「誰も知らないふたりのトーク部」では
毎月1組、今まで語られたことのないふたりのトークを
メイプル社長がこっそりトークチェキッ☆をしてくれます。
今月は、どんなトークが繰り広げられるのでしょうか……?
ペイペイン「……まあ」
アイオーン「ヒッ」
ペイペイン「アイレーン様のご令兄とお見受けしますが……
息災になさっておりますでしょうか」
ペイペイン(アイレーン様がこの場におりましたら大変なことになっておりましたが、今は私ひとり。アイレーン様の完璧なメイドとして挨拶はしておきませんと)
アイオーン「あう……お……ヴッ」
ペイペイン「元気そうで何よりでございます。それでは」
アイオーン「あっ、ま、ま……」
ペイペイン「? 何か御用でしょうか」
アイオーン「アイレーンは……げ、元気に、して……いるか」
ペイペイン「……」
アイオーン「ややややややはり、なんでもない……かかかか神は聖域に……」
ペイペイン「……お元気でございます。本日も朝食のピーマンをこっそりと
ハンドレッコに渡しておりましたが、最終的にはお召し上がりになりました。
昨日の夜もゲームで夜更かしをしておりましたが、
おやつ抜きの言葉に慌ててベッドの中に入られました」
ペイペイン(もちろん成長日記として撮影もしております。抜かりはありません)
アイオーン「そ、そうか……」
ペイペイン「ご気分が優れないようですが……
よろしければ、そちらのカフェで御休憩なさってはいかがでしょうか?」
アイオーン「キャッキャッフェ……!?
愚かな下民共が乾燥した草の汁を啜るミサを行う場所へ……だと!?」
ペイペイン「アイレーン様がお好きなクッキーを販売しておりますので、
あなたもご一緒に選んではいかがでしょうか」
アイオーン「ヴ……ヴ……」
ペイペイン「往来で立ち話も他ミューモンの邪魔になりますので。さ、こちらへ」
アイオーン「ヴッ……ぉ……タスケテ……」
ロム「おー、アイオーン待たせて悪ぃな! 会計終わったぜ……ん?
あいつどこ行ったんだ? まあ、ガキじゃねえしひとりで帰れたってことか。
へっ、あいつもリアルに成長したってことだな!」
<PM13:47 Newyard 某高級カフェ>
アイオーン「ヴ……ヴヴヴ……」
ペイペイン(周囲のミューモンからの視線が凄まじい……
やはりアイレーン様のご家族。その美しさは下民どもの視線を集めてしまうという
ことでしょうか。可憐な美しさで言えばアイレーン様の圧勝ですが、
儚げかつ影のある独特な美しさはご令兄ならではですね)
ペイペイン「先日はこちらのショコラ・オランジェを大層お気に召しておりました」
アイオーン「オラ……オラン……ショ……コラ、オ……」
ペイペイン「公の場で怪しげな呪文を紡がれるのはおよしになった方がよいかと」
アイオーン「あう……う……」
ペイぺイン(アイレーン様と和解する何かのきっかけにでもなれば、
と思いましたが……この様子では厳しそうですね。早急に買って放流──)
アイオーン「み、みみみみ……」
ペイペイン「耳?」
アイオーン「ミ、ミルク・ダージリン……」
ペイペイン「ミルク・ダージリン……こちらの期間限定フレーバーでしょうか。
たしかにアイレーン様の好みそうなフレーバーでございますね」
アイオーン「ま、まままま……」
ペイペイン「ママ?」
アイオーン「ま、抹茶ホワイト……ショコ、ラ……」
ペイペイン「お抹茶は苦いとおっしゃるのでいつも避けているのですが」
アイオーン「……昔、取り寄せた時に……す、好きだと……」
ペイペイン「先日お出ししたお抹茶のプリンは苦いとおっしゃっていましたのに?」
アイオーン「……ね、ねだられた。俺が食べていたら……自分も食べたいと。
あいつには苦い……とは思ったが……自分も、俺と同じモノを食べるのだと、
言ってきかなく……て……」
ペイペイン(!!!???? それはお可愛すぎませんか? 幼き頃のアイレーン様であればそのようなフレーバーを好きだと仰るなんて完全にダウト。ご無理をしつつ背伸びをしていたに違いありません。ああ、なぜ私はそのお可愛らしい瞬間を動画に収めていなかったのでしょうか……
不肖ペイペイン、一生の不覚でございます!!!)
ペイペイン「左様でございますか。では抹茶ホワイトショコラも頂きましょう」
アイオーン「神は……そろそろ聖域に……」
ペイペイン「お待ちください。
先ほどのお話、大変興味がございます。店内で詳しく伺っても?」
アイオーン「ヴッ!?」
…………
ペイペイン「……なるほど。こちらのカフェがオープンした当時、
アイレーン様のおねだりであなたがクッキーを取り寄せられたのですね」
アイオーン「ハァ……ハァ……か、かえ……る」
ペイペイン「コーヒーでもお飲みになって落ち着いてはいかがでしょうか」
アイオーン「……コーヒー……あいつも、ここのコーヒーをブラックで飲むと……
大騒ぎをしていた……」
ペイペイン「……アイレーン様が、ブラックでコーヒーを召し上がりたい、と」
アイオーン「俺はどうせ飲めないだろうとたしなめたが……
本人が一緒のものがいいのだと……」
ペイペイン「私は、アイレーン様が忌避しそうなものに関してはあらかじめ排除しておりましたが、あえて大人ぶりたい心を逆手に取ると。流石でございます」
アイオーン「い、いや……そういう気持ちは特に……」
ペイペイン「参考までにお聞きしたいのですが、
お野菜などを残してしまう時はどのようなお声がけを?」
アイオーン「お、俺のように……大きくなれない、と……」
ペイペイン「左様でございますか。ではこちらも参考までに
お聞かせ願いたいのですが、夜更かしする際はどのようなご指導を?」
アイオーン「ま、枕元で……う、ううう、歌、を……」
ペイペイン「子守唄。なるほどあえて幼子のように扱うことで、
安心を得て深い眠りに誘うという算段でございますね」
アイオーン「……ち、ちが……」
ペイペイン「敬服いたします。是非とも参考にさせていただきます」
アイオーン「あいつ、は……」
ペイペイン「アイレーン様は?」
アイオーン「俺のせいで……背負わなくともいいことばかり、
背負わせてしまった……だから、あまり……
きつくしないで、やってほし……い……」
ペイペイン「……参考にさせていただきます。さて、私は夕食の準備がございますのでこれで失礼させていただきます。お時間ありがとうございました」
アイオーン「かかか、神は……もう、二度と聖域を……出ない……!」
<PM18:48 アイレーン宅にて>
ペイペイン「アイレーン様。
本日のミニャルディーズはこちらのクッキーでございます」
アイレーン「おお! ミュドュレのクッキーではないか! 大好きなのだ〜♪
これはダージリンフレーバーか?
やはりペイペインは私の好みをわかっているのだ! ……ん? こっちは抹茶?」
ペイペイン「お嫌いでしょうか?」
アイレーン「む〜〜……苦いが……別に嫌いではないのだ。
これは大人の味だから、大人気分を味わいたい時にはピッタリなのだ!」
ペイペイン「左様でございますか」
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