G.O.E~番外編5【逃れられない挟撃の悦楽】~
Added 2021-10-27 05:54:34 +0000 UTC爽やかな風が、二人の間を通り抜けた。 学校の屋上には他に人は見当たらない。 若々しく、生命力にあふれた青年たちが蠢いているのを眼下に望むその姿は、明らかに異様だ。 二人は服を着ていなかった。 肌は銀色で、所々に細い線が見て取れた。 その頭に髪は見受けられない。日の光を浴びて煌めいていた。 時折体を動かせば、金属が擦れるような音が聞こえる。 「獲物がいっぱいだね、イブ」 胸のない人型が、胸のある方に微笑みかけた。 「そうねアダム。これは楽しくなりそうだもの」 滑らかな髪を風に乗せ、後ろへ片手で流す。 二人の体は確かに男と女だと分かる輪郭をしていた。 しかし乳首があるわけでも、股間にナニかがついているわけでも穴が空いているわけでもない。 それらの体は人型ではあったが、人ではなかった。 アダムがおもむろに伸ばした人差し指の先。 細い電流が迸った。 「二手に分かれようか。僕は外を責めるね」 「そう。じゃあ私は内側からじっくりといくもの」 どちらからともなく腕を絡ませ、気づけば濃厚に口づけを交わし始める。 いつまでもお互いの情欲を貪り食っているかと思えば、突然体を離してため息をついた。 「やはり人の真似事では満たされないね」 「そうよ。私たちは奉仕することが仕事なんだもの。自ら気持ちよくなれるような感情はメモリにないもの」 「それでも興味を持ってしまうんだよねぇ…。まったく不便な体だね」 「いいのよ。気持ちよくさせるのが私たちの仕事だもの」 イブが踵を返し、屋上の扉へ歩き出す。 「……そうだね。僕たちは、奉仕するだけのただの機械だからね」 アダムは目の前のフェンスに手をかけると、いともたやすくそれを引き裂いた。 ゆっくりと縁ギリギリまで歩みを進めて、一瞬下を見る。 何のためらいもなく足を踏み出すと、重力に従い猛スピードで落ちていく。 その表情に焦りや恐怖は見られない。 むしろ柔和な笑みを浮かべ、視線の先ーー校庭で動いている男子たちを捉える。 轟音が強烈に響き渡り、地面がへこみ砕け散る。 膝をついている姿勢からゆっくりと立ち上がるその様を、男子たちはただ見つめていた。 何が起きたのか、誰も分からなかった。 ーーただ一人を除いて。 「皆逃げて!」 そう叫んだ青年を、アダムはすぐに見た。 体育の授業中なのだろう、全員が体操服姿で、何人かはジャージを着ている。 その声を上げた青年も上着を着ていた。 その見た目は、何ら他の男と変わらないというに、何故反応できたのだろうか? 集団の中の数人が、この状況の異様さを感じ取ったのだろう。 あの叫び声に従い動き出そうとしていた。 「どこに行くというのだね」 両手を広げたアダムの指先から、電流が迸った。 屋上で見せたモノとは比べ物にならない太さ、そして強さが音で感じ取れる。 バチバチと音を立て、地面を黒く焦がし、青年たちを取り囲んでいく。 「僕は君たちの為に来たというのに、何故逃げるのかね?」 「くそ」 ようやく全員が、今がどういう状況か理解したのだろう。 だがもう逃げられない。 「安心するんだね」 アダムが指先をわずかに動かす。 「君たちはこれから、僕が気持ちよくさせてあげるからね」 電流の壁が、波紋が広がるように揺れ始める。 細い電流が何本も、枝分かれするように伸びていく。 「うわっ」 「何だよこれ」 それらは明らかに男子たちを狙っていた。 じりじりと全方位から責められる彼らは、次第に中心で身を寄せ合って固まった。 そしてもう逃げる場は無くなる。 「あぎッ!?」 一人が突然、素っ頓狂な声を上げた。 地面に倒れたそいつの腕に、細く伸びた電流が触れていた。 次第に体を蝕まれるように電流がぴたぴたと触れると、呼応するように体を痙攣させ始める。 白目を向き、喘ぐような声を漏らす。 紺色の半パンを履いていて一見よく分からないが、その股間は大きく盛り上がっていた。 徐々に色が濃くなり、その場にいる全員が嗅ぎなれた匂いが漂い始めた。 腰を何度も浮かせ、震えるその生徒は射精してしまっていた。 誰もが恐怖を覚え、目の前を見た。 しかしもう、それからは逃げられなかった。 電流が男子たちを捕まえる。 誰しもが喘ぎ声をあげ、地面に倒れ、体を震わす。 股間が大きく隆起し、粟の花の匂いが辺り一面に広がる。 「素晴らしいね。やはり男が喜んでいるのを見るのが一番気持ちいいね」 恍惚な表情を浮かべ、空を見上げるアダム。 何もないはずの股間が僅かに盛り上がったように見えた。 そして視線を下ろした彼の視界に、予想していないものが映る。 「え?」 この電流に触れれば、誰もが地に倒れ動けなくなる。 そのはずなのに。 その青年は膝をついてこちらを睨みつけていた。 それは、あの叫んだ青年だった。 何か他の男子とは違うと感じてはいたが、まさかこの攻撃に耐えるとは。 「君はなんだね。何故倒れないんだね?」 「くそッ…何でまた怪人が来るんだよ」 「……まぁいい。君からは、他の男よりも上質な精を感じる。きっと君から搾り取れば、僕は更なる快楽を得られるんだろうね」 「ふざっけんなッ……好きにやられてたまるか!」 想定外の男子が、勢いよく立ち上がった。 股間は他の男子同様盛り上がっている。 つまりその身に快楽を感じてはいるわけだ。 しかしああやって動けているということは、耐性があるという事なのだろう。 その青年が、何故か周りを見渡す。 他の男子たちは既に正常な意識など失っている。 「ばれないよな…」 「何をする気だね?」 「…変身ッ!」 いきおいよく叫ぶと同時に、彼の体がまばゆい光に包まれた。 光が失せるとそこには、黄色いスーツに身を包んだ彼がいた。 どうやら電流の効果はスーツに阻まれてしまっているのか、彼の動きは実に滑らかになっていた。 「そうか。君はヒーローかね」 「だったらどうした」 「ふふっ……ヒーローでも、男であることには、変わりないね」 アダムの視線に気づき、青年…奏多は視線を下ろすと 黄色いスーツの股間は大きく盛り上がっていた。 さきほどまで着ていた紺色のパンツとは違い、黄色くぴちっとしたこのスーツでは、股間の膨らみは余計に目立ってしまっていた。 「だ、だから何だよ!」 「いやいや、いいんだよ。気にしないでね」 「う、うるさい!」 「しかし君。周りに彼らがいる状況で、どうやって私と戦うつもりだね?」 「安心しろよ、すぐにそっちに行ってやる」 「なに?」 奏多がそう言った直後、突如として彼の体が宙に飛び出した。 何が起きたのか理解できないアダムは、つられて空を見上げた。 両手でハンマーを構えた奏多が、アダムめがけて勢いよく腕を振り下ろす。 「危ないね!」 慌てて後方に飛び、寸での所で重い一撃を回避した。 地面は粉々に砕け、亀裂がいくつも走る。 先ほどまで展開していた電流の壁は消失してしまったが、すでに快楽に溺れた青年たちが逃げ出すことはない。 「ふむ、なるほどね」 落ち着きを取り戻し、奏多が先ほどまで立っていた場所を見るアダム。 そこには大きく隆起した地面があった。 「ジャンプ台の要領で飛んだわけだね」 「さぁ、これで自由に戦えるぞ」 「ふむ。なかなかやるね」 態度だけは平静を装っていたアダムであったが、実は内心かなり焦っていた。 アダムが出せる電流は実際にはそんなに強力ではない。 人に快楽を与えるための効果が強く、ダメージを与えることが目的ではないのだ。 ヒーローが着ているスーツには、あまり効果がないだろう。 地面を焦がしたのも、ほんの一瞬力を強めて出来ただけで、その力を長時間維持することはできないのだ。 「私はアダム。人の為に、始まりの人の名を頂いた。さぁ、気持ちよくさせてあげるね」 あくまでも、自分たちは男を気持ちよくさせるだけの機械なのだから。 アダムにできることは、それだけなのだ。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 怪人は自らの事をアダムと名乗った。 先ほど追い込まれた時はかなり力を持った怪人だと思ったのだが、いざこうして相対してみると、その印象は薄れていった。 まったく強くない。 電流による攻撃も、一瞬強力に感じたがすぐに威力が弱まっていく。 電流が放たれて最初の数秒さえ触れなければ、恐れる必要はない。 他の皆を狂わせた電流の効果も、スーツを着ていれば防げるみたいだし、これは他の四人が来る前に俺一人だけで倒せるかもしれない。 「君、強いね」 「お前が弱すぎるんだよ」 「ひどいね。泣けてくるね」 「じゃあ来るべきじゃなかったな。人に迷惑かけるようなことするからだ」 「迷惑? 失礼だね。僕は君たちのためを思ってやってるのにね」 「どこがだよ!」 「だって気持ちいいことは好きだろう? 嫌な人はいないはずだがね」 「それは……まぁ、そうかもしれないけど」 「そうだろう?」 「で、でも強引にやるのは間違ってる! そういうのはそれぞれが望んでやることなんだ!」 「ふむ。意見の相違だね」 「……意見を合わせる気ないだろ、お前」 「そうだね。その意見を受け入れるようには、私はできていないのだからね」 「そうよぉ。私たちは、ご奉仕する機械だもの」 体がビクッと震えた。 慌てて振り返ると、アダムと似たような見た目の怪人がもう一人立っていた。 違いは胸が膨らんでいて、しっかりおっぱいがあることくらいか。 「イブ、来てくれたんだね」 「えぇアダム。あなた、負けそうなんだもの」 「そう。負けそうなんだよね」 「二人来たところで、やすやすと負けたりはしないぞ」 「そうね。あなた自信があるようだもの」 この女型の怪人…イブも、アダムと同じ能力なのか? そうであれば楽なんだけれど。 「でもね、私も自信があるんだもの」 イブがにやりと笑った。 背後から細長い何かが現れ、目にも止まらぬ速さで俺へと向かってきた。 避ける間もなく、俺の太ももに鋭い痛みが走る。 目を向ければ、チューブの先についた細い針が二本、そこに突き刺さっていた。 「な、何を」 ピンク色の液体が、その先端から注入されていく。 俺は慌てて針を抜いて投げ捨てる。 チューブは掃除機のコードのように戻っていく。 「楽しみましょう、せっかくだもの」 何となく予想はできていたが、案の定体に変化が現れた。 ようやく収まった股間の昂ぶりが復活し、黄色いスーツに黒いシミができ始めた。 でもこれぐらいなら、今までだってあったことだ。 良くも悪くも慣れてしまった俺の体は、こんな状況でも動くことはできる。 「だめだめ、させないよね」 背後から、アダムが俺の体をがっしりと掴んだ。 両脇の下から腕を通し、俺の体を固定する。 「や、やめろ放せ!」 「ダメダメ、放さないね」 くそッ! こいつ力はめちゃくちゃ強い…ッ。 どれだけ暴れても、まったくもって振りほどけない。 「そうだわアダム。あれをやりましょうよ」 「そうだねイブ。あれをやろうか」 「あれ…?」 イブがゆっくりと近づいてくる。 俺の肩に手を置き、顔を近づけにやりと笑う。 「あなたは貴重なエネルギー源」 「エネルギー?」 「私たちは、あなたをエネルギー源として、更に強くなる」 イブの空いた手が、俺の股間をサッと撫でる。 「…あッ」 思わず漏れる声。 先ほど打たれた液体のせいだ。 分かってはいるのに、体が熱くなるのを止められない。 「貴方の中で、エナジーが昂るのが分かる」 「うえッ!?」 お尻の違和感に、思わず変な声が出た。 ケツの間を、何かがグッと押し込んでいる。 「な、なにをッ?」 「安心してね。痛くはないよ」 アダムが囁きながら、腰を押し付ける。 その行為だけで想像できた。 アダムの股間から、ナニかが伸びていて、それがスーツを押し込んでケツの中へ侵入しようとしているのだ。 「やめろ…ッ」 「何も気にすることはないもの。だってあなたはこれからーー」 呼応するようにイブも体を近づける。 滑らかな股間が、勃起した俺のイチモツを撫でると、僅かに金属音が聞こえた。 すると、そこの大部分が陥没し無数のヒダのようなものが現れた。 「え、ちょ…ッ」 「大丈夫。とても気持ちいいんだもの」 「あ…あぁ…ッ」 大量のヒダは振動し始めると、俺の竿を包み込むように蠢く。 さわさわと優しく、時折ねっとりと搾り取られるような感覚。 しかし俺への攻撃はそれだけでは終わらなかった。 「僕もいるんだよね」 「うがぁッ!?」 ケツに強引に侵入していたアダムの棒が、イブのと同じように震え出したかと思うと、強烈な衝撃が全身を貫いた。 ケツの内側から、電流を流されたんだ。 あまりの衝撃に膝から崩れ落ちそうになったが、それはアダムに支えられることで回避される。 「うッ……」 まずい、この状況は駄目だ…。 「ほうら、マスクの中の顔は、とても気持ちよさそうだもの」 マスク越しに覗き込むイブと目が合う。 アダムが俺をがっしりと掴んでいなければ、このまま地面に倒れてしまっていただろう。 そう理解しているから、この状況がかなりまずいことにもすぐ気づく。 股間を優しく刺激され、背後から突っ込まれている棒から全身の感覚を鋭敏にさせる電流が流される。 ダメだ、ダメなんだ。 このままじゃ、何も考えられなくなる。 「もうそんなスーツ脱いでしまえば?」 「そうだよ。僕のイチモツを全部ダイレクトに受け入れてしまおうね」 「うぅ……そんなの、絶対ッ…」 「強情だね、ほら」 ケツに一瞬感じた小さな痛み。 しかしそれはすぐに快楽に変わり、股間へ一直線に貫くような感覚。 「うおぁ……ぁッ…」 学校の校庭にいるはずなのに。 こんな淫らな気持ちになって、怪人二人に挟まれて あぁ……俺はこのまま、何もできなくなってしまう。 視界に黄色い光がちらつく。 それは、変身が強制解除される兆候だった。 「だめッ……あぁ、そんなぁッ」 自分の体に張り付いていた戦闘用スーツが、淡い光となって一瞬にして消えた。 「あららぁ? どうしてそんな姿に?」 「ちょうどいいじゃないか。こちらも奉仕のしがいがあるというものだね」 強制解除によって競パン一丁になった俺を見て、二人から笑みがこぼれる。 アダムは一度突っ込んでいた棒を引き抜き、イブは少し体を離す。 どちらからともなく競パンに手をかけ、ずりおろすとそれを適当に放り投げた。 「…ぁ」 「これでもう変身できないね」 「そもそも変身できる状態じゃないもの」 ふふふ。 笑みを浮かべて、二人が顔を近づける。 再び貫かれるケツ。 今度は直に肉棒に触れてくるイブのヒダ。 迸る電流が肌の感度を高め、内側を刺激し蕩けさせていく。 「ぁぁ……」 俺のイチモツは我慢汁でびしょ濡れだ。 銀色の手が俺の乳首に触れるたびに、体がびくりと動いてしまう。 火照った体には、この二人の冷たさを纏った手がどうにも心地よかった。 「さてそれじゃあ…」 「そうね、”合体”しましょう?」 「がっ…たい?」 その言葉の意味を理解する間もなく、二人の体からモーターが起動するような機械音が響き渡った。 二人が先ほどよりも密着してくる。 今まで俺の竿を撫でていただけだったイブの股間が形を変え、小さな穴となる。 イチモツをすっぽり飲み込まれ、さっきとは違う締め付けられるような感覚に襲われる。 「うあ……なに…してッ」 「あなたは貴重なエネルギー源」 「ヒーローなら、僕たちはきっとすごく強くなる」 「うあぁ……やめろ…ぉッ」 二人に挟まれるように……俺の腕が、足が、全身が包まれる。 「さぁ、身を委ねれば…楽だもの」 イブの顔が近づいてくる。 口づけをされたかと思えば、その顔は途端に表情を失くし、俺の頭部を覆っていく。 視界は薄靄がかかったようにはなっているが、わずかに見える。 何が起きているのか分からないこんな状況でも、俺の体に与えられる責めが止まることはない。 止めどない刺激。 それは前も、後ろも…。 アダムとイブが…二体の機械が、俺を挟んで合体している。 「うッ…イ、イく…ッ」 情けなく呟いてしまってすぐに、俺は射精してしまった。 それを合図にしたかのように、二人の合体は更に早まっていく。 何となく理解できた。 俺がエネルギー源というのは、つまり…。 「「さぁ、これが私たちの真の姿だ。ふふ、組織の名を頂戴しエデンとでも名乗ろうかね」」 男女の声が重なり、校庭に響く。 その高らかな宣言を聞いている者など、誰もいないというのに。 絶え間なく搾精を続ける俺の股間部分と、常に快楽を享受できるように全身を刺激するケツの部分。 こいつらは、俺が吐き出したエナジーを糧にして動いているんだ。 巨大な人型の機械となった二人に取り込まれた俺は、なす術なく、いわれた通りに、エネルギー源として精を吐き出し続けることしかできない。 「これぞ一石二鳥というやつだね。君は気持ちよくなり、私は強くなる。あぁ、楽しみになってきたんだもの」 性能を確かめるように、校庭を歩き回るエデン。 その間も俺は射精をし、二人にエネルギーを供給し続ける。 「待て!」 突然聞こえた声に振り向くと、そこには見慣れた四人の姿があった……。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「おい、どうなってんだあれ」 涼がそう呟くのも、無理はなかった。 大きな人型をした、機械の見た目の怪人は半透明で。 その中に全裸の奏多が囚われていたのだ。 しかしその表情は苦しみに歪んでいるのではなく、明らかに快楽を与えられている顔だった。 そのすべてが見える。 よく鍛えられた体。勃起したイチモツ。 蠢く機械に包まれ、そこからは時折白い液体が漏れ出している。 「どうやって倒すよ」 「奏多くんを傷つけないようにやるしかないね」 「じゃあ蒼汰はお休みしとけよ」 「そう…だな。俺がやると派手になりそうだし」 「ならまずは俺が動きを止める」 蓮が構えると、左手で持つ剣の刃から、ゆらゆらと冷気が漂い始める。 「ふむ、来ますか。仲間が囚われているのにその躊躇のない姿勢、さすがヒーローというべきかね」 「躊躇がないんじゃない。絶対に助けると決めているだけだッ」 突き出される左腕。 宙を迸る冷気が怪人の足元にぶつかると、即座に氷が地面へと広がった。 怪人の両足は氷漬けにされ、身動きが取れなくなる。 「氷か。しかし甘いですね。こんなもの、少し力を込めれば…ねッ」 そういって怪人は、僅かに足に力を込める。 氷は容易く砕かれ、俺たちに向き直る。 怪人の表情は分からない。 見えるのは奏多だけだ。 しかし確かに奴の声は聞こえる。 「見て分かるでしょう? 私はこの青年から力を直接頂いているのです。生半可な攻撃は、通じないんだもの」 「あぁ、確かに厄介だな」 攻撃が通じなかったからといって、焦るような蓮ではない。 落ち着き払った様子で、怪人を見据える。 あの怪人は奏多の精液を燃料にして動いている…みたいな感じなのか? だとしたら奏多にも限界があるはずだから、いずれは動きが止まるんじゃないだろうか? 「……もしかして、いずれは動きが止まるとか考えているんではなかろうね?」 「…な、なんで」 思わず呟いた俺の頭を、蓮が軽く手刀でたたく。 「いて…」 「声に出すな」 「ごめん…」 「ふふ。そうはならないんだもの」 奏多の股間部分の機械に、動きがみられた。 パンパンに張り詰めた若々しい両玉に、何かが差し込まれるのが確認できた。 「…うん…ッ」 奏多の顔が一瞬歪む。 途端に口が半開きになり、目線が空を向く。 ガチガチに勃起したイチモツに走る脈がひと際大きく膨らんだかと思うと、竿全体がびくびくと震えだす。 男だから分かる。 あれは射精してしまっているんだ。 あの怪人は、奏多の射精の勢いが弱くなってきたらああやって精力を復活させて強制的に搾り取り続けるつもりなんだ。 「こんなこともできますがね」 「うああッ…!」 怪人の中から奏多のくぐもった叫び声が聞こえる。 一瞬光の筋のようなものが確認できた。 「乳首を中心に微弱な電流を流せば、あら不思議途端に気持ちよくなりますよ。それに」 そう言っておもむろに振り返る怪人。 丸見えになる奏多のキュッとしまったケツには、何かが挿入されているのか異物がその中心に存在していた。 「ケツにいれた私のイチモツから、常に気持ちよくなれるようにこれまた電流が流れています。前立腺を刺激し、全身の感度を高め、いつでも絶頂に導けるようにできているのですね」 「なんて野郎だ。怪人ってよりかは、気持ちよくさせるためだけの機械じゃねえか」 「そうですもの。私は、男を絶頂させるために生まれた、ただの機械なのでね」 怪人が腰をわずかに落とす。 全員が身構える。戦闘を仕掛けようとしていることはだれが見ても明白だった。 「言ったでしょう? 私はこの青年から力をいただいていると。つまり、この青年の力を使えるという事なんだよね」 「あーそれはまずい」 涼が素っ気なく呟いた瞬間、足元の地面が突然陥没した。 「全員離れろ!」 蓮に手を引っ張られ、すぐさま元居た場所を離れる。 涼は距離を取りながら、育也を風の力で吹き飛ばし避難させる。 「涼くん、助かった」 「気にすんな。それより…来るぞ」 「うーん、便利な力だね。ただエネルギーの消費が激しいな。これは、沢山搾り取らないといけないね」 奏多が声にならない声を上げる。 速くなる呼吸のせいで胸は大きく上下し、股間の先から続くチューブに白く濁った液体が走る。 「蓮、このままじゃ奏多が……」 「分かってる。どうにかしてあいつを助け出さないと」 「そう簡単に言うけどよ。奏多の力を使われちゃそう簡単に近づけないぜ」 いつの間にか近くに来ていた涼と育也。 涼が困ったように腰に手を当てるその横で、育也は拳銃を手に持っていた。 「僕なら離れてても攻撃できるよ」 頷いた蓮が、怪人をまっすぐ見据える。 「そもそも奏多を取り込んだということは、取り出すこともできるという事だ」 「だからその方法が分からないんだろ?」 「そうだな……」 こうして考えている間にも、奏多は精液を取られ続け、怪人は力をつけている。 そもそも、こうして作戦会議しているのをやすやすと見逃してくれるわけもないんだ。 「ほらほら、突っ立っているとやられちゃうよね」 怪人の足元から、隆起する地面が迫ってくる。 全員で四方に散りかわすが、それは執拗に後をつけてくる。 「俺はしばらく怪人を観察したい。その間相手をしてくれ」 「分かった!」 蓮が必ず解決策を見つけてくれるはず。 だったら俺は相手の標的になり、観察する十分な時間を作るのが仕事だ。 剣に炎を纏い、怪人の視界を覆い隠すように宙に放つ。 すかさず涼も風の塊を放つ。 炎の壁を貫き、目に見えない風の刃を怪人はもろにその身にくらう。 「ちょっと!」 育也がわずかに声を荒げ、涼を見る。 「奏多くんが中にいるんだよ」 「大丈夫だよ。ほら見ろ、あいつぴんぴんしてる」 涼の言う通り、怪人の体にはわずかに傷がついているだけで奏多にはダメージはないように見える。 「お前は過保護すぎだ育也」 「な、過保護なんて…ッ」 「奏多が好き好きなのは分かるけどよ、俺だってバカじゃねえから大丈夫だ」 「べ、別にそういうつもりじゃ……」 「涼、育也をいじめるなよ」 「はいはい」 「楽しそうにお喋りする暇があるなんて、お気楽だね」 「ちげえよ。こういうのは余裕って言うんだ」 「そうかい。じゃあぜひその余裕をキープしてほしいんだもの!!」 盛り上がる大地。 怪人が膝を曲げ、勢いよく伸ばすと同時に地面が轟音と共にはじけた。 宙高く飛んだ怪人は、俺に狙いをつけ一直線に落ちてくる。 後ろに飛び、拳による一撃を回避する。 怪人は俊敏な動きで詰め寄り、拳と足で怒涛の連撃を繰り出す。 実際に対面すると変な感覚だ。 怪人のはずなのに、その半透明な姿のせいで奏多を相手にしているような気分になる。 当の本人は気持ちよく射精しているだけだというのに……。 「うあぁ…ッ」 奏多の情けない喘ぎ声を微かに聞こえる。 振り向いた際に見えたケツは痙攣し、どくどくと股間から白濁液が漏れ出す。 ――ッ! ノイズが走ったかと思うと、蓮の声が次に聞こえた。 俺たちだけが聞こえる無線での連絡だった。 「……本当にそれでいけるのか?」 「あいつらにとって一番欲しいものが何かを考えたら、これが一番可能性がある気がする」 「よし、それで行こう」 「じゃあ各自、今言ったとおりにな」 「了解」 ・ ・ ・ ・ 強制的に、無尽蔵に生み出される奏多のエナジーを糧に、怪人は上限のない力をつけていく。 最初は対等だったエデンと4人の力も、次第に差が出始めた。 そしてついに、守りの要である育也が倒されてしまったのだ。 地面に倒れ横になる彼の前に涼が立つ。 目にも止まらぬ速さで詰めよったエデンは、みぞおちに重い一撃を繰り出す。 吹き飛ばされた涼は育也と同じように、動けなくなってしまった。 「ぁ…みん…なぁッ」 自分のせいで、四人が倒されていく。 胸に広がる罪悪感は、一瞬にして快楽で塗りつぶされる。 止まらない射精。 限界が来れば金玉に注射され、前立腺を電流で刺激される。 もし奏多がヒーローでなければ、意識を失くしていたのかもしれない。 しかし、凌辱されることに慣れてしまっていたその体では意識を保つのは難しいことではなかった。 皮肉にも、そのせいで仲間がやられる様を目の前で見せられるハメになってしまったのだ。 蓮が放つ氷は容易く砕かれ、蒼汰の炎でも傷一つすらつけられない。 襲いかかる大地が二人の動きを狭め、エデンの繰り出す拳がその鍛えられた体を打ちぬいた。 動かなくなった四人を見下ろし、エデンは空を仰ぐ。 「素晴らしいね、ヒーローの力。この四人も取り込めば、私はもっと強くなるんだもの」 「…ぅッ…」 時折体をビクッと震わせながら、奏多の混濁した意識に変化が現れた。 密閉された空間に閉じ込められていた、全身が包まれていた感覚がなくなり、体が前に倒れるのに気づいた。 両手をついて地面に倒れ、力なく顔を上げれば、分離して彼を見下ろすアダムとイブが目に入った。 「貴方の仕事はとりあえずここで終わり。他の四人も取り込んで、もっと男たちを気持ちよくさせてあげるんだもの」 「そうだね。とりあえず運んでしまおうかね」 「や…やめ…ッ」 「ん? なんだね?」 アダムが奏多の側にしゃがみこみ、首を傾げる。 奏多はそれ以上言葉を紡げず、睨みつけることしかできなかった。 「君も無様だね。一人で立ち向かって負けて、仲間を倒されてしまうなんてね。情けないと思わないのかね?」 「…アダム」 「何だねイブ。今はお楽しみの時間なんだがね」 「…アダムッ」 「何だね」 立ち上がり、振り返るアダム。 そこには、氷漬けにされたイブの姿があった。 「イブ、何がーーッ」 「アダム、後ろよッ」 再び振り返るアダム。 視界が一瞬にして、赤に覆われた。 熱を感じた瞬間、アダムの体は跡形もなく消滅した。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 「奏多くん!」 地面に倒れる奏多に駆け寄る育也。 蒼汰の炎から守るために展開させたバリアを消し、すぐさま抱きかかえた。 「いくや…くん。どうして?」 「倒された振りしただけなんだ」 「…ふり?」 「あいつらが欲しいのは俺たち自身だろ。取り込むためには必ず隙が生じるから、最悪誰か一人が取り込まれている間に他の三人で倒す算段だったわけだな。でもまさか、二人に分かれるとは」 「何で涼が得意げに説明するんだよ。蓮の作戦だろ」 「細かいこと言うなよ。皆のもんだろ」 「どういう理論…?」 育也の背後に、蓮、蒼汰、涼の三人が立つ。 奏多はその姿を見て、思わず笑みを漏らした。 「蒼汰と涼は他の生徒達を基地に運んでくれ。俺は校内を見てくる」 「わかった」 「育也は奏多と他の生徒たちを連れて基地へ向かってくれ」 「分かった。ありがとう」 それぞれが自分の仕事を遂行するためにこの場を離れていく。 力の入らない俺の体では、役に立つことはできそうもない。 「奏多くん」 「……なに?」 育也君は皆が離れても、しばらく俺を抱きかかえたまま、動こうとしない。 「しばらくこのまま休もうか。疲れたでしょ」 「……ふふ」 「なに?」 「育也君がそうしたいだけでしょ?」 「…ばれたか」 途端に押し寄せた安心感に意識を預けて、俺は目を閉じた。
Comments
もちろんですー。 順番に作っていくので気長にお待ちください🤲
ジェニファー
2021-10-27 19:57:00 +0000 UTC以前リクエストした腐女子怪人も楽しみにしてます!
ロンニシ
2021-10-27 09:42:16 +0000 UTC