長いので分けました。 ここからは11話後半の、主にアズマのエピソードについてをまとめていこうと思います。 ーーーー 結局大金を受け取ってしまったアズマは「おとなしそうに見えるのに思ったことをベラベラ喋るし、ビビリなくせに目先の誘惑に弱い」と、小暮に半笑いでからかわれます。 それに対しアズマは「自分がみっともない人間だってことぐらいわかってる」と、急に弱気な口調なりながら言い返します。 アズマは倫理観など皆無で、金のためにノリで裏稼業をやっているようにも見えますが、実は昔は貧乏だったために安いアパートに住んでいて、普通のバイトを掛け持ちしながら研究者を目指す真面目な学生だったということを明かします。 そして「あの頃の俺は1億積まれても殺人に協力なんてしなかった」と付け加えるのでした。 死体処理の仕事に就いてからは、そんな過去のことは忘れて金のために汚いことを平然とやるようになってしまったけれど、今回の敵の正体が研究組織だと判明したことで、自分が研究職を目指していた頃のことをまた思い出すようになった、と言います。 そして、今の仕事を完璧にこなしながらも「俺は金さえ積めばなんでもやる便利な男だが、きっと代わりはいくらでもいる」「用済みになれば俺が死体になる」などとネガティブな発言を繰り返します。 それを聞いた小暮に「なんでそんなに自信がないんだ。お前は役に立っている」「ここにお前の代わりはいない」と、必死にその考えを否定されますが、嬉しいながらも心からは納得いっていない様子で 「自信を持つというのはドミノを並べる作業のようなものだと思う」 と、独特な例えを使って自分の生い立ちを語り始めます。 アズマは小さい頃から、自分の人生を価値のあるものだと思いたくて、勉強を頑張ったり人助けをしたりと、小さな善行を重ねる努力をしていたようですが、幼少期に虐待を受けていたことや、学校でもいじめられていたことで努力を踏みにじられ、何をやっても無駄だと思うようになったと言います。 そうして存在を否定され続けたせいで、いつからか「小さな行動を重ねるだけではダメだ」と思うようになり「全世界に認められるようなことを成し遂げなければいけない」という、強迫観念にも近い動機から科学者を目指すことになるのでした。 しかし過去の回で「化学は面白いぞ」と凛音に笑顔で語っていたことから、勉強や実験が純粋に好きという気持ちも持っていたため、若くしていくつかの研究成果を残すことに成功し、25歳で博士号取得を達成するという快挙を成し遂げるのでした。 しかしその後も活動を続けていた彼の身に、ある事件が起こります。 なんと、上司のような人物に「今、関わっている薬の開発が突然中止になった」と告げられてしまったのです。 中止に伴って、アズマの論文も取り下げられることになったという前代未聞の仕打ちを受け、一応反抗してみたものの 「上層部の決定だ。続ける価値がないと政府が判断し、国からの支援金も打ち切られた。荷物をまとめて出て行ってくれ」と強引なクビ宣言を食らってしまうのでした。 そうして、はっきりとした原因もわからないまま、研究所というたった一つの居場所だったものすら失ってしまい「何かやろうとするから壊れるんだ。だったら最初から何もせず、期待もせずテキトーに生きる方がずっといい」と開き直り、今に至るのだと言います。 「わかんないよな。お前は強いから」と、自分を肯定してくれた小暮にも突き放すようなことを言いますが、それを聞いた小暮は「わかるよ」と一言、返します。 アズマは小暮に「何もかもどうでもよくなって死にたいと思ってた時期がある。そうやって腐ってた時期にボスに拾われた」と告げられ、驚きを隠せない様子で小暮を見つめます。 そして「やっぱりあたしとアズマは似てる。だからなんかほっとけないのかな」と微笑む小暮に対し、アズマはその言葉を否定するでもなく礼を言うでもなく、涙を拭きながら「いつか話すよ。俺が黒峰さんと出会った本当の理由」と、伝えます。 「じゃあいつか聞いてやる」と、今は深く追求することなく、小暮もそれを素直に受け入れるのでした。 そうして、話は「才能」の話題に移ります。 「でもやっぱり小暮と俺は全然違うよ。だってお前は射撃の天才じゃん」とアズマは言いますが、小暮は「あたしは努力家なのさ。本物の天才は桜のような人物だ」と言い放ちます。 桜が研究所に狙われていると知った時はアホだの何だの言って「あいつが医学の役に立つとは思えない」と小馬鹿にして笑っていた小暮でしたが、9話でも言っていたように桜の射撃のセンスだけは本当に認めているようで、それを聞いたアズマは「桜さんが!?」と、急に桜さん呼びになりながらまた驚くのでした。 そして「今度あいつと、どっちが多く殺せるか勝負するんだ。どっちが勝つと思う?」と、桜の約束したキル数バトルの件をアズマに問いかけます。 すると、アズマは少し黙った後「わかんないけど、小暮に勝ってほしい。俺が全部片付けるから」と、ようやくこの計画に本気で協力する意志も示した上で、自分は小暮派であることをはっきりと伝えます。 「それでいいんだよな?俺たち間違ってないよな?」と最終確認をするアズマに対し、最後に小暮は「人を大量に殺すなんて間違ってるに決まってる。あたしは正しいことをするために銃を持っているんじゃない。勝つために持ってるんだ。勝利には正しさ以上の価値がある。勝ったという事実だけは誰にも壊せない」とアズマに伝えながら去っていきます。 アズマは今更「人を殺すのは間違ってる」という常識的な発言を受けたことで若干驚きつつも、何かが吹っ切れたような、納得した様子で2千万が入った鞄を持って立ち上がるのでした。 そして、このまま家に帰るのかと思いきや下の階で偶然彩綾とすれ違います。 「アズマくん、だっけ?」と、この前見たときとは別人のような暗い様子の彩綾に声をかけられてしまいます。 ビビってその場を去ろうとしますが、腕を掴まれ「ワイン、好き?一緒に飲まない?」と、なぜか飲みの誘いを受けたところで11話は終了となりました。 ーーーー 以上が、今回の振り返りです。 後半はアズマの人生や、アズこぐの友情が垣間見える内容を描きたかったのでそのような台本になりました。 アズマは今まで生きること自体を「駒を並べる作業のようなもの」と認識していたようにも思えます。凛音にあれほど分かりやすい好意を寄せられても、素直に受け取ろうとしなかったのは壊れたドミノの後遺症だったのかもしれませんね。 ちなみに、アズマはドミノが綺麗に並んだ様子に価値を感じるようですが私はドミノは壊す瞬間こそが面白いものだと思っています。 もちろん、彼のように他人に壊されるのではなく自分で壊すのが楽しい、という意味ですが。 この1〜11話の一連のストーリーも、積み上げたものをぶっ壊す感覚で描いていました。 そして、これからは新しい道を作っていきます。 ここまで読んでいただきありがとうございました。 12話も読んでいただけたら嬉しいです。 では、また次回。