真っ暗森の主(アブソル×エーフィ)前編
Added 2021-10-15 09:14:35 +0000 UTCエロパート無しの前編部分です。 エロパートは支援者限定となります。 ----------------------------------------------------------------------- 人間はいないポケモンたちだけが暮らすこの大きな地域ではポケモン達が独自の文化で村や町を作り上げていた。ある地域では救助隊と呼ばれる組織が組まれ、こまったポケモンたちを助ける仕事を生業としていたり。ある地域では探検隊と呼ばれる組織が他の地域にまで探検に出かけたりしている。 ほとんどのポケモンたちが気のいいポケモンだが、どんな地域にも必ず悪に染まってしまうポケモンたちがいる。最も悪タイプだからといって悪いポケモンとは限らないのだが。 そんな場所である一匹のポケモンがお日様の出てる時間でもずっと闇に覆われたように暗いままだという真っ暗の森というところに調査に来ていた。紫色の毛並みに二股に分かれた尻尾を持つエーフィで名前はミア、その名前だけでなくたまに雌にも見られがちな見た目だが、れっきとした雄の彼は調査隊と呼ばれる組織の一匹。ずっと闇のままの真っ暗の森がいつも以上に暗いというはなしを受けて調査に来ていたのだ。 「ほんとに真っ暗すぎ。これじゃあ僕は太陽の力が受けれないかも。まぁ何とでもなるか。」 すこし先の地面や木々が見える程度の暗さだったのが数十日前から余計に暗さを増して、今では本当に目の前や足元くらいしか見えないほど暗い。 太陽ポケモンといわれる種族であるエーフィ、ミアも例にもれず太陽のないところでは力は落ちるが彼には他のエーフィにはないちょっとした力があった。エスパーポケモンらしい予知の力である。 とはいっても万能なわけではなく、ほんの少し先に起きる自分に起きる危機を予兆する程度の力ではある。だがこの力である山の崖では落石の危機を回避し、ある砂漠では突然の流砂を感じ取ることもできた。一番小さいでは小石に躓く予兆もしたことがあるくらい。自分の意思ではなく感じ取れるその予知の力を頼りにしてもいた。 「みんなー、いるかー!」 「いるぞー!」 飛び交うヤミカラスの声はすれどミアからすれば姿は一切見えない。ヤミカラスたちはこの闇にも慣れて今でこそ飛べるようになっていたが、悪タイプである彼らでも始めの数日は飛ぶことは困難だったくらいだ。今でも頻繁に声を掛け合って飛んでいる。 当然初日のミアが闇に対応できるわけはなく、唐突に目の前に現れたかのようにそびえたつ木に何度もぶつかりそうになる。 「うわ、あぶなっ!うーん、始めには余地が発動したのに、ぶつかりそうになっても予知が発動しないのは近寄れば見えるからかな?それとも何度もぶつかりそうになってるから?」 入って少しのうちは予知によって木々にぶつかりそうになるのすら回避していたが、今は予知が発動しなくなっていた。といっても自分の意思で感じられるものでもないので発動しなくなった原因がわからずにいた。 予知ができずとも気にぶつかりそうになる程度のこと以外には何も起こらず。ミアはどんどん森の奥へと進んでいってしまう。 奥には進むが、暗すぎて調査というような調査もままならない。昼過ぎにしっかりご飯を食べて森に入ったのに、少し小腹もすいてきた。調査隊の特性バックには一応リンゴが5つオレンの実が5つ入ってはいた。念力を使って歩きながらバックを開けてリンゴを取り出し、浮かせたままかじりついた。 「うーん、このまま何もないとさすがにどうしようもない。突き進んで森を抜けるにもあとどのくらいかわからないのに、いつの間にかヤミカラスの声もしなくなったから聞くこともできないや。」 現状を整理するためか、不安を払しょくするためかこうして独り言をつぶやくことが多いミア。悩みながらもリンゴを食べ終えて、残った芯を森にと捨てる。木の実の種や芯を森に捨てても、すぐに森の土が分解するので、ポケモンたちにおいて問題行動ではない。 それが誰かの縄張りだったりしなければの話だ。村や町に住まずヤミカラスたちのように森で気ままに過ごすポケモンには縄張りがある。そんな場所でポイ捨てすれば縄張り主は黙ってみてはいない。 木の上を伝いミアの行動をずっと見ていた存在がキラリと赤い目を光らせる。明るい場所ならば美しいほどの輝きを見せるであろう白い毛並みに黒い尻尾や角を持つアブソルだ。高めの木の一番上の枝葉は日をさえぎるように大量に生い茂っているが中段にも枝が生えそこを渡ってきていたようだ。 地面にもところどころに落ちてきた葉があるというのに、そこから落ちたったアブソルは音一つ立てなかった。そのままそろりそろりと音を立てないままミアに近寄っていく。そこそこ離れているのにもかかわらず、闇の中でも完璧にミアの姿をとらえているようだ。 ミアはミアで木々にぶつかりそうになっているのもあってかゆっくりとしたスピードだ。そんな早さではあっという間に追いつかれてしまう。 「お嬢さん、俺の縄張りでポイ捨てはいかんよ。」 「うわぁ!びっくりした!急に声をかけないでくれよ。というか僕は雄だ、失礼な。」 「おっと、それは悪かったね。だが悪いことをしたのはそっちが先だよ。」 音もなく背後に伸びより声をかけたのにもかかわらず、悪びれる様子もなくミアの行動を指摘する。ミアからすれば近くに来たアブソルは輪郭が見える程度で、種族がアブソルだということがかろうじてわかる程度だった。 「あぁ、縄張りでのポイ捨てか。悪かったけど、洞窟とかならともかく、こんな森で騒ぐことか?森だったら木の実のかすとかいっぱい落ちるだろ?」 「悪いことをしておいてその態度はどうなんだい?それと、縄張りに入ってから見てたけど、まっすぐ進んでるつもりだったみたいだね?でも君、まっすぐ進めてないから、今迷っているよ?」 「んなっ!そ、そんなはずは・・・いや、縄張り警戒で見てたならそうなのか。でも適当に歩いてもいずれ森からは出られるさ。まぁ教えてもらったことだし、ポイ捨てしちゃったリンゴの芯はちゃんと拾って回収するよ。」 「フーン、まぁそれならいいけど。ちゃんと回収するか見張らせてもらうよ?」 「まぁ君の縄張りなんだし、勝手にしてくれ。」 アブソルの高圧的な態度に少しイラっと来たものがあったものの、まっすぐ戻れば森を出られるくらいに思ってい当てが外れた形になってしまったかもしれない現状、ここを縄張りとするアブソルの存在に少し安心感があった。実際突き進んで抜けるのにどのくらいかかるかもわかっていなかったのだから。 とりあえずはこれ以上の反感を勝ってもしょうがないと先ほど捨ててしまったリンゴの芯を探しに戻る。つい先ほどのところに少し戻るだけ、そのつもりだったのに、なかなかリンゴの芯が見つからない。 「・・・あれ?おかしいな?こっちじゃない?」 「うん、君この森の地形全然わかってなさすぎだね。もう少し右に言ったところだよ。」 「そ、そうか、悪い。」 アブソルの言うとおりに足を進めると土の上に転がるリンゴの芯を発見する。念力で拾い上げるとバックの不要物を入れる場所にと突っ込んだ。 「これでいいかな?縄張りでポイ捨てしたのは悪かったよ。」 「あぁ、これでこの件は許そうか。そういえば君は何の用事で俺の縄張りに来たんだい?」 「うーん、調査隊に協力してくれるっていうなら話そう。」 調査隊という言葉に一瞬目を細めたアブソルだったが、すぐに軽い笑みを浮かべた。 「協力できる範囲なら、ね。」 「なら教えよう。真っ暗の森が余計に暗くなった原因を探しに来たんだ。でもこの暗さで調査どころじゃないけどね。」 「うーん、そういうことか。残念だけど俺もこの暗さになって一時は少し不便したけど、悪タイプだからか今では闇に慣れちゃったからね。特に困ってないし原因を探したこともないよ。」 「そうか、ここに住んでたと言うポケモンの依頼だったけど、悪タイプなら慣れが先で原因究明はしないか。」 ミアは依頼してきたというポケモンたちの中に悪タイプがいなかったことを思い出し、ヤミカラスもいまだに過ごしていたなと思い直す。アブソルもまた悪タイプだから不便に思わなかったのだろうと。 「探す必要があるなら何かの縁だし手伝おうか?森を歩くのもきついようだからね。」 「・・・助かる。とりあえず暗くなっていったのは森の中央が先だったという話だからできるだけ中央に行きたいんだ。」 「中央ならこっちだよ。ついてくるといい。」 アブソルについて歩くまましばらく時が過ぎる。空腹感が増してきてアブソルに確認したうえでリンゴをつまみながら歩く。リンゴはなくなりオレンにまで手を付けていつの間にか残り一個となっていた。 アブソルもアブソルできのみを食べていたが、取ってくるのがマゴのみでミアにとっては食べ手もハラは膨れた期はしないし、混乱するしで食べれる木のみではなかった。 「ほんとにこの辺はマゴのみしかないのか?」 「俺は好物だけど、君は苦手なんだね。マゴのみが多いから縄張りにしてるんだ。他の木のみは見たことないよ。」 「うーん、オレンもあと一個しかない。これ以上歩くと腹が持たなそうだ。中央までどのくらいだ?」 「もうすこしさ。あの真っ黒な気がこの森の中央だよ。」 「あのといわれても見えないんだが、それなら行こう。」 最後のオレンを口に入れてアブソルの後を追う。少し歩くとアブソルの言っていたように周りの黒こげ茶の木々とは違い明らかに真っ黒なこの森一番の大木に到達する。 「明らかに何か原因のありそうな場所じゃないか。なんで君も誰も調べないんだ?」 「この木はこの暗さになる前からこの色だしここにあるよ。」 「そうなのか、変わったところの心当たりでもあればと思ったんだが。」 「実はね、変わった心当たりはあるんだよ。」 「何?それはいったい、うぐ!?」 アブソルの強烈なみねうちが急所にと入り、アブソルをにらみつけるようにしながらもミアはその場に倒れ込む。美しい見た目に合わないほどの凶悪な笑みを浮かべてミアを見下した。 「変わったところ、それはね、この大木を俺が縄張りにするためにくりぬいたってことさ。そして何よりこの暗さは俺の変化させたのろいの力によるものなのさ。」 もはや聞こえていないであろうミアに真実を解き明かし、器用に倒れ込んだミアの下に頭を入れて背にと乗せると、そのまま巣である黒い大樹の中にと運んで行った。