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朱々
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魔法少女ブルースカイvs最凶淫魔オーロラ「第三話 誕生!闇堕ち!!ネイビースカイ!!!」

海岸に行ったことがあるのなら、あるいは水族館に行ったことがあるのなら、海星という生き物を一度は目にしたことはあるだろうか。 紙に描いたことのある星形に、不安を感じさせるグロテスクな模様。ひっくり返した際にみせる臓物色の肉厚は、子供を怖がらせるには十分だったはずだ。 きっと海星を初めて見た子供はこれが生物だとは思わない、もっと別の海藻やキノコのようなモノだと思って、石のように蹴ってしまうだろう。 それから子供が成長し、ふとしたことで海岸で見たアレが生物だったと知る。 もっと言うと、アレがウニや貝といったモノと同じく、食べられるものだと知る。 その時、その子は何を思うだろうか。手も足もないのにどうやって餌を食べるのか、そもそも何を食べるのか、どうして海岸に打ち上げれるのか。 なぜそんな不自然な見た目をしているのか、分からないことはたくさんある。 しかし、知ろうとはしない。 だって、気持ち悪いから。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「ここからは正真正銘…このオーロラがお相手して差し上げますわ♡」 「っ!」 肌を刺すような冷たい海風が、目の前の少女のロングストレートを揺らす。虹色に発光していたそれはゆっくりとフェードアウトするかのように透明に、クラゲやクリオネの触手に近い色合いに変化していく。 変身が終わると…いや、正確には魔力を無差別にまき散らすのを止めただけだ。その証拠に黒い空は晴れて、正午の日差しが燦爛と降り注ぐ。しかし暗雲と共に現れたオーロラだけは、青空の下にいるにも関わらず消えず、ユラユラとたゆたっていた。 「……」 「あら、もう言葉も出ませんか?」 「くっ……」 彼女の挑発通りブルースカイは何も言えず、額からは夏の気温とは違う冷や汗が流れ落ちる。 さっきまで海辺一帯を覆っていた膨大な量の魔力が、全て目の前の少女の中に還ったのだから怖気づくのも無理はないだろう。 魔力は量があればあるほど身体能力や魔法の質が上がり、相手の中に放つ愛液の濃さだって比例して濃くなる。 つまり、魔法少女と淫魔の戦いにおいて魔力とは、相手を測るレベルそのもの。 ゲーム感覚で表すとするならば、低級淫魔および魔法少女の平均レベルが10、魔女の平均が50、上級淫魔の平均が60といった塩梅だろう。 そして目の前の淫魔オーロラは間違いなくレベルマックスの99か、それ以上だ。 「(強い……私なんか…比べものにならないくらい…)」 貝合わせをするために開いていた足が、こわばって自然と内股になる。 目前の少女は堂々と股間を晒し、異形と化した女性器──海星マンコを誇示しているというのに。 震えて俯き加減になっているブルースカイを見て、オーロラは上げていた口角を元の位置に戻し、ふぅと息を吐いた。 「どうしたんですの?アナタもお望みでしたのでしょう?このやり方で決着をつけると」 「…え…あ…でも」 「でもじゃあありません。もっと気合いを入れて頂かないと困りますわ。せっかくワタクシも本気で戦おうというのですから」 オーロラの手がブルースカイのむっちりとした太腿に添えられ、指がねっとりと食い込む。 ホワイトサキュバスの白い肌は見た目通り、血が通っていないかのように熱を感じさせないが、それでも触れられている箇所は確かに温かかった。 まるで氷のように冷たかった手がじんわりと太腿の上で溶けていくようだ。 オーロラはビクつくブルースカイに構わず指を足の付け根に滑らせ、ぷっくりと膨らみ内臓色のヒダを撫でた。 「んっ……!(冷たい……!)」 「ふふふ、緊張なさっているようですし、まずはワタクシの手でリラックスさせて差し上げましょう♡」 言葉遣いのわりに幼稚な声、老人を思わせる訛りの混じった話し方。 ロリボイスに似つかわしくない妖艶な笑みを浮かべる彼女が、人差し指を立てて陰核に触れる。 捏ねもせず、押しもせず、ただ触れる。 ブルースカイは陰核を触られると同時に片眼を閉じてしまったが、何もされないことに恐る恐る瞼を開けた。 「な……なにを……して……」 「──クラッシュ♡」 「オ゛オ゛ォォオォ゛!!!!?」 ──ブジュッ!!!!!! 開けた途端弾けた視界に、体が内側から消し飛んだと思うほどの衝撃。 一瞬にして頭の中が真っ白になり、思考回路がショートする。 全身の神経が逆立ち、毛穴という毛穴が開いて汗が吹き出す。 下半身からは小便を漏らしているかのような錯覚に陥り、ガクンガクンと腰が激しく痙攣してしまう。 「う゛ぁ゛っ……ひぃっ!!」 絶頂感と快楽で歪んだ顔が中々戻らない。 何が起きた、彼女の指が陰核に添えられて、その陰核を中心に体の中で何かが爆発して、それから力が抜けて腰が浮き上がって、それからそれから…。 「おやおや、まさかこの程度で達してしまったのですか?」 「ひっ……あっ……イ……く?ぇ……?」 言われて視線を落とすと、自分の股間から断続的に潮が噴き出していることに気づく。 それも腰が何かに操られているかのように、激しく上下に動いて止まらない。 さらに、触れられてもいないのに乳首がビンビンに勃起して、胸が痛いほど張り詰めていた。 ブルースカイは自分の身に起きていることを理解できず、呆然としたまま目の前の淫魔を見つめた。 「ふふ、凄いでしょう?陰核にちょこっとだけ魔力を流し込むと人間こうなるの。時間もかからない、愛撫も必要ない。これぞまさに即効性の媚薬、ワタクシにしかできない芸当よ♡」 オーロラはそう言っ微笑を浮かべると、見せつけるように手の形を指差しから、手マンの形へと変化させた。 指をくの字に曲げて膣内にねじ込み、ピストン運動を繰り返す。 その度にブルースカイは腰を突き出し、喉の奥底から野太い喘ぎ声を上げた。 「ア゛ッ!ンオッ゛!イグゥウウッ!」 「あらあら、そんなに大きな声で鳴いてしまって女の子が台無しですわねぇ」 尿道がひっくり返りそうなほど強烈な排尿感に、意識が遠のきそうになる。 だが次の瞬間にはオーロラの魔力によって強制的に覚醒させられ、脳髄まで焼き切れるような快感を叩き込まれる。 彼女は愛撫など必要ないと言っていたが、ならどうして手マンなんてしているのだろうか、いやそうじゃない、 彼女にとってこれは手マンですらなく、相手をリラックスさせるためのささやかなマッサージなのだ。 人が心を落ち着かせるために紅茶を求めたり、本を読んだりするのと同じで、彼女にはそれが手淫だというだけの話。 つまりこの淫魔は、別に攻めようだなんて微塵も思っていない。 「んほぉおお゛お゛っ!!いひぃ゛イク゛!?イク゛っ!またイッぐぅうぅぅうぅっ!!!?」 ──ブシュゥウウーーー!!! オーロラのマッサージで4度目の絶頂を迎える。 もはや絶頂したのかしていないのか、それすら分からない。 ただひたすらに気持ちいいということだけが頭を埋め尽くし、理性の欠片さえ残っていない。 絶頂すればするほど感度が増していき、快楽を享受することしか考えられなくなる。 「あ……あへ……あ……」 「堪え性のない方ですわね。まあ仕方ありませんか、人の子ですものね♡」 「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……(なに……言ってるの……全然……聞こえない……)」 「さて、次はお待ちかねのオマンコ対オマンコです♡お覚悟のほどはよろしくて?」 クリオネ色の髪を触手に変化させ、力の入らないブルースカイの四肢を拘束し、M字開脚の状態のまま空中に浮かせる。 ちょうどオーロラの腰あたりの高さで固定され、仁王立ちした彼女に向かって股間を晒す形になった。 ブルースカイが顔を上げるとオーロラの下半身では、海星マンコが口を開いて待ち構えている。 幼女の掌ほどの肉片が5枚、膣から飛び出して星の形を作り、サンゴ礁のような襞の群れがびっしりと隙間を覆っている。 しかも、日差しがあるせいで解像度が薄暗かった頃に比べて格段に鮮明に見える。 膣壁の裏返した姿を見るのはブルースカイも初めてだ、そのグロテスクな光景に呼吸の仕方を忘れる。 「……ぁ……ああ……ぁ……」 「怖いでしょう?だってヒトデは貝を食べる生き物ですもの。硬い硬い二枚貝など襞触手の前では…ふふっ♡」 「──ひっ!」 貝と海星がピッタリと重なると同時に、海星の足が閉じていた割れ目を左右に押し広げる。 まるで風呂敷を広げるように、触手に意志があるかのように器用に大陰唇を端に寄せ、膣内を広げて中を覗かせた。 そして膣口に狙いを定め、5本の内の1本の足が素早くブルースカイの膣道に潜り込んだ。 「あ゛…ーーーーー」 「ふふふ♡こんなの、初めてでしょう?膣壁と膣壁がくっつく感覚なんて♪さらに…」 ──ベリベリベリベリ♡♡♡!!!! 「あああああアアアア”ア”!!!!?」 「それが噛み合って、離れて、絡みついて、擦れて、混ざって、蕩けて、もう何が何やら分からなくなって、最後には)&”(”%(”%”♡♡♡!!」 「ンォ゛ッ!?!?イグゥウウッ!!イグイグイグイグイグゥウウゥウウッ!!!!」 膣内で何が起きているのかブルースカイには理解できなかった。 ただ分かることは、膣内に挿入された足の一本が激しくピストン運動を繰り返していることと、それによって自分がまたイってしまったことだけだ。 オーロラのひっくり返った膣壁と自分の膣壁が摩擦を起こす度に意識が飛びそうになる。 ペニスや張型では埋められない、いや絶対に埋めてはいけない箇所に知らない肉が居座って、ベリッ!ベリッ!と凄まじい快楽と共に引き剝がされる。 その次の瞬間にはまた膣壁同士は噛み合ってしまっていて、また同じ爆発が膣内を襲う。 「あがぁアアァッ!お゛ッ!んぉ゛お゛ッッッ!!!」 「あらあら、これじゃあ勝負にならないわね。まあいいわよね♡もう一本♡」 ──ぐちゅぅう!!! 「ひぃいいぃぃいいぎぃいぃ゛!!!!?」 大陰唇を抑えている二本の足と膣に挿している一本の足、残りの暇をした足を全て動員してブルースカイをよがらせる。 膣内の性的爆発の威力は足が一本増えたことで倍となり、クリトリス付近から生えた足は彼女の陰核に覆いかぶさって、激しく振動しながら揉みくちゃにする。 それはまさに踊り食いだ。 逃げ場のない貝の中身を、海星が足でほじくって貪り食らい、粘液を残していく。 内側も外側も、性器が気持ちいいと感じる点をしらみつぶしに犯され、愛撫され、蹂躙されていく。 「あがぁ゛!!?ひぃい!ひぃっぎゅ!!これしきっ♡♡♡!!」 ブルースカイがヘコヘコと腰を振って、海星マンコにノーマルマンコを押し付ける。 反撃のつもりだろうか、しかしそれを見たオーロラは満足そうに笑みを浮かべ、足達をもっと奥の方へと押し進めた。 「んぉおおおおお゛お゛!?そぇだへぇ!!!?だひぁだふぉお!!!?」 「情けない…ワタクシだって膣壁同士の摩擦で同じ快感を味わってるというのに…。まぁ魔女ではない巫女としてなら…中々良い物をお持ちですね?」 「あががっっ!!!ダメダメダメェエエ!!!!??♡♡♡」 二枚の膣壁が生む真空状態の連続に、ブルースカイは鼻水と涙で顔をグチャグチャにして喘いだ。 絶頂に次ぐ絶頂。 脳は焼け、神経は焦げ落ちる。 一方のオーロラは全く動いておらず、顎に指を添えたまま余裕の表情で青髪の少女を見つめている。 自身の膣壁を擦っていることから、感じている快感の大きさはブルースカイと同じはずなのに、彼女は微塵も乱れていない。 それは、この淫魔の恐ろしさを如実に物語っていた。 「あへぇえっ!おほぉおおおおおおお゛!!!!?♡♡」 ──ブシュゥウ!!!ブシュゥウーーー!!! 「オオ”♡♡♡!?ついにキマシタワ中出し♡♡♡巫女の貝汁マンコで直飲み♡♡♡あぁ堪りませんわァ♡♡♡」 もはや声を上げることしかできないブルースカイだったが、藁にも縋る思いで決死の潮吹きを海星マンコ内部に叩きつける。 淫魔殺しの魔力を多量に孕んだ愛液は、ピッタリと重なった膣穴を通してオーロラに注がれていった。 彼女の魔法少女としての本能が、雌としてのプライドが一矢報いようとどうにか牙を立てたが、それさえも目の前の淫魔には効かない。 魔力はより強い魔力で打ち消され、オーロラの中に流れ込んだのは何の変哲もない無色透明な液体だけだ。 それを知っているオーロラは堂々と股を開いてブルースカイの中出しを受け入れ、一滴残らず子宮で飲み干していく。 「はぁ……っはぁ……っ……はぁ……っ……」 「ふふふ……♡ごちそうさまでした♡」 「…………ぁ……あ……ぁ……」 「さて、次はこちらの番ですね♡」 ──ニュルゥ!!ペタ!ペタ!ペタ!ペタ! 「いひぃいぃいいいい!?」 ブルースカイの絶頂を受け止めたオーロラはいやらしく唇を舐めると、外に飛び出していた足をクリトリスを弄んでいるモノを除き全てブルースカイの中にねじ込み、膣鏡のように使って膣道を広げる。 ガッチリと4点止めされ、子宮から子宮までの道が一直線になった状態で、海星足が膣壁に食い込み擦れる。 膣を広げられたのに全く冷たい空気が入らない、その生温かな感覚に不安を煽られる。 ブルースカイはこれ以上何をされるのかと、動けるうちに出来る限り距離を取ろうと試みるが、手足の自由を奪われ、浮かされた身体では腰を引くことすら叶わない。 そんな彼女をよそに、オーロラは唯一外に出ている足の裏側、そこにある自らのクリトリスを指で摘まんで、弾いて、擦って、撫でて、転がす。 「ふぅふ……♡私の弱点はこのクリちゃんですの♡ここを攻められると……もう我慢できなくて……すぐにイっちゃいます…の!!!♡」 「ひ……ひあ…あ…」 「オォオ゛♡出ますわ♡♡♡!射出ですわ♡♡♡!濃密淫魔のォ♡♡♡!!オマンコミルクゥウウウゥウウッ!!!!」 ──ブリュゥウゥウウウウッッッッッッ!!!! 「!!!!!!??????」 閃光が接合部に満ちる。 オーロラの汚らしい喘ぎ声と共に子宮口から噴射された白濁液が、ブルースカイの子宮の奥を殴りつけた。 中出しなんて生易しいものではない、文字通りのレーザー兵器のような超高密度の一撃。 明らかに少女の身体には収まらない量の液体が、彼女の腹を膨らませて、滝のような轟音と共に飛沫を上げている。 その勢いは止まることを知らず、オーロラの触手の拘束すら振りほどいて、ついにはブルースカイの身体を海岸から遥か彼方へと押し上げた。 「うぁあぁああああぁああっ!?──────ッッッッッッッ!!」 子宮を突き破る激痛と衝撃に一瞬意識が飛び、ハッと気付いた時にはブルースカイはロケットのような勢いで横移動していた。 そのまま減速無しで数キロ先の建物に突っ込み、壁を何枚も破壊し、ガラクタを粉砕しながらようやく停止する。 「ぐっ……がっ……はっ!」 瓦礫に埋もれながらも必死に息を整える。 彼女の身体は衝突の際に出来たスリ傷や打撲で、全身血まみれだ。 外傷だけでなく、内臓にも深刻なダメージがある。 いくら人よりも圧倒的に頑丈な魔法少女とはいえ、これ程のダメージを受ければ致命傷になりかねない。 だがそれでも彼女はヨレヨレと立ち上がり、淫魔の愛液で膨らんだ腹を押して子宮から不純物を吐き出そうとする。 何度も叩いて叩いて、生きるために。 「フゥウウウウウウウ~~~~あああぁ゛!!?…はぁ…はぁ…」 ──ゴポ!ボト!ドチャ! 涙を堪えながら子宮内の淫液を出来るだけ排出し、今度は子宮を覆っている『対淫魔子宮内膜保護呪印』の状態を腹の紋様を見て確認する。 先ほどの馬鹿げた潮吹きのせいで紋様は砕けており、もはや防御の役を果たしていない。 それはつまり…。 「あああ…もう手遅れって…こと…か…な?」 ブルースカイはそう呟き、力なく瓦礫の山に崩れ落ちる。 愛液を搾ったところで、あの淫魔の魔力は既にブルースカイの魔力の源である卵巣二つに染み込んでいた。 そもそも保護呪印に関しては、あの中出しを喰らった瞬間に砕けたのだ。 今さらどうしようもない。 こうして倒れているだけで体はあの淫魔の眷属へと近づいている。 魔法少女として戦うことも、逃げることすらも出来ない。 そんな絶望感と、自分の無力さに打ちひしがれ、ブルースカイは静かに目を閉じた。 だが、その時だった。 「あ…机だ…」 閉じる前に視界の隅に映ったのは、小学校などで使われている勉強机。 それに椅子や、本棚まである。 「いてて…ここ…学校なのね…」 正確には元学校。 ブルースカイ…海未が通っていた場所ではないが、彼女の脳内では鮮明に当時の光景が蘇っていた。 楽しかった日々の記憶と、辛かった思い出がごちゃ混ぜになって、溢れ出す。 「桃花…。ああ…そうだ、こんなところで死ぬわけには…いか…ない」 ブルースカイは立ち上がった。 魔力の源は淫魔の魔力に犯された。 血液には淫魔の魔力が流れ出している。 肌の色は小麦色から紙のような白色に変わりつつある。 子宮には淫魔の魔力の塊が出来上がっている。 もう彼女には普通の生活は送れない。 しかし、まだ諦められない何かが彼女を動かし、胸に埋め込まれた宝石を千切らせた。 「あ゛…ぎぃい…。はぁ…はぁ…ユリメラストーン…。コイツと一時的に融合することで私達は魔力が使えるようになる…。なら…」 永遠に融合してしまえばいい。 出来るかどうかは分からない。 でも淫魔に成りかけている自分に、もう怖いモノなんてない。 「はぁ…はぁ…バイバイ…桃花」 呟いたその声は涙で震え、視界に映った自らの手は既に白塗りしたように青い。 ブルースカイはその手に持った空色の水晶体に歯をたて、噛み砕いた。 ※ ※ ※ ※ ※ ※ 「ああ、随分と遠くまで吹き飛ばしてしまいました。にしても人間の社会もこの数十年でずいぶん変わりましたのね。海岸の町がこんなにも廃れてしまっているだなんて…見る目がない人たち」 ふわふわと宙を飛んで、オーロラが開いた穴から廃校舎の中に入る。 破壊された壁をくぐり抜けた先には何かが激突した跡があり、確実にここに魔法少女ブルースカイが居たことを示していた。 「ふぅうん。逃げましたか、あるいはこの建物から落ちて、そのまま死んじゃいましたかね?どちらにせよ残念です。上級淫魔にできそうな器でしたのに…」 溜息をつくと、オーロラは部屋全体を見渡して、廃校舎を去ろうとする。 その時、真上の天井から塵が少し落ちてきた。 「あら?」 「──オーシャン・インパクト」 「うぁ!!?」 突如として天井を突き破って現れた、教室とほぼ同じ大きさの巨大な水のハンマーが、オーロラを上から押し潰そうとする。 しかし彼女は髪の毛を太い触手数十本に変化させ、寸でのところでそれを受け止めた。 「あぁ……あ……ぎっ!こんな!!もの!!!!?」 「爆ぜろ。アクア・ダイナマイト」 触手と水の凝縮態が鎬を削る中、いきなりその水が橙色に変色して熱を持ち、水蒸気爆発を起こした。 衝撃で教室もろとも吹き飛ばされた淫魔オーロラは、崩れた地面から一階下の床に叩きつけられ、バウンドしながら壁にぶつかる。 そうして瓦礫をどけて立ち上がると、上の階からふんわりと落ちてくる少女が見えた。 屋上さえ吹き飛ばした爆発によって日差しが室内を照らし、翼ある影となって浮かび上がる。 それはまるで白昼に浮かぶ月のようで……。 「…(#&%#(#(ーーー!!!!」 「いい気味。やっぱりアンタさ、喋ってるより、そっちのほうが似合ってるよ」 「’(%##’#(#((…。コホン、失礼な。化け物だって言葉を使いたいと思うのです」 明らかに血が上った様子をみせた彼女だったが、少女の言葉に我を取り戻したのか、わざとらしく咳払いをして落ち着いた口調に戻った。 「それにしても貴方のその姿。まるで淫魔と人の混じり物、なんて醜悪な…」 「醜悪…ね。そうかもしれないけど、でも私は結構アリだと思ってるんだ」 そう言うと少女は瓦礫の中から大きめのガラスの破片を手に取り、生まれ変わった自らの姿を見つめる。 左は濃紺、右は白色に分かれた長い髪。 背中からは悪魔を思わせる生物的で濃紺の翼と、魔法で作られた実体のない白い翼が、髪と同じく左右非対称の色と形をもって生えている。 顔立ちは端正で、肌は死人を思わせるような青白さ。 そして、彼女の右瞳には青い宝石──海未のユリメラストーンが義眼として埋まっている。 衣装も以前のフリフリドレスとは違い、底の高いヒールを履いており、露出もかなり多い。 まさに魔法少女の彼女とは正反対の存在といえるだろう。 「んん…せっかくだし、名前は…そうだな。前が青空ってことでブルースカイ。でも今は黒っぽいし、安直だけど黒ずんだ空…ネイビースカイかな?」 『魔法少女ブルースカイ』改め『ネイビースカイ』は自分の顔をガラスでマジマジと見つめている。 雷電海未はもっと明るくて、人に元気を与える少女だったが、今の自分には遠い存在のように思えた。 もっと言えば人としての認識すらなく、生物である認識すらない。 何をやっても虚しいと思える空虚感と全てを壊したいという衝動が渦巻く。 混沌、そんな言葉がよく当てはまる。 ──シュゥー!…バチン!! 「ん…?」 「ほう?何もしていないのに触手が弾かれましたか……」 ガラスを手にしているネイビースカイに不意打ちを仕掛けたオーロラが、不思議がるように目を丸める。 なぜなら彼女が放った触手二本が、ネイビースカイの身体を捉えたと思ったら逆に弾かれたからだ。 まるで見えない壁に阻まれたようだったが、触手には確実に少女の肌の感触があったことから、魔法やスキルの類ではない。 様子見ということで手加減はしたのだろうがオーロラ基準であり、魔法少女なら今ので胴体が真っ二つになる。 つまり、それは彼女の純粋な肉体強度が飛躍的に上がったことを表している。 「その程度?」 「ふっ…少しは楽しめそうですねぇ?ハーフアンドハーフの味にも興味が湧いてきました」 オーロラは浅く息を吐き、瓦礫を蹴散らしながらネイビースカイに歩み寄る。 ネイビースカイも厭らしい笑みを浮かべながら、それに応じて歩き出した。 「シンプルな戦闘もいいけど、やっぱりここは雌らしく…」 「ええ、たっぷりと貪って差し上げます。文字通り、子宮の根っこまで…ね?」 胸同士を押し付け合い、舌を絡ませると、二人は互いの魔力を混ぜ合わせるようにキスをした。 唾液がねっとりと音を立て、崩壊した校舎に響く。 また、その様子を空高くから眺めて、嘲るように笑みを浮かべる淫魔がいた。 「ヘェイヘェイ♡♡まさかこんなに早く会えるとかラッキーじゃんアタシ♡♡それに、なーんか人でも淫魔でもないとんでもない化け物までいるし♡♡どうしよっかなぁ…参戦…しちゃおっかなぁ♡♡♡」 そのブルーサキュバス…マルベリー・ラブドールは長い足と大きな翼を宙でバタつかせ、興奮した様子で呟く。 参戦か、観戦か、彼女は結局自分では決められず、指遊びで神様に決めてもらうことにした。 「どちらにしようかな、神様の言うとおり。ふぅん…」 結果は参戦、渋い顔をしてチラリと下の化け物共を見ると、指をもう一度動かしてこう言った。 「やっぱ観戦で。このアタシが神とかいうクソカスゴミに従うとかナイナイ。それよりどっちが勝つかなぁ?勝った方とやった方が絶対いいよなぁぁ???」 マルベリーは指の腹を擦り合わせ飢えた表情をみせると、翼を大きく広げ、風に乗って飛び立つ。 そして、下にいる二人に気づかれない高度から、戦いの行方を見届けることにした。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 3話で終わりにしたかったですが、結局前作と同じ4話完結になりました。でもそっちの方が起承転結があって読みやすいですよね?読みやすい…ですよね…? 次回  ネイビースカイvs最凶淫魔オーロラ「第四話 死闘!混沌VS異形」


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