女子が男子を嫌悪する暗示とTS
Added 2022-07-09 02:21:03 +0000 UTCタイトルも中身もテキトーですみません。 TS催眠ですがエロはないです。 僕こと日原六郎の所属する〇〇小学校5年1組はなんの変哲もない、ごく普通のありふれたクラスだった。 「いい加減さぁ、日原くんも観念して私たちの仲間になりなよ」 「あなたと親友だった相澤さんも、ほら、今じゃ女の子になってあんなに楽しそうにしてるよ?」 「男子と同じ部屋にいるって私らからしたらかなーり気持ちの悪いことなの!自分勝手な考えはやめて女の子になりなさいよっ!!」 だというのに、今では男子と女子は常時いがみ合い、険悪な空気が流れ続ける居心地の悪いクラスに変わってしまった。 「ねえ六郎くん、お願いだから私たちと一緒になろ?今からでも先生のところに行って、女の子にしてもらおうよ?じゃないと、もう仲良くなんてできなくなっちゃうから……」 そして幼馴染みの佳代までも、僕にそんなことを言ってくる。 本当に、気が狂いそうになる。 事の発端は先月、とある女教師が僕たちの担任に就いたあの日。 あの日から僕らは、女子のみんなや変わり果てた友達からの悪意に怯える毎日を過ごしている。 ××× 「今日から臨時で担任を務める今井百合です。皆さん、仲良くしてくださいね」 不慮の事故に見舞われしばらく入院することになったらしい元の担任と入れ替わって、今井先生が新しく僕たちの担任になった。 「先生、髪の毛キレー!」 「百合先生ってカレシとかいるのー?」 「その服お洒落でいいなぁ」 と、女子一同が盛り上がりを見せる中、隣の席にして幼馴染みの今泉佳代が僕の耳元に口を寄せ、ボソリと呟いた。 「なーんか、きな臭い」 「?先生のこと?」 「うん。なんていうかさ、見てるとゾワゾワするんだよね……六郎くんは感じない?」 「うーん、特になにも。綺麗な人だなってくらいしか」 「……六郎くんってああいう女性がタイプなの?」 「へ?い、いやいやっ!別にそういうわけじゃ……!」 「ふーん、そうなんだ……私も髪、伸ばそうかな……」 と、そこでチャイムが鳴り始めたため、多少のざわつきを残しながらも一旦教室は静かになった。 「さて、私は赴任してまず1番に、これをするんです」 そう言ってから、今井先生は右手を僕らに向けて何かを呟いた。 「……ッ」 「……?佳代、どうかした?」 ふと隣を見ると佳代が額に手を当て、少し息苦しそうにしていた。 「……くっ」 「あっ……」 頭が痛むのだろうか。そう思い佳代を保健室へ連れていこうと席を立ち、気づく。 彼女だけじゃなく、みんなが同じような症状に見舞われているらしいことに。 「……あれ?でも」 僕みたいに異常のない子も少なくはない。というか、男子は全員けろっとしているようだ。苦しんでいるのは女子だけに見える。 「これはね、暗示を掛けているの」 先生はこんな事態にも関わらず平然としていて、それどころか嬉しそうですらあった。 「いったいなにを……いや、それよりもまず救急車を……」 「呼ぶ必要はないわよ」 僕の言葉に被せるように、先生はそう断言した。 「もう終わったから」 「え?……あ、佳代!もう大丈夫なの?」 先ほどまで苦しげに俯いていた佳代は気づけば顔を上げていた。蒼白になっていた顔もすでに生気に満ちていて、いつも通りの佳代に見える。 「……ごめん、六郎くん。私に、話しかけないで」 「へ?」 そんな僕の間の抜けた反応に佳代はなぜかしかめ面を浮かべ、それからいつも僕と遊んでいる時のような、爛々とした楽しげな笑顔を先生に向けた。 「ワケが分からないという人もいるでしょう。男の子は特に」 愉悦を滲ませたその笑顔はどこかおぞましく、先ほど佳代の言っていたことを今さらながらに少しだけ理解した。 「ではお話ししますね……先生、女の子と男の子は仲良くしないほうがいいと考えていてね……だってそうでしょう?華のように可憐な乙女をむくつけき男どもに晒して、その珠のような身と心が汚れてしまっては一大事ですもの」 そして、心底気持ちよさそうに、彼女は馬鹿げたことを口にした。 「なので私は皆さんにこのような暗示を使いました。『女子の心に男への反意、憎悪を植え付け、代わりに女子への親愛を強くさせる』暗示を」 「あ、暗示……?」 「難しかったですか?催眠術みたいなものなのですが」 意味を聞いているんじゃない!唖然としているんだ!暗示だなんてそんな超次元な力、普通の人間じゃまず持ち得ないだろう! 「私がどうしてそんな力を使えるのか、そんなことはどうだっていいんですよ……それよりも、そろそろ女子の皆さんがしんどくなってくる頃だと思うので、まずちゃちゃっと席替えをしちゃいましょう」 「は?席替え?」 「ええ。ではみなさん、どうぞお好きな席に移動してください」 すると、女子全員が一斉にその場を立ち上がり、その机を動かし始めた。 「あっ!な、なんだよっ!?」 そして、男子の机を無理やり全部窓側に押しやり、彼女たちは漏れなく廊下側へと固まった。 ちょうど教室の中央から左右に分断でもされたかのように、男子と女子の組が出来上がっていた。 「今の彼女たちにとって、男子のみなさんと一緒にいることは耐え難い苦痛なのですよ。少しでも距離を置きたくて、こんな座席配置になったんです」 女子のひとりと目が合う。するとその子は、まるで吐瀉物でも目にしたかのように顔を歪ませそっぽを向いた。彼女は活発な子で普段から僕ら男子と一緒に球技で遊ぶ親しい女友達だった。そんな彼女が本心から僕らを拒絶しているのを見て、僕は愕然とした。 いや、本心ではない。これはそこにいるやつが引き起こしたものだ!人の心を操作するなんて、絶対に許されることじゃない! 僕はさっそく緊急用の携帯電話を取り出し、お母さんに電話を掛けた。 「ちなみに暗示のことはここにいる人以外には誰にも話すことができません。話そうとしても、その時だけ自分が何を話そうとしたかを忘れてしまうのです」 「あっ、もしもしお母さん!?大変なんだ!……あれ?何が大変なんだっけ?」 『ちょっと六郎!お母さんはそんなつまらない悪戯のためにケータイ渡してるわけじゃないのよ!?』 「あ、ご、ごめん……じゃあ、切るよ…………ああっ!!」 なんで!どうしてっ!助けを求めるために電話したのに、僕は何をやってるんだっ!! 「と、このようにどう足掻いても無駄ですので、女子の皆さんは心のままに女子だけと仲良く過ごし、男子の皆さんはおとなしく身を縮こまらせながら過ごしてください。女子の言うことにはよく従い、常に女子を第一に考えて学校生活を送りましょう」 「ふざけんな!ホイホイ操られて俺に冷めた目を向けてくる女どもの態度も気に入らねえし、まして俺らがドレイみてえになるなんてありえねえ!!オーボーだっ!」 と、僕ら男子のリーダー的な存在の須藤君が勢いよく抗議した。 「さっさとこのふざけた状況を元に戻せ!!戻さねえってんなら、実力行使に出るぞ!?」 言いながら拳を振り上げる彼。普段は短気で気難しいところもあるけど、こういう時は心強い。 「……やれやれ。これだから男子は粗暴でいけません。では、彼にはひとつ見本となっていただきましょう。ええっと、今泉佳代さんでしたか?彼のお名前はなんですか?」 「はい、彼の名前は須藤仁(ひとし)です」 「ありがとう。では須藤仁くん、あなた、今ここで床の雑巾掛けを始めなさい」 「……はぁ?馬鹿にしてんのかよ!いきなりワケわかんねえし、そもそも俺があんたの言うこと素直に従うわけねーだろっ……う?」 そう言い切ったのち、須藤君が抑揚のない呻きをこぼした。同時に、彼の身体に異変が訪れた。 坊主頭だったその頭皮から絹のように細くしっとりとした黒髪があふれ、うねりながら垂れていき、それらは腰にまで達した。 ガタイの良さに見合う大きな顔が不自然に縮こまっていき、美形といって差し支えのない輪郭に収まると、さらによく焼けて浅黒かった肌が一面透明感のある乳白に染まる。 ぼんやりと開かれた唇は瑞々しさを増し、明るく薄紅色を湛えながら、蠱惑的な吐息を漏らした。 さらりと彼が目もとに掛かる前髪を細く弱々しくなった指先でおもむろに掻き分けると、そこから品のある柔らかな眉と、ぱっちりとした大きな瞳が顔を覗かせた。それらを囲う睫毛もまた以前の彼のものではなく、よく伸びて緩く弧を描いた華やかなものになっていた。 さらに身体つきも華奢に変わり出し、僕よりひとまわり大きかったその背丈もぐんぐんと縮み、僕の首元にしか届かないほどに至った。 胸部がわずかに盛り上がり、男子ではあり得ず、けれど女子であれば相応の膨らみが形成されていることが目で見てはっきりと分かる。 培われていたはずの筋肉もすっかり落ち込み、二の腕は突つけばふにゅりとだらしなく凹むのではないかと思えるほど柔らかそうに見える。 リレーではアンカーを務めていたその脚も美しくも頼りなさげなものへと変わり、やはり日焼け跡の一切見当たらない綺麗な素肌が見る者の目を惹きつける。 「……う」 棒立ちする彼が再び呻くと、着ていた服が一瞬で光の粒へと変わり霧散し、そしてそれらが彼の身体に纏わりつき始めた。やがて光源が落ち着いてくると、彼の服装はピンク色のTシャツにハートのアップリケ、さらに男子なら股間部が窮屈でまず履けないだろうホットパンツという明らかに女子向けのものへと差し替えられてしまっていた。 露わになった両脚は自然と内股になっていて、また自らの変貌ぶりに驚く彼はまるで女子みたいに手を口元に当てていた。 「えっ、俺、どうなって……声までっ!?……う、ううっ……」 声まで女子のように甲高くなっていて、そのことにいよいよ感情が耐えきれなくなったのか今にも泣き出しそうな須藤君を、先生が優しく抱擁した。 「大丈夫よ。あなたはもう須藤仁じゃない。須藤瞳なの。これからは女の子として新しい人生を始めるの」 い、意味が分からない。クラスの女子たちに暗示を掛けるに留まらず、男を女に変える力……? そんな先生の異次元ぶりに開いた口が塞がらないでいると、さらに衝撃の展開が起きた。 「見てごらん。あっちに固まる男子たちを」 「……あっ!い、いやっ……男の子、いやだっ……!」 須藤君のおかしな反応に、しかし先生は驚く素振りもなく満足げだ。 「な、なんで俺、先生といると安心する……男の子たちの輪に、戻りたくない……」 「うんうん。可愛らしくなったね。これからよろしくね、瞳ちゃん」 「す、須藤君!」 悪い予感がして、とにかく一度須藤君を先生から引き離そうと僕は慌てて彼の腕を引っ張った。 「さ、さわらないでっ!!」 「……えっ?」 ところが当の須藤君は、ものすごい剣幕を見せ、さらに僕の手を強く振り払った。 「……あ、なんで?あたし、どうして……」 いつの間にか自分のことを"あたし"とまで呼ぶようになった須藤君を見て、僕は予感が的中したことを悟った。 「暗示が、須藤君にも及んでいる……?」 「あら、察しがいいわね」 「私の力も万能じゃないのだけれどね?『女子がする"日常生活の範疇で相当のお願い事"を断った男子は女子化する呪い』、そして『女子は男子を嫌い、女子とより親しくなる暗示』を使えば、私好みのクラスに染め上げることも難しくないのよねぇ♪」 つまり、先ほど先生のお願いに従わなかった須藤君は呪いによって女子にされ、さらに女子になったことで彼は僕ら男子に対して著しい嫌悪感を抱くようになった、ということだろう。 ……。 「そ、そんなの、理不尽じゃないか……」 「そうね。これから卒業までずっと女子の下僕として学校生活を送るのは辛いわよね。だったらほら、あなたも早く女子になりなさい」 「……」 「往生際が悪いわねぇ……そういえばあなた、佳代ちゃんと仲良さそうにこそこそ話していたわよね?ふふっ、佳代ちゃん、この子の前に来なさい」 「えっ、はい……」 先生にそう言われ、渋々といった声音で返事をする佳代。 「佳代……」 「あの、ごめん。六郎くんが悪いとかじゃないんだけど、でもやっぱり私を名前で呼ぶの、やめてくれないかな?」 「えっ?」 「いや、えっじゃなくてさ。その、私も女の子だからさ、正直、男の子に名前で呼ばれるの、嫌なの」 「……」 「それで先生、どうして私をこんなところに立たせたんですか?」 「くすっ。十分よ、もう戻っていいわ」 そう言われて早足に引き下がる佳代。女子たちのほうからは「佳代、日原くんなんかと話して、よく頑張ったね?」「ほんっと男子なんてクラスからいなくなればいいのに!」「これからはこき使いまくって、あいつらに早く女の子になりたいって思わせるようにしないと!」なんて聞こえてくる。 「さて、須藤さん。貴女はどちらに行くのかしら?」 「えっ?」 「そっちとこっち、男子と女子……お好きなほうを選びなさい」 言われて、須藤君は僕ら男子のほうへと足を進めた。 「……ッ!」 けれどすぐさま、彼のその腕が鳥肌を浮かべ出す。 先生の暗示というのはもはや、生理現象に近い効力なのだろう。それは佳代とのやり取りで確信していた。あれだけ長い付き合いで、いつも一緒で仲良しの佳代が僕に対してあれだけ冷たくなったのだ。精神論でどうこうできるレベルの問題ではないのだ。 須藤君が振り返り、女子のほうに目を向けた。すると彼の鳥肌は途端に収まり、無意識か表情まで明るく綻んだ。 そして、彼が女子の一同に飲まれていくのに、そう時間は掛からなかった。 ××× 日々を鬱屈と過ごす。いじめの被害を受ける子は、こんな気分なのかもしれない。 男子のリーダーな須藤君も、親友だった相澤も、幼馴染みの佳代までも、あの教師に存在を歪められてしまった。 「じゃあ日原くん、今週も掃除ひとりでお願いね」 須藤君がそれだけ伝えて他の女子たちと教室を後にする。全員お揃いの赤いランドセルが、男子だったはずの彼らが女子としての社会的地位に収まってしまったことを強調しているようで心が苦しい。 「あ、日原くん。いいところに」 そんなセリフとは相反して、渋い顔を向けてきたのは佳代だった。 「私、これから瞳ちゃんたちと遊びに行くからさ。トイレ掃除頼んだよ」 言い終わるが早いが背を向けて、早足に教室を去っていった幼馴染みを見て、僕はーー 「その……一緒に遊んでもいい?」 瞳ちゃんの家の鈴を鳴らすと、家主の代わりに佳代ちゃんが応答してくれた。 ……前髪、変じゃないかな?お洋服、おかしくないかな? そんなおどおどとした私を見てか、佳代ちゃんはくすりと笑って、そしてこう問いかけてきた。 『知らない人をおうちに上がらせるのはダメなので……お名前を聞いてもいいですか?』 久しぶりに聞く彼女の優しい口調に胸が暖かくなるのを感じながら、私は自己紹介をした。 「私、日原六花です」
Comments
素晴らしいですね。 この作品に限らないですが、いつか漫画化(なんなら挿絵だけでも)とか期待です。
axcnykvgbtyfy
2024-02-11 16:56:26 +0000 UTC