを歩いていた。  一人は金髪に赤い目をしており、機動性を重視したような軽めの鎧を身に纏い、腰に提げた剣の鞘をカタカタと揺らしている。  もう一人は銀色の髪に青い目をしており、袖口や裾に幾何学的な模様が描かれたローブを着て、身の丈程もある木彫りの杖を両手で握りしめていた。 「それにしても、この山はハズレだったね。魔物どころか、鳥も獣も一匹もいないし。……何でも構わないから、一匹くらい何か仕留めたかったんだけどなぁ~」 「あはは……最近この辺りの魔物に関するクエストが多く出回ってるから、刈り尽くされたのかもね」  退屈そうに呟く金髪の少女……アクル・エーテンの言葉に、銀髪の少女……シーナ・コクトーラは苦笑交じりに答えた。  彼女達は冒険者だ。  駆け出しの新人ではあるが、決して弱いわけではなく、冒険者を始めた時期にしては強い部類に入る。  個人の力はそこまで高くないのだが、彼女達は元々幼馴染で相性が良く、各々の欠点を連携で補い合っているのだ。  そんな二人にとって当面の問題は、やはりレベルの低さ。  冒険者としてのクエストも重要ではあるが、やはりクエストの攻略にもある程度の強さは必要である為、今回は拠点にしている町から少し離れた場所にある山に来ていた。  確かに、彼女達が来ている山には、ここ数日で多くのクエストが来ていた。  それは主に、この山に出る魔物の討伐に関するものだ。  しかし、二人が来ている場所は山の中でも大分奥の方だった。  この辺りの町を拠点にして長く活動している冒険者ですら、ちょっとまごついてどこかに行ってしまう程の山奥だった。  現に、二人の周りは薄い霧で包まれており、冬でも無いのに少し肌寒くなってきている。 「……今日はもう戻らない?」  日も落ちてきたからか、アクルがそんな風に提案した。  彼女の提案に、シーナは辺りを見渡しながら「そうだね」と答えた。 「寒くなったし、お腹も空いてきたし……そろそろ戻っても良いかもね」 「それじゃあ、これで切り上げようか。町に戻って、宿屋で晩御飯でも食べよう」 「そうだね。あそこのご飯美味しいし」  他愛のない雑談をしながら、二人は帰路につく。  ……否、つこうとした。  帰ろうとしたのも束の間、どっちへ行けば山を下りられるのか、いっこうに見当がつかなくなっていたのだ。  二人の不安を煽るように風が強く吹き始め、草木が徐々に大きな音を立て始める。 「……ねぇ、これマズくない……?」 「うん。……私達、どっちから来たっけ?」 「さぁ……とにかく、歩いてみないと……」  草木がやかましい音を立てる中で、二人は辺りを見渡しながら、そんな風に言う。  風が吹いたからだろうか。  辺りを包み込んでいた薄い霧が、徐々に晴れていく。  すると、二人がいる所から少し離れた場所に、立派な一軒屋が建っていることに気付いた。 「あっ……!」 「家だ……!」  それを見た瞬間、二人は目を輝かせ、すぐさまその家に向かって駆け出した。  近付いてみると、その建物は白い石造りの壁に煉瓦の屋根をしており、実に立派なものだった。  玄関には暗い茶色の重々しい扉が建っており、『RESTAURANT SUCCUBUS HOUSE』と書かれた札が出ていた。 「レスト……ラン……?」 「……料理店、みたいだね……?」  玄関の札を見て、二人はそんな風に呟いた。  すると、アクルはポンッと手を軽く打って「そうだ!」と呟いた。 「丁度良いや。開いてるみたいだし、中に入って店員さんに道を聞いてみようよ! それで、ついでにご飯食べていこうよ」 「でも、こんな所にお店なんて変じゃない? 何か変な店だったりして……」 「このままあてもなく歩きまわるよりはマシだって! ホラ、入ってみよう?」 「うーん……そうだね。入ろう」  少し不審に思った様子のシーナだったが、アクルに押し切られる形で、中に入ることにした。  重々しい扉に手を掛け、ギィ……と軋むような音を立てながら、ゆっくりと開いていく。  すると、途端に何やら甘い匂いがした。 「……ッ? 何、この……匂い……?」 「わ、分からない……でも……甘い、匂い……だね……?」  驚いた様子で言いつつ、二人は店の中に一歩ずつ、踏み込んでいく。  料理店にしては、やけに甘い……甘ったるいとも言えるような匂い。  駆け出しとは言え、一応は冒険者をやっている身。  平常時ならば、この時点で不信感を抱いて店を飛び出していてもおかしくない。  ……しかし……。 「……いい……におい……」 「うん……いいにおい……」  気付けば、二人はぼんやりと虚空を見つめながら、どこかうわ言のようにそう呟いた。  扉に添えていた両手が、重力に従ってダランと垂れ下がる。  すると、重厚な扉はギィィ……と鈍い音を立てながら、ひとりでにゆっくりと閉じていく。  背後で扉が勝手に閉まるという異様な状況にも関わらず、二人は閉まる扉を止めるような動作も見せず、相も変わらず虚ろな表情でただ呆然と虚空を見つめた。  やがて、扉はバタン……と重たい音を立てて、完全に閉じてしまった。  玄関に入った所はすぐ廊下になっており、左右の壁には扉どころか絵画や置物なんかも一切無かった。  料理店と言う割には不自然なまでに飾り気の無い廊下だったが、二人がそれを気にすることは無い。  それどころか、まるで何かに引き寄せられるように、フラフラと廊下の奥に向かって歩き始める。  廊下はそこまで長くなく、すぐに突き当りの壁に到達した。  そこには一つの扉があり、その横の壁には鏡が掛かっていて、脇には長い柄のついたブラシが一つ置いてあった。  顔を上げてみると、扉には赤い文字で文章が書いてあった。 『お客様方、ここで髪をきちんとして、それから履物の泥を落として下さい。』 「かみ……きちんと……」 「どろ……おとす……」  虚ろな目でしばし文章を凝視していた二人は、やがてうわ言のようにそう呟きながら、それぞれ指示された行為を始めた。  備え付けられていたブラシで髪を整え、靴についた泥を落とす。  二人がそれぞれ髪を整えてブラシを元の場所に戻すと、瞬く間にそれはぼうっと霞んで無くなり、部屋の中に風が吹き込んできた。  しかし、今の二人がそれを気にする様子は無く、虚ろな表情のまま扉を開けて次の部屋に入った。  そこは先程の廊下のような形では無く、一つの個室のような形状になっていた。  壁際には黒い台のようなものがあり、奥の壁には扉が一つある。  よく見ると、その扉には青い文字でまたもや文章が書いてあった。 『剣や杖などの武器はすべて、ここへ置いてください。』 「……けん……おく……」 「ぶきを……ぜんぶ……おく……」  扉の文章を読むや否や、二人はまたもや重たい声で復唱するように呟き、このような怪しい場所では命綱とも言えるような武器を置いていく。  戦う際に主に使っている剣や杖どころか、それらが壊れた時の予備であろう小さな杖やナイフ等、文字通りすべての武器を台に置いていく。  それから扉を開けると、またもや部屋が続いており、奥の扉には黄色い文字で文章が書かれていた。 『どうか外套と靴をおとり下さい。』 「がい……とう……」 「くつ……とる……」  その文章を読むや否や、二人はそれぞれ身に纏っていたローブや鎧を脱ぎ、壁にある釘に引っ掛ける。  靴を脱いで壁際に置き、靴下を履いた足でペタペタと次の部屋へと進む。 『着ている服を全て脱ぎなさい。』  次の部屋に入ってすぐに、扉に緑色の文字で書かれたその文章が目に入った。  それを読んだ瞬間、二人は一瞬ピクリと肩を震わせて身を硬直させた。  しかし、すぐにまたその体から力を抜いた。 「「はい……ふくを、ぬぎます……」」  かと思えば、二人は声を揃えてそう言った。  部屋の中には二人以外誰もいないというのに、まるでこの文章を書いた主に答えるように言うと、二人はそれぞれ着ていた服を脱ぎ始める。  先程上に着ていたローブや鎧は全て脱いだ後だった為、二人が着ていた服はすでにほとんどインナーのような軽装で、脱衣自体にはそこまで時間は掛からなかった。  扉の脇に備え付けられていたカゴに脱いだ服を入れると、二人は扉を開けて次の部屋へと進んだ。 『壺の中の媚薬入りクリームを全身に隈なく塗りなさい。但し、自分では塗らずに、相手の体に塗るように』  扉には、金色の文字でそう書かれており、脇には大きな壺が置いてあった。  覗き込むと、中は大量のクリームで満たされている。 「はい……わたしは、しーなのからだに、くりーむをぬります……」 「はい……わたしは、あくるのからだに、くりーむをぬります……」  虚ろな声でそれぞれ復唱すると、二人は壺の中からクリームを掬い取り、裸で向かい合う。  それからどちらからということも無く手を伸ばし、ゆっくりと互いの体にクリームを塗りたくり始める。  クリームはパッと見ではほとんど純白だが、よく見るとほんの僅かに桃色をしている。  この建物には暖房のようなものも無く、元々外は肌寒かったこともあり、二人の体はひんやりと冷たかった。  しかしそこにクリームが触れると、中に入っているという媚薬の効果か、皮膚が僅かに熱を持つような感覚がした。 「はぁ……はぁ……んんッ……」 「んッ……はぁっ……んくッ……」  口から零れ出そうな嬌声を必死に堪えながら、二人は互いの体にクリームを塗りたくっていく。  媚薬入りのクリームが肌に擦り込まれ、相手の指が自分の肌を掠める度に、体の内側に甘い疼きが溜まっていくようなもどかしい感覚がする。  手に付けていたクリームが無くなると、壺の中からまた新たにクリームを掬い取り、相手の体に塗りたくる。  クリームからはこの料理店に入った際に嗅いだ甘い匂いが僅かに香り、それが体に塗りたくられて鼻孔をくすぐる度に頭がボーッとして、増々思考が蕩けていく。  全身に隈なく塗るようにという指示に従い、彼女達は普段は触らないような胸や太腿、臀部や秘部など、文字通り全身の隅々をクリームで塗りたくる。  特に秘部の部分は、膣の他に尿道と肛門もある為、その中まで全てクリームを塗りたくっていく。  指に媚薬入りクリームをたっぷりと付けて潤滑油代わりにして、今まで何者の侵入も許したことは無いであろうそこに、指を滑り込ませていく。 「ひぁッ……!?」 「ぁッ……くッ……!?」  突然下腹部に感じた異物感に彼女達は驚き、それぞれ声を漏らす。  しかし、それでも扉の文章による指示に従うべく、体は動く。  快楽に身悶えながらも、膣の内壁にクリームを塗りたくる為に、必死に指を動かす。  指に付着させたクリームだけでなく、全身に隈なく続く愛撫によって膣口からは愛液が滲みだし、それらが相まってグチュグチュと淫靡な音を立てる。 「ぁくッ……ぁッ……!? イくッ!? イくぅッ!?」  先に絶頂したのはシーナだった。  剣を扱うアクルの手によって与えられる激しい愛撫に、あっという間に達してしまったのだ。 「あぁぁぁッ!? イくッ! イくぅぅぅッ!」  咆哮のような嬌声を上げながら、シーナはビクンビクンッ! と体を激しく震わせて絶頂する。  虚ろな黒目部分はグリンと上を向き、体が弓なりに大きく仰け反る。  その際に、彼女の指がアクルの膣内を強く擦りながら抜けた。 「あひぃんッ!? イくぅぅぅッ!?」  その刺激が最後の一押しとなったのか、続くようにアクルも嬌声を上げ、ビクビクと激しく体を震わせながら絶頂する。  膝立ちで向き合う形で互いの体にクリームを塗りたくっていた二人は、絶頂の衝撃で互いの体にしなだれかかるようにして、そのまま共に床に倒れ込んだ。 「はぁッ……♡ はぁッ……♡ ……きもちぃ……♡」 「えへ……♡ へへ……♡ きもち……いい……♡ はぁ……♡」  床に倒れ込んだまま、二人はうっとりと蕩けたような顔で、甘い吐息を漏らしながらそう呟いた。  秘部からは愛液が零れ出し、膣内や太腿に塗られたクリームの上を伝って床に染みを作る。  しかし、惚けている場合では無いと、二人は絶頂の余韻の残る体に鞭を打って体を起こす。  それから、残った尿道と肛門の中にもしっかりとクリームを擦り込み、最後に互いの顔や首、耳などにも塗りたくっていく。  全身の隅々までクリームを塗れたことを確認し、次の部屋に向かおうと扉を開けると、裏側に同じく金色の文字で別の文章が書かれていた。 『もしもクリームが残っていた場合、お互いにクリームを相手に口移しで飲ませなさい。』  言われてみれば、確かに壺の底の方にはまだクリームが残っていた。  アクルはそれを見るや否や、すぐさま指でクリームを掬い取り、シーナの肩を掴んで唇を奪う。 「んむッ……?♡」  突然の強引な接吻に、シーナは僅かに目を見開いた。  しかし、アクルはそんなこと関係なしに彼女の後頭部を掴み、唾液とクリームを混ぜて液状化させながら、少しずつ彼女の口の中にクリームを流し込んでいく。  それに、シーナはすぐさま先程の文章を思い出し、強張っていた体から力を抜いてそれを受け入れる。 「んくッ……♡ んッ……♡ んちゅッ……♡」  目をトロンと蕩けさせながら、彼女はうっとりした様子でそれを受け入れる。  口の中に流れ込んできた液状化したクリームから甘い香りが広がり、脳髄を溶かす。  ゴクゴクと喉を鳴らして嚥下すると、クリームに含まれた媚薬の効能で、腹の奥底から熱を持った甘い疼きが伝わって来た。  ──もっと……♡ もっと欲しい……♡  込み上げてくる劣情を抑えきれず、シーナはアクルの首に両手を絡め、自分から舌を出して彼女の口の中に潜り込ませ、口内に僅かに残っていたクリームを舐め取っていく。  歯の表裏、歯茎の表裏、頬の裏側、舌の裏側……一滴も残さないと言わんばかりに、アクルの口内を貪っていく。  それに、アクルはビクビクと肩を震わせてシーナの成すがままになっていた。  先程まで媚薬入りクリームを含んでいた口の中は、媚薬の効果で敏感になっており、普通の人間以上に感じてしまう状態になっていた。  すでに口内にはクリームは残っていなかったが、シーナの舌に翻弄されて体に上手く力が入らず、押し返すことが出来なかった。  シーナはそれを良いことに、アクルの口内をさらに舌で貪っていく。 「……ぷはぁっ……♡」  しばらくして、アクルの口内にクリームが残っていないことを確認し、シーナはゆっくりと口を離した。  すると、アクルは先程まで感じていた快楽の余韻に浸ってしまい、ガクガクと体を痙攣させながら、陶然とした様子で虚空を見つめていた。  シーナはそんな彼女の様子に、ゾクゾクと自分の嗜虐心がそそられるのを感じたが、すぐに次は自分が彼女にクリームを飲ませる番だと判断した。  彼女はすぐに壺の中に手を伸ばし、底の方に残っていたクリームを丁寧にこそぎ落として自分の口の中に運ぶ。  口の中に広がる甘美な味に、今すぐにでも飲み込んでしまいたくなるが、その欲望を抑えてアクルに向き直る。  未だに恍惚とした様子のアクルの頬を両手で掴み、クイッと上を向かせた。  そして、半開きになって涎を垂らす口に、ソッと自分の唇を重ね……媚薬入りのクリームを流し込んだ。 「んんッ……!?♡ んッ……♡」  突然の接吻に、アクルは一瞬目を見開いたが、すぐにまた目を蕩けさせてそれを受け入れる。  完全に体から力を抜き、流し込まれるクリームをゴクゴクと素直に嚥下する。  心地よさそうに自身の接吻を受け入れるアクルに、シーナはどこか嬉しそうに目を細めてさらにクリームを流し込む。 「ぷはぁっ……♡ ふぁぁ……♡」  ある程度クリームを飲み干して口を離されると、アクルは恍惚とした表情で吐息を漏らしながら、シーナの体にしなだれかかる。  ふわふわと熱に浮かされたような心地よい感覚にしばらく浸っていたかったが、先に進まなければならないと根拠のない使命感が込み上げ、二人はフラフラと立ち上がる。  次の部屋に向かって歩く度に、媚薬入りクリームで敏感になった肌に風が掠め、何とも言えない快感が込み上げる。  愛液とクリームで濡れた秘部が歩く度にクチュクチュと音を立てることも気にせず、彼女等は覚束ない足取りで次の部屋に向かった。 『色々注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。もうこれだけです。すぐたべられます。早くあなたの頭に瓶の中の香水をよく振りかけてください。』  次の部屋の奥にある扉に、銀色の文字でそんな文章が書いてあった。  そして、扉の前には金色の香水の瓶が置いてある。  二人はその香水を、頭へぱしゃぱしゃと振りかけた。  すると、この建物に入った瞬間に嗅ぎ、体中に染み込ませたクリームからも未だに香り続ける甘い匂いがした。 「ぁ……♡ このにおい……♡」 「いい……♡ におい……♡」  体の外も内も全てこの香りで満たされ、二人は恍惚とした表情で、しばし甘い匂いを堪能した。  すると、香水の入っていた瓶が消え、奥の扉がキィ……とひとりでに開いた。  刹那、扉の奥の空間から、その甘い匂いを何倍にも濃縮させたかのような甘ったるい空気が出てきた。  むわっ、という効果音が似合いそうな香りの襲撃に、二人は脳味噌が激しく震動したかのような強烈な衝撃を感じた。 「そんな所でボサッとしておらんで、早くこっちに来んか。待ちくたびれたぞ」  すると、奥の部屋からそんな声がした。  その声を聴いた瞬間、根拠は無いが、この声の主が今まで読んできた文章の主であることを直感した。  二人はすぐさま覚束ない足取りで、甘ったるい匂いの充満する部屋に踏み込んだ。  部屋の中は、今まで嗅いだ匂いの比にならない程に、甘ったるい匂いで満たされていた。  まるで、今まで嗅いできた香りの原液の中に飛び込んでしまったかのような、クラクラと眩暈がしそうな強烈な快感。  その部屋は今まで通って来た部屋よりも大きく、部屋の奥には大きなベッドが置いてあり、一人の少女がチョコンと座っていた。  桃色の髪に紫の目をした、年端もいかないような可愛らしい幼女。  彼女を前にした瞬間、二人は、目の前にいる幼女が自分達の主なのだと悟る。  今まで自分達は彼女に会う為に生きてきたのだと、この建物に来てからやってきたことは彼女に食べてもらうためにしてきたことなのだと、本能的な部分が訴えてくる。 「ほれ……ちこうよれ」  そう声を掛けられた瞬間、二人は我先にと幼女の前まで駆け寄り、その場に跪く。  顔を上げると、そこには不適な笑みを浮かべてこちらを見下ろす幼女がいた。 「さて……お主等は何じゃ? 答えてみよ」 「はいッ! 私、アクル・エーテンは、貴方様に食べて頂く為に生まれてきた食べ物ですッ!」 「はいッ! 私、シーナ・コクトーラは、貴方様に食べて頂く為に生まれてきた食べ物ですッ!」 「「どうぞ、お召し上がり下さいッ!」」  声を揃えてそう宣言し、二人は幼女に向かって頭を垂れた。  それに、幼女はゆっくりと舌なめずりをした。  ここは、『RESTAURANT SUCCUBUS HOUSE』。  サキュバスが自分の食糧となる人間をおびき寄せる為に生み出した、幻の料理店。  人間の精気を食糧とするサキュバスは、異空間に魔力で作り出したその店から現実世界を観察し、おびき寄せやすそうな人間の前にのみ、その店の姿を見せる。  一歩踏み込んでしまえば、それが終わり。  サキュバスの醸し出すフェロモンの香りに捕らわれ、サキュバスの為の美味しい料理として調理され、導かれるままに最奥の部屋へと向かっていく。  艶美な罠に囚われた愚かな獣は、あとはサキュバスの食糧として、死ぬまで精気を吸い取られるのみ。  手に入れた食糧の精気が尽きれば、サキュバスはまた、新たな食材を探し始める。  もしも山の中に一軒の料理店を見つけても、そこに入ってはいけない。  次の獲物を求めたサキュバスが、爛々と目を輝かせて、貴方のことを狙っているかもしれないから。

Comments

ロリサキュバスに美味しく頂かれるレズもの、最高です! これでサキュバス視点の食事シーンがあればなお良かった。

farubumu13


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