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孔明の罠
孔明の罠

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証明写真撮ったらなぜかリクスー女子が写ってて、気づいたらリアルの俺も写真の通りに変わってたけど面接まであまり時間もないし…俺もうこのまま行ってきます!

↓供養です。 「まずいまずいまずいまずい!」  俺の名前は進藤海。大学4年生なため絶賛就職活動中だ。  そして今日は第一志望の会社の採用面接がある。憧れのワークスタイルが懸かった人生でまたとない大一番なのである!そんなわけで、準備万端の状態で俺は今日という日を迎えた。  ……はずだった。 「履歴書に写真貼り忘れてて、しかも焼いたやつもう残ってないとか嘘だろ〜!」  その会社は履歴書の提出とあわせて第一面接を行う。履歴書には当然、自分の証明写真を貼る。しかし肝心の証明写真はもう手元にない。そして面接開始まで、なんとあと1時間を切っている。つまりどういうことか。 「終わった……」  俺ってやつは、こんなときに大ポカやらかすなんて我ながら情けない。膝から地べたにくずおれる。スーツの汚れなんて今さら気になんてならなかった。 「……ん?」  絶望の中、そんな俺の目線に合わせるかのような、こぢんまりとした立て看板が目に入った。 『あなたがもっとも綺麗に写るように撮ります!by証明写真機(ここの路地裏入ってすぐ!)』 「こ、これは……!」  降って沸いた僥倖!就活でインスタント写真機だなんてたぶん足切り待ったなしだが、それでも今の俺に一縷の望みが生まれた!膝を払って、藁にでも縋る気持ちで写真機に身を投じる。 「よし、調整オッケー。頼むぞ……」  この際なんだっていい。せめて普通のインスタント写真機より上等な機種であってくれ。  そう願いながら撮影ボタンに手をかけた。正面からパシャリと音が鳴り、撮影完了のアナウンスが響く。撮り直しの機能は今時にしては珍しく、どうやらないらしかった。 「……おっと」  機体から出る際の段差で躓きかけ、思わず素っ頓狂な高い声が漏れた。なんとなく太ももに窮屈さを感じたのと、履いている革靴の奇妙な違和感とが相まって、普通に転んでしまいそうになった。  1分と待たず証明写真は焼き終わった。おそるおそるその写真を手に取り、そして俺はその仕上がりに目を見張った。  とても綺麗な、プロ顔負けの証明写真がそこにあったから……ではない。 「……誰これ?」  とても綺麗に撮れていて、誇張抜きにプロ顔負けの証明写真とさえ思えたが、そこに写っていたのは自分ではなく、リクルートスーツを身に纏った端正ながらも溌剌とした印象の、可愛らしい女性だった。  そして、写真に写っているその女性が今の自分自身だと気づくのに、そう時間は掛からなかった。


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