G.O.E~第24話#1【終わりへ誘う闇】~
Added 2022-04-30 12:29:58 +0000 UTC窓の外は、一面真っ白だった。 眼下に広がる光景は、普段なら絶対に見ることのできない絶景だ。 「飛行機は初めてか?」 「いや、修学旅行で乗ったことはあるんだけど、寝ちゃってさ」 「寝た?」 「前の日から飛行機に乗るのが楽しみで寝れなくてさあ、いざ当日になったらめちゃくちゃ眠くて、飛ぶ直前に寝ちゃって、起きたら着いてた」 「お前らしいな」 「バカにしてる?」 「うん。してる」 「蓮…お前もう遠慮しなくなったな」 「は?」 「付き合いたての頃は初々しかったのに」 「何言ってんだか。寝る」 ブランケットを被り、蓮は目をつぶってしまった。 通路を歩き、飲み物を配る添乗員さんからお茶をもらい、一口含んで改めて窓の外を見た。 「……わくわくするもん」 ・ これは俺と蓮のプライベート旅行などではなく、れっきとしたGOEの活動の内のひとつだった。 大山支部長から、直々に指令が下された。 大阪にある支部と連絡が取れなくなったので、確認してきてほしい、という事だった。 今までにこんな事はなかったらしい。 普通なら職員を送れば済む話らしいけど、最悪の事態も想定して俺と蓮が向かう事になったわけだ。 空港に到着し、俺たちはまっすぐタクシー乗り場に向かった。 荷物は何もない。大阪支部の状況が確認でき次第、すぐに帰る予定だからだ。 事前に教えてもらった住所を運転手に伝え、そこに着くまでの間、大阪の街並みをぼーっと眺めた。 大阪に来るのは初めてだ。すぐに帰らなければいけないのは残念だけど。 「はい、つきましたよ」 30分ほどして、目的地に到着したらしかった。 もちろん初めての土地なので、ここがどこらへんなのかというのはまったく見当がつかない。 蓮はしばらく周囲を見回すと、徐にビルの間へと歩いて行った。 慌ててついていき、俺も薄暗い空間へ足を踏み入れる。 「どこ行くんだ?」 「基地へつながる道ってのは基本いくつかあって、それは大抵人目につかない所から入れるようになってる」 「あぁ、そういえばそうだっけ」 いつも基地に向かうときは基本、転送機能を使ってたからあんまり考えた事なかった。 この機能が別の場所に対しても使えるようになればいいのになぁ、という話を博士に何回もしてるんだけど、毎回はぐらかされる。 やっぱめんどくさいのかな。 ビルの隙間、少し進んだ所にマンホールがあった。 蓮はかがんで表面を触る。すると、ある一点に触れた瞬間、空気の漏れるような音が聞こえた。 マンホールが自動で開き、周囲の床も形を変えると、地下に続く階段が現れた。 「すっげぇ、かっこいいなぁ」 「行くぞ」 今度からこういう通路から行ってみようかなぁ。 「あ、基地に行くときは基本こういう通路は使うなよ。これは緊急用だからな」 「……あ、そう」 俺の考えている事が読めているかのような蓮の発言に、俺はちょっぴり恐怖を覚えた。 ・ しばらくコンクリートむき出しの通路を歩き、鉄製の扉を開ける。 基地の内部は東京のものと何も変わらない。 ただ違うのは、人が誰もいないという事だった。 職員も、警備も、誰も存在していない。 しかし戦闘があったような形跡もない。 「……全員失踪したのか?」 「何も言わずに?」 「……ありえないよな」 こんなに静かな基地を歩き回るのは初めてだ。 いやに不気味だ。見慣れた場所のはずなのに。 例えるなら、夜の学校を徘徊しているような気分だ。 慣れた場所でも、状況が変われば印象は一転する。 「変身しておこう。念のために」 「分かった」 蓮の言う通り、変身して基地の中をさらに進む。 しかし基地の広さは身に染みて分かっている。 蓮も同じ考えに至ったのか、立ち止まって振り返った。 「二手に分かれよう。何かあればすぐに連絡して、絶対に一人で動かないようにな」 「おっけ、絶対連絡しろよ!」 「……こっちのセリフだけどな」 左右に分かれた通路を、俺が右、蓮が左へと向かう。 何かがあったのは確かなはずだが、その全貌が見えないのがこんなにも不気味だなんて。 こんな事ができるのは、怪人しかいないはずだけど。 ただ、その存在を感じ取れない。 いるのか? この基地の中に怪人が? 蓮と離れてしまうと、途端に恐怖心が俺の頭を支配した。 剣を持つ手にいやに力がこもる。 どんな小さな動きも見逃さないよう、視線を無駄に動かしてしまう。 何か違和感を感じたと思って見てみても、それは壁や床に反射した光だった。 ダメだ、こういう時は現実的な事を考えよう。 自分を冷静にさせるんだ。思考が鈍ったままじゃ的確に動けない。 今日は日帰りだから、4時間後には空港にいたい。 ついでにご当地グルメも食べたいから、余裕をもって到着したい。 ってことは、ここの基地の捜索を長くても3時間くらいで終わらないといけないわけか。 ふと、視界の端に何かが映った。 また光の反射だろうと思い無視するも、どうも俺の勘違いではなさそうだった。 それは確かに光を反射していた。 ぷかぷかと、きらめきながら宙を漂っていた。 「……泡?」 どこからか現れたそれは、いつの間にか俺を取り囲んでいた。 全く気付かなかった。いや、一瞬にして発生したのか? どこから? 何で気づけなかったーーッ ”ねちゃッッ…” 慌てて天井を見上げた。 視界が一瞬にして、白に包まれた。 「んぶッ!?」 これはーーッ 冷たくも熱くもない、大量の泡が俺を一瞬にして包み込むと、床にぶつかり全方位へと広がっていく。 スーツが濡れ、黒く色が変わり、表面が滑らかになっていく。 床に広がる泡に足を取られ、しりもちをついてしまうと、その拍子に剣を落としてしまった。 床は摩擦力を失ってしまったのか、剣をどこまでも運んで行ってしまう。 「まずいッ!」 剣を取りに行こうと足に力を込めても、何故か動かせなかった。 誰かに掴まれているわけでも、何かに捕らわれているわけでもない。 ただ力が入らない。 それは足だけでなく、全身も同様だった。 「あッ……うぅ…」 さながら横たわるセイウチのような格好で、ぶくぶくと沸き立つ泡の中で目だけを必死に動かす。 どこにいる? ダメだ。泡のせいで何も見えない。 「容易いねぇ……」 目の前の泡が一点に集中し、天井へと伸びていく。 しかしそれは途中で動きを止め、次第に人型に広がっていった。 「君、本当にヒーローかい?」 レース生地のような布が全身を覆っている。 濡れても動きに支障が出ないであろうその恰好は、己の能力を活かすためのものなのだろう。 股間はかなり際どいパンツをはいている。 ブーメランパンツという奴だろうか? 俺たちの履いている競パンよりも小さい気がする。 そのせいか、その布の中に納まっているモノはやけに大きく感じてしまう。 「お前が、ここにいた人たちをどこかにやったのか?」 「違うよ。僕じゃない」 「じゃあお前は何故ここにーーッ」 「僕の仕事は、君たちをここで足止めする事さ」 「足止め?」 「何、単純な話さ。君たちをここで、気持ちよくすれば良いだけの事」 滑るように移動した怪人は、俺の背後へと回り込んだ。 脇の下から両手を差し込み、グッと俺の体を持ち上げる。 見た目によらず力はあるみたいだ。 脱力した俺の体は逆らう事はできず、怪人にそのまま背をもたれる形になってしまう。 まるでテディベアーのように、両足を伸ばし、両腕はだらんとぶらさがる。 「蓮……」 「無駄無駄。彼も今頃、大変だろうから、助けに来ることはないよ」 「……ッ」 「何も気にしなくていいんだよ。君は、僕が与える快楽をただ、享受して喘いでいればいいんだから」 「何を…ッ」 怪人の手が胸に触れる。 いやに滑らかに、白い手が赤の上を移動する。 乳首を指先で弄び、艶やかな吐息が耳元で聞こえる。 股間に潜んでいた息子は瘴気の影響もあるのだろう、すぐに元気になってしまった。 だが、ただこうしているだけならば俺にだって勝機はある。 変身が解除されない限りは、意識さえ保っていればチャンスはある。 「お前の思い通りになんか、ならないぞ」 「そうかな? ほら、僕って怪人だからさ」 俺に見せつけるように、右手を伸ばし、手を開く。 右手の輪郭が徐々に崩れ始め、泡となって床へ落ちていく。 「スーツなんて関係ないんだよ」 右手を再び俺の体へと近づける。 何が起きる? スーツの上から、触れるだけなのに……。 「……あッ///」 俺の胸に吸い込まれるように右手が消えたかと思うと、スーツが突然盛り上がった。 それは先ほどまで目の前にあった…手の形をしていた。 指先が乳首を掠め、泡を塗りたくるように動かされる。 「何でッ…!?」 「僕の体は泡で出来てる。泡となってスーツの内側へ侵入し、そこで実体化させたまで」 「うあぁ/// やめッ…」 「スーツ越しよりも、直で触られる方がずっと気持ち良いよね?」 「んんッ///」 密着したスーツの中に、詰め込まれたように存在する怪人の手は、泡によって先ほどの愛撫と同じように滑らかに動く。 「ふーん、スーツの下は全裸なんだ」 手はもちろん足の方へ移動して、へそ辺りをまさぐっている。 そしてすぐに股間へ持っていかれると、俺の肉棒を無遠慮に掴んだ。 「大きいなぁ……僕の手からこんなにはみだしてるよ」 と、右手から飛び出しているイチモツの先端を、スーツの上から左手でなぞられる。 「おぉ…ッ、やめろ…」 「どういう感覚なんだい? スーツを着たまま、その内側を弄られるというのは?」 「…し、知るかッ」 「君の顔が見れないのが残念だなぁ。そのマスクだけでもが外してくれないかな?」 「絶対…いや、だッ」 「そう。まあいいけど」 「うおぉぉッ、んはぁ///」 怪人の左手までがスーツの中へ侵入してきた。 俺のイチモツを両手で握ると、丁寧に、ゆっくりと擦り始める。 変な感じだ。 ぴっちりと体に密着するスーツを着ているのに、その下で自在にうごめく怪人の両手。 窮屈な感覚はあるのに、それがむしろ気持ちいい…。 ぬるぬるしているせいもあるんだと思う。 スーツの内側がローションで満たされているような、不思議な感覚だった。 「ほら、もっとすけべな格好になろう」 怪人はそう言って、両手を俺の太ももに当てた。 そのまま横に押し広げるように力を込める。 「あぁ///やめて…ッ」 こんな事、したくないのに。 この泡のせいで力が入らない…。 大きく足を広げ、怪人は泡を塗りたくるように太もも、股間、腹、胸と全身にまんべんなく広げていく。 触れられる場所の感覚は残っているのに、どうしても力が入らない。 何でだ、くそ…ッ ダメなのに、ダメなのは分かってるのに…。 「あぁ……きもちッ…いいッ///」 「そうでしょう?」 何も考えられない。 ぁ…どうして、顔が濡れてる…? なんだ…なん、これ///ッ 首筋をゆっくりと伝う、水滴。 …そうか。 今、俺のマスクの中に……。 「顔にも塗ってしまえば、もう考える事すらも、君の中から洗い流してくれるよ」 「あぁ…はぃ///」 「じゃあ、マスクだけ取ってみようか?」 「……ん」 ・ ・ ・ ・ 耳に入ってくる言葉通りに、蒼汰はマスクの部分だけ変身を解除した。 怪人の泡は、マスクと首のわずかな隙間を通って内部へと侵入していたのだ。 泡に濡れた顔は所々テカテカと煌めいており、呆けた表情とその恰好も相まって、かなり無様な様相を呈していた。 硬くいきり立つ股間の赤い盛り上がりを怪人は撫で続けながら、蒼汰の耳をついばんでいる。 「ぁッ///、うんッ///」 ピンとたつ乳首。うっすらと透けたスーツでは、その下の鍛えられた肉体がより淫靡に見えてしまう。 怪人の愛撫に何度も体を跳ねさせ、時折うっすらと笑みを浮かべているようにも見える。 顔にも泡を塗られてしまった事で、蒼汰は考える事すらできなくなった。 この状態では、彼には万に一つでも勝ち目はなかった。 怪人から与えられるものをその身に受け入れ、ただ喘ぐのみだ。 「君、かっこいいじゃないかぁ。やっぱりマスクを取ってもらって正解だったなぁ」 「きもち…いぃ…ッ」 「そうかいそうかい。じゃあもっと気持ち良くしてあげるよ」 怪人の体から、一瞬にして泡があふれ出した。 それは蒼汰の体を取り囲み、そして溶けるように吸い込まれ消えていく。 「あぁ……ッ」 スーツが濡れたことで薄く黒く、染まっていく。 体が痙攣し始める。 イチモツまでが勝手に、何度も、びくびくと震えている。 性欲の権化であるその肉棒を濡らすのは、我慢汁か、はたまた泡なのか。 「すっごいぃ…ッ、うんあぁぁ///、やめ、らめ///んんぅぅッ…ッ!」 両足に力が入り、М字に開かれた足が硬直する。 グッとスーツを押し上げるように、巨根が生きているかのように脈打ち赤いテントを作り出す。 「すごいな。体に力は入らないはずなのに、そんなによがってくれて僕も嬉しいよ」 怪人の能力によって、蒼汰の体は一度空っぽになっていた。 物理的な意味ではなく、それは意思や力といった目に見えぬ感覚的なものだ。 今、蒼汰の体は与えられた快楽が上限を突破してしまったのだ。 そのため無意識に全身に力が入るようになった。 しかしそれが反撃の一手とはならない。 蒼汰にその意思は無いのだから。 蒼汰はただ求めているのだ。 気持ち良くしてもらう事を。 この泡を全身に塗りたくってもらい、しごかれ、乳首を弄ばれ、首筋に口づけされながら、射精する瞬間を今か今かと心待ちにしているのだ。 「いきたい///、お願い、いかせてぇッ///」 「ダメダメ、時間をもっとかけないと…僕が怒られちゃうから」 怪人がにやりと笑みを浮かべ、蒼汰の顎に指を添える。 優しく後ろに向かせると、わずかに開いた口にすぐさま唇を重ねた。 「んッ///んぁッ…」 舌を絡めとられ、弄ばれ、蒼汰は喘ぐ。 股間のイチモツをしごく手は早くなる。 しかしイキそうになれば、怪人はそれを察知して手を止める。 「んんぅぅッ///」 我慢できないといったように体を僅かに動かす蒼汰。 だが怪人が気にすることはない。 蒼汰が楽しんでいるように、怪人も楽しんでいるのだ。 この時間は、目的が達成されるまで、終わる事は無いのだ…。 ・ ・ ・ ・ 一方、蓮は蒼汰と同じように怪人と遭遇していた。 しかしそいつは、彼がよく知った人物だった。 「なるほど、こっちに来たのは君と赤い奴だったか」 蓮の前には、不敵な笑みを浮かべたオウンが立っていた。 手に剣は持っていない。その様子からも、戦う意思は無い事が伺えた。 「お前がここの人たちを?」 「そう。僕がやった。別に死んではないよ。貴重な資源だから」 「ふざけるなよ。さっさと全員返せ」 「…そうはいかなーーッ」 オウンの言葉の途中で、蓮は動き出した。 氷の刃を飛ばし、一気に近づく。 しかし、蓮は勢いを殺して立ち止まった。 オウンはずっと、にやにや笑ったままだ。 「悪いけど、僕はここにいないんだ」 放った氷の刃はオウンに当たる事はなく、彼の体を煙のように揺らしただけで通り過ぎてしまった。 「実体じゃないから、攻撃は無意味。君ならよく分かってるよね?」 「……そうだな」 「ねぇ、気にならない?」 「……何がだ」 「ここにいたヒーローはどうなったのか、だよ」 「何をしたッ」 「あははッ! 怒らないでよ、分かり切ってることでしょ? もう僕はいくつかのGOEの施設を潰してる。外国にあるのも含めてね」 「何だと? そんな連絡、こっちにはまったく…」 「手に入れたヒーローはね、皆僕の手駒にした。気づいたんだ。元の身体能力も高いし、そっちを怪人にした方が使えるんじゃないかって」 「何てことを…」 「今頃東京の方にも、僕の手駒たちが向かってるよ」 「……ッ!」 「急いで帰らないと、手遅れになるかもねぇ」 オウンの姿が、蜃気楼のように揺れ始める。 「待てッ!」 「待たない。僕は今忙しいんだ。それに、もう一人はきっと今頃、大変だと思うよ?」 完全にその姿が見えなくなる前に、蓮はその言葉を聞いて一目散に来た道を走り始めた。 「……愛だねぇ」 馬鹿にしたように鼻で笑い、オウンは姿を消した。 ・ ・ ・ ・ 「…ァ、も、もう///、で、出ないってぇ…」 「嫌だよ。あんなにイキたいって言ってたじゃないか」 「そ、そうだけ…ッ、もう、いっぱいぃ///出しちゃッ///」 赤いスーツの股間部分。 未だに勃起した肉棒の先端に、僅かなふくらみがある。 それは蒼汰自身が吐き出した精液の塊だった。 何度イかされたか分からない。 別に射精させてもいいのか、と気づいた怪人によって蒼汰はしつこいくらいに快楽を与えられ、そして何度も果てていた。 薄れゆく意識の中で、疲労を確かに感じながらも、抵抗できない体ではどうすることもできない。 うわ言のように情けない声と言葉を漏らし、怪人に懇願する事しかできなかった。 「うあぁ///イ、イくぅッ///」 腰がビクンと大きくはね、まっすぐ伸びた肉棒の、精子が駆け上がるのがスーツ越しでも見て取れた。 どれだけ大量の精子を吐き出しても、怪人は満足せず、そして蒼汰の性欲も止まる事はない。 「終わらないよ。君はずっと、僕と一緒だ」 怪人が笑い、再び口づけしようと顔を近づける。 しかし、直前で動きが止まった。 目を見開き、掠れた声を漏らす。 泡であったはずの彼の体は、下から徐々に凍っていたのだ。 顔だけを何とか背後へ向ける。 そこには、青いスーツに身を包んだヒーローが立っていた。 「あぁ……遊び、すぎた、なぁ」 顔まで氷に包まれてしまうと、怪人の体はすぐに爆散してしまった。 支えられていた蒼汰が倒れそうになり、蓮が慌てて駆け寄り受け止める。 満身創痍の蒼汰は、蓮の姿を見るとほっとしたように吐息を漏らした。 「蓮……」 「遅くなった。こんな状態の所悪いが、すぐに戻るぞ」 「…え?」 「これは罠だった。俺とお前を、東京から離れさせるのが目的だったんだ」 蓮が蒼汰に肩を貸し、立ち上がろうとする。 「あ、待って…」 「何だ?」 「一回、イっちゃだめ? 蓮見たら、ちょっと…その///」 「……お前殴られたいのか?」 「……ごめんなさい」 ・ ・ ・ ・ 薄暗い室内に立つのは一人の少年……オウンだけだった。 床には彼に立ち向かい、そして無残に負けた異国のヒーローたち。 スーツを着たままの者、変身が強制解除された者、様々だったが、全員が同じように腹を大きく膨らませていた。 苦しそうに両手を腹に添え喘ぐ、赤いスーツを着た金髪のヒーローが、オウンを恨めしそうに見上げている。 オウンはそれに気づき、困ったようにため息を漏らす。 「Hey,don't look at me like that. I just want your energy(そんな目で見ないでよ。ただエナジーが欲しいだけなんだよ)」 オウンが右手を向ける。 その手のひらに、瘴気が集まり渦を描き始める。 頬を膨らませて、首を振り、逃げようともがくヒーロー。 しかし、そんなチャンスは彼に残されていない。 「グッバイ、ファッキンヒーロー」 ニコッと笑うと、部屋全体が一瞬にして、瘴気の爆発に飲み込まれた。