捕縛ヒーロー/ポータル性器分離 #6 ヒーロと呼ばれない仲間
Added 2021-05-28 04:00:00 +0000 UTCビル群が立ち並ぶ都会の中でも他のビルよりすこし大きなビルの地下にヒーロー達の本部は存在した。少し前ならばそこに詰めていたのは新人であるクロウキャットとハウルドッグ、かなり慣れてきていたハントタイガーとファングウルフの4人がメインであったはずだ。 だが今は遠出するようなヒーロー活動をしていたソルジャーレオとシールドタートル、現役からは少し退き気味であったはずのフレイムドラゴンとアイシクルユニコーンの4人のヒーローが集まっていた。 「それで、状況はどうなんだい?ヴェンター。」 「え、えっと、ぼくに振るんですか?シルドさん。」 「何を言っている!ヴェンターが4人をもっと止めていればこんなことにはならなかったはずだ!我々がいない間の責任者は其方だったのだぞ!」 「落ち着きなさいソル。これは彼だけの責任ではない。私たち全員の責任です。」 「そうだなシクルよ。儂らも動く必要があることに間違いはなかろう。」 実際には会議には5人いたが、ヒーローが4人というのはあながち間違いではない。話を振られたインヴェンターラクーンはソルジャーレオとシールドタートルより少し後に来た英雄能力を持ったアライグマ種だ。 集まった4人に比べてしまうと身長が半分ほどの彼自身の能力は開発者としての力で機械類の発想はもちろん、ヒーロー達が自分の能力を調整するためのインナースーツも開発した。 ただしその英雄能力は他のヒーローと違い身体能力への影響が一切なく、戦闘面では全く役に立たない。ヒーローとしての活動は主に犯罪者の取り締まりで場合によっては実力行使も必要となるため、表舞台でのヒーローとしての活動はなくもっぱら裏方なのだ。 「まぁまぁ、とにかく状況を聞こうじゃないか。」 「そ、そうはいっても、そちらで得ている情報と同じだと思うのですけど・・・」 「いいから報告しろというのだ!」 「ひっ、わ、わかりました。えっと、捕縛されたのは始めにクロウキャットとハウルドッグの二人です。普通の見回り任務だったのですが、どうやらその時に今回の相手と遭遇してしまったようです。」 そこから始まったヴェンターの報告は4人ともがすでに得ている4人が捕縛されたという情報通りの報告で、一通り聞き終えたが4人で目を合わせてうなずきあっただけだった。 「ありがとうございます。ヴェンター。ですがさらに先日、リープラビットとファストチーターが捕縛されたようです。あなたの開発したスーツの反応が消えました。」 「えっ!?あの素早い二人が捕まったのですか!?」 「その程度も確認していないのか!其方の開発したものだぞ!」 「もういいだろうソルよ。ヴェンターの装置でもわからない。儂らも本拠地はつかめていない。その事実が必要なのだ。まずはそれを突き止めるところから始めようではないか。」 フレイムはレオを収めたがそのあとの会議は完全にヴェンターを抜いた4人で話が始める。ヴェンターはそのうちに会議から離れ自分の開発した機械がたっぷりの部屋にとこもり始める。 「たとえここにいても、もうあいつらがぼくを気にかけることはないだろうし、いいよね、みんな。」 ヴェンターが話しかけたのは自分の機械たちにだ。その中でもヒーローのインナースーツから出ている反応を受信する装置。それはちゃんとある場所を示していた。だがあえて報告をしなかった。いやしても無駄だとわかっていたからだ。 「宇宙だなんて言ってもあいつらにわかるわけがない。いや、分かったとしても、今の技術力では宇宙になど行けやしない。一体どうやって彼らは宇宙を旅してきたんだ?気になる。その技術を、見たい。」 べったりとくっつくように6つの反応を出す機械を見つめるヴェンター。初めにハウルとクロウがとらえられてからこの反応をずっと見ているので3日前から捕まっていることは見ていたはずだが、もはや彼の目には入っていなかった。 どうにかして宇宙にいる者たちとコンタクトを取りたい。それだけを思い続けている。だからこそ彼はパソコンを使いいろいろなサイトやスレッドをあさるがそこに当然反応はない。何度か一人で外に出たりもしたがその宇宙にいる者からのコンタクトはなかった。 「うん、一度外の空気を吸おう。」 ヴェンダーは頭をすっきりさせるために一度外に出る。地下はビルの裏口にと繋がっていてその目の前の通りは人通りなど滅多にないビルとビルの間の小さな通りだ。そのビルの間通りを3度曲がったりしながら進んで行き大通りにと出る。 普通のコンビニにと入り、お気に入りのサイダーを買って再びビル間の路地にと入って少し先に、見たこともない機械の体を持つ者との開墾を果たす。 「反応は薄いようだけど、どうやら君も捕まえた6人と同じような力を持っているようだね。」 「あなたは、まさか宇宙にいる存在なのですか?すごい。全身が機械の体だ。」 今まさに襲われそうな状況だというのに、抵抗も全く見せないどころか目を輝かせてまじまじとロボットを見るヴェンターに対応したロボットもちょっと困惑する。 「ちょ、ちょっと?えっと、こっちは君の味方を攫った相手、なんだよね?それとも関係ないのかな?」 「いえ、確かにヒーローと呼ばれる組織には所属してますよ。ただ、あなた方にぼくの能力が必要とは思えないのですが、それでも宇宙にと連れて行ってくれるんですか?」 「あー。なんっていうか、不思議な反応するね?後ろから仲間に襲わせる予定だったんだけど、必要ないかな?」 「おい、いいのか?意識あるままに連れて行って。」 「問題があったらこっちが責任を取るよ。さぁいこう。」 差し伸べられた機械の手を取ると、ヴェンターの視界が一瞬白転する。だがすぐにあたり一面しろで覆われた清潔感のある宇宙船にと転移されていた。 「す、すごい、こんな技術があるなんて。これは、転移ですか?ぼく達の技術力じゃ絶対に無理だ・・・」 「もしかしなくても、君は技術者なのかな?」 「はい。ぼくの能力は開発者。技術開発をメインにしています。でもこんな技術を持つあなたたちに取っては、きっと大したことのない力ですよ。」 悲し気にうつむくヴェンターをみてロボット二体がお互いを見合い軽くうなずく。機械の手がヴェンターの肩にかけられて慰める。 「君の言い分はわかった。おそらくだけど、他の仲間たちに比べて力も弱く、見下されていたのだろう?」 「なんでそれを?」 「他の星でもあった話だ。同じような力を持っても劣っているものは爪弾きされる。」 「他の、星・・・ここ以外にも生命の住む星があるんですね。」 他の星に住む生命などヴェンターにとってはもともと夢物語だった。だが宇宙船の窓から見える景色はまさしく真夜中に見る星空とおそらく自分の星。そんなものを見ればすんなりと信じられる。 「それでだ。君には技術提供と、情報提供をしてほしい。君のほかの仲間の情報をくれれば、この施設を見せても構わない。さらに君の能力で僕たちの機械を見て開発できるものがあればと思うんだ。どうかな?」 「ぼくが、ぼくなんかが、あなたたちの技術を見てもいいんですか?」 「もちろんだ。でもそのためには君の仲間の情報をくれないとね?」 「それは別にかまいませんよ。では何から知りたいでしょう。」 あっけらかんとしたロボットに言われるままに残ってるのが4人で、その能力がどんなものかまでもを教えてしまう。そしてロボットに案内されて色んな技術室を見て回るヴェンターの後ろで案内について来ていただけのロボットが愚痴る。 「なぜ技術を教える必要がある?力を奪えば我らで使えるだろ?」 「いや、おそらくは彼自身の能力と彼自身の発想力、どちらもが必要なんだ。開発する力といったが発想の力とは言っていなかったからね。」 「そうか、なるほど。」 そんな二体の会話は機械に目を奪われたヴェンターの耳には入っていなかった。今の彼は拘束台にと目を向けていた。すでに何人もの力を封じてきていて、先日まではファングが拘束されていた拘束台に。