ちょっと専門的なのでギタリスト以外には伝わりづらい戦いの記録。
■序文
エフェクトボード。
それはギタリストの足元においてあるアレ。
なにやら色んな音を出すために使うものです。
なくてはならない重要なアイテムなんですがなんとこいつ、ノイズを出します。
それはもうありとあらゆる要素でノイズが出ます。
俺のボードは出ないぜ、俺は気になったことがない、そんな声もあります。
ですがそれはしっかり対策できているか錯覚です。
原理上、エフェクトボードはノイズが増える要因の最右翼なのです。
当たり前でしょ、間に色々挟むんだから!!!
で、岸田さんもそんなエフェクトボードとは長い付き合いです。
昔は盛大なノイズを吐いていたこいつも長年の調教によりだいぶマシになりました。
使い始めて15年近く経過していますが割と今でもとんでもないことが起きます。
その苦闘の記録を直近までの分まとめてみました。
皆様のお役に立てればと思っています。
初期岸田教団では頭がおかしいことにエフェクターは使うときだけ繋いでおり
いい加減その非効率と面倒くささが音質の利点を凌駕してしまいました。
この時点でバンド結成〜メジャーデビュー。気付くのが遅い。
予めエフェクターを繋いでおいて専用のスイッチングシステムでオンオフを管理する
エフェクトボードの導入を決定します。
もちろん画期的とかそんなことはなく一般的で普通のことです。
意気揚々と板にエフェクターを並べスイッチャーと結線し電源も繋ぎ完成。
ただ繋ぐだけですからあっさりできちゃいます。
とっても簡単。この程度の事をやってなかったなんて恥ずかしいですね。
鳴らしてみよう・・・!と思ったところで気付きます。
そうです、それまで使うときだけ繋ぐスタイルでやっていたので
死ぬほど気になるノイズが爆発的に増加してしまいました。
なぜエフェクトボードをそれまで作っていなかったのかの理由思い出したわ。
そういえばノイズとか音質の問題だったわ。
いくら面倒なのを回避するためとはいえ到底許容できません。
情報に当たるとスイッチャーを使うとグラウンドループなるものが出来てしまい
輪っかになったケーブルがアンテナになってノイズを拾うらしい!
対策にはケーブルの這わせ方をしっかりやればいいと・・・!
光明が見えてきました。工作は好きなので頑張ってやってみます。
さすがインターネットってすごいですね。
こんなマニアックなこともあっさり答えてくれます。
積極的に情報を発信してくれているメーカーさんに感謝です。
さて。そういうことならパッチケーブルの自作です。
長さをなるだけ短く輪っかにならないように配線するにはそうするしかありません。
幸いケーブルは作り鳴れておりやろうと思えば出来ます。
死ぬほど大変でしたがケーブルの長さを調整し輪っか状にならないように
束ねたりしてたら副産物でプロっぽい感じの配線になりました。
ネット上の情報によるとこれでかなり軽減するそうです。
金とってエフェクトボード組み上げてる人が言ってました。
見た目もかっこよくなったのできっと絶大な効果を発揮することでしょう。
さあスイッチオン!
・・・
いや変わってるのかもしれませんがだからどうしたってレベルです。
俺が求めてるのはエフェクトボードなしのときのアンプ直に近いレベルなの!!!
そんな、致し方ないとか必要悪なんて言葉で引き下がるわけがありません。
頑張ったから、大変だったから、偉い人が言ってたから、プロっぽいから、
なんていう感情論で現実を曲げて逃げてたら何も解決しないんですよ!
だって現実にノイズは盛大にでているんだもの!
あとネットの情報はマニアックになるほど信憑性が下がると学びました。
要素を整理して考えます。
間違いなくこのノイズは直列に2〜3個程度を使うときだけ繋いでいた時には
存在していなかったノイズです。つまりボードが100%悪い。
次にこのボードのノイズの原因がグラウンドループなのもおそらく事実でしょう。
エフェクターそのものはこれまで使っていたものたちでしかないのです。
急に本体のノイズが増えるなんてことはありえない、つまりつなぎ方の問題。
繋ぎ方でノイズが増えてるってことはどっかで拾ってるということです。
結果、これまでと違う要素を抜き出して整理して
ひとつづつ倒していけばいいという力強い結論に到達しました。
スイッチャー・・・
利便性のためのジャンクションボックス・・・
やたらと増えたパッチケーブル・・・
パワーサプライ・・・
どうしても通過するものが増えるので必要になるバッファー・・・
クソ多いし並べなくても分かるほど良くなる要素どこにもないなあそれ・・・。
しかし不貞腐れてても始まりません。解決するしかないんだから!!!
変なとこで二重に繋がってるから駄目なんだ・・・。だったら切ればいいやろ!
そういうことなら最も疑わしそうなものから手を付けましょう。
それはジャンクションボックスです。
こいつの中身がどうも信用ならない。
のでとりあえず開いて目で見て確認しましょう!
岸田さんは工作が大好きなので軽率に開いてしまいます。
ジャンクションボックスなんてただコネクタ同士が結線されているだけです。
そのはずですけど・・・。
4個の穴全部のグラウンドが繋がっていました。
えっなんで・・・?マジ???
ジャンクションボックスの使い道から考えたらインプット用の1つだけで良くない?
・・・そういうことならこれ、インプットのケーブルとアウトプットのケーブルで
スイッチャーを間に挟んででっかい輪っかができていることになります。
もしかして早々に原因を発見したのでは・・・?
容赦なくぶった切ってイン・アウトを分離します。
誰だこんな仕様にしたやつ。
これで倒したんじゃね?と思いつつ再チェックしますが結果はNO。
大差がありません。なんか減った気もするけどまだ全然です。
どうみても諸悪の根源なのに思ったよりは悪くないんだなあ・・・。
まだ他にもいるってことですね・・・。
お前がそういう態度ならそういうことならこっちにも考えがある。
このへんで殺意が湧き始めますが諦めの悪さには定評がある岸田さんなので
この程度ではまだまだ引き下がりません。
バッファー・・・はオンオフが簡単なのでチェックが楽。関係なし。
パッチケーブル・・・もスイッチをONにしなければ通ってないはず。
スイッチャー・・・仕組み上ループできまくるけど問題なさそう。
スイッチャーも一応中開けてグラウンドどうなってるかみたんですけど
見事にグラウンドはループするようになっています。
ならパッチケーブルを細工しちゃいましょう。
ループを切りたいならパッチケーブルの片方のグラウンドを浮かせばいいだけです。
スイッチャー内でグラウンドは導通しているのでこれでも問題なし。
ニッパーでシールド線切るだけなので簡単にできちゃいます。
・・・でもなぜか変化あんまりなし。
物によってはこれで解決する部分もあったんですが逆に悪くなることも。
難しすぎだろふざけんなよ。
どうやらグラウンドが大きく迂回してたりするとループになってなくても
音質低下が起きるようです。しかも特にノイズも変化なかったりする。
あーでもないこーでもないとやっていたらふと電源が目に入ります。
んん・・・?まさか・・・?
こいつで全部と繋がっててボードとアンプでループ形成してるのでは?
図解を書くのが面倒なので書きませんが当時の電源ってイマイチで
今のように気が利いてないのでなんか色々つながりっぱなしなんですよね。
じゃあ一つづつアダプター用意して繋ぐか?というのもクソだるい。
なんなら物によっては結局繋がってしまう気がする・・・。
じゃあどうする・・・?
絶縁されてればいいんじゃないかなあ・・・?
ってことはトランス・・・?電源トランス・・・!?
そうだ、電源トランスで動くタイプのサプライだ・・・!!!
電源トランスでDC12Vとか作ってレギュレーターも独立させて降圧、
そうやって9Vを供給すればいい・・・!これなら完全に分離する!
この時そのままやる気を出しすぎて電源を自分で作ったりしてしまいますが
概ね納得行くクオリティの電源を作れたので満足しました。
まあやってることは数万で売ってるVoodooとかのと同じです。
買えよ・・・と思うけどこのときの俺は何も信じれなかったんです。
中身がどうなってるか100%把握してないと安心できない病気。
電源トランス式のサプライに交換して改めてスイッチオン・・・。
・・・
お前か!お前だったのか!
やっぱそのへんで適当に売ってるやつじゃ駄目だったか!!!
弁護するとあの時代は高いのも安いのも中身そんなに変わらなかったけど。
しかしこれなら直と大きな差はありません。
十分実用できるレベル!当初の目的通りです。
やっぱ諦めなければいつかは解決する時がくるんだな!すげえ!
多分なんだけど電源あたりを介してかなりアンプとかと合わせて
巨大な輪っかになってたのかもしれないなあ・・・と思いつつも
詳しいことは分からないのでひとまず良しとしました。
その後は使用感やサウンドを追い求めてエフェクトボードは幾度も改修されました。
電源も大体どうなってるのか分かっているので問題は起きません。
最終的にノイズによる誤動作で人が死ぬ世界である医療用の電源を採用しました。
命を守る為の電源様は流石に素晴らしくノイズ皆無の素敵さ。
まあ音を守る為に使われるのも大して変わらないので頑張ってくれています。
そんなある日、思い立ってボードの外のエフェクターをスイッチャーで扱えるように
チャンネルを1つ外に出せるように改修しました。
ラック式のディレイがあまりにも魂に響くサウンドだったため使いたいからです。
使ってないループが1ch分あったのでそこからパッチケーブルを伸ばして
余ってるボード側面のパッチベイに立ち上げて完成!
ここに繋いだ外部のエフェクターをスイッチャーでオンオフ可能になります。
ん・・・?
なんかおかしいぞ・・・?
裏でずっとジーっていってね?
出たな・・・。久しぶりだけど元気そうで何より。
出たからには次も絶対に許さんぞ。
前回の経験からこういうノイズは電源由来なことが多いと学んだので
ラック側の電源を色々差し替えてみますが一向にかわりません。
ボード側はもうやり尽くしているので問題などあろうはずがない・・・。
電源タップの取り回しを考えて長い距離で繋がらないように配慮したら
多少はマシになりぎりぎり使えなくもないけど・・・くらいにはなりました。
でもこんなんなら使わないほうが全然マシです。
どう見ても電源系の経路は最適化されているのに・・・?
ええ・・・?
じゃあどこなんだよ・・・。(弱気)
ボード単体ならほとんどノイズは増えません。
あんまり直と変わらないくらい。静か。完璧と言っていい。
しかしFXループにラックのディレイを繋ぐと盛大に出ます。
ボリューム絞っても何してもお構いなし。ノイズでっぱなし。
繋ぐ物によって差はありますがどれもクソデカノイズ。
やべえ、何もわからん。なんで???
もしかして日頃の行い?競馬当たらないから???
そんなオカルトについて考え出すほどわからない・・・。
しかしどうしてもこのディレイは使いたい・・・!
色々考えても既にだいぶやり尽くしているのでネタが思いつきません。
結果、使いたい外部エフェクターを使うときだけ直列で繋ぐシステムになり
それって最初期と同じじゃない?みたいな形に。
しかしノイズが出ていては使えないですし直列にすれば一応問題ないし
使いたいエフェクターは使いたいですからね・・・。
問題は繋いだり外したり面倒でクソだるい以外なく解決もできないなら
受け入れるしかありません。昔に逆戻りしている・・・。
これを回避したくてエフェクトボードを作ったはずなのに・・・。
歴史は繰り返すというやつですね。
そのまま数ヶ月仕方なくガチャガチャやってたのですがある日のこと。
諦め悪くFXループに外部のエフェクターと接続するケーブルを
今日はなんとかならないかな?気分で片側だけ挿したらノイズが普通に乗りました。
そらそうなるよね。何も変えてないですからね・・・。
でも何か気になる・・・。重大なことを見落としているような・・・?
改めて繰り返しやってみます。
そういえばそんな執拗に片方だけを抜き挿ししたことはなかった・・・。
外すとノイズ減る。挿すとノイズ乗る。
インだけ挿しても、アウトだけ挿しても同じです。
イン・アウトを両方繋いでもインだけ、アウトだけ片方だけ繋いでも
全く同じ量のノイズが乗っています。
あれ・・・?それはおかしいのでは・・・?
ループが出来ているからノイズが乗るなら片方だけでループになってる・・・
ってことになりますよね???
インとアウト両方挿さないとボードとラック間ではループにならないはずなのに
片方だけで盛大にノイズが乗ってきている・・・。
待て、一回冷静になろう。喜ぶのはまだ早い。
インまたはアウト片側だけでノイズが増えるってことは繋がった先の電源と
このボードやアンプのイン・アウトあたりで輪っかが出来ている・・・
つまりこの、挿した瞬間のこのボードのこのパッチベイで繋がっている・・・。
だからFXループを外出ししているこのパッチベイが悪い・・・ということ!!!
これまで特に問題を起こしてなかったんで気にしてなかったんですけど。
おそらくこのノイズの原因はこいつにある!!!
多分他の対策がしっかりしすぎていて今までバレてなかっただけだ!
特に一度も問題起こしてないから買ったままそういえば一度も詳しく見てない!
こういうときは調べるのが一番速いのでテスターさんを当てて調べます。
テスターさんをパッチベイのいろんなグラウンドの端子に当ててチェックをすれば
一発でわかります!さあ頼むぞテスター全てを明らかにするんだ・・・!
・・・
ピー。(導通しているときの音)
全部つながってる!グラウンド側が全部!!!
どこに当ててもピーっていう!!!
イン・アウトのジャンクションにも使っているんですよねこれ・・・。
全部で4系統あるのでイン、アウト、FXセンド、FXリターンにしていました。
それらのグラウンドがすべて導通している、ということになります。
通りで片側挿しただけで盛大にノイズが増えるわけだ・・・。
ならば答えは簡単!
インプットをパッチベイから除去しスイッチャーに直繋ぎ!
これでどうよ!?
これで駄目ならもうほんとに分かんないから頼む!!!
祈りながら配線を変更し無理やりスイッチャーのインプットにギターを直繋ぎして
電源を入れてチェック・・・!
・・・
・・・・・・
やっと消えた・・・。ノイズ消えたぁ・・・。これだぁ・・・。
めちゃくちゃほっとしました。
これでラックディレイを自由自在にボードのスイッチで管理できます!!!
ついにこの問題を解決できたのでエフェクトボードはさらなる進化を遂げました。
あとはインプットがスイッチャーに直接ささっている事で
変な向きからケーブルが生えて死ぬほどダサい事以外何の問題もなくなりました!
あと生えてる位置が最悪でエフェクト操作の邪魔になります。
・・・。
完全独立のインプット、横から穴開けて作ろ・・・(完)
■まだまだ戦いは続く
現状はなんとか納得行くレベルになりましたがきっとまたなんか出るんだろうな、と
遠い目をしています。なんかあったらまた書くね。
アイエクルスル
2025-10-28 10:55:07 +0000 UTC