「恥ずかしいこと」 桃子さんが言ったその言葉が忘れられなくて、僕は文化祭終了後に色んな人に探りを入れた。 一体、美咲と桃子さんは、どんな「恥ずかしいこと」をさせられたのだろう……。 その一端を僕に教えてくれたのは、部活の先輩だった。 ~~~~~~ 文化祭の準備期間に入ったその日、全裸カフェで働くことになった女子生徒は、体育館に集められたらしい。他に多くの上級生、特に男子生徒がいたという。 女子生徒は一人ずつステージの上に呼ばれる。 そして服を脱がされていくのだ。 それも、自分で脱ぐのではない。何人かの男子生徒がステージの上に待ち構えていて、為されるがままに服を脱がされる。 女子生徒に抵抗する権利は無い。どんなに泣いて逃げようとしても、男子生徒の力には敵わない。観念するしかないのだ。 一枚、また一枚と服を剥ぎ取っていくと、集まった男子生徒のボルテージが上がっていく。そしてステージの上の男子生徒も、その盛り上がりに便乗するように、脱がせ方に工夫をする。 パンツを少しずつ下して、下して、見えそうになったところで、一旦上げる。息を詰まらせていた女子生徒が少しホッとしたところで、一気に下す。 体育館は大盛り上がりだ。 そんなイベントが、「トレーニング」の始まりだという。 ~~~~~~ 「そ、そんなことを……。」 先輩の話を聞いて、僕の頭はもう爆発寸前だった。美咲も、桃子さんも、そんなことをされたのか……。 「あぁ、こんなの序の口だよ。……ちょっと待ってろ。……ほら、これ、お前のクラスの子たちだろ?」 先輩は学校持ち込み禁止のはずのスマホを取り出して、僕に画面を見せた。 そこには、美咲と桃子さんが写っていた。……裸だ。それに、様々なポーズを取らされている。万歳をしたり、寝転んだり、そのまま脚を広げられたり……。 彼女たちの表情は、文化祭の時とは全く違っていた。泣きじゃくり、顔を真っ赤にして、何とかカメラに顔が写らないようにしているように見える。 「ま、お前に教えられるのはここまでだな。来年になったらお前も後輩相手に良い思い出来るからよ。……あ、あんまり過度な期待はするなよ。本番とかは出来ないからな。」 本番は、無かった。 それを聞いて安心してしまっている自分がいる。それだけで救われてしまうほど、僕の心はクシャクシャになっていた。 画面の中の美咲と桃子さんを呆然と眺めながら、僕は文化祭での彼女たちの楽し気な様子を思い出した。 あの時も遠く感じた2人の背中が、もっと遠く、霞んでいろように思えた。