人形美術館 ナイトミュージアム
Added 2025-09-15 22:47:13 +0000 UTC迷わないか不安になりつつ、美術館への道を再び進む。日が暮れた山道は、暗くて恐ろしい。昼間に見た人形たちも幻だったのではないかとふと訝るほどに心細い。小さな灯りで照らされた美術館の看板を見つけたときは、心からホッとした。 入り口のドアには、出口からお入りくださいと書いてある看板がかかっていた。裏に回り込むと、ドアの鍵が空いていた。人形の出迎えでもあるかと身構えていたのだが、白熱電灯に照らされた廊下はがらんとしている。 廊下を進んで、ドアを開ける。案内人形を返却した書斎のようなところだ。たまたまなのか、あるいは招待がないと来れないものなのか、ほかに客はいない。ただ、柵の前に椅子がぽつんと置いてあった。そこに腰掛けてみると、柵の向こうの書斎が明るく照らされて、全体が見えるようになった。書斎の椅子には、返却した時の姿のまま、メイド人形が脱力して座っていた。 不意にブザーがなった。開演を知らせるものなのか。すると、書斎が床ごと回転し始めて、壁の向こうへと消えた。代わりに、広々とした舞台が現れた。舞台の上には、無造作に昼間に見た3つのヴィーナスが置かれている。 ノイズが聞こえ始めた。ガイド人形の音声が始まる合図だ。セリフを待っていたら、音楽が聞こえたので少し拍子抜けした。ショパンのノクターンだ。舞台の奥から扉を開けて、メイド人形が出てきた。真ん中まで来て、一人しか観客のいない客席に向かってお辞儀をした。そして、舞台の上で踊り始め、作品の周りをくるくると回る。 そして、ミロのヴィーナスの前で止まった。動かないはずの真っ白な人形が、少し身じろぎしたような気がした。メイド人形は、ミロのヴィーナスの足元に落ちていたハンディモップを拾い上げると、石膏像の身体を上から丹念にモップを滑らせて掃除をし始めた。身体をこわばらせて、くすぐったさに反応してしまうのを堪えているのが客席からでもわかった。 メイド人形は、次第にモップの動く範囲を胸のふくらみの周りに集中させていった。不規則に撫でられる場所を変えられて、もどかしそうにぴくっ、ぴくっ、と反応している。肩も激しく上下していた。 上半身の掃除を終えると、モップを床に置き、何やらメイド服の胸元を探り、首から下がっていた鍵の束を取り出した。束の中から一つの鍵を見つけると、ミロのヴィーナスの側面に周り、差し込んだ。すると、ミロのヴィーナスの腰から下を覆っていた硬い布を模したパーツが前後に分かれて外れた。上半身と同じく真っ白な脚が露わになった。モップを拾い上げて、またさわさわと下半身を掃除し始めた。くすぐったそうに上半身が身悶えしているが、メイドはお構いなしだ。 ひと通り掃除を終えると、メイド人形は、掃除の成果を確かめるように人差し指を像の体のラインにそって、つーっとなぞった。その指が股間で止まる。人形は首を傾げる。閉じられた太ももの隙間に指を捩じ込んで、何度か抜き差ししてから、指を抜くと石膏像から粘り気のある液体が糸を引いた。照明に照らされてぬらぬらと光っている。 しばらく自分の指を眺めてから頷くと、メイド人形は、エプロンのポケットからブラシのようなものを取り出して、ハンディモップの柄からモップを外してそれを取り付けた。そしてスイッチを押すと、ブーンと振動音が聞こえてきた。大きい電動歯ブラシみたいだ。ミロのヴィーナスは、これから自分の身に起こることを想像したのか、太ももをぎゅっと閉じて身をこわばらせた。 しかし、抵抗といってもせいぜいそれくらいのことしかできない。ミロのヴィーナスにはそこを隠す腕がないのだ。ごしごしとブラシで擦られて、腰が引けている。ぐいぐいと押し込まれるブラシに、ついには太ももの間への侵入を許してしまった。思わず爪先立ちになってしまっている。 ヴィーナスは、容赦なく掃除を続けるメイド人形に、慈悲を求めるように首を振り続ける。やがて、諦めたのか、それとも限界が近いのか、身体を丸めてじっとしている。やがて丸めた身体を反対に仰け反らせて、びくびくと痙攣して、メイドがようやくブラシを止めると、脱力してうなだれた。 激しく呼吸をしている白い像をメイドは、くるりと回転させた。肩のあたりをいじっているようだ。ぱかっと肩の周りが半端な腕の部分ごと外れた。続けて背中のカバーも外すと、中には2本の腕が太いベルトで縛られて入っていた。ベルトの拘束も解かれると、ようやくミロのヴィーナスは、ただの白い女の子の人形になった。強張った体をほぐすように肩を回していた。 メイドは、次の人形の掃除に取り掛かる。白い子も興味深そうに様子を見ていた。貝殻の上に立ったヴィーナスは、早くも肩を大きく揺らして呼吸しているようだ。手は股間を隠すように添えられているが、そこに挟まっている真珠のネックレスのようなものは隠れていない。メイドは、端の真珠を握ってスイッチを入れる。するとヴィーナスは悶えるように腰をくねらせる。ステージの上で見ると、妖艶な踊りにも見えた。不意に真っ白な手が後ろから飛び出して、豊満な胸を鷲掴みにした。白い人形も参加するらしい。形が変わるほどに激しく揉みしだいたかと思えば、先端を執拗にカリカリと責め立て、時折強くつねる。 メイドは、ヴィーナスの両手を持ち上げて万歳の姿勢にさせると、先ほどのブラシを取り出した。そして、びしょびしょに濡れた脇の下を激しく擦り始めた。不意に訪れた猛烈なくすぐったさに、腕を下げようと一瞬動くが、人形はくすぐったくないので腕を元の位置に戻さなくてはならない。時折くすぐる側を変えるたびに、びくびくと反応するのが面白い。 しばらく人形を掃除していると、次第に人形らしさを保てなくなってきた。くすぐられるたびに腕を下げてはメイドに元の位置に戻される。白い子が胸をいじる指を激しくすれば大きくのけ反る。メイドと白い子は、目を合わせて互いに頷き、徐に真珠を前後の両側から握って持ち上げた。振動する真珠が敏感な部分に食い込み、またのところに皺が寄っている。人形は思わず爪先立ちになっている。メイドと白い子が息を合わせて真珠を前後に引っ張り合いはじめた。メイドの子が引っ張ると股の間から真珠がぐりぐりと吐き出され、白い子が引っ張ると今度はピッタリと閉じた秘所の隙間へと飲み込まれていく。相当効いているらしい。ヴィーナスは堪らず両手で股間を押さえようとする。しかし、その手は2人の人形に掴まれて、そのまま顔の横でピースサインで固定されてしまった。満面の笑みでダブルピースのポーズをとりながら、プルプルと震えている裸の女神の股間を真珠が往復する。滲み出した液体が馴染んできたのか、その動きもスムーズになってきた。 乳首を引っ掻いたり、がら空きの脇の下や脇腹をくすぐったりしながら、しばらく人形の掃除は続いた。やがて、耐えきれなくなったヴィーナスは、脚をピンと伸ばして硬直すると、びくびくと体を跳ねさせて、へなへなと座り込んだ。一旦手を止めていた2人の人形は、その様子を見ると、さらに激しく真珠を動かし、胸の突起をぐにぐにとつねり始めた。座ったまま、髪を振り乱してヴィーナスは悶える。ひとしきり暴れてから、不意に体の動きが止まり、小刻みに震え始めた。そして、急に体をのけぞらせてびくんと跳ねた。真珠を伝ってポタポタと液体が垂れた。 ぐったりしたヴィーナスを置き去りにして、メイド人形は、柵を開けて私のところへと歩いてきた。近くで見ると、責める側のはずのメイド人形も肩で息をしている。無言で私に手を差し伸べる。その手をとって立ち上がると、柵の内側、舞台の上へと導かれていく。 舞台の上は照明が強くて汗が滲む。それを察したのか、メイド人形がハンカチを取り出して汗を拭いてくれる。そのまま、シャツのボタンを外して隅々まで。そうして、次々に私は衣服を剥ぎ取られ、裸にされてしまった。舞台の上には重く厚い布を纏った人形たちがひしめいているのに、私だけが無防備な気がして心許なかったが、裏腹に私の下半身のそれは膨張しきって脈打っている。 メイド人形が絡みついたまま、私を最後のヴィーナスへと導いた。最後まで仕組みがよくわからなかったオブジェだ。オブジェの球体は全て閉じられているから、人形たちはオブジェの内側の暗闇で静かに息を潜めているのだろう。オブジェのそばには、既に解放された2人が立っていた。 その2人が徐に球体を開く。髪の色が違う同じ顔が現れた。確か、そこの顔は動かない仕様だったはずだ。メイド人形は早速ブラシで幹のような部分を擦り始めている。くねくねと動いているが、現れた顔には全く反応がない。2人の人形は、後ろに置いてあった箱から、それぞれ風船のようなものを取り出した。何かマークが描かれている。これは、ドリアンか?もう片方は、魚の干物のような、ドリアンから連想するに、くさやなのかもしれない。2人の人形は風船のようなものから伸びたチューブを目の前の人形の口の隙間から差し込んでいく。随分と奥まで入れたと思う。2人は、顔を見合わせて頷くと、一斉にチューブの根本のクリップを外して、風船を両腕で押しつぶすように抱きしめた。風船の中にあった空気がチューブを通って、人形の口に注ぎ込まれる。察するに、罰ゲームでよくあるような臭いガスが詰まっているのだろうが、それを飲み込んでいる人形はなんの反応も見せない。そう思った瞬間、急に咳き込む声が聞こえた。2人の人形はくすくすと笑うようなそぶりをすると、チューブを抜いて、球体を閉じた。 時折、えづくような嗚咽を交えながら、誰かが臭いに悶絶する声が、どこかから聞こえてくる。床に広がった根っこのような部分のうち2本だけ、先端がばたばたと暴れている。 不意にメイド人形が、呆然と目の前の光景を眺めていた私の後ろに回り込んで、抱きついてきた。柔らかくて熱い人形の体に私の体がめり込む。素肌が人形の表面に染み出した水分を感じていた。くぐもった呼吸音が首筋に伝わってくる。メイドは私の腕に指を這わせながら、自らの腕を重ねて、私の手首を掴んだ。そしてオブジェの幹へと手を導く。まるで私の方が人形になって操られているみたいだ。 柔らかな枝を掻き分けて、オブジェの核心に触れる。明らかにぴくっと反応があった。メイドは、私に密着したまま、幹をくすぐり始める。くねくねと悶えるそこを私もまさぐる。柔らかくて大きなコブを探り当てる。手のひらが鼓動を感じる。走ったあとみたいな脈だった。コリコリとした感触の突起がなんとなく気持ちよくて指でこねくりまわす。 いつのまにか2人の人形が私の左右に密着した。オブジェへの悪戯は完了したのだろう。ずっとえづくような音が続いている。悪臭が漏れ出していないということは、オブジェの中は密閉されているのだ。もし、そんなところに人が閉じ込められているとしたら、まさに拷問といえる。そんな思考は、不意の刺激に中断した。両脇の人形たちが私の体を撫で始めたのだった。まるで昼間の仕返しとでも言わんばかりに執拗に敏感なところを責められる。思わず息を漏らす。 メイドは、私の正面にある、私が今揉みしだいているコブの真上にある球体を開けた。思わず身構えたが、悪臭が漏れ出すことはなかった。首を傾けて奥をのぞいてみると、ダクトには弁のようなものがついているらしい。微かにそこに空気が吸い込まれているのが分かる。球体の中に納められた顔は相変わらずの笑顔だ。しかし、もう隠す気すらない激しい呼吸音が漏れている。無理もない。3人の人形達に間断なく体を弄られているのだ。突起をつねると、息を呑むような気配があった。 しばらくそうしていると、白い子が手を球体から出ている顔の口のところに伸ばして、カチャカチャと音を立てて何やらいじり始めた。その音が止むと、白い子の手にはピンクのパーツが握られていた。人形の開いた口から取れたのだろう。その口の奥が赤い布で覆われているのが見えた。一層激しく聞こえてきた呼吸音のリズムで、膨らんだり、奥へと吸い込まれたりしている。メイドが後ろから体重をかけてきて前のめりになり、その顔が近づいてくる。オブジェに抱きつくような形になり、顔が人形に触れた。私の唇に人形から吐き出された呼気があたる。必死に酸素を求めて喘ぐその息が何だか愛おしく思えて、私はそこに唇を重ねた。布ごしに柔らかい感触がある。口を軽く開いて舌を出してそこを舐めると、布の向こうからも滑りを帯びた肉が絡みついてきた。お互いの唾液で布は濡れて空気を通さない。苦しそうな様子が口の動きからも分かるが、離れられなかった。 後ろからメイドの手が伸びてきて、オブジェの枝の中を手探りで探ったかと思うと、ピッと音がして、掃除機のような音が鳴り始めた。しばらくして音が止むと、今度は下の球体を開いた。中から出てきた顔の口の周りはベトベトに汚れているみたいだった。また同じように口のパーツが取り外されると、そこに溜まっていた液体がドボドボと流れ出て、苦しそうにぜーぜーと喘いでいるのが分かる。 左右から人形が僕のいきりたったそれに手を添えて、人形の口へと導いていく。布に当たると思ったが、ぬるぬるとした穴の中になんの抵抗もなく飲み込まれていった。舌のようなものが絡みついて気持ち良い。人形の顔が前後に動くことはないので、ただ舐られているだけで、まだ射精感は込み上げてこないが、くすぐったいような気持ちよさが全身を支配していた。後ろから横から人形達は私を責め立て、私は穴に突っ込んだまま、目の前の顔とキスを続けた。時々苦しそうに咳き込むのを無視して、激しく舌を動かす。 程なく私も限界がきた。思い切り腰を前後に振ると、人形はえづきながらそれを受け入れた。熱くて柔らかくて濡れている人形達に囲まれて、快楽が四方八方から注ぎ込まれて行き先を失っていく。頭の中で火花が散って真っ白になった。ドクドクと注ぎ込まれる私の精から逃れようもなく、人形はそれを飲み込む。喉に絡むのか、咳き込んでいるようだ。 私から離れた3人の人形が、オブジェのパーツを外しては片付けていくのを、私は服を着ながら眺めていた。外殻が外れると、中には2人の人形が入っていた。一人は椅子のようなものに座り、その大きく開いた股の間に肩を預けるようにしてもう一人が座っていた。ようやく自由になった人形は、脱力して床に転がり、激しい呼吸音を響かせ続けた。 幕が降りてから、ホテルまでどうやって帰ったかは思い出せない。上の空のまま、あの不思議な美術館のことを、果たして現実だろうかと訝しみながら眠った。 誰もいなくなった美術館で、舞台は再び回転し、書斎が表に出てきた。定位置に座ったメイド人形は動く気配はない。 奥の扉が開いて、四つの人影が出てきた。 「久しぶりにガッツリくるお客さんだったねー。まさか貝殻に戻されるとは思ってなかったよぉ。」 「あー。マジで暑そうだもんね、あれ。ほんと、ミロのヴィーナスは最初だからマシだよ。腕縛られてるけど、触られても胸だけだし。」 「でも、ミロちゃんめっちゃ胸弱いじゃん。今日も乳首だけでいっちゃった?」 「い、いってないから!くすぐられてお漏らしした人に言われたくない〜。」 「マジで勘弁してよー。半日そこから空気吸ってたんだから。」 「しょ、しょうがないじゃん!死ぬほどくすぐったいんだから!それに最後のドリアン爆弾よりマシでしょ!」 「今日くさや混ぜたでしょ!あれ混ぜんのヤバすぎだから!」 「マスク外したときの顔、よだれと鼻水やばかったもんね〜。」 「あぁ、まだ鼻からとれないぃ。」 穏やかな声で和気藹々と、着ぐるみを脱いだヴィーナスたちが話しながら、メイドの元へと現れた。 「でも、ぶっちゃけガイド人形が一番きついよねー。」 椅子に座った人形は、相変わらず静かだ。指をわきわきと蠢かせて近づくヴィーナスの中身達に怯えるように震えている様子は、きっと気のせいに違いない。 これで幾度目になるだろうか。息も絶え絶えになったメイド人形は、椅子の上で大きく痙攣していた。身悶えしながら激しく首を横に振っているが、椅子から立ち上がる様子はない。まるで椅子に拘束されているかのようだった。革張りのクッションは濡れていて、端からは雫が糸を引いて落ちている。 もはや人形らしく静止することもままならないらしい。8本の手が身体中を這い回り、乳首をこねくりまわし、脇腹をくすぐり、股間を擦り、あるいは大きく開いた口をピッタリと塞いだ。ほどなくしてまた体が跳ねる。しかし、一向に責めが止む気配はない。 それからしばらくして、ようやく反応に飽きたのか、あるいは日中の憂さを晴らし切ったのか、ヴィーナスたちは消えた。書斎には、メイド人形の姿は無かった。暗くなったステージに、ステンドグラス越しに差し込む月光が、濡れた椅子をてらてらと妖しくうつしだしていた。 玄関のガラスケースには、ちゃんとメイド人形が戻されていた。日中と違うところがあるとすれば、内側が濃く曇っていることくらいだろう。
Comments
素晴らしいです!
たーこいず
2025-09-16 23:52:20 +0000 UTC