「本当に、見るんですか……?」 「そりゃだって、ちひろさん自分で体重見れないでしょ」 「う……、そ、そうかもしれないですけど……」 図星という顔で諦めたように溜息をつく。夫婦の間に隠し事は無しという事で一つ。 ちひろさんのぶっとい足――うちのアイドル達のウエストよりずっと太そうな足――が体重計の上に窮屈そうに揃えられる。ミシっという音は気のせいと言う事にしよう。 「おー…………」 「ちょっと、変な反応しないでくださいよ~!」 そうは言うが、目の前の数字を見ればこの反応も然るべきだろう。 「えー…153kgですね」 「えっ…!」 痩せてはいないなと思っていたけれど、これほど太っていたとは。毎日いると慣れてしまうせいか意外と気づかない。 「というわけで今月も目標達成ならずという事で」 「あのっ、今月は忙しかったですし…ノーカウントという事で……」 「ダメです。自分で言ったんですよ?甘やかさないでくれって」 「……はい、分かってます。言ってみただけですから…」 肩を落とし、体重計から降りるちひろさん。 ダイエット継続のために、毎月、前月より一グラムでも体重を減らすという目標を立てたわけだが、ここ数ヶ月で成功したことは一度もない。 年末だから、冬だから、新年度で忙しいから……。数々理由を上げているが、結局のところちひろさんの体重が緩やかな右肩上がりを続けているのは事実だった。 「先月は……ああ、言葉責めでしたっけ」 「もう、アレすっごく恥ずかしかったんですよ?」 「そのわりには結構激しかったような……」 「そ、それはまあ……気持ちよかったのは事実ですから…」 そしてもう一つ、目標を達成したらちひろさんの、達成できなかったら俺の好きな事を一晩やるというのが夫婦で決めたルールだった。 まあ、現状俺だけが得している気はするが。ちひろさんも乗り気だし良いだろう。 毎月恒例となりつつあるちひろさんの落胆を終え、そのまま風呂場に入る。これは毎月どころか、露骨に頻度が上がっている。 「はぁ、やっぱりやるならもっと徹底的にやらなきゃかなぁ……」 腹周りにぶよんっとつき、両腕でも掴みきれない腹肉をさすりながらちひろさんがボヤく。 「ってなんでそんなに嫌そうな顔してるんですか……」 「あ、顔に出てました?」 「はい、それはもう。『えー……ちひろさん痩せるの……』って顔に書いてるみたいです」 鏡越しに俺の顔を見ただけで、内心をぴたりと言い当てられてしまった。 「よく分かりましたね」 「それくらい分かりますよ、一応妻ですから」 得意げな表情が大変可愛らしい。 狭い風呂場に椅子を二つ並べ、俺がちひろさんの背中を洗う。更に肉厚になり、段差が深い贅肉にボディーソープの泡を塗りたくっていく。 むにむにとした気持ちよい感触は、ちひろさんの体型じゃなきゃ味わえない。いつしか俺もすっかりこの体型じゃなきゃ興奮しない特殊性癖持ちになってしまったな……。 「それで、今回は何がしたいんですか?」 今日は一応普通に風呂に入るという事なので、自分で胸の谷間や胸と腹肉の間に泡を広げながら、ちひろさんがそう尋ねてくる。 ……やっぱりこの人、罰を最近楽しんでないか? 「そうですね……折角連休が取れたんですし、どうせなら何日かに跨るのが良いですね」 「えー、一日だけじゃなかったんですか?」 「その辺はちひろさんが許してくれたらですけど。……どうです?」 まあ、聞かんでも声色と表情で何となくわかるけど。 「ふふっ、しょうがないので付き合ってあげます。折角の連休ですしね」 ……まあ、いいか。罰ゲームが罰の様相を呈してないなんてよくある事だ。 「背中はこんなもんですかね」 真っ白になった背面を見て俺がそう言うと、ちひろさんは「ありがとうございます♪」と言って、シャワーを手に取った。 鏡に映る真っ白な巨体。 ぶるんと垂れた胸に、ぶよぶよと溢れた脇腹、そして足の間に落ちた大きな腹肉。どこもかしこも贅肉が重なり、深い溝を作っているせいで体を洗うのも一苦労らしい。 脂肪を、まるで布をめくる様に一段一段捲っては、シャワーを当てる。脇を開き、お湯をかける。垂れた胸と腹肉間も、胸を持ち上げてシャワーで流す。腹肉と足の間にも、シャワーをかける。 前掛けのような腹肉を上げ、横に溢れた脇腹を上げ、二本の腕では大変そうだが、触ると可愛らしい声と共に抗議の視線が飛んでくるので俺は静観だ。一応、自分で出来る部分は自分でやるらしい。 両足の間に垂れた腹肉を軽く持ち上げ、シャワーを下腹部にあてる。下腹部が一番大変そうだった。大きな腹肉は、片手では持ち上がりきらず、だらんと溶けた雪見だいふくのようだし、手の届く範囲も狭い。 最近では洗い残しもあるみたいで、ちひろさんとセックスする時も、秘部の濃い臭いが残っていることがしばしばあった。 本人は恥ずかしがっているが、俺はちひろさんの濃厚な臭いを感じられて好きなんだよな、アレ。 あー……連休だし、最悪外に出なくても良いなら……それもありだな。……流石にちひろさん嫌がるかな……。そしたら別のを提案しよう。 少し腰を持ち上げ、尻肉を開きシャワーを当てる妻に、変わらぬ欲情を抱きながら、そんな事を考えていた。 「……はぁ、仕方ないですね」 「え、本当に良いんですか?」 「元はと言えば私が言い出したペナルティですし……」 確かに、ペナルティが無いとずるずる有耶無耶になりそうと言ったのはちひろさんだが、現状増え続けている体重を考えるとあんまり変わらない気もする。 「あ、でも程々にしてくださいね?」 「は、はーい…」 釘を刺されてしまったが、とりあえずちひろさんの許諾を得た。では準備……というか、数日間家に籠れる用意をしておかなければならない。 食材や日用品を買い込み、連休中は外に出る必要が無いようにしておく。 そして来たる連休前最後の平日。食事をして、風呂に入って、さて準備は万端というタイミングで、ちひろさんが少し微妙な表情をした。 「あー……やっぱ嫌ですか?やめましょうか?」 「あっ、いえ。そういう訳じゃないんですけど!……単純に恥ずかしいなと思いまして…」 「恥ずかしがってるちひろさんも可愛いですよ」 「もうっ、すぐそういうこと言うんですから……」 恥ずかしげだが満更でもないちひろさんは、俺の方へ体を少し預ける。重いが、幸せだ。 「でも、良いんですか?……その、臭いのが」 「臭いのが好きなんじゃなくて、ちひろさんのニオイだから、好きなんです。そこ結構大事ですから」 「む、そう言われちゃうと、悪い気はしないんですよねえ…それじゃあ、どうぞ」 俺に少し寄りかかっていた姿勢を直し、片腕を持ち上げる。 脇が開かれて、みっちりと肉が付き、脂肪が溢れた箇所があらわになる。 俺は迷わず、そこに顔をうずめた。 「んっ…鼻息……くすぐったい…♡」 若干処理の甘い脇は、少しばかりチクチクとする。ボディソープの甘い香りと、少しだけ汗ばんだ匂いが混じって、落ち着くようなちひろさんのいつもの匂いがする。これをよく覚えておかなければ。 舌を少し這わす。脇まで肥えたのか、むにゅっとした感触。 「ひゃっ…!もう…そういう事するなら、先に言ってくださいね」 「はは、これは失礼」 風呂上がりだからそこまで強い匂いはしない。それでいいのだ、今日は前座なのだから。 脇から、そのまま胸の方に顔を近づける。少し甘い匂いが強くなった。 胸を持ち上げて、腹肉との間も嗅ぐ。やはり、汗の匂いはさほどしない。ちひろさんの普段の体臭に近い。 「それにしても、凄いお腹ですね」 鼻をちひろさんの体に押し当てたまま、腹肉に腕を回し、ぶよぶよと弄ぶ。片手では当然のように持ち上がらず、ゆさゆさと揺れるだけだ。 「んぅっ♡もうっ♡」 甘い声、やはりこの体型から脱却できないのは俺のせいだけではない気がする。 内股をもぞもぞと擦り合わせるちひろさんは、何かを待っているようだった。けれど、今日はシないと決めたのでお預けだ。 俺もだいぶ我慢しなければな…。 ジワジワと汗をかき始めたちひろさんの体、いい頃合いだろう。 鼻をちひろさんの体から外す。寝室の空気が妙に澄んだように感じる。 「…お互い、我慢ですからね」 「はい…我慢します…」 「ダイエットのために忍耐力、つけるんでしょう?」 「そう、です…!だから、我慢ですね…!」 まあ、これで忍耐力がつくとは思えないが。 じんわりかいた汗を軽く拭き、パジャマを着る。正直ムラっとした感情は残っているが、我慢だ。 「それじゃあ、明日もお願いしますね、ちひろさん」 「ええ、こうなったらトコトン付き合って差し上げます」 「…一応ペナルティですからね?」 「……そうでしたね」 やっぱり、あんまり意味ないんじゃないか、このペナルティ。 朝、少し遅い時間に起きて朝食を取る。 俺はトースト一枚で足りるが、ちひろさんは150kgを越える肥満体を維持するためか、量も多い。…だから痩せないのでは?とは言わない。 バターをたっぷり塗ったトーストにチーズをこれまたたっぷり乗せたトースト。6枚切りの袋が一食で空になるのだから、それなりにハイカロリーだ。おまけにハムエッグなど作っている。朝からよく食べるなとは思うが、口元にバターを少しつけたままご満悦な妻に、旦那が可愛い以外の感想を抱くはずも無かった。 というわけで、朝からせっせとカロリーを摂取するちひろさんを横目に二人分のコーヒーを淹れる。 極々普通の休日だが、この後からは違うのだ。 コーヒーを飲み干し、ひとしきり朝の支度を終える。 「さて、それじゃあ始めますか」 「ふふ、お願いしますね」 午前中、気持ちの良い時間だ。寝室のカーテンを開け、軽く窓を開ける。夏前の涼しい風が吹き込む。 俺もちひろさんも、動きやすい格好に着替える。そして、すっかり最近出番が無くなったストレッチ用のマットを敷く。 「……キツく無いんですか、それ」 ちひろさんの格好は、所謂スポーツ用のウェアだ。トップスとアンダーがセパレートになっているグレーのやや野暮ったいそれが、内側からの肉圧でパツンパツンに張り詰めている。 「…正直、少し」 そらそうだ、脇のあたりは思い切り生地が食い込んでいるし、ウエストは腹肉で隠れ、脇腹はぎゅうぎゅうと締め付けている。尻の形がくっきりと見えるどころか、下着のラインまでがハッキリ視認できる。動けば弾けてしまいそうだ。 ……こんなにパツパツになってるのに気づかないくらい、運動自体ご無沙汰というわけか。 「あんまり苦しかったら脱いじゃっていいですからね」 「そ、それは流石に…」 「はは、残念」 そんな軽口を叩きながら、ちひろさんはマットの上に腰を下ろす。溢れた腹肉が、座ったせいでより前にせり出して、マットについてしまいそうだ。 着替えただけでうっすら汗をかき始めた体は、ぶよぶよと全身に脂肪と贅肉を蓄え、薄い生地も相まって壮観だ。 「それじゃあ、ストレッチから行きますよ」 「はいっ、お願いします♪」 午前中からストレッチなんて、なんと健康的なのだろう。 無論、ちひろさんに汗を大量にかいてもらうことが目的なのだが、どうせなら、本人の希望に沿うに越したことはない。 そんなわけで、(珍しく)運動を始めたのだが……。 「っはぁ……んっふぅ……っひぃ……っくぅ……」 激しい筋トレをしているかのような呼吸音がする。しかし、いまちひろさんがしているのは単なる腹筋だ。それも、まだ5回もしていない。 「ほら、頑張ってください」 「はっ、はいぃ……んっくぅぅ……!」 俺が背中を押して、ようやく体が起き上がる。しかし、分厚い腹肉がちひろさんの可動域を極端に狭めているせいで、ほんの数センチ床から持ち上がる程度だった。 「っはあぁ……はぁぁ……ふぅぅ……」 どしーんっとマットに横たわり、ゼーハーと息を荒げる。ぶよぶよに肥えた腹肉が大きく膨らんでは萎んでを繰り返す。汗でべっとり濡れ、ムッとするニオイがする。 「お疲れ様です。次は……」 「はぁっ…ん、っふぅ…ちょ、ちょっと…んぐ……休憩、しても…ぶぅ……」 「…そうですね、休憩しますか」 運動時間にして、僅か数分。記録、腹筋5回(補助あり)。150kgをこえるまでに太ったちひろさんには、これが限界だった。 ほとんど下着みたいな露出度で、座布団みたいに分厚く、それでいて重力に負けて四方にだらんと垂れた腹肉を露出させたちひろさんの姿は大変そそる物がある。 一度、冷蔵庫にスポドリを取りに行き、部屋に戻ると多少息が整ったのか、ちひろさんが座ろうとしていた。 腹筋も満足にできない体型なので、一度うつ伏せになり、両手両足をついて四つん這いになり、ぶるんぶるんと腹肉をゆらしながらようやく体をお越し、再びどっしりと座り込む。 足を揃えて座ってる姿を最近見てないな。 「どうぞ」 「はぁ…ふぅ…ありがとう、ございます…。んぐっ…ぐっ…んっ……ふぅぅ…」 一息で500mlペットボトルの中身が半分くらい消えた。 「はぁ……シャワー、浴びちゃ…ダメですか?」 「ダメです。ペナルティですから」 この休みでの計画はこうだった。 1日目はシャワーを浴びない。セックスは2日目のみ。3日目は休養日。こんな具合だ。 既に汗だくで、凄い匂いがしそうだが、今日一日は我慢してもらおう。 「はぁ…ふぅ…スン…うぇ、汗臭い…」 「はは、それだけ運動すれば」 実際はほとんど運動できていないが。 「ふぅ、せめて、汗を拭いても…?」 「まあ…それくらいなら」 流石にこのままだと風邪を引いてしまいそうだしな。 ちひろさんの体積じゃ、普通のタオルではとても足りない気がしたので、バスタオルを持ってきてちひろさんに手渡す。その間に、もう一度スポドリを飲んだみたいで、ペットは空だ。 「ふぅ、ありがとうございます」 「背中は俺が拭きますね」 もう一枚、普通サイズのタオルで背中の段差や、ウェアからはみ出た脂肪の段、腰回りでぶよんっと溢れてる贅肉を拭う。どこもかしこもぶにゅぶにゅと歪み、筋肉の感触は微塵もない。そりゃ腹筋も満足にできないわけだ。 タオルがあっという間に汗を吸って重たくなる。絞ればちひろさんの汗が大量に取れそうだ。……流石にやらないけど。 「さ、落ち着いたみたいですし、次やりましょうか」 「…はい、次は何を…?」 「これです」 俺が出したのは、いわゆるダイエットDVD。寝室にある小型のテレビにレコーダーを繋げば、すぐにでも再生できる。 「…あの…それって、結構キツいってやつじゃ…」 「らしいですけど、ほら、痩せたいんですよね?」 「それは、そうですけど…」 先程の醜態が効いているのか、やや不安げだったちひろさんだが、その予想はすぐさま実現した。 テレビには、ガッシリとした男性が体を俊敏に動かしている。両腕を左右に開き、閉じ、ステップを踏む。 「っはぁっ…!んっぅ…!っふぶぅっ…!ぜっぇ……!」 2テンポくらい遅れて、ちひろさんがドッスドッスと足を踏み鳴らしながら、ぶるんぶるん腕の肉を振り乱し、腹肉をゆっさゆっさと揺らしながらヒィヒィ言っている。 痩せてた頃はアイドルさながらのダンスも披露できたのに、見る影もない。 まあ、俺には非常に愛らしく映るので問題はない。 15分の映像が終わる頃には、ちひろさんはもはや死に体だった。 「はぁぁ……ふぅぅ……んっぅ……っぜぇぇ……」 髪の毛を汗でべったり貼り付け、パッツンパッツンのウェアは汗ジミで酷いことになっている。湯気が出そうなほどの熱気と汗。流石に多少は効いただろう。 トドだのセイウチだのの海獣類のようにゴロンと横になったちひろさんは、まだ洗い呼吸のままだ。しばらくは回復しそうもない。 マットにぼたぼたと汗が落ち、だらんと落ちた腹肉の周りにもじわじわと汗ジミが広がっている。 「……休憩したら、昼食にでもしましょうか」 「はぁ……えぇ……お願い、ふひゅぅ…します……」 ぐったりと横たわるちひろさんを横目に、俺はキッチンへ向かう。 普段なら二人で飯を作るが、今日はそうもいかないし。さて、何にしようか。 「……ま、適当にラーメンとかにでもするか」 俺の頭は、汗をかきそうな食べ物という事しか考えていなかった。ラーメンならすぐできるし、もう暫く疲労困憊のちひろさんを眺めていよう。役得役得。 「もう、ダイエットするって言ってるのにどうしてこういう事するんですか」 「あー……はは、すみません」 ズルズルとラーメンを啜りながら苦言を呈すちひろさんだが、その丼の中には麺が2玉も入ってる。 「ほら、塩分も消費したんですし、健康食ですって」 「そんなわけないですー。やっぱり私が痩せられないの、あなたのせいだと思うんですけど……」 「えー、今日だって運動につき合ったじゃないですか」 やいのやいの言いながらも、あっさり二人前のラーメンを完食するちひろさんにも十分問題があるだろう。 「ご馳走でした。……しかも、美味しいのがいけないんですよ」 「はは、お粗末様でした。別に袋に書いてある作り方で作ってるんですけどね」 「えー、本当ですか?なんだか、最近あなたの方がお料理が上手くなってる気がしてちょっと自信なくしちゃいます」 「そうですか?俺はちひろさんの作る飯の方が上手いと思いますけど。カレーとか、好きですよ」 「…ふふ、じゃあ今晩はカレーにしましょうか。お昼から煮込めますし」 「ああ、良いですね。じゃあそうしましょうか」 和やかな会話をしているが、少し視線を下げるとスポーツウェアを張り詰めさせたちひろさんの爆乳に汗が流れていく様が見えてしまう。一日耐えるのはなかなか苦行だ。 食器を片付けて、休日の定位置となりつつあるソファに座り込む。 「あの…私ちょっと着替えてきますね?」 「ああ、寒いですか?」 「そういう訳じゃないんですけど……臭いません?」 「あー……」 確かに、汗の臭いは近付くだけでムッとする。元々それが目的なのだから、別に構わないのだが。 「そういう事ですので……」 そそくさと寝室に戻るちひろさん、残念だ。しかし、一方であの汗の臭いの染みついたウェアのままでは俺がいつ爆発するとも知れないし、良かったのかもしれない。 ……どうせ、他の服を着てもまた汗かくだろうし。 ラフな部屋着に着替えてきたちひろさんが俺の横に座る。いつもの事ながら、ソファが沈む感覚がする。真横に巨大な熱源がどっしりと座り込んでいる状況も日常だ。 「……大丈夫です?まだ臭いません?」 「ちひろさんのイイ匂いがします」 「もうっ、そうじゃなくてですね」 「良いじゃないですか。どうせ外に出ないんですし、俺の頼みなんですし」 俺はちひろさんの体に腕を回す。ぶにゅぶにゅした背中の肉と、左右に大きく張り出した尻肉のせいで向こう側の脇腹にギリギリ手が届くくらいだが。 「もう……」 ちひろさんが諦めたように苦笑しながら俺に少し寄りかかる。重いが心地いい。 結局、当初の予定通り運動をするなんてことは無く、二人でダラダラしてしまったが、それも良いだろう。 「やっぱり美味いですよ。家カレーって感じで」 「ふふっ、お粗末様です」 俺の好みの少し辛みの強いカレーを食べて、額に汗を滲ませるちひろさん。こうやって家庭の味と言うのは作られていくのだろうな、などと思ってしまう。 「さて、よいっしょ……」 ちひろさんが机に手をついて立ちあがる。ミシミシと机が弓なりに曲がる。そろそろ買い替えかな……。 腹肉で支えながら食器を抱えるように持ち、シンクに置いて水に浸ける。そして、そのまま当然と言った様子で冷凍庫を開け、LLサイズのカップアイスを取り出して戻ってきた。 「ふぅ…あむ…んー、美味しい」 「……ちひろさん?」 「……………………違うんです、これはつい、いつもの流れで」 まるで疑問も抱かずカロリーを摂取する姿はもはや敬服すらある。昼間だって口寂しいのか 当たり前のようにスナック菓子の袋を開けていたし。まあそっちも気づいて急いで封をし直していたが。 「ま、良いんじゃないですか。朝あんだけ動いたんですし」 「…………ああっ、ダメダメ…。ここであなたの口車に乗るからいつまで経っても痩せないんですから」 「えぇ……」 今に関しては俺悪くない気がするんだが。 「……でも、開けちゃいましたし、これは仕方ないので…明日からは気を付けます。あなたもちゃんと言ってくださいね?」 「あー、はい」 多分また無意識に食べるんだろうな。 なんだかんだ美味しそうにアイスを頬張ってる姿を見ると、そう思ってしまう。こうやってるからムクムクと太るんだろう。 腹肉が机にぶつかり、少し身動きするだけで腕の肉が震える。事務員服もすっかり特注だし、事務所のデスクも狭そうだったな。 「ま、俺は好きなんだけど」 「んー、何か言いました?」 「いえいえ、美味しそうだなって」 「一口食べます?」 「あ、じゃあ貰います」 「はい、どうぞ」 スプーンですくい、身を乗り出すちひろさん。テーブルがまたミシミシと軋んだ。 食後の休憩も終え、食器を洗う。これでもまだ随分時間があるのだから、休日様様だ。 ソファに座り、なんとはなしにテレビを眺める。隣に座るちひろさんから、汗のムッとした匂いがする。 本人にもそれが届いているようです、時計を見て少し体を起こした。 「さて、それじゃあお風呂…………は、ダメなんでしたっけ」 「はは、付き合わせてすみませんね」 「そう思うならこんな変な事考えつかないでください、もう……」 「それはそれ、これはこれです」 恥ずかしげなちひろさんを見られるのだから、俺が願ってしまうのも仕方ない。 「でも、どうしましょう。ポッカリ時間、空いちゃいますね」 「あー、そこまで考えてなかったな…。というか、もっと運動してちひろさんがヘロヘロになってる想定だったので…」 「ふーん、私のせいですか」 「いやいや、そういう訳じゃ……ああほら、拗ねないでくださいよ」 そっぽを向くちひろさんだが、贅肉が多すぎて体ごと向くことは出来ないので、精々首を少し向こうに向ける程度だ。……顎の肉のせいで首も最近見えづらい。 「あーほら、最終日はどっか行きましょう?あ、ちひろさんが食べたいって言ってたケーキでも買いましょうか、ね?」 「む、なんだか食べ物で釣れると思ってません?……行きますけど」 なんだかんだしっかり釣られてくれるので助かる。 「いやいやそんな事は……。あーほら、機嫌直してくださいって」 「ふふ、そこまで拗ねてませんけど。でも、約束ですからね?」 「ええ、勿論。…………行く気力がお互いあればですけど」 「あー……それは、そうかもしれませんね…」 明日は一日……まあ、激しく交わるだろうし。下手をすると本気で一回も外に出ることなく休みが終わるだろう。 「いっそ、明日に備えて早めに寝ちゃいます?」 「はは、それも良いかもしれないですね。なんならベッドでなんか見ますか」 「あ、それ絶対寝ないやつですねー?ふふっ、お供します♪」 そうと決まれば行動は早い。ソファから立ち上がり、ちひろさんの腕を引っ張って立つのを補助して、二人でさっさと寝支度をする。 「うわぁ……やっぱり、凄いニオイ…」 寝室で寝間着に着替えているちひろさんがそう呟いた。巨大なブラからは、少し離れていてもムワっとした甘い匂いがする。下はもっと凄そうだ。 「良い匂いですよ」 「はあ、あんまり嗅がないでくださいって言っても聞いてくれないんですもんね…」 「ペナルティですから。……というか、俺は大丈夫ですか?」 「え?ああ、どうなんでしょう。私は好きな匂いなのであんまり気になっていないんですけど…」 「俺と言ってること変わんないじゃないですか……」 同じ生活をしているのだから、贅肉の分を差し引いても汗をかいたのは事実だけれど。……いやでもちひろさん程じゃない。150kgオーバーの肥満体は伊達じゃないもんな。 今だって、着替えただけで薄く汗をかいている。 「何見ましょうか」 「そうですねえ……映画は途中で寝ちゃうかもしれませんし、やっぱりLIVEがいいかなあ」 ベッドサイドのテーブルに小型テレビ…というかモニターを動かして準備は万端だ。午前中は筋肉質の男がエクササイズをしていたが、やはりLIVEの方がずっと見ていて楽しい。……午前中も俺は基本ちひろさんを見ていたし。 「それで、どうして抱き着いてるんですか…?」 「え、ダメですかね」 「ダメじゃありませんけど……臭いますし…」 「言う程じゃないですよ。修羅場の時はお互いシャワーも浴びれなかったりしますし」 「それはそうですけど…」 ちひろさんを背中側から抱きしめて本当に準備万端。世界中のどのクッションよりも柔らかくぶにゅぶにゅとした感触と、汗と体臭の混じった甘く濃い臭いは何物にも代えがたい。 もはや腕を回しても届かない巨大なウエスト周りを抱きしめ、ぶくぶくと肥えた尻肉に半ば敷かれるように両足を大きく広げる。ちひろさんは足を少し閉じているが贅肉が多すぎて閉じ切れておらず、俺の足に密着している。お互いハーフ丈の寝間着なので肌がべたべたと密着する。 「ちひろさん、やっぱ気持ちいい……」 「もう、調子が良いんですから」 そう言いながらも満更でもなようだ。あとは、俺が暴発しないように注意するだけ。 大きな尻がときおりもぞもぞと動く。性器が俄かに立ちあがる。密着しているせいか、汗の止まらないちひろさんの臭いは、どんどん濃くなっていく。 こんなに気もそぞろで見たLIVEは初めてかも知れなかった。 「それじゃあ、おやすみなさい」 「はい、おやすみなさい」 LIVEを一本見て、お互いイイ感じに眠気が来たのでベッドに潜り電気を消して目を閉じた。 だが、普段以上に濃く強くかぐわしいちひろさんの臭いと、普段以上に密着していた事も相まって妙にこう……ムラっとするというか。 無論隣に寝ているちひろさんを起こすわけにもいかないし、起こしたとて今日は性行為を禁止しているので、どうする事も出来ない。 何となく寝付けないままベッドの中で悶々としていると、不意に隣で寝てる愛妻が動いた。 「……寝てますよね?」 「…………」 どうするのだろうと、狸寝入りをする。軽くちひろさんが俺の体を揺するが反応しないように。 「…………よいしょ…ふぅ…」 ずりずりとベッドの端まで這って、足を下ろし、立ちあがる。ベッドのスプリングが深く沈み込む。これで起きるとは思わなかったのだろうか。 足音を殺して……まあ殺せてないが、ひっそりと寝室を抜け出すちひろさん。 まさかと思いながら、俺も少し経って後を追う。 「はあ…やめなきゃなあ……でも今日は運動もしたし、少しくらいなら……」 ちひろさんの声がする。寝室のドアを開けずとも、何をしているのか容易に想像がついてしまった。 音を立てず、顔だけをのぞかせる。案の定、キッチンに明かりがついていて、やかんを火にかけている音がする。ぺりぺりと蓋を開ける音……確定だ。 「……何やってるんですか」 「っ!!あ、えっと、あの……いつから……?」 「最初から起きてました。……お腹空いたんですか?」 片手にカップ麺を持ち、今にもいただきますと言わん状況のちひろさん。……常習犯か? 「え、ええ……その……少しだけ……で、でもっ、今日は運動しましたし!だから……その…………」 「いや、別に夜食は全然良いですし、特に気にしてないんですけど。こう隠れてって言うのが若干モヤっとするというか」 「そ、それはその……恥ずかしいですし、痩せるって言ってるのにお夜食なんて……」 キッチンの明かりだけの薄暗い部屋でもちひろさんが恥ずかし気に顔を赤らめているのはよく分かる。 「ま、夕飯も早かったですし、お腹空くのも仕方ないですって」 「う、なんだか優しくされると逆に辛いんですけど……」 「ははっ、俺はちひろさんにはとことん甘い男ですから」 「……知ってます、ふふ」 そう、俺はちひろさんにはダダ甘いのだ。だからこの手慣れ方が初犯じゃないとしても、それは追求しないで置く。……そら痩せんわ。 カップ麵をあっという間に食べたちひろさんが歯を磨いている間、ベッドに戻って眠らず待っている。なんだか除け者にされた感じがしないでもないので、少し腹いせに抱き着いて寝よう。 「ん…なんですか、もう」 「いえいえ、気にしないでください」 「気になりますって〜。…暑くないんですか?」 「ちひろさんが熱いですね…、あとニオイが凄い濃くてこう、ヤバいです」 火を使ったりラーメンを食べたりでまた汗をかいたからか、鼻に届くちひろさんのニオイはより一層強い。 ムワッと空気が色づきそうな汗臭、奥底にはツンとする強烈なニオイがして、人によっては顔をしかめたくなるかもしれない。 「……お尻に、当たってますね」 「ちひろさんのニオイのせいです。俺のせいじゃないんで」 「あら、私がこんなニオイなのは誰かさんのせいだと思いますけど?……本当に臭くないんですか?」 「汗臭いのが良いんです」 「はぁ……」 深いため息を吐くちひろさん。寝間着に汗が染みて、肉の谷間に挟まった生地が湿っている。 抱きしめていると、どこに手を置いてもぶにゅぶにゅとした脂肪の感触しかない。本当に凄い太ったな…。 「……どうせなら、私もそっち向きたいんですけど」 「ああ、勿論良いですよ」 俺が返事をするとちひろさんの巨体がゴロンっと寝返りを打った。ゆさっと大きな胸と、それ以上に飛び出した腹肉が揺れて、俺とちひろさんの間にでろっと垂れる。 「ふふっ、折角一緒に寝ているんですし、やっぱり顔が見たいですから」 「あー……」 普段なら「嬉しいです」とか「俺もです」とか言えるんだが、如何せんちひろさんの濃い臭いが動いたことで更に香ってきてそれどころではない。 息苦しさを回避するために大きく開いた胸元からは、先ほどより甘く湿度の高い臭いがする。しかもこの人は俺に腕を回すものだから、密着度は限りなく高い。 「…………まだ、固いですね…」 「…簡単には収まらないですから」 「…………しちゃいけないのって、セ、セックスだけ…ですよね?」 セックスと口にするのは少しだけ気恥ずかしそうだ。 「え、ええ、そのつもりでしたけど……」 「……その、口でよければ……」 ちひろさんの手が、俺の膨らんだ股間に伸びる。吐息に熱が混じり、マーキングみたいに擦りつけられる肉体が醸す汗の臭いは一層濃い。 「……珍しいですね」 「だって、私もその……いつもよりあなたの匂いが強くて…そういう気分ですし…」 「…………今、何時でしょう」 枕元のスマホを拾い、時刻を確認する。23:40。まだ、一日目。 「……口は、ノーカウントじゃないんですか?」 ちひろさんがそう囁く。ムッとした臭いと、甘い声。 「……そうですね、じゃあ……お互いに」 「えっ……」 ちひろさんが驚愕の声を上げるが、俺一人で処理したって楽しくない。いや、十分楽しいだろうが……、自分だってそういう気分だと言ったじゃないか。 「……嫌ですか?」 「いえ、その……嫌と言いますか、凄い臭いですし……えぇっと……」 「元々そのつもりでしたし、むしろ好都合ですね」 かけていた布団を剥ぎ、自分の寝間着に手をかけた。 「……もうっ」 諦めたように、ちひろさんもパジャマのボタンを外した。閉じ込められていた一日分……昨日の夜からの汗や脂の臭いが一気に部屋に充満して、湿度と臭気が目に見えるようだった。 「……凄い」 「あんまりしみじみ言わないでくださいっ…」 一人じゃ起き上がれないちひろさんの背中に腕を回し、勢いをつけて体を起こす。既にじんわりと汗をかき、湯気が出そうなほど熱い。 パジャマの上を脱ぐ。夜用ブラはサイズが合うものが無いのか、していない。そのせいで、脇や胸の谷間、腹肉の間に籠った臭いまでが広がる。汗臭くて、乳臭く、ムワッと香る。 「それで……どうします?」 「俺として、乗って欲しいですけど……」 「そ、それは流石に……潰しちゃいますし……」 150kgを超える体重を顔で受け止めたら、確かに窒息してしまいそうな気はする。 「じゃあ、横ですかね。仕方ないですけど……仕方ないですけど」 「どうして二回言うんですか……」 「いや、一応最後の抵抗をですね……」 「…………もうちょっと痩せたら、考えます」 一生その機会は無そうだ。悲しい。 自分の寝間着の下を適当に脱いで放る。ちひろさんがごろんっと仰向けになって、両足を持ち上げた。腹肉がつっかえて、酷く不格好だが、こうするか、立ちあがるかしないと脱げないらしい。 「んっ…っくぅ、っふぅ…!」 巨大な尻に手を這わせて、ズリズリと寝間着を剥ぎ、足をぶるんぶるんと振って徐々にずり下げていく。着替えと言うより脱皮だ。 「はぁ、ふぅ……お待たせ、しました……」 「いえいえ。…………やっぱり上に乗ってくれたりは……」 「ふぅ、……しませんって……」 残念。 「あー……俺の方も結構臭いそうなんで、嫌だったら言ってくださいね」 「それは……大丈夫です、多分」 「………まあ、じゃあ、脱がしますよ」 下着は、パジャマ以上に密着しているので俺が脱がす方が早い。流石に、こう言う時だけだが。…………このままさらにブクブク太ったら、そのうち普段でも俺が脱がす事になりそうだ。ま、それも良いだろう。 少し湿ったちひろさんのショーツに指をかける。汗の臭いが強くなる。密集した肉で熟成されているせいか、胸元や首筋よりずっと濃く、鼻にツンとくるような酸っぱい臭いと、湿度のあるような甘い臭いがどちらも過剰に分泌されているようだった。 成人男性の腰以上に太そうな足から、ショーツを脱ぎ取る。汗だけじゃない淫臭がして、俺のが更に固くなる。 「……濃くて、凄い…」 「だからっ……もう」 「ああ、すみませんつい……」 「……いいです、もうしょうがないですから。……あなたも、早く…」 ちひろさんに催促されて、俺は下着を脱いだ。不快な臭いがする。 「……無理しなくていいですからね?」 「ふふっ、自分の事、棚に上げないでください」 「ああ、それもそうか……」 言いながら、ベッドに再び横になる。ただし横向きに。外気に曝されて性器が少しくすぐったい。 「うわ……♡ホントに、凄い臭い…♡スンッ…あっ…濃い…♡」 ちひろさんが、俺の性器に顔を近づけたのが、声と吐息でわかる。視界を塞ぐ程の腹肉のせいで表情までは分からないけど、蕩けた声をしている。 「っふぅ…♡スゥ…♡っはぁ…♡本当に、凄く濃くて…♡♡んむ…♡♡」 ちひろさんの顔が俺の性器に触れる感触。ただ、口内じゃない…この感じは、鼻だろうか。 「すぅぅ…♡っはぁぁ…♡♡臭いのに…♡ダメかも…♡♡すぅぅっ♡♡ぁあっ、凄いですっ♡♡」 ちひろさんの秘部が、じゅんっと濡れていくのがわかった。強烈な汗臭と、淫らな臭いが熟成され、目に染みるほど臭うそこに、顔を近づけた。 「っ……すっご…臭くて、エロい臭いが…」 「っはぁ…♡♡っすぅぅ…♡♡あなたもっ、人の事言えないですっ♡♡んっぅ♡♡」 鼻を近付けるのが躊躇われるほど強烈な臭い。汗が熟成された酸っぱいような鼻にツンとくる臭い、性欲を掻き立てる雌の甘い匂い、微妙に小便のアンモニア臭が混じっているのは、太りすぎて拭きずらいからだろうか。 一週間は鼻がバカになりそうなほど強い臭気は、俺の性器を更に固くさせる。 「はぁっ…凄い臭い……ちひろさんの、ニオイ…」 まるで憑りつかれたように、顔を更に押し付け、秘部に口を当てる。処理がしづらいからか、濃い陰毛の部分は更に汗と尿が残っているみたいで、エグさすらある。 けれど、愛妻の臭いだと思うといくらでも嗅げてしまう。 ぶくぶく太り、肉が密集したせいで更に強くなった臭いは、普段のちひろさんからは絶対に嗅げない。俺だけの特権だ。 これほど肥えたせいで、汗の臭いが強烈だという事は予想できたが、それ以外にも、ともすれば生臭いような淫臭も、小水のアンモニア臭も、全てが愛おしい。 秘部に舌を伸ばせば、痺れるようなエグい味がする。口いっぱいにちひろさんの濃く強い臭いが充満し、酷い香りだ。それすらも、愛おしい。 「んぅっ♡♡っはぁ…♡♡私もっ…んむ…んんっふっぅ♡♡♡」 熱い感触が性器に纏わりつく。ちひろさんの口内は、粘つくような舌遣いも相まってひどく心地よい。肉で狭くなった口内だが、その分吸い付く力が強いようで、ともすれば腰が抜けてしまいそうだ。 「んっぶぅっ♡♡♡っふっぅ♡んっふぅっ♡♡♡…においっ♡♡♡ふおいっ♡♡♡」 じゅるじゅるとちひろさんの口淫が音を立てる。目の前の性器からは更に濃く胸焼けしそうなほど甘ったるい臭いがする。 舌を、ドクドクと愛液を漏らす秘部に這わせる。汗と愛液の混じったしょっぱく臭い味に、味蕾が驚いている。 それも気にせず、ちひろさんの秘部を刺激する。下腹部まで侵食してきそうなほど肥え太った腹肉が、ぶるんっぶるんっと激しく震えてシーツに汗染みを作る。 汗臭は一層キツい。こんなもの、他の誰かが嗅いだら失神してもおかしくない。汗臭さと、甘ったるいような淫臭を凝縮して発酵させたような異常な臭いが、顔中を包んで一生取れなくなりそうだ。 「んっぅう♡♡んぶっぅ♡♡♡んふぅ…んふぅ…っふぅぅっ♡♡♡っはぁぁぁ♡♡♡はぁむっ…っぅ♡♡」 秘部への刺激と、俺の性器の臭い吸い込んだ事で、一瞬口を離してしまい、もう一度貪るように俺の性器を咥える。 荒い鼻息、品のない喘ぎ声、普段のしっかりしたちひろさんとは全く違う痴態。 舐る様に俺の竿が根元から先端まで味わわれては、まるで挿入しているみたいにじゅりゅっじゅりゅっと淫音を立てて吸われる。 昨日も一昨日もそういえば射精していない。あまり長くはもちそうになかった。 だから、ちひろさんにも絶頂してもらうために、より一層激しくちひろさんの秘部を舐る。鼻先が陰毛のあたりに包まれて、一呼吸するたびに強烈な汗とアンモニアの臭いが脳天まで貫く。 目の前の空気にまで臭いが纏わりついているのではないかと思う程の湿度。太りに太ったせいで殆ど隙間のない太ももや、腹肉の下、過剰な汗や贅肉に阻害されて洗ったり拭いたりすることすら満足に行えなくなった事も相まって、嗅覚に異常をきたしそうなほどの臭気だ。 ドクドクと止めどなく溢れる愛液すらも酷い臭いに感じる。もっとも、酷い臭いであっても愛おしく、いつまでも嗅いでいたい。 普段は俺の性器が貫いている性器に舌をねじ込み、ヌルヌルとした感触と熱を味わう。 ぐじゅぐじゅと汗と愛液が陰毛のあたりで泡立っているようだった。 固く隆起したクリトリスを軽く舐れば、ビクンッと体が跳ねて、全身の贅肉が波打つ。 「んっぅぅ♡♡♡っふぅぅ♡♡♡ふぅぅ♡♡じゅるっ♡♡んっむぅぅ♡♡♡じゅるるっ♡♡♡」 腰ががくんっがくんっと小刻みに震える。 しかしこっちも限界だ。 ちひろさんの熱く狭い口内で、舌がまるで生き物みたいに俺の性器と皮の間を舐り、先端を舌先がヌルヌルと刺激する。竿全体が熱く舐られ、精子の通り道を刺激するみたいに舌が這う。 出ると伝えようにも、この異常な臭気と熱気の中心から離れたくない。一生鼻がバカになっても構わないと、更に激しくちひろさんの秘部を刺激する。 「んっむぅっ♡♡♡っふぅっっ♡♡♡んんっぶぅぅっ♡♡♡♡♡」 ちひろさんの嬌声がより激しくなったが、俺の方が先に果てた。 じゅるるっ、激しく根元から舌が這い、先端まで吸いつくされると同時に、限界が来た。 「っ………!」 どっっっびゅぅぅぅっ! 「んぶうっ♡♡♡♡んんっ~~~♡♡♡♡っぶぅぅぅっ♡♡♡♡♡♡むっぅぅっ♡♡♡♡」 ちひろさんの口内で、精子がどくんっどくんっと性器の先端から発射される。くぐもったちひろさんの声と、ぶしゅっぶしゅっと愛液を噴き出す性器が更に俺を興奮させる。 どぶっっどぶっっどぶっっ 「んんんっ♡♡♡♡っぶぅぅぅぅ♡♡♡♡っふむっぅぅぅ♡♡♡♡♡♡っばぁぁっ♡♡♡♡」 ついに口内の許容量を超えたのか、ちひろさんが口を開いた、ぶびゅるるっと音がして、精子が飛び散る感覚と、外気の冷たさ。 「っはぁぁっっ♡♡♡ぶぅぁぁ♡♡♡っふぁぁぁ♡♡♡♡」 甘ったるいちひろさんの嬌声。目の前の性器から顔を離しても、まだヒクヒクと蠢き、ぶしゅぶしゅと愛液を、まるで小水のように漏らしシーツを汚す。 ようやく射精が終わり、俺は体を起こした。 「はぁっ…はぁ……ちひろさん…大丈夫、ですか…」 未だ横たわり、荒い呼吸を繰り返すちひろさん。腹肉は大きく上下し、午前中の運動後のように汗をダラダラとかいている。 顔周りは特にひどい。白っぽいような黄色っぽいような精子が髪や鼻の頭、頬にかかり、胸のあたりまでべったりとコーティングされているようだ。 口内には白い塊のような精子が溢れて、このまま飲み込むと器官まで精子が入り込みそうだ。 べとつく体の後ろに両手を入れて、体を起こす。弛緩した150kg越えの肥満体は酷く重い。 「はぁぁ…♡♡ふぅぅ♡♡♡んっぶぅぅ…♡♡♡」 ティッシュを探すために電気を付けた。よく見れば枕の方にまで精子が飛んでる。 「ちひろさん、ちょっと待っててください。今ティッシュを……」 「ひえ…♡♡はぁ…ほっひひてふだはい…♡♡♡」 いえ、こっち来てください……かな?腕を軽く引かれて、ちひろさんの方に向き直る。汗と精子で顔中ひどいことになっているのに、可愛い。 「んっ…♡♡んぐちゅっぐちゅっ…んっ♡んっぐっ♡♡」 口を閉じ、ぐじゅぐじゅと口内をかき混ぜ、ゆっくりと俺の出した大量の精子を嚥下していくちひろさん。 「んぐっ♡んっぐっ♡♡ぐちゅっ♡んっぐっぅ♡♡っはぁぁ…♡♡」 最後に、大きく口を開く。青臭く酷い臭いだが、精子は無くなっていた。 「……飲まなくても」 「はぁっ…♡♡だって、あなた…んっ♡好きですし…♡んっ…!」 あ、口を手で塞いだ。 「んっぐっ…んげぇぇぇっふぅっ♡♡♡んっふっぅぅ♡♡」 盛大な、精液げっぷ。ここまでしてくれるなんて、なんと愛おしい妻だろう。 「…………今のは、違うんですっ…っふぅっ♡」 「……ちひろさんがエッチになってくれて、俺は大変幸せですよ」 「…………それなら、良いですけど……。うわぁ、凄いことに、なっちゃいましたね…お互い…」 ちひろさんが俺の顔に手を伸ばす。ペタペタと吸い付く感触は、俺の顔が濡れてるからだ。 「凄かったですよ、ちひろさんの濃い臭いがまだ鼻の奥に染みついてて……」 「言わなくていいですっ……私だって、まだ口のなかとか、鼻の中とか精子の臭いが凄いんですから…………シャワー、浴びません?」 確かに、このまま寝るのは流石に無理がある。シーツも変えなきゃいけないし、枕もか。 寝るのは何時になるのかと、時計を見ると0:46だった。一時間近くも、こんな痴態を繰り広げていたのか……。 ……そうか、日付変わったのか。 「……折角シャワー浴びるなら、その前に……シません?」 俺の性器は、さっきの精液げっぷやらですっかり固さを取り戻している。ちひろさんが動くたびに香る脇や腹、胸の肉の間で熟成された汗臭もまだ嗅いでいない。 向こうもまだ満足していないのか、小さく頷いた。 「……シたいです」 そうと決まれば早い。俺は、どっしり座り込み動かないちひろさんを押し倒す。 「脇、嗅ぎたいです」 「……ええ、いいですよ」 もう吹っ切れたのか、従順に動いてくれるちひろさんは、両腕を頭の後ろで組んだ。二の腕が液体のようにだらんっと垂れ流れ、みっちりと密閉されていた脇臭が広がる。下腹部とは違う、純度100%汗の強烈な臭い。テカテカと濡れ、鼻を少し近付けるだけでツンとするような汗臭さがある。電車や車の中でこの匂いがしたら、嫌がる人も多いだろう。 ただ、俺にとっては最高の芳香だ。部屋中この香りでもいいくらいだ。 「凄い……汗の臭いが詰まってるみたいで、ムわって香ってきて、臭くて、良い匂いですよ」 「……口に出さなくて結構ですっ…恥ずかしいんですから……」 「ちひろさん、これからは毎日しっかり体洗いましょうね。こんな匂い事務所で嗅いだら仕事できなくなるんで」 「ヘンな事言わないでくださいっ……!」 会話だけ切り取ればまだ(多少激しい)イチャイチャで済むかもしれないが、ちひろさんの顔は精子が残り、俺の性器は今にも射精しそうな状況と考えると、異常な光景だ。そもそも、これほど太った女性にわざわざ匂いがキツくなるように過ごしてもらった時点で相当異常だが。 そのまま、胸元に顔を近づければ、先ほど零れた精子の臭いと、汗、唾液、そして何か乳臭い甘い匂いが混ざって、こちらもやはり鼻が曲がりそうな異臭だ。胸の谷間と腹肉の間で熟成されているのか、湯気が出そうなほど濃い空気に、思わず咳き込みそうになる。 「もう…なんでこんなのが好きなんですか……」 「ちひろさんも、結構好きでしょ。またやりましょうね」 「やりませんっ」 ま、多分ダイエットに失敗し続けるから、またペナルティと称してやろう。 でっぷりとせり出している腹肉は、特にわき腹がぶよんぶよんと段になりこちらも凄くキツい汗の臭いを放っている。全身余すところなく汗臭まみれだ。 「凄い……ちひろさんの汗の臭い、鼻に残って取れなくなりそうです」 「恥ずかしいからやめてくださいー!」 顔を真っ赤にしているちひろさんは、やはり非常に可愛らしい。このまま全身余すところなく、それこそもう一度性器のあたりや、尻汗でたっぷり臭いの籠ってそうな尻肉の谷間まで嗅ぎたいが、その前に一度射精しておかなければ暴発しそうだ。 「……じゃあ、そろそろシますか」 「もう…………お願いします」 少し拗ねている表情のちひろさんに、俺はゆっくりと体を預けた。