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G.O.E.〜番外編1〜【急襲!ゲレンデレディ!】

「あぁ、眠い」 大型バスの1番後ろ。 横に伸びた後部座席には、5人の男が座っていた。 窓の外には山肌と空だけが広がっている。 そんな殺風景すぎる景色を、涼は窓側の席で眺めていた。 「ねぇ涼くんの番だよ! 引いて!」 涼の隣に座る奏多が、両手で持つトランプの札を向ける。 「眠いっつってんだろ」 「分かったから早く!」 「何も分かってねえじゃん…」 涼は窓にもたれていた体を起こし、ため息をついてカードを引く。 数が揃っていないことを確認し、またもたれようとするが、それを奏多が肩を掴んで引き止めた。 「ちょっと、育也くんが引くんだから」 「あぁもうこの手札やるから2人でやってくれ!」 「意味わかんないこと言わないでよ」 奏多は涼の言葉に聞く耳を持たず、カードを持っている手を引っ張った。 そこから一枚、育也が引く。 「奏多くん。涼くん眠そうだから僕たちだけでやろ?」 「えぇ? 2人じゃ無理だよ」 「蒼汰くんと蓮くんもやるって」 「マジ?」 奏多が育也の向こう側、蒼汰と蓮を見る。 蓮は具合悪そうに目を閉じ、窓に顔を向けている。 蒼汰は携帯を弄っており、横での3人の会話は聞いていないようだった。 「蓮くんは車酔いしてるよ。蒼汰くんは携帯弄ってんじゃん」 「ん、何?」 自分の名前を呼ばれて、蒼汰はようやく3人の方を見た。 「蒼汰くんトランプやるよね?」 「え、俺はいい…」 「やる、よね?」 拒否しようとした蒼汰の言葉を、育也が止める。 笑顔のまま、無言で、蒼汰を見つめる。 本人も周りも、気づいている。 育也の笑顔には2種類あるということを。 いつもの笑顔と、相手を威圧する笑顔だ。 般若のような顔よりも、幽霊のおぞましい顔よりも、育也のその笑顔の方が蒼汰たちにとっては効果的なのだ。 「や、やります…」 「だって奏多くん」 「マジで! じゃあ涼くんのカード使って!」 奏多からは育也の表情は見えていない。蒼汰が何故急に心変わりしたのか、知るよしもない。 だが、涼だけは気づいた。 蒼汰の表情が一気に曇ったからだ。 しかしこの都合の良い展開を逃すわけにはいかない。 奏多にさっさとカードを渡し、逃げるように背を向けて目を閉じた。 「ねぇ、コテージってどれくらいの大きさなの?」 奏多がカードを引き、蒼汰、育也と順に回っていく。 「さぁ。蓮の知り合いのコテージなんだろ?」 「知り合いのっていうか、G.O.E.の所有物なんだけどね」 「え、そうなの?」 蒼汰が聞くと、育也は頷いた。 「地方支部のヒーローと蓮くんが仲良くて、使わせてもらえたんだって」 「へぇ…蓮って別の支部に知り合いいたんだ」 「その知り合いのヒーローさんも今日スキーしにくるんだって。もしかしたら会えるんじゃない?」 「えー楽しみ! 俺別の所のヒーローたちと直接会ったことないや」 「うん。僕も直接は会ったことないから楽しみだよ」 すると、運転手のアナウンスが車内に流れる。 『皆さま、長時間のドライブお疲れ様でした。まもなく、目的地へと到着いたします。外は大変冷えていることが予想されますので、しっかりとご準備されることをお勧めいたします』 「お!」 「蓮くんは起きれそう? 車酔いするなんて知らなかったよ」 「てか薬持ってないの?」 「忘れてきたってさ」 「蓮くんも忘れたりするんだ」 「……俺だって、忘れ物くらいする」 目を閉じたまま、か細い声で呟く蓮。 それを見て、蒼汰は顔だけ向ける。 「水飲むか?」 「…いらない」 蓮は小さく首を振る。 • • • • 照りつける太陽の光は、山一面を覆い尽くす白銀に反射し、まるで山が輝いていると錯覚するほどである。 その斜面を、多くの人々が滑っている。 スキーやボードで滑る人たちの中に、蒼汰たち5人の姿はあった。 「雪すげぇ!」 奏多がはしゃいで、無意味に歩き回る。 その様子を、涼は渋い顔で見つめている。 「今日は一段と元気だなあいつ」 「みんなで初めての旅行だからはしゃいでるんだよ」 育也の言葉に、涼は片眉をあげる。 「旅行って…こっちで怪人らしき何かが目撃されたからその調査ってのが本来の目的だろ」 「え、そうなの?」 蒼汰が驚いて声を上げ、すかさず蓮が口を手で覆い声を防ぐ。 「奏多は知らないんだ。楽しませてやってくれ」 「てかここまで来て反応ないんだからいないだろ怪人」 「そうかもしれんが、どこかに隠れている可能性もある。周囲には気を配っておいてくれ。それに、今日は地方支部のヒーローも来てくれてる」 「おーい、れーん!」 どこからか蓮の名前を大声で呼ぶ声。 その方向を4人は一斉に見た。 2人の青年が、スノーボードを携えて近づいてきた。 「よかった入り口で会えて。あ、こちらが蓮のお仲間?」 「あぁ、こっちから蒼汰、育也、涼。あそこではしゃいでるのが奏多だ」 「おぉ、どうぞよろしく皆さん。俺は六車祐希、こっちの真っ白白が七海翔だ」 「どうも」 七海と呼ばれた方は短髪黒髪で肌が白い。着ているスキーウェアが黒いこともあってか、首から上だけしか肌が見えていないというのに、その白さがやけに際立っている。 一方六車は同じく短髪ではあるが金髪で肌は程よく焼けている。 見た目からして性格も真反対に見える2人。普通に過ごしていれば接点など無さそうな2人だが、一緒に行動しているのは彼らがヒーローであるからなのだろう。 「わざわざ来てもらっちゃって悪いね。必要ないって言ったんだけど、うちの支部長かなり心配性でさ。今日は本当に、好きなだけ遊んでってくれ。俺らが警戒してるからさ」 「だってよ蓮」 「…なら、お言葉に甘えるとしようか。でも、何かあったらすぐ連絡してくれ」 「りょーかいりょーかい! じゃ、俺と翔は行くから」 「あぁ」 祐希と翔は、慣れた足取りでリフト乗り場へと向かう。 入れ替わりで、少し汗をかいた奏多が戻ってきた。 「ねぇ、今の人たち誰?」 「こっちの方の支部のヒーローだ」 「えぇ! なんで呼んでくれないの!?」 「だってあんまりにも楽しそうにしてーー」 蒼汰が言い終わる前に、奏多は彼の手を掴みリフト乗り場へと走り出していた。 「俺にも紹介して!」 「なら俺より蓮を連れてけーッ!!」 「あぁ…行っちゃった」 いつも通りというべきか…。 いや、いつも以上に元気な奏多に振り回されるのかと少し不安になる3人。 そんな彼らを、遠くから見つめている女がいた。 スキー場のスタッフの証であるバンドを腕につけている彼女は、ニヤリと笑って歩き出した。 ・ ・ ・ ・ ・ 日が落ち、ゲレンデの斜面を太陽の代わりにナイター照明が照らし始める。 それぞれの帰路に着く人々の中に、5人もいた。 結局怪人反応が出ることもなく、心ゆくまでスキー場で遊んだ5人。 というか、ご主人が帰ってきた時の犬のようにはしゃぐ奏多についていったというべきか。 そんな彼の様子を見ていたら親気分になってしまった4人は、彼のわがままを聞いてあげていたというわけだ。 「はぁ、楽しかったぁ。ねぇ夜ご飯は?」 「コテージで出される。ここのスタッフが作ってくれるらしい」 「へぇ、楽しみだなぁ」 ・ 自分たちが泊まるコテージをようやく見つけると、すでに室内には電気がついていた。 不審に思う5人だったが、扉を開けて納得。 中ではスキー場の女性スタッフが料理を作っていたのだ。 「お帰りなさいませ。すみません、5名様分の料理は量が多くて時間がかかってしまって。もうすぐできますので、どうぞおくつろぎください」 スタッフに促され、室内に入る5人。 預けていた荷物も既に搬入されており、暖炉には火が灯っている。 「よし、じゃあ部屋を決めよう」 蓮のその一言で、各々動いていた4人が彼を見る。 「何部屋あるの?」 ソファに座っている奏多が聞く。 「4部屋だ。だから2人だけ同じ部屋で寝ることになるな」 「ベッドは1つ?」 「あぁ、各部屋に1つずつだ。まぁ、ダブルベッドらしいから問題はないだろ」 「そんなん元々問題ねぇよ」 奏多の隣に座っていた涼が、ソファの背に肘をついて蒼汰と蓮を見る。 「お前らが一緒に寝りゃいいんだから」 「それはまあ…そうだな」 何故か涼の言葉に目を逸らす蓮。 もちろん涼はそれを見逃さなかった。 「なんだ蓮? お前なに恥ずかしそうにしてんだよ」 「別に、そんなこと…」 「俺らが隣で寝てるってのに、まさか蒼汰とあんなことやこんなことやる気か?」 「ちょちょちょ、涼! いい加減にしなさい!」 話を聞いていた蒼汰が慌てて会話に割って入る。 こういう会話を蓮が苦手としているのは4人なら周知の事実。 いてもたってもいられず止めに入ったが、それは逆効果だ。 「まだ未成年もいるんだからな。18禁だぞこのコテージは」 「いいよ別に。みんなの裸どれだけ見てきたと思ってんの」 そう吐き捨てた奏多を、つまらなそうに涼は横目で睨む。 「あのなぁ、そんなん分かってるよ。今は蓮をいじめるのが目的だろーが」 「よくないよ、そういうの」 「…わかったよ。もういい」 年下の奏多に言われてしまったとあっては、涼も立つ瀬がない。仕方なく蓮イジりを諦めた。 「じゃあ俺一階の部屋がいい!」 「俺も」 奏多と涼が真っ先に名乗りをあげる。 蓮は残りの2人と目を合わせ、彼らは頷いた。 「よしじゃあ二階は俺、蒼汰、育也だな。部屋はそれぞれ決めてくれ」 「わーい!」 奏多はすぐさま立ち上がると、置いてあった自分の荷物を掴み部屋に突入していった。 「元気だねぇ本当にあの猿は」 次に涼、育也がそれぞれ部屋へと荷物を運んでいく。 残された蒼汰と蓮は、お互いに目を合わせると何故か気まずそうに目を逸らした。 先程の涼の言葉が、地味に効いているのだ。 荷物を持ち、一緒に二階へ続く階段を登る。 「なぁ」 「ん?」 振り返り、下にいる蓮を見る蒼汰。 視線は蒼汰の膝に向けられたまま、蓮が言葉を続ける。 「き、今日は…なんも、しない…のか?」 それを聞いて、蒼汰は驚いたように眉をあげた。 ーーこれはつまり、誘われている? 実際に蓮がどういうつもりで聞いているのかは分からない。 だが、この状況から察するに…つまりはそういうことなんだろうと、蒼汰は確信した。 「風呂…入って、からな?」 付き合ってまだそんなに経っていなかったが、すでに大学3年生の2人。 その年齢からは想像もできないほど、2人の会話はぎこちなかった。 ・ ・ ・ ・ ・ 「おーい風呂空いたぞー」 「あ、蒼汰くんココア飲む?」 「ココア?」 髪をタオルで拭きながら浴室から出てきた蒼汰に、キッチンに立つ奏多が笑顔で聞いてきた。 「そんなんどこにあったんだ?」 「料理作ってくれたお姉さんが置いてってくれたのさっき思い出してさ、蓮くんもいるかな?」 「あぁ、じゃあ俺が部屋まで持ってくよ」 「ほんと? じゃああげる」 奏多がココアで満たされたマグカップ2つを蒼汰に差し出す。 蒼汰はタオルを首にかけると、マグカップを受け取って階段を登っていった。 「ねーねー、あそこの扉は何の部屋だと思う」 すでにココアを飲み始めていた育也の隣に座り、1つの扉を見る奏多。 その扉は他と何も変わらない見た目だが、誰もその中にはまだ入っていなかった。 「なんだろうね」 「奏多見てこいよ」 涼がソファの後ろに立ち、人差し指で奏多の頭を小突く。 「えぇ、なんで俺?」 「お前が最初に気になったんだから当然だろ」 「実は涼くんも気になってたんでしょ」 「ちげぇーよ。いいから見てこいって」 「もう……」 奏多はココアを育也に預けると、渋々扉まで歩いていく。 まず耳を当て、何も音がしないことを確認してから、恐る恐る開けた。 「え、これって……」 奏多はそう呟いて部屋の中へ消えていく。 涼と育也が不思議そうに見続けていると、奏多がひょっこりと顔を出してきた。 「ねぇ、やばいよ!」 「何が?」 「露天風呂だった! ここ脱衣室だ!」 「露天風呂? マジかよ」 涼がココアをテーブルに置き、早足で奏多のもとへ向かう。 少しして彼の曇った歓声が育也の耳に届いた。 「マジじゃねーか! 入るか!」 「育也君も入ろ!」 奏多と涼が重なるようにして顔を覗かせる。 育也はそれを見て笑うと、「いいよ」と言って立ち上がった。 3人は一度解散し、各自の部屋に戻り着替えを持って脱衣室に集合する。 あとはパンツを脱ぐだけ…とその時、涼は突然「あ!」と叫んだ。 「どしたの?」 涼と同じ姿で、パンツにてをかけたまま不思議そうに彼を見る奏多。 「パンツ忘れた」 「えぇ、同じの履けば?」 「バカ。そーゆう所だぞお前」 「どーゆう意味だよ!」 「先入ってて。俺部屋戻るわ」 「わかった。ほら先に行こう奏多くん」 すっぽんぽんになった育也と奏多が引き戸を開けて外へ向かう。 涼は競パン一丁のまま自室へ駆け足で戻った。 暖炉には火があり、暖房もついている。そんな格好をしていても寒さを感じることはない。 いざ戻ろうと思った時、脱衣室の方から大きな物音が聞こえ、次に奏多と育也の叫び声が聞こえた。 「なんだ?」 あまり気にせず脱衣室の中へ入ろうとした瞬間、目の前が大量の白い何かで覆い尽くされた。 「うおッ?!」 衝突の勢いで後ろに吹き飛ばされる涼。 部屋中の電気が全て落ち、暖炉の火も消えてしまう。 全身に吹きつけるそれが雪だと気づき、何とか抜け出そうとするもあまりの強風に身動きを取ることができない。 このままでは凍死してしまう、とさえ考える涼だったか、不思議なことに寒さを感じることはなかった。 嫌な予感を覚える。 それと同時に、自分たちがここに来た本来の目的を思い出したのだ。 「くッ…まさかっ」 自分の身に起きている変化。 先程聞こえた2人の叫び声。 最悪な結末を描くパズルのピースが、高速で繋ぎ合わせになっていく。 室内に吹き荒れていた吹雪が止み、視界がクリアになると、涼の目の前には3人の人物がいた。 電気は消えていたが、3人の姿は天窓から差し込む月明かりでちょうど全身を見ることができた。 真ん中に立っている女の顔には見覚えがあった。 料理を作っていた女性スタッフだ。ただ、その格好は白いワンピースに変わっている。 不敵な笑みを浮かべて、床に倒れる涼を見下ろしている。 「あぁッ…」 「うッ…」 女の両脇に奏多と育也はいた。 しかしその格好は女よりも異常だった。 首から下を四角い氷に覆われ、足はガニ股、手は山の字を表すように曲げられている。 そんな無様な格好で氷漬けにされた2人はもちろん全裸で、涼を見て情けなく声を漏らすことしかできなかった。 「やっぱりあんたたち良い男ねぇ。今からあたし疼いてきちゃうわ」 そう言って女は股を片手で抑える。 「お前、エデンの怪人なのか?」 「エデン? 何それ?」 エデンが生み出した怪人ではない? だったらこいつはなんなんだ? 普通の人間が、人を氷漬けにしたり、吹雪を生み出せるはずがない。 こいつが怪人であることに変わりはないのだ。 でも競パンは反応しなかった。 「お前、何なんだよ?」 「何って…雪女よ。見りゃ分かるでしょ」 「雪…女?」 「そうよ。この辺りの山を縄張りにしてるの。この時期はここのスタッフになりきって、遊びに来た男たちで遊ぶのが趣味なの」 雪女は軽やかな動きで涼に近づき、彼の顎に指を添える。 「あんたたち、スキー場に着いた時から目をつけてたわ。ようやく食べれる」 「くそ、なんなんだよ」 奏多と育也があの状況では、下手に動くこともできない。 蒼汰たちが気づいてくれないかと2階に目をやるも、2人の部屋の扉が開く様子はなかった。 「よそ見しないの。もう我慢できないから、あんたから先に頂いちゃうわ」 女に見つめられ、身動きが取れない涼。 女が顔を近づけてきて、ふっと息を吐くと、冷気が彼の顔を包んだ。 普段ならそれに嫌悪感を覚えていただろう。 しかし今の彼は不思議なことにそれに興奮を覚えていた。 「私がここに置いていったココア。あれには私の魔力を込めてあったの」 吹きかけられる吐息がどんどん冷えていく。 それに伴い、涼の股間の黒い膨らみは大きくなっていくのだった。 「んぅ…なんで…?」 「寒さを感じるほどに興奮してしまうのよ。でも安心して。この魔法が持続する限り、寒さで死ぬことはないから」 不思議な感覚だった。 凍えるほどの寒さを顔に浴びているというのに、股間の熱だけは高まっていく。 「ぁ…んあッ…」 いかれてしまった自分の体。 この異常な状況に思考も追いつかない。 ほぼ床に寝た状態で、涼は喘ぐことしかできない。 「涼…くん…」 奏多が表情を歪ませて呟く。 氷に包まれている奏多と育也も涼と変わらず、その身に興奮を覚えている。 本当は勃起しているというのに、氷漬けにされたせいで押さえつけられ、かなり苦しい状況なのだ。 助けてもらおうにも、涼は既に敵の手に堕ちてしまっている。 もう2人には、どうすることもできないの。 「あらあら。興奮してる姿可愛いわね。エッチなパンツまで履いちゃって」 硬くそそり立つイチモツの形に浮かび上がった競パンを撫でられ、体をビクつかせる涼。 女はその様子を見て笑みを浮かべた。 「もっと気持ち良くしてあげる。体の芯まで冷やして…ね」 女がすかさず涼に口づけする。 快感に飲まれ蕩けた顔の涼だったが、突然目を見開いて体を先ほど以上にびくつかせ始めた。 何が起きているか分からない奏多と育也。 女が顔を離すと、涼は口を開いたまま動かなかった。 よだれが一筋、床まで垂れるのも気にせず、涼は微かに声を漏らしながら宙を見つめている。 しかし、そんな顔とは反対に体は顕著な反応を見せていた。 鍛えられた腹筋が何度もへこみ、その呼吸の荒さを訴える。 イチモツから溢れ出るカウパーは竿全体に垂れ、淫らに濡らしていく。 ビクビクとパンツの中でうごめき、その興奮度合いは先ほどよりも異常なほどに増していることがみてとれた。 「あ…あぅ…くッ」 「涼くんに…なにしたッ」 育也が声を振り絞る。 女は笑みを浮かべて立ち上がると、唇をその指で撫でた。 「言ったでしょ。あなた達は今、寒さを感じるほど気持ち良くなるのよ。だからその子の体内に、冷気を直接送り込んだまで」 涼の背後に立ち、女はしゃがむと彼の肩に両手を添えた。 「するとね…この子みたいに、もう何も考えられなくなっちゃうの」 「ぁ…もっと、もっと」 自分の肩に触れる女の手を掴み、先程の行為をせがむ涼。 しかし女は無常にもその手を払うと立ち上がって奏多と育也の方へ近づいていった。 「ぁぁッ…」 口は半開きのまま、目を潤ませて離れていく女に左手を伸ばす涼。 しかし右手はその身に感じている快楽を噛みしめるように動かされる。 イチモツの隆起した表面を、滑らかに擦っている。 「涼…くん…正気にーーッ」 「あら、お口が元気ね」 女は育也の唇に人差し指で触れ、言葉を止める。 ふっ、と息を吐きかけて小さな快感を与えると、育也はその顔を歪ませた。 「氷に包んでるのにまだ話す元気があるなんて。あなた達ずいぶん気持ち良いことに慣れてるみたいね」 氷に閉じ込められた奏多と育也の体。 特に下半身にねっとりとした視線を注ぎながら、周囲を練り歩く女。 ガニ股で固定されていることで股間が強調され、2人は羞恥と寒さの2種類の快楽を感じている。 ーー普段ならこんな格好するはずないのにッ そんな気持ちが2人の中の興奮に拍車をかけているのだ。 「いくや…くぅん…おれ、おかしくなっちゃいそぅ」 奏多が潤んだ視線を育也に向ける。 育也の気持ちを知ってか知らずか、それは彼の興奮に更なる追い討ちをかけてしまう。 ふと奏多の股間に目をやってしまう。 しかし育也はグッとこらえて、奏多に視線を返した。 「堪えて…すぐに、蒼汰くんと…」 「…うーん。話されるのは好きじゃないのよね」 女がそう呟くと、小さな衝撃が2人を襲った。 股間に感じていた圧迫感がなくなり、思わず目線を下すと、そこの氷だけ無くなっていた。 2人の勃起したイチモツは、冷やされていたとは思えないほど立派にそそり立っている。 しかしこれは、2人にとっては好機だった。 氷に包まれるよりも、外気にさらされる方が寒くはない。 つまり快感は減少してしまっているのだ。 ただ、傍から見ればその亀頭を濡らす液体が我慢汁なのか溶けた氷なのかは分からず、2人が卑猥であることに変わりはない。 「2人には今から、この子のショーを見てもらうわ」 女は再び涼に近づいていく。 いつの間にかその右手には細長い何かが握られており、それを涼に差し出す。 涼が受け取ると、育也と奏多はそれが何かようやく理解した。 涼が握っているそれは、勃起したイチモツを模した氷の男根だったのだ。 どことなく涼のモノにも似ている気がしたが、2人には真相は分からない。 涼は間髪入れずそれを自らの尻穴にあてがい、すんなりと挿入してしまったからだ。 パンツは既に足元に脱ぎ捨てられている。何度も抜き差しされるその様から、下の穴はかなり使い込まれているのが分かる。 「ぁ…ぁ…すっごいッ」 自ら動かす腕は更に速さを増す。 ジュポ…ジュポ…と、淫らな音が大きく響き、涼の顔は情けなく緩んでいる。 その体内に冷たいものを出し入れする。普段であれば拒絶するべき行為のそれは、今の涼にとっては快感を、気分を高めるためのスパイスになってしまっているのだ。 足をM字に大きく開き、玉の裏まで全てが見える体勢を恥ずかしげもなく見せつける涼。 ドクドクと止まらぬ我慢汁をローション代わりにし、イチモツをしごく手も加速する。 目の前に育也と奏多がいることなどお構いなしに、自らが気持ち良くなるためだけにその手を動かす。 もうその1人淫乱ショーは誰にも止められない。 奏多と育也は涼の淫靡な姿に釘付けになり、気づかぬうちにイチモツの頭をビクビクと何度も動かし続けていた。 ・ 『みんなの裸どれだけ見てきたと思ってんの』 俺がさっき涼くんに対して言った言葉だ。 怪人に何回もやられ、確かにみんなの裸は見慣れている。 だとしても、目の前にいる涼くんはあまりにもエロすぎた。 見慣れているといっても、ちんこの裏筋や玉の裏、ケツの穴をじっくり見てきたわけじゃない。 でも目の前の涼くんはそれらすべてを、自らが気持ち良くなるためだけに俺たちに見せつけてくる。 別に好きなわけじゃない。 そりゃ人としては好きだけど、普段は小さなケンカをすることの方が多い気もする。 恋愛感情なんてないのに、俺の中には涼くんに対して特別な何かが芽生え始めてしまう。 ふつふつと…小さな芽を出したそれは、涼くんの淫らな姿を糧に一気に成長していく。 それを体現する様に、俺のイチモツの先っちょからは透明な汁がどんどん溢れ出してきて 今すぐにでもしごいて射精したいのに、氷に閉じ込められてるせいでそれもできず、ビクビクと動かすことでしかもどかしさを紛らわすことはできなかった。 「あぁ…きもちぃッ」 涼くんが満足そうに目を閉じて呟く。 ケツの穴なんて、自分でいじったことはないから分からないけれど 涼くんは怪人に犯されたせいでその快感に目覚めてしまったらしい。 出し入れしているだけで、あんなにチンコが勃つなんて、どれだけの快楽をそこで感じているのだろうか。 想像もつかない。 ただ、そのちんこの硬さのみが俺たちに興奮度合いを示してくれる。 ふと隣の育也くんを見ると、イチモツの鈴口からは、たらーっと我慢汁が垂れていた。 そして俺のを見ると、同じように床まで我慢汁が長く伸びている。 「んッ…」 あぁ、苦しい。 触りたい。しごきたい…ッ。 目の前の変態な涼くんをおかずにして、自分のチンコをしごきたい。 でもできない。 肝心の体は凍らされ、びくともできない。 しごけない。 気持ちよくなれない。 快感だけが無駄に栄養を得て育てられ、それはもう鉢植えには収まりきらないほどにでかくなっているのに、収穫は叶わない。 俺のちんこは我慢汁を漏らすだけで、ザーメンを吐き出すことは叶わない。 「くるしッ…イキ…たぃ…ッ」 身を捩る。 快感という根が俺の中に張り巡らされていく。 涼くんという養分を吸い取り、どこまでもその根を広げていく。 俺の心までがんじがらめにし、どこまでも締め付けてくる。 脈が浮かぶイチモツは今かと今かと精を吐き出す準備はできているのに…。 「んんッ…イキたい…よぉ…」 もう我慢できない。 こんなの耐えられないよ育也くん…。 俺にはもうーーッ ・ 「1人だけで楽しんだら、お仲間が可哀想じゃない」 突然女が俺たちと涼くんの間に割って入った。 「…ぁ」 「あなたもハリボテはもう飽きたでしょ? あっつくて、かったい肉棒が欲しいんじゃない?」 それを聞くと涼くんは激しく首を縦に振った。 「ほしいっ、欲しいッ!」 涼くんが持っていた男根が溶けて無くなり、女が彼の手を取り無理やり立たせる。 女に手を引かれながら、涼くんは育也くんの前まで連れて行かれた。 これから何が起きるのか、俺はその様子を見ていることしかできない。 「ほら、後ろ向いて尻突き出しなさい」 女に体を回され、腹を叩かれケツを突き出す涼くん。 普段の憎まれ口を叩くあの姿からは想像できないほどに、その姿は滑稽で無様だ。 でも…めちゃくちゃエッチだ。 今まで他見たことがないくらい、涼くんはエッチな姿をしている。 育也くんのそそりたつイチモツを、ケツの割れ目で包み込み、上下に腰を動かし擦り始める。 「んあ…ッ」 迸った快楽に思わず育也くんが上を向く。 涼くんはそんなことお構いなしに、育也くんのちんこを後ろ手で掴むと、慣れた動きで自らの尻穴にくっつけた。 「涼……ッ!」 「入れちゃうぜぇ…育也ぁ…ッ」 グッと育也くんの亀頭が入り込む。 そして一瞬にして根元まで飲み込まれ、2人は連結した。 「「あぁッ…!!」」 2人が同時に声を漏らし、女はそれを見て恍惚の表情で股を押さえている。 俺は…見ていることしかできない。 育也くんは動くことができない。 だから、涼くんが自ら腰を引いては打ちつける行為を繰り返す。 育也くんが後ろに倒れることはない。 気持ちのいい破裂音が、静寂を突き刺すように何度も何度も鳴り続ける。 「あぁ、すっごいぃ…」 育也くんが噛み締めるように呟く。 涼くんはそれが聞こえているのかは分からないが、笑みを浮かべたまま腰を動かしている。 「…んッ」 思わず声が漏れてしまうほどに、この状況は辛かった。 目の前で2人だけが気持ちよくなっている。 なのに俺は見ているだけで…のけものにされている。 まさに生き地獄だ。 俺の悲しみを表すように、ちんこの先からは止めどなく我慢汁が零れていく。 「はぁッ…はぁッ…」 運動したわけでもないのに、興奮だけで俺の心臓は脈を速めていく。 パンパンッ、と小気味良い音を立てて、涼くんと育也くんは2人だけで絶頂へと駆け上がっていく。 音がどんどん速くなっていく。 2人の呼吸もそれに合わせて速くなっていく。 「あぁ、り、涼くん…ッ!」 「なんだよ、いっちゃうのか育也?」 「イッ…イッちゃ、イッちゃうッ」 ずるい。 ずるい。 涼くんはその体の中で、育也くんのちんこの形や硬さ、熱を感じていて 育也くんは涼くんの中で与えられる快楽を貪り食っている。 2人だけで。 ーーそんなの 「ずるいッ!」 「あぁッッ!!!」 育也くんが叫ぶのと同時に、首筋をのけぞらせた。 全身に込められた力は、その筋張った首を見れば明らかだった。 目を見開き、言葉にもならない声を出し続けている。 「あぁ…すげぇ出てるぅ…あったかい」 涼くんのケツの中で育也くんは射精してしまったようだった。 でもそんなの関係なかった。 今の俺には、自分が気持ち良くなること以外考えられなかった。 「ずるいよ2人とも! 俺も気持ちよくしてッ」 俺が思わず叫ぶと涼くんは呼吸を整えながらこっちを見た。 「はぁ…仕方ねえなぁ」 ずるり、と育也くんのイチモツが引き抜かれる。 射精したことで硬さを失ったそれは、気だるそうに頭を垂れているが、その身は所々白く汚れている。 もう満身創痍なのか、育也くんは彼のチンコのようにうなだれて動かなくなった。 涼くんは腰に手を当てて、ゆっくりと俺に近づいてくる。 ボタっと彼の足元に何かが落ちて、見てみればそれは精液の塊だった。 それだけ育也くんが大量に出したってことだ。 涼くんはそんなことお構いなしで、俺の前に立つとさっきと同じようにケツを俺に向けた。 両手でケツを持ち、グッと開いて腰を突き出す。 開かれたケツ。 ほぐされ緩み切ったケツの穴が俺に見せつけられる。 ひくつくそれは…まるで俺を誘っているかのようだ。 吸い込まれるように視界が狭くなっていき、ケツの穴が近くなっていく。 しかしそれは実際に涼くんが近づいてきていたからだった。 俺のイチモツの鈴口と、涼くんのケツ穴が、触れる。 それはまるでキスする様に、お互いを何度も押し付け合う。 ぷにぷにとした感触。わずかに温かいその穴は俺のちんこから出る淫液で汚され、俺をどこまでも欲情させる。 「んんぅッ…! 涼、くん…いれてぇ」 自分では押し込むことができない。 涼くんにやってもらうことしかできないのだ。 意地悪い笑みを浮かべて、振り返り俺を見る涼くん。 そして何の言葉もなく俺のちんこを咥え込んだ。 「あはッ…あぁ…すっごいとろとろしてるぅ…」 育也くんの吐き出した精液、涼くんの中の体液、俺の我慢汁。 何もかもが混ざり合い、そして俺たちの潤滑油となる。 滑らかに動く。 だけど肉壁は俺のチンコから精を搾り取ろうと執拗に吸いついてくる。 こんなに、こんなに気持ち良いのか涼くんのケツはッ。 「おら気持ちいいか奏多ッ」 「…うんッ、すごいッ気持ちいいッ!」 入れられる時の圧迫感。 抜かれる時のギャップが余計にその時の感覚を高めてくれる。 「あッ…ちょ、涼くんッ、だめッ」 「はぁ? もうイクのか? 速すぎんだろ」 仕方ないでしょ! 涼くんのケツが気持ち良すぎるんだもん! なんて、言葉を口にするほどの余裕は俺にはなくて 「あッ、あッ、あッ」 情けなく喘ぐことしかできず、与えられる快楽を受け入れることしかできない。 イクのが速すぎる? そんなことはない。 だって俺は今までずっと、嫌というほど痴態を見せつけられて、興奮させられてたんだ。 イク準備なんて、とっくにできてた。 涼くんの腰の動きがどんどん速くなる。 確実に搾り取ろうとしてる。 俺のちんこから、俺のザーメンを。 「いっちまえ奏多ッ!」 「うあッ、あぁッ! 出ちゃうッ」 気が狂ってしまいそうなほどに、昂ってしまう。 視界はぼんやりとして、意識は朦朧としているのに、股間に感じる強烈な刺激だけははっきりと認識している。 ちんこの先まで、何かで満たされていくこの感覚。 そして何かが鈴口に至った瞬間、精液も同時に吹き出した。 「うあぁぁっっ!」 「おぉ、すっげぇ出てる…」 涼くんのケツの中で、俺のイチモツは何度も脈打つ。 吸い取られていると勘違いするほどに強い勢いで放たれる精液。 直接は見えないが、俺は目の前の尻の中で起きている出来事を想像して更に興奮してしまった。 涼くんが微かに動くと、泡立つ穴は濡れた音を漏らす。 それを堪能するように腰をゆっくりと動かし、大きくため息をつく。 …ふと視線を下ろすと、涼くんの足元に白い筋が飛び散っていた。 ケツから溢れたものではない。 それは、涼くんが吐き出したものだ。 一体何が彼をそれほどまでに昂らせたのか…。 俺か? 育也くんか? それともここに至るまでのすべてか。 いや、もうそんなのどうでも…いい。 もう…何も考えられない……。 ・ ・ ・ ・ 爆発のような重い音が、静寂と淫らな臭いに満たされた空間に轟いた。 「お前ら! 大丈夫か!」 「なんなのよあんたたち!」 扉が破壊され姿を現したのは、祐希と翔だった。 祐希がオレンジ、翔が紫のスーツに身を包み、室内の様子を見て愕然とした。 涼は床に倒れ、育也と奏多は氷に閉じ込められうなだれて動かない。 3人とも全裸で、そして鼻につく嗅ぎ慣れた臭いで、祐希たちは何があったのかを一瞬で理解した。 「この雪女! 好き勝手やりやがって!」 祐希が構えると、その手に一筋の光が迸る。 そして翔も同じように構え、手に細い光を宿した。 「やる気か、この私と!」 女が両手を広げる。 背後から突如として吹雪が吹き荒れ、室内を埋め尽くす。 祐希と翔が手を前に突き出し、電撃が放たれる。 一直線に突き進むそれは吹雪の壁をぶち破り、女の胸を容易く貫いた。 「あぁッ?! そん…なぁ…ッ」 女の体が灰となって崩れ落ち、吹雪も、育也たちを捕らえていた氷も無くなる。 祐希たちが慌てて3人に駆け寄る。 しかし意識を失っているだけで体には特にダメージはない。 それを確認し安心した2人。 すると、どこからか扉が開く音が聞こえた。 音のした方…2階を見る2人。 「…何が…あったんだ?」 そこには、下半身をタオルで隠した蓮がすっとんきょうな顔で立っていた。

Comments

もうちょっと活躍の機会を与えても良かったかなと思ってます笑

ジェニファー

番外編でも敵が女性っていいですね!

ロンニシ


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