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妹はペットな世界 幼馴染登場編

いつもの帰り道。俺と妹は出来るだけ日陰のある道を選びながら、家路を急いでいた。 「あ~!優人くんだ!!」 そんな声が背後から聞こえてきたのは、家まであと数分という辺り。ここは……あぁ、あいつの家の近くか。 「ねぇ、待ってよぉ〜!!」 俺が振り返ると、声の主はもう数メートルのところまで迫っていた。 ガバッ! 「久し振りぃ〜!!」 柔らかな感触を顔に感じながら、体勢を崩さないように身を仰け反る。 ……こいつは友花。俺の幼馴染で、うちの妹と同じ『妹ペット法』の対象者だ。つまり、こいつも素っ裸。こんな格好で抱きつかれると、流石に少し困ってしまう。 「おいおい、優人君を困らせるなよ……。いつものことだけど。」 背後から、友花の兄であり監督者でもある聡さんが顔を覗かせた。 「だってぇ……、最近全然会えてなかったんだもん。結衣ちゃんも久し振り!」 「ど、どうも……。」 妹は少し苦い表情を浮かべる。何故か、以前から妹は友花が苦手らしい。 「と、とにかくちょっと離れて……。」 友花は不服そうな顔をしつつ、俺から少し離れた。 「もー、優人くんはシャイなんだから。もっとイチャイチャしたいんだけどなぁー!」 ……友花はこういう奴だ。昔からこんな感じで俺に絡んでくる。 「お前、本当に優人君が好きなのな……。」 聡さんは呆れ顔だ。 「当たり前じゃん。私、優人くんと結婚するんだから!!」 「けっこ…!?」 妹が小さく声を漏らした。……心なしか、友花に向ける視線が一層厳しくなった気がする。 「ね、優人くん!」 「あぁ……うん、そういうことにしといて。」 昔は否定していたこの言葉も、いつからか何となく受け入れるようになっていた。実際、俺は将来この素っ裸の幼馴染と結婚するんだろう。……他に相手もいないし。 「もぅ、照れ屋さんなんだから〜!」 ニコニコ顔の友花。悪い気はしないんだけど、この底抜けの明るさには少し危うさも感じてしまう。 何せ、うちの妹とは性格が真反対だ。 素っ裸での生活を強いられているのを、女としてどこか受け入れ切れていないところがある妹。それに対し、友花は『妹』であることを全く気にしていない。こうやって、平気な顔をして素っ裸で抱きついてくるのだ。 友花のことを一番よく知っているのは、義務として文字通り身体の隅々まで把握している監督者の聡さんなんだろうけど、2番目は間違いなく俺だ。ここまで親しい幼馴染というのも、まぁ珍しいだろう。 「……。」 ……ふと脇を見ると、妹が何か言いたげな顔をしていることに気付いた。 「……どうした?」 「……何でもない。」 妹はそう言って、俺に近付いてくる。 「……?」 「あぁ〜、結衣ちゃん、もしかして嫉妬しちゃった?」 友花が、イタズラっぽい笑みを浮かべた。 「そ、そんなんじゃ!!」 「も〜、結衣ちゃんったら、『妹』なのに優人くんと同じでシャイだもんね。兄妹なんだから、もっとベタベタしてもいいんじゃない?ほら、こんな風に……。」 友花が身体を擦り寄せてくる。 「ちょっ!?そんなこと……!」 そんなこと、と言いながら妹が俺の腕にしがみつき、友花を睨みつけた。 ……何だか、バチバチとした空気を感じる。 「あの、ちょっと痛いというか何というか……。」 俺は溜め息をつきながら2人を引き離した。 「もぉ〜!」 また俺に抱きついてきそうな友花。 ……そこを、聡さんが羽交い絞めにした。 「何!?何なの兄貴!私はもっと優人くんとイチャイチャするの〜!」 「……お前が買い物行くって言ったからわざわざ外出してるんじゃねぇか。ほら、さっさと行くぞ。……優人君、じゃあまた。」 「あぁ、はい。お疲れ様です……。」 「あぁ〜ん、優人くん〜!!」 「……。」 「……。」 俺たちは、聡さんに引きずられていく友花を半分呆れた顔で見送った。 「……あいつ、悪い奴じゃないんだけどな。」 俺がそう呟くと、妹はまた腕にしがみついてきた。 「……?何だよ。」 「何でもない。」 妹は、しばらく力を緩めようとしなかった。 「……はぁ、お前も大概だよ。」 俺は溜め息をつき、妹の頭をクシャクシャと撫でる。 「ほら、さっさと帰るぞ。」 「……うん。」 妹はそう言って、四つん這いの姿勢に戻った。……どこか、満足そうな表情に見えるのは気のせいだろうか。

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