NokiMo
山本健
山本健

fanbox


今年の仕事について2019 全文+追記



FGOでの仕事について述べていきます。

#5 キングゥとギルガメッシュがお互いの魔法陣から鎖/杖で大技を打ち合うシーン。  

・某スターアニメーターがやるはずだったのに降りてしまいちょうど休暇中だった自分に捻じ込まれた仕事。Fateシリーズはテレビで放送されていたものはいくつか見ていたくらいで(Apocryphaで何度か仕事してはいるが)今作のことが何もわからない状態だったのでわりとがんばってTypeMoon Wiki を読んでいた。

・クライマックスらしくコンテがやりたがっていることがとても明快で、正面対正面だったり上 手対下手だったり引きでの状況説明だったりとオーソドックスな内容だったのでもうなるべく変 なことをしないようにその雰囲気を壊さないようにしようとやっていた記憶がある。  

二人が鎖や杖を出し合ってさあこれからだという辺りはコンテ段階ではもっとFIXで見せる カットが多かった。それだけではクライマックスっぽい力感が足りないなと思ってジワっと回転 PANさせたり少しだけダッチアングル気味にしたりしてすごく地味に盛った。

またアクションパートの他の部分は同年代のアクションやりたい盛りの面子がやっていると聞いていて、どうせ そういう人はみんなモリモリド派手にカメラを動かしまくったりしてくるだろうと思っていたの でなるべくそれと被らせず雰囲気が違って見えるように意識していた。

・安直な白黒フラッシュに頼るのは嫌だなあと思いつつギルガメッシュの電撃ビームのと ころで他にうまい具合に発射した感を出す方法が思いつかず手を出してしまった。二度とやりた くない。  

・電撃は4色くらい色分けしたり砂ぼこりや溶けて固まった砂がぱらぱら落ちていくのとか地味 に描いてたけど完成画面だと全然見えなくてちょっと悲しかった。あと空に渦巻いてる雲とか波 はもうちょっと処理が乗る想定でディテールほぼナシで描いてたらほとんどそのまま画面に出ていたのですごく焦った。セクション間でコミュニケーションが取れないことにフラスレーショ ンが溜まった。  

・キングゥの鎖は3Dになると思っていたらほとんどすべて作画で描くことになってしまい気が 狂うかと思った。顔アップから引いていって大量の鎖が映って一斉に発射されるカットはカメラを引いていく部分はコンテにはなくて、カット繋ぎを自然にしつつ豪華にしたくて自分が足した のだけど、本当にやめておけばよかった。

・割とリピートのエフェクトと服や髪の毛のなびきでシーンが構成されているので枚数はかかっ ていない。  

・「お前はなんだ!!」と叫ぶキングゥは本来ならニヤっと口をゆがめるエルキドゥの兼用カッ トで、横アングルでガッツリ目元の表情も見えていた。隠したほうが雰囲気も出て後ではっと顔 をあげるカットとも対比になるなと思って変えてみた。カット単位でいえばこの回の自分の仕事 で唯一うまくいっているカットだと思う。  鎖が束になって空に飛んでいくところはGoProで撮ったっぽい絵とか入れたいなーと何となく思ってあんな感じになった。GoProの宣伝映像でバスケットコートを俯瞰で撮っているもの があって、エルキドゥが映っている部分はそれを観ながら描いた。  

・原作をみると鎖が宇宙まで飛んで行っているらしくその部分も再現しようかと思ったが、尺が足りなかったので断念。映像にするとギャグっぽくなってしまう気もするので無くて正解だっ たと思う。    

・作監の小林さんに絵がジョージ秋山っぽいといわれて嬉しかった回。でもどこら辺が似てる んだろう・・・・・・

・全体的に絵がぎこちない上にやたら精度が求められる動きの設計にしてしまって、しかも完 成画面では特に見栄えするわけでもなく・・・簡単に言えば手間はかかっているのにパッとし ない仕事になってしまい反省した。  今までも同様の失敗をずっとしてきつつアクションには興味がないので特に意識を変える気 はなかったが、これからもどうせ面倒くさいアクションシーンの仕事は定期的に振られ続ける のだろうと悟りを開きこの仕事以降もっと手間をかけずに効果的にいい画面を作るにはどうす ればいいか・・・ということを考えるようになってきた。

#8 ウルの都の遠く、揺れる木々    

・#11をメインでやることがすでに決まっていたのでお手伝い感覚で1カット手伝っただけ の仕事。一応ちゃんと舞台となるイラン・イラク周辺地域の植生を調べたりしつつ結局ギルガ メッシュ伝説に出てくるからという理由でレバノン杉を描くことにしたのだけれど、まあ特に 画面ではわからないですね。画面を見てわからなくてもなんとなく自分が納得することが大事 だからまあいいんですが。

#10 ケツァルコアトルス(恐竜)の出現、背中に乗ってなんか喋って去っていくケツァルコアトル。

・演出の石井さんのファンなので請けた1カットだけの仕事。石井さんは口ではアニメーターの上 げる素材はなるべく活かしたいと言っているけれど明らかに明確に自分の中に理想の完成映像 があるタイプだと思う。理想に近づけるためにかなり容赦なく絵もタイミングも素材をいじり 回してくれるから好き。今回はほぼノータッチだったけど。アニメーターをリスペクトしすぎ ている演出はフィルム全体でみてダメでもカット単位シーン単位で良ければなあなあに通して しまうところがあってよくないと思う。作業中にゴジラKOMを観てラドンがくるっと回転して戦闘機を薙ぎ払うのに影響されて恐 竜をくるっと回転させたりした・・・ことでただでさえ表現できていない巨大感がさらに希薄になってしまった気がして反省。何かアクションを足さないとと思いつつ安直に回転運動とかに 頼りがちないかにもアニメーターっぽい失敗だと思う。

#11 アクションシーン全部(アクション作監込み)+Bパート冒頭

・事前にプロレスを使うキャラがメインで戦う回だよ、とだけ聞いていて、藤丸とかエルキドゥくらいの線量のデザインを想定して軽い気持ちで仕事を請けた。ケツァルコアトルのデザインを観てウギャーって思った。

・#8がアクション大好きな若手が寄ってたかって大暴れしている派手な回という認識があったのでクオリティの基準にした。30人近いアクションアニメーターがひしめき合って自分のパー トに注力している映像に対してこちらの話数はほぼ自分一人。同じ作品の中でそこまでパワー負 けしない回にするにはどうしたらいいか考えた。

・監修込みで一人で130カット以上持っていてはカット単位での出来栄えで劣ることになるのは間違いないが、シーン全体の原画を一人で管理できるという点ではまあ戦いようがあるかなあとぼんやり思っていた。

・この回の戦闘はひたすらケツァルコアトルが主人公一行に対して常に優位に立ち続けているという内容。そのことさえ意識できていればあとはカットの繋ぎや全体のテンポ感に注力するだけでいいと思った。

・ケツァルコアトルはテレビアニメで作画するには明らかに無理がある線の量で、使われている色数も多く、動画や仕上げ工程でのミスが頻発することが予想できたので少しでも負担を減らすためになるべく枚数を使わないよう心掛けた。また絵と絵の間の変化幅を大きくすることで塗りミスやパーツ抜けなどがあってもあまり気にならないようにした。絵の変化が大きいと原画の段階でも前後の絵との整合性に神経質に気を配 る必要が減るので時短にもなった。さらにかなりのカットに細かくブラーやボケ支持を入れて絵の粗を潰してやろうとした。

・・・と後工程でガタガタになる前提で保険をかけまくったのだけれど動画も仕上げもものすごく丁寧に作業していただけて素直に感動しました。

・戦う空間に特にぱっと画面のにぎやかしに使えるような面白い障害物があるわけでもなくプロレスのリングのような四つの柱に囲まれた平地という設定だったので苦労した。キャラクターにずっとカメラが寄っているような見せ方になっているのは空間の何もなさをどうにか誤魔化したい気持ちが大きい。#5の砂浜での戦いも同様に苦労した。FGOのアクションシーンは基本的にずっとこの手の苦労を強いられている気がする。やる気のない仕事はこういう何もない空間は すごく楽でありがたいのだが。

・作監の嶋田さんは極力こちらの絵をそのまま使ってくれる方なのでおそらく過去一番自分の絵がそのまま画面に出ている仕事になった。自分は修正されるのはあまり気にするほうではないのだけど修正が少ないのはやはり嬉しい。

・アクション仕事はよく振られるけれど得意ではないのでなるべく誰かの仕事を観たり想像し ながらそれを薄く参考にする意識で仕事をする。今回は作業はじめのころは森久司さんと土上いつき・温泉中也あたりの仕事をかなり見ていた(コストパフォーマンスの高い、印象に対して意外に手間のかからない仕事をするイメージがあったので)。twitterで某氏に「森久司回だっ た」的なコメントをいただいてちょっとニヤっとした。

・アバン ギルガメッシュVSエルキドゥ  シーン的には戦闘そのものというよりは二人の楽しそうな顔が映ってればオッケーなところ、 かつこの話数のメインの部分(ケツァルコアトルとの闘い・和解)から外れているシーンなの で力を入れすぎず、かといって作中でもかなり人気のキャラクターらしいのでショボくならないように。 Fateシリーズのファンの方々はUfotable版のZeroやUBWでよくやってた「回るカメ ラ・スローモーション・あと1コマ打ち(ヌルヌル)」的な映像が好きかなと思ってそういった要素を盛り込んだつもり。実際見てみるといつもの自分の無難なアクション作画だった。1コマ打ちの風圧・破片エフェクトとか盛り込むともっとそれっぽくなるのかな。撮影セクショ ンがとても力を入れてくださっていてピカピカした処理がたくさん載って綺麗だと思う。

・ジャングルの中を走る一行  原画も自分でやりたかったんですが時間がなくレイアウトラフ原のみの作業になってしまい ました。拾ってくださった方々には感謝してもしきれません。 あまり作画的に頑張って主張が激しくなってもノイズになってしまうようなシーンなので普通に作業する。いわゆる滅私の精神。こういう地味なところを目立たせないように描くのはちゃ んと描こうとすると画力が必要で難しいと思う。 キャラごとに走り方に違いをつけて、マシュはよくあるアニメ走りで藤丸くんはなんかお行儀よく、イシュタルは跳ねるように・・・としたんですがイシュタルはもっと滞空時間とか長くてよかったね。アナとジャガーが走っているカットの背動で流れていく樹木は何度も繰り返 し画面内に現れると美術との情報量の差がボロが出ちゃうなと思ったんだけど演出さんの判断 でリピートになっていた。ジャガーの飛び乗る木の枝をセルにしてしまったのでそれに合わせ る意図だと思う。思ったよりは大丈夫そうだった。

・ケツァルコアトルス(恐竜)の全身カットは冗談でけろりらさんに二原拾ってくださいよ~ とか言ってたら本当にやってもらってしまった。ディテールマシマシですごくかっこよくなっ てた。結果的には手伝ってもらわないと納品できてなかったので心底ありがとうございます。  マーリンの顔がなぜかやたらキャラデザに似た。めっちゃ正直に言ってしまうと特に愛着も何もなく流すように描いたのだがそれが逆によかった気がする。エフェクトは基本的にFlashのブラシツールでラフを描くので太い線になるのだけれど爆発のカットでその太い線がそのまま拾われていて面白かった。

・VSケツァル開始  堀さん(飛び上がるケツァル~ガンドを弾くまで)とかせんさん(走るアナとジャガー~アナ が吹っ飛ばされるまで)のパート。堀さんはほぼそのまま。かせんさんのパートは「上妻晋作さん、冨岡寛さん、今石洋之さんを参考にしています」と聞いたのでなんとなくそういう意識で修正を乗せたが、今までそっち方面に意識を伸ばすことがあまりなかったので上手くいかず逆にそういう雰囲気を殺してしまった気がするので申し訳ない・・・

・VSケツァル(素手)開始~アナが地面に叩きつけられる  胸の前で拳を叩くアップのカットMoaangくんと話しているときにこれまた冗談で二原手伝ってよぉ~と言っていたら本当に手伝ってもらってしまった。乳揺れとか完璧で本当にありがとうございます。けろりらさんもMoaangくんもめっちゃ申し訳ないのでもう冗談で二原手伝ってくださいよぉ~って適当に言うのはマジでやめようと思った。いつか仕事でお返ししたい・・・。 いつになるやら・・・。

・作業をはじめた段階で温泉中也が他人のアクションカットを講評している現場に出くわした。 そのカットやシーンの中で映像的に面白く見栄えする部分はどこか、面白みを最大限活用するためにはキャラを思いきり引いて空間を見せればいいのかはたまた大写しにしてやるべきかetcetc、とても分析的にカットを語っていてなるほどなあとぼんやり思った。自分は昔からかなり感覚型であまり明確に考えを言語化・リストアップする習慣がないので反省した。

・実作業に入る前段階で「やらなければならないこと・見せたい部分・面白い部分」などをリストアップしておくとすごくやりやすいと思った。絵を描く前に小さなサムネイルスケッチをするのと似ているかもしれない。

・自分なりに聞いたことを仕事に適用することにした。自分は温泉ほど大胆にコンテをいじくりまわす勇気はないのでシーンやカット内で起こる出来事そのものは変えない。レイアウト (構図)をいじり回してケツァルコアトル(このアクションパートの花形)が派手に動き回るのをかっこよく映していけばよしとした。

・イシュタルVSケツァル  「女神同士で戦っても圧倒的に強いケツァル姐さん」が表現できればよし、という部分。だっ たのだがなんか泥臭く地上を這いまわる感じになってしまい・・・個人的にはもうちょっと派手 にゲームCMとかでやってそうなWeb系フォロワーアクションっぽくピョンピョン跳ね 回る感じにすればよかったかなあと思う。

・イシュタルが画面に入ってくるカットでは髪の毛がじわっとなびいてるのが髪の毛がビタッ! と止まってるのが事故スレスレな感じでお気に入り。放たれるガンド(ビーム)は田中宏紀さん の仕事をうっすらイメージしながら描いたと記憶してる。特に具体的な参考があるわけではないので多分似てないし、田中さんならもっとエフェクトがデザイン的にオシャレで色気がある感じになると思う。

・イシュタルに向かって走っていくケツァルは昔フリップフラッパーズの最終回ですごく似たカットを描いたなーと思って懐かしくなった。煙の中から駆け抜けて来るカットはZETMANの 森久司さんの仕事をぼんやりと真似ている。ぼんやりと真似することでぼんやりと似た印象が獲得できればいいなと思っているのですがプライドを捨ててそのまんまパクった方がクオリティはより上がったと思います。この辺り特にオバケの多用やBLでの塗りつぶしなど割と好き勝手にやっている風になってし まったけれどどちらもケツァルを描く負担を軽減しつつ派手さを失わない方法を考えたときに割と自然に出てきた。特に変なことをしてやろうという意識はない。変なことをしてやろうと意気込んでやると自分の場合ただハズした感じになってしまうと思う。でもなんか感想漁ってたら手抜きみたいに言われててちょっとつらくなった。ごめんね・・・

・ジャガーマンVSケツァル  ジャガーマンは90年代後半~00年代の同人界隈っぽいノリがそのまま残っているキャラだなあと思ったので芝居やアクションもなんとなく古臭さを出そうとしたつもり。俺ガイル二期の竹内哲也さん風のコメディチックなパカパカ作画なんかを盛り込むと楽しいかなと思ったが時間とが足りなかったのでナシにした。この辺りの引きのカットが草野球って言われてて爆笑した。ほんますんません。

・走り出す藤丸くん~地面にぶっ刺さっているジャガーマンの辺りはすごろくさんの仕事。ジャ ガーを蹴飛ばして距離を取ってから改めてプロレス技をかけに行くというアイデアはすごろくさんがコンテから盛ってくれた部分。一癖あって面白かったのでタイミングやレイアウトはいじったもののそのまま活き。松本憲生さんのファンらしいです(多分NARUTO以降の今風の松本さんが特に)。

・イシュタル・アナ・マシュVSケツァル  「いくわよ マアンナ」と叫びだすイシュタルは中割りを入れたほうがよかったかもしれないというくらいパカってしまった。FGOのファン層はそういう表現は苦手なのではないかと思うのでちょっと反省。爆風はユウキユウナ#1の野中さんの爆発なんかを参考にしている。原画段階でノリで爆風のディテールをいじったら原型が無くなったが。爆発の規模感があまり出なくて失敗感が強い。すごく苦手なんですエフェクトとかスケール感とか。

・煙の中余裕ぶっこいてるケツァルのカットでは別作品で描いた煙のラフ原をまるまる流用+加筆。もっとこういう使いまわせそうな素材をたくさん用意していきたいのだがなかなか時間が取れない。

・割と最後のほうに手を付けたシーンなので時間が無くなってきて中割りを活用する率が高い。

・引きのアクションカットはカメラで動きを補強してやると別にうまく動いてなくてもいい感じに誤魔化せるなと思った。素体で動きを作ってからキャラを乗せるという手順を踏んでいたので発生したミスがあって、本来ケツァルは頭のネギが邪魔で完成映像のように前転することは不可能なはず。  

・ラリアットをかますケツァルのカットはいろんな作品で似たようなものをさんざん描いているので「はいはいいつものね」と若干腐りながら描いた。ケツァルの一番面倒くさい頭部も誤魔化しが利かずバッチリ映っていて、枚数も多くこの話数で一番つらかったカット。顔面もわりと綺麗に中割していただいて心の底から動画さん動画検査さんに感謝したカット。  

・温泉やゴハクユ曰く「バトルは決着する時だけスローになって良い」らしいので愚直に従ってスローモーションでマシュの首にラリアットを決めた。スケジュールもなかったので動画でガタったら怖いなと思って爆風のエフェクトの大部分を原画で描いたのだけれどA-1ピ〇チャー ズの動画部の方で動画を拾ってくださったそうでぜんぜんそんな心配は不要でした。

・Bパート頭  ケツァルコアトルとの和解、任せてくれにゃ~と走っていくジャガーマンまで  半分ほど二原撒きになってしまった。  

・Aパートの間中ずっとみんな揃いも揃って真面目くさった顔で戦っていたので落差が欲しいのと、ジャガーマン周りとか特にギャグっぽかったのでゆるくできる絵は思いきりゆるくしたりし て遊んでみた。本当はこういう日常シーンみたいな仕事をメインにやりたい。

 

 日本のアニメといえば美少女だろうと思ってるんですが今まで美少女系のアニメに参加しても女の子を描かせてもらえることがほとんど無く揺れる葉っぱだのビームだのばかり描いていて、今回ケツァルコアトルが出てきてやっと満足いくまで女の子が描けたので楽しかった。頭部のデザインは本当につらかったけど。美少女描きたい願望が下乳とかおなか・背中をやたらチラチラ見せたり影つけが気持ち濃いめなところに滲んでいるなと自分では思います。

 「太陽の化身」だし、なるべくケツァルと一緒に太陽が画面に映りこむと良いなー(安直)と 最初にぼんやり決めて作業したんですが、アナを叩きつけたりイシュタルにボディプレスしたり くらいまでは良いんですがそれ以降すっぽり忘れてますね。セルで太陽光を描くのはなんかノウ ハウの無さを手数でゴリ押す自主制作アニメみたいな雰囲気が出てると思って気に入ってます。

 ケツァルコアトルの圧倒的な強さを見せつけるための戦闘シーンだったと思ってるんですが、 いざ完成してみるともうちょっと爆風とか破片とか謎ビームとかじゃんじゃん派手に飛ばしてやった方がよかったかなーと反省してます。自分はそういう元気が足りないなと思う。

 デザインの重さに対してあの手この手で負担を軽減することをずっと考えていたので、いかに手数をかけずに効果的に画面がよくできるかということの入り口が見えた気がします。特にカメラワークは強力で、下手にたくさん原画を描くよりも軽くカメラを動かすだけのほうがはるかに見栄えすることが多々ありました。

 作業中ケツァルコアトルのデザインのしんどさからロボットアニメでもやってるみたいだなあと思えてきて、そういえばガンダムをまだ観たことがなかったなと思って観始めたらハマりました。作業終盤はガンダムユニコーンのアウトラインにノーマル色を残す影つけみたいなものを参考に して、光源に愚直に従うだけではない絵面優先の影つけを意識するようになりました。

 あと北斗の拳とか70~90年代のセルアニメを観るようになりました。この時代のテレビ アニメは手法的に今よりも制約が多いがために効率的な映像の作り方が凝縮されていて色々活用できそうだなと思います。土上いつきが最近ワンピースとかドラゴンボールとか遊戯王とか ずっと観てるのも作業用BGVとしてだけでなくそういう部分を探しているんだと勝手に思ってる。俺はこの年末に幽遊白書でも観ようと思います。 約ネバ#1や#11でもFGO#11でも思ったことですが小刻みに10カット20カット の仕事を取るよりもガーっと一つの話数・フィルムでたくさんカットをもって仕事するほうが シーンを作る感覚が持てて楽しいなと思いました。演出やれって話ですが。来年はそっち方向 にも少しずつ手を出していきたい。

 以上、推敲もなにもなく雑に書きなぐった読みづらい文ですが読んでいただいてありがとう ございました。またコミケなりコミティアなり出てみたいと思っているので次こそはちゃんと した落書き本なり原画集なり用意してやろうと思いますのでよければよろしくお願いします。 ほな、また・・・

山本

「今年の仕事について 2019」より



以上が去年末に頒布した内容になります。結局その後幽遊白書は観ていないのですが。

おんせんなかやのカット講評はマジで予備校の絵の講評って感じですごくよかった。絵を構築するのと映像を構築していく作業ってめっちゃ似てるなって思えて、それ以降今までぼんやりと感覚で仕事していた部分に映像の文法とか乱雑に聞きかじってたのが結びつきはじめた感覚がある。

最近久しぶりに11話の自分の仕事を観返しました。上にごちゃごちゃ色々考えてたぜ風に書いてますが今見るとほとんど感覚だけで作っててウヒャーという感じがしますね 当時は自分なりに力を入れたつもりだったので嫌な恥ずかしさではないのですが。

原画になりたての時師匠が「昔の自分の仕事は下手だと思っても恥ずかしいとは思わん」的なことを言っていて(うろ覚え)このオッサンかっけえなと思いました。11話の仕事は「下手だし恥ずかしいとも思うけどまあ見返すのはそんなに嫌ではないな」ぐらいでしょうか。



今年の仕事について2019 全文+追記 今年の仕事について2019 全文+追記 今年の仕事について2019 全文+追記

Comments

Thank you for sharing this, I will try to read it even if I can’t understand everything. I don’t speak Japanese, so I’ll have to resort to Google Translate.

ロロ

前回のコミケに参加出来なかったので、こういった形で公開して下さったの本当に嬉しいです。早速支援させて頂きました。ありがとうございます。 今からじっくり読ませて頂きます。

ららら


Related Creators