G.O.E~第18話【偽りの快楽】~
Added 2021-02-28 05:41:32 +0000 UTC用水路を歩いていたオウンの足が、不意に止まった。 「おいおい、嘘だろ」 呆然として空間を見つめ、信じられないといったように首を振る。 「ガーディアンイエローの洗脳が…解けた?」 遠くで感じていた瘴気が消えた。それはつまりイエローを支配していた核が無くなったということ。 「…ふざけやがってッ」 その焦りを表すように、小刻みに響く足音。 怒りのあまりその身から大量の瘴気が溢れ出し始める。 「あいつはこの場所を知ってる。必ず来るはず」 そう呟いて立ち止まる。 彼の横には、錆びた扉がある。 それに視線を向け、ニヤリと笑う。 「そう…必ず来るんだ。助けに」 扉を開けると、全裸の蒼汰、育也、涼が横たわっていた。 腹は元通りになっているが、3人は憔悴しきった顔で動こうともしない。 情けなく倒れるその陰茎はまさに彼らの状態を表しているようだった。 オウンは蒼汰の足元に立つ。 「随分疲れきってるじゃないか。綺麗な顔が台無しだよ」 蒼汰はゆっくりと視線を動かし、オウンを視界に捉え、悔しそうに顔を背ける。 「そんなに嫌わないでよ」 そう言ってオウンは懐からあるものを取り出した。 それを3人の足元に落としていく。 「せっかくだから僕と遊ばないかい?」 オウンが落としたのは変身用の競パン。3人はそれを見て、ゆっくりと体を起こし始めた。 「警戒しないで。どうぞ拾ってください」 しかし3人は拾おうとはしない。 「お前を信用すると思うのか?」 蒼汰が吐き捨てるように言う。 「本物だよ? まぁいいや」 オウンを取り囲むように、瘴気が溢れ出す。 「残念なことに、イエローは僕のものじゃなくなってしまったんだ」 「え?」 3人が一様に、驚いて微かに口を開く。 それを見て、オウンはほくそ笑む 瞬間、瘴気の中から何かが飛び出した。それは蒼汰たち3人の口に入り込む。 「んあッ?!」 「うほッ!」 「んんッ?!」 瘴気から伸びているのは細長いチューブ。繋がっている先は、瘴気に隠れて見えない。 「実は僕には個人的にストックしてあるエナジーがあってね」 チューブの中身が、白く粘ついた液体で満たされていく。 この前やられた怪人の物と違い、チューブは口の中で膨らんでいないはずなのに、どれだけ力を込めても外れることはない。 「んんッ! あんえ?!(なんで)」 3人とも、自分たちの口に近づいているものははっきりと見えている。 また体の中をあれで満たされる。 それだけは阻止しなければならない。 どれだけチューブを引っ張っても、ひょっとこのように口を伸ばすだけ。 そして何故か、彼らのイチモツは微かに反応し始める。 半立ちになっても、彼らがそれに気づく様子はない。 強い意志が彼らを突き動かすが、その努力も虚しく 勢いよく口の中で白濁液は放出された。 「んあぁッ!!」 情けなく呻き声を漏らしながら、放出の勢いに負け倒れ込む蒼汰、育也、涼。 腹部が膨らみ始めるのと同時に、イチモツもその勢いに加速をつけ、頭をもたげ始める。 ゴクゴクと喉を鳴らしながら、3人は精液を飲み込んでいく。 オウンは蒼汰たちの頭の方へ回り込み、しゃがんでそれぞれの顔を覗き込む。 苦しそうに目を閉じる育也。 気持ちよさそうに声を漏らす涼。 オウンを睨みつける蒼汰。 しかしその瞳は徐々に光を失う。 視線が宙を泳ぎ、白濁液を体内に取り入れることに集中し始める。 苦しそうにしながらも、頬を赤く染めている3人。 瘴気が含まれたそれは、嫌がおうにも彼らを興奮させる。 完全に勃起したイチモツを情けなくひくつかせながら、彼らの意識はザーメンの波に飲み込まれた。 ・ ・ ・ ・ ・ 「…ほんと、マヌケだな」 オウンの見つめる先。 そこに蒼汰たちは倒れているが、彼らの腹は1ミリも膨らんでいなかった。 それどころか、チューブすらない。 蒼汰たち3人は、オウンの作り出した幻影を見せられているのだ。 瘴気から伸びるチューブ。 白濁液が大量に詰め込まれた腹。 全て、彼らが見て感じているのは、オウンが作り出した偽の映像と感覚に過ぎない。 ただ一つ真実があるとすれば… 彼らの股間で立派にそびえ立っているチンコくらいだろうか。 「君たちヒーローは確かに立派だよ。怪人たちを倒し、エナジーの回収を阻止している」 オウンが蒼汰の胸に触れる。 何かの模様が指先から広がり、一瞬にして消える。 涼と育也にも、同じように施す。 もうオウンなど意識にないのだろう。 蒼汰も育也も涼も、誰一人その言葉に耳を傾けず、行動に目も暮れない。 「おほっ…おごっ…おぉッ」 気持ちよさそうに笑みを浮かべて、膨らんでいるはずの腹を押さえている。 「その分君たちは僕らの怪人の被害に遭う機会が多い。…悲しいね。その体は与えられる快楽を覚えてしまってるんだ」 立ち上がり、再び3人の足元へ戻ってくるオウン。 赤、緑、黒。 パンツを1枚ずつ、踏んでいく。 その強さからは、オウンの感じている苛立ちが感じ取れた。 「だから何もされていないのにそのチンコを無様に勃起させてる。まるで呼び鈴を聞いて涎を垂らす、パブロフの犬のように」 オウンの顔には、もう笑顔など微塵もなかった。 冷たく蒼汰たちを見下ろす視線。 鼻で笑うと、踵を返して歩き出した。 「少しすれば幻は消えるさ。哀れなお人形さんたち」 オウンが瘴気のゲートの中に消える。 残された3人は、だらしない表情をしながら喘ぐことしかできなかった。 ・ ・ ・ 奏多に案内されたのは、住宅街だった。 何の変哲もない場所だ。怪人やエデンとは、何の関係もなさそうな場所。 「ここだよ」 そう言って奏多は橋の上で立ち止まった。 視線の先は橋の下、不自然に取り付けられた扉に向けられていた。 「あそこが?」 「用水路だよ。あの中に三人もいる」 「分かった」 先に変身を済ませてから橋の下に降りる。 扉に近づくと、ひとりでにそれが開き始めた。 武器を構え、すぐさま構える。 その扉の中から現れたのは、この事態の元凶だった。 「やあやあ。来たね」 オウンは不敵な笑みを浮かべて、俺たちの前に立ちはだかる。 周囲の人たちはG.O.Eの職員たちが避難させている。 戦闘になったとしても、直接的な被害はない。 「まったく、せっかく大変な思いしてヒーローを仲間にしたっていうのに。こんなすぐに取り戻されちゃうとはね」 右手に瘴気で作られた黒い剣を召喚し、オウンは俺たち…いや、俺を睨みつける。 「イライラするよ。ほんとにね」 「蓮くん、どうしよう?」 「まずは蒼汰たちを助けることが先だ」 左手に持つ剣に、氷の力をまとわせる。 冷気が刀身を覆い、周囲を一瞬にして冷やしていく。 「中に入ったことがあるのは奏多、お前だけだ。三人はお前に任せる」 「蓮くん、こいつと一人で戦う気? 無茶だよッ」 「分かってる。でも…、やるしかないだろ」 「何をこそこそ話してるのかな? 僕を出し抜こうとしてるの? 無理だよ君たちには」 「そうだな。出し抜くつもりなんかない」 何の予備動作も見せず、剣を振るうと、一瞬にして作り出された氷の刃がオウンを襲う。 「そんな攻撃が通用するとでも?」 オウンが剣を構える。 動くことはなく、ただその刃で氷を受け止める。 何のダメージを与えることもできず、俺の氷は容易く砕け散った。 「くそッ」 「甘いねぇ。そんなんじゃーーッ」 余裕で笑っているオウン。 彼の言葉を途中で遮ったのは、水中から飛び出た岩石だった。 オウンは咄嗟にあとずさりそれをかわす。 拍車をかけるように切っ先の鋭い岩石が飛び出していき、オウンは更に後退した。 「何だよめんどくさいなッ」 かわし続けていたオウンは一転して動きを止め、剣に瘴気をまとわせると一気にそれを放出した。 岩石がすべて破壊され、オウンが向こう側にいるはずの敵二人を捕らえる。 しかし、そこには蓮の姿しかなかった。 「あ?」 「残念だったな。お前の相手は俺がする」 「……はぁ」 オウンは左手を腰に当て、上を見てため息をつく。 おもむろに視線を下ろし蓮を捉える。 「残念だったね。僕の狙いは君だよ」 ・ ・ ・ ・ 「はぁッ…はあッ…」 見たことのある景色。 暗くジメジメした用水路を、俺はただ走る。 オウンに一人じゃ勝てるわけない。 戦ったことのある蓮くんなら分かっているはずなのに、それでも俺に三人の救出を任せてくれた。 「待ってて蓮くんッ」 三人のいる部屋は、この角を曲がった先。 しかし、あと少しというところで俺は足を止めた。 「……これは」 三人がいる部屋の扉はもう見えている。 あとはそれを開けるだけだというのに、そこに至るまでの通路は大量の瘴気が充満していた。 あそこに向かうには、この中を通らなければならない。 ……俺にできるか? あの中を通り抜けて、正気のまま三人のもとにたどり着けるか? 俺が快楽に堕ちてしまえば、蓮くんの覚悟も無駄になってしまう。 「……だめだ」 それだけは駄目だ。 あんなに迷惑をかけた俺が、これ以上足手まといになるわけにはいかない。 「絶対助けるーーッ」 一歩踏み出す。 揺れた瘴気が、足元にまとわりつく。 もう一歩踏み出すと、気体であるはずの瘴気が まるで意志を持っているかのように、俺の体を下から上へ撫でるように昇っていく。 「…ぁッ」 目には見えない衝撃が、体の内に広がる。 足が思うように動かなくなる。 何度も味わったこの感覚、体はいつまでも慣れることはなく、俺の理性を奪っていこうとする。 股間が一瞬にして熱くなり、内に隠されたモノは膨張する。 心臓の鼓動が速くなるのが分かった。 まるで全力疾走した後みたいに、呼吸が荒くなり、考えることが難しくなる。 体を包んでいたスーツが、光となって消えていく。 快楽に意識の大部分を染められると、スーツは機能しなくなり消えてしまう。 強制解除により競パンだけになった俺の体は、余計に瘴気の影響を受けてしまう。 「あぁッ!!」 体を少し動かしただけで、イッてしまいそうになるほどイチモツの感覚が昂る。 あふれ出す我慢汁は抑えられず、黄色い競パンを黒く濡らしていく。 「くそぉッ……」 駄目だ。止まるな。 歩け、動け……ッ!! 膝をつけば終わりだ。 小鹿のように震える足で、小さすぎるが確実に、扉へと近づいていく。 今すぐにでもパンツを脱いで、この場で自分のイチモツをしごいてしまいたい。 乳首も一緒に触れば、この上ない恥辱を味わいながら絶頂を迎えられるだろう。 こんな卑猥な妄想が、頭の中を駆け巡る。 瘴気のせいだとは分かってる。けれど、俺の体は確かにその妄想が現実になることを望んでいる。 ーーここに蓮くんもいれば、最高なのに。 「……馬鹿か俺は」 瘴気のせいだ。 こんなことを考えてしまうのは、瘴気のせい。 ……なんて、自分に言い訳してしまう。 蓮くんを俺のものにしたいと望むこの気持ちは、本心だ。 あふれ出る気持ちは、股間のそれと同じように、抑えることは到底できない。 それでも、俺は自分を理性で保たなければいけないんだ。 それが…俺が蓮くんに、皆にできる償いだ。 この短い距離を歩くのに、どれだけの時間をかけたのか いやもしかしたら、そんなに時間はかかっていないのかもしれない。 でも俺にとっては、とても長い時間に感じた。 ドアノブに手をかけ、ゆっくりと、力を込めて回す。 押し開けると、俺の足は自分の体を支えることができずそのまま倒れこんでしまった。 倒れた視界の先には、前と変わらず蒼汰くんたちが横になっている。 よかった。 この部屋は瘴気がない。 あとはこのまま三人を起こして、ここを出れば……。 倒れた時の痛みで、感じていた快楽は和らいだ。 それでも全身に残る疲労感、倦怠感が消えることはない。 休むことはできない。 倒れたまま、這って皆のもとへ向かう。 「蒼汰くん…涼くん…育也くん……」 名前を呼んでも反応はない。 いや、俺の声が小さすぎたのかもしれない。 頼むから、皆…目を覚ましてくれ。 ・ ・ ・ ・ 閑静な住宅街に、甲高い金属音が響く。 実力の差はあれど、それを補う立ち回りとセンスがあればこそ 蓮はオウンと長い時間戦闘を続けることができた。 ・ 奏多が蒼汰たちを救うまで、それまででいい。 こいつをここに足止めできれば…それでいいんだ。 「君ってこんなに強かったっけ? もっと弱い印象だったけど」 「お前は所詮瘴気に頼っているだけだ。速く力もあるが、瘴気に触れなければ勝ち目はある」 「言ってくれるじゃん。調子にのらないでよね」 オウンが俺から距離を取り、その身に瘴気をまとう。 「確かに瘴気に頼ってる。それは認めよう。でもね、君たちを効率的に仕留めるには瘴気に頼るのが一番なんだよ」 「……だろうな。だが通用しなければ意味がない」 「そうだねぇ……」 オウンの手から、剣が霧散する。 浮かべる笑みは、今まで以上にその顔を悪に染めている。 「でも僕。君に本当の力を見せたことはないよ?」 「何だとーーッ?」 瞬間、オウンの背後で膨大な量の瘴気が爆発した。 爆風と共に、それは俺に向かって放たれる。 氷の壁を作り出しても、それはいとも簡単に破壊された。 俺を一瞬にして包み込んだそれは、絶えず動き続ける。 「ぐあッ、これは一体ーーッ?」 俺の腕に、足に、何かがまとわりつく。 気体が触れているのとは違う。 確かな質量をもった何かが、俺の体を押さえつけている。 「ほーら、簡単に捕まった」 オウンの声が瘴気の中に反響している。 視界を覆っていた瘴気が晴れると、俺の目線の下にオウンはいた。 咄嗟に足元を見ると、俺は川の上に浮いていた。 手足は瘴気によって作られた十字架に括られ、動かすことは叶わない。 「さっきまでの威勢はどうしたのガーディアンブルー……いや、蓮くん、だったかな?」 俺の名前を知られている。 いや、奏多が捕まった以上……全員の情報はもう漏れていると考えるべきか。 それよりも、体に瘴気が触れているというのに、快楽を感じることはない。この十字架には、俺を拘束するだけの効果しかないってことか? 「俺を捕まえて、どうする気だ? 今迄みたいに、エナジーを搾り取るか?」 「そうだね。その予定だけど……君にはエナジー搾取の特別コースを味わわせてあげるよ」 「なんだと?」 周囲が瘴気で満たされていく。 空が、家が、すべて黒く塗りつぶされていく。 オウンの横で、瘴気が人の形にまとまっていく。 大きく膨らむそれの頭に、二つの何かが生える。 瘴気だったそれが、より完成に近づいていくとその正体にようやく気付いた。 「そいつはーーッ」 「気づいた? 君たちが昔お世話になった怪人だよ」 全身に毛が生え、頭には猫の耳が生えている。 以前現れた怪人だ。博士によって倒されたはずなのに、オウンが復活させたのか? 「こいつの能力を覚えてるかな? 今の君は動けないから、簡単に技をかけれるな」 「やめろッ」 「って言われてやめるわけないでしょ」 「にゃんパワー!!」 瘴気によって作られた怪人が、黒い肉球を俺に向ける。 妖しく光ったそれを見てしまうと、催眠状態にかかってしまう。 案の定変身がとけてしまい、競パン一丁の姿になってしまう。 だが、股間には何の変化もない。 「勃起してない…え?」 「ふふっ。君にかけた催眠はね、心に思ったことをすべてに口に出してしまう、さ」 「なんでそんなことを?」 「言ったろ。特別コースなんだよ」 「――まさか」 「そうだよ。君たちが苦しめられ、倒してきた怪人はどれだけいたかな?」 ネコの怪人が一瞬にして消え、また新たな怪人がそこに生み出される。 それは普通の男のように見えたが、その右手には拳銃を握っていた。 見覚えがある。異空間に飛ばされ、変身できない状況で襲ってきた怪人だ。 あの時は涼がこいつを倒してくれたおかげで何とかなったが、俺を含めた涼以外の四人はやられてしまった。 怪人は俺に銃口を向け、すかさず引き金を引く。 銃弾が吸い込まれるように俺の胸に命中する。 痛みはない。 だが、股間のイチモツがすぐさま膨らみその鈴口から白濁液を吐き出した。 「あぁッ」 その射精は止まり続けることはない。 以前はチンコの根元にリングをつけられて、限界まで射精できない状態にされてしまったが、今はただ精液を吐き出し続けている。 「ほーら、どう? チンコ気持ちいいでしょ?」 「あぁ、チンコ気持ちいぃ…」 くそ、こんなこと言いたくないのに。 この身に感じる快楽をごまかすことはできない。 催眠によって、屈辱的な言葉を言わされてしまう。 「今どんな気持ち?」 「…あ、射精が止まらなくて、気持ちいい。壊れ、ちゃいそう…」 「そうだね。ずっと射精し続けるのは辛いよねぇ」 「つ、つらい…」 「でもね、君は僕の計画を台無しにしたんだよ。それくらいの罰は受けて然るべきさ」 「計画を…ぁ、んッ…台無し?」 ほんの少し話すだけでも、射精するたびに言葉が詰まってしまう。 オウンはそんな俺の様子を見て、にやりと笑っている。 「そんな目で…見るなぁッ」 「えー、どうして?」 「恥ずかしい…屈辱的だ」 「そうなんだぁ? 自分のどんな姿を見られて?」 「射精してる…俺の姿…チンコ」 「ふふっ。安心して。もーっと気持ちよくさせてあげるから」 拳銃を構えたままの怪人の姿が煙となって溶けて消え、また新たな何かが形作られる。 それは体の形状から女の怪人だと分かった。 今まで戦った中でに女の怪人は、一人しかいない。 「ほーら、懐かしいでしょ?」 女の怪人の周囲に、瘴気を含んだ水が浮かぶ。 「君はこの怪人にやられて、どうなっちゃったんだっけ?」 「あ…俺は、俺と…蒼汰は、瘴気を含んだ水を飲んで、操られて、セックスを…していた」 「そうそう。そうだったね。罠とも知らずに、猿みたいにセックスしてたんだったね。イエローにおしっこも飲ませてたしね」 「おしっこ…飲ませた。気持ちよかった…ちがう、こんなのーーッ」 「違くないでしょ? 笑って飲ませてたよね?」 「うぅ……やめろッ」 「何? 聞いてて自分のやったことが恥ずかしくなってきた? 仕方ないよ操られてたんだもん」 瘴気の水が、俺に向かってゆっくりと動き始める。 口の小さな隙間から入り込んだそれは、俺の口を強引に押し開き、体内へと侵入してくる。 腹に感じた熱が、じわりと全身に広がっていく。 射精の感覚が更に研ぎ澄まされ、快楽は何倍にも膨れ上がっていく。 頭がぼーっとし、考えることが難しくなる。 「あぁ……熱い、気持ちいいッ」 「考えるのが難しいでしょ? 君の本心が駄々洩れだよ?」 「うんッーーまたイっちゃう…あッ、あぁッ!!」 水の注入が終わったころには、俺の腹は微かに膨らんでいた。 つまりそれだけの瘴気がこの中に蓄えられているという事。 これ以上やられたら、俺の体はーー 「俺の体――おかしくなっちゃうッ」 「いいんだよそれで。これは罰なんだから」 「あぁ……罰?」 さっきも聞いたような気がするが、そんなことを気にしていられるほど今の俺の頭は正常ではない。 射精すると、膨らんだ腹に精液が直撃する。 温かい感覚、しかしそれは一瞬にして冷め、ぼたりと亀頭に落ちる。 俺のチンコは白く汚れ、窮屈そうに競パンの中で限界まで勃起している。 もう何回射精したか分からない。 「硬い、俺のチンコッ、びくびくしてる…すごいザーメン吐き出してる…!」 それでも勃起と射精の勢いは衰えることなく、むしろチンコは硬さを増し、快楽をむさぼっている。 鼻をつく栗の花の匂いが、吐き出した精液の量を物語っている。 もっと出したい、そんな不純な考えが生まれてしまう。 「ヒーローひとり手に入れるのって、結構大変なんだよ? 瘴気もまあまあ使ったしさ、もっとエナジーを稼ぐつもりだったのに、君のせいで台無しだよ」 「俺のせい…?」 「そうだよ。イエローは君のことが好きだったから、その気持ちを利用してこちら側に引き込んだ。でも君が正気に戻してしまった」 「お前が……ぁ、奏多を…」 「……なんだよ、何が言いたい?」 俺にかけられた催眠は…何も快楽をただ説明するだけじゃない。 俺が今感じている感情すべてを、口に出すものだ。 「許さないぞ…奏多にあんなことをして、お前だけは――ッ」 「自分の姿見てから言えよこの変態」 今感じていた怒りが、オウンの一言でかき消されてしまう。 自分の姿…それを想像してしまい、目線を下げて自分の体を見てしまう。 そして、それを見て思ったことを、俺の口はしゃべってしまう。 「乳首がッ、すっごいたってる。いじったら…もっと気持ちよくなれそうッ、でもーー触れないよぉッ!」 「あらら、思いのほか変態だねぇ」 「…射精し続けて、気持ちよくて、うん…ッ、頭がおかしくなる、こんな事、言いたくないのにッ」 もう自分の言葉…思考はめちゃくちゃだ。 何を話しているかも分からない。 ただ快楽だけは、股間を中心に全身に迸っている。 「お願い触ってぇッ! 触られながら、せーえき出したいぃッ。 あはぁ…あぁ…びくびくしちゃう。チンチンのさきっちょが、クパクパしてる!」 「いいよ。もっと教えて、君が今感じていること」 「すごいッ、どんどん出てる。口にするたびに、どんどんエッチになって、止まらないぃッ。あぁ、俺、こんなんじゃないのにぃぃッ!」 「君の本心さ。何を恥ずかしがることがある。素直に受け入れなよ」 「あはッ…気持ちいいよぉ…おかしくなっちゃう、やめてぇ」 「やめないよ」 「ううんッ、やめないで、気持ちいいもんッ…熱い、熱い…あッ、どんどん気持ちよくなるぅッ」 尿道を精液が何度も駆け巡る感覚が、堪らない。 こんなにも尿道の動きを感じられることがあっただろうか? いや、ない。 だからこそこの新鮮な快楽は俺の体に強く刻み込まれる。 とても濃い精液が、まるで押し出されるところてんのように、大量に、いつまでも噴き出し続ける。 「いくぅッ…止め…またッ、イっちゃーーッ」 パンツに押さえつけられているせいで、上を向くチンチン。 発射する様は綺麗に見える。俺は呼吸を荒くしそれを見つめながら、射精のたびに喘いでしまう。 「つらい…やめてぇ…気持ちいいぃ…あはッ、イクッ……」 ・ もう意識を繋ぎとめることは、蓮には難しかった。 その頭では何も考えていないというのに、感じる快楽を次から次に口に出してしまう。 何十回射精したか分からない。 白目をむき、小さな喘ぎ声と共に体をびくつかせ、聞き取れない言葉をつぶやき続ける。 普段真面目に、品行方正に努めている蓮には、この状況が耐えられなかった。 卑猥な言葉を、しかも自分が頭で思ったことを他人の前で呟くなど、そんな恥ずかしいこと、やるわけがないのだ。 だがそれを催眠によって強制されてしまう。 それならば、意識を手放してしまうしかない。 彼の心を保つにはそれしかなかった。 奏多との約束があるにも関わらず、追い詰められた彼はその選択肢を選んでしまった。 しかし結果的に、オウンは蓮に罰を与えることが目的だったため、気にする必要はなかったのだ。 だがそれは蓮の知るところではない。 罪悪感を覚えたが、それは一瞬にして快楽に上書きされる。 「あぁ…そう…たぁ」 無意識で呟いてしまったのは、最愛の人の名前。 オウンはそれを聞き逃さなかった。 「……そうか。君は、レッドのことが……なんて悲しい三角関係なんだろう。意外と複雑だねぇ」 「蒼汰にぃ…触ってほしい。一緒に、気持ちよく…うんッ、なりたいぃぃ」 蒼汰のことを口にし出してから、蓮の射精の勢いは更に強くなった。 それだけ蒼汰に感じている気持ちが大きいという事なんだろう。 ・ オウンの体が宙に浮く。 十字架に磔にされた蓮の目前まで近づき、その呆けた顔を見つめる。 蓮の股間は確かに勃起しており、精液を吐き出した後はある。 しかし実際にはほんの4、5回である。 蓮が見ている、感じてる快楽は オウンの作り出した幻によって与えられているものなのだ。 催眠にもかけられていない。 瘴気の水も飲んではいないし、射精させる銃弾を受けてもいない。 だが蓮の脳がそれを現実と受け入れてしまえば、それは彼にとって現実になるのだ。 蓮の口の端からよだれが一筋、川に向かって落ちる。 そんな間抜け面をオウンは無表情で見つめている。 「ここにレッドも連れてくればよかったなぁ……まぁいいか」 オウンが蓮の胸に触れる。 指先から、何かの紋様が広がっていき、それはすぐに見えなくなった。 蒼汰たちにも施したこの紋様。 その効果が発揮されるのは、まだ先の話である。 ・ ・ ・ ・ 這いずって、何とか蒼汰たちの足元にたどりついた奏多。 外の蓮の状況は知る由もなく、ただ彼との約束の為に、果たすべきことを果たそうとしていた。 「みん…なぁ、起きてッ」 三人は気絶していた。 腹は元通りになっているが、股間は乾いた精液がこびりついている。 蒼汰くんの体に触れる。 揺らすが反応はない。 もっと強く揺らすと、微かな声を漏らした。 「んッ……」 「蒼汰くん! お願い起きてッ」 蒼汰が頭を起こし、奏多を見つける。 まだ覚醒してすぐの朦朧とした意識で、何とか状況を理解する。 「奏多…元に戻ったのか?」 「うん…戻ったよ。それより、蒼汰くん起きれる?」 「あ、あぁ」 「蓮くんがオウンを足止めしてるんだ。でもひとりじゃそう長くはもたないはずだから」 「蓮が? なんでそんな無茶をーーッ」 「だから急いで戻らないと、他の二人も起こそう」 涼くんと育也くんも、思いのほかすぐに起きてくれた。 何故か三人の足元に落ちていた競パンを渡し、俺はさっき蒼汰くんに説明したことを話す。 「なるほどな。わかった。体はめちゃくちゃだりぃけど、今は蓮を助けに行くのが先か」 「うん……」 三人はすでに変身し、立ち上がっている。 しかし俺は膝をつくのが限界で、体にこれ以上に力を入れることができなかった。 「奏多、立てるか?」 蒼汰くんが横にしゃがみ、俺の肩に手を置く。 情けなかったが、俺は首を振った。 「扉の外は瘴気でいっぱいなんだ。ごめん、そこを通り抜けるので精いっぱいでーー」 「そうか、頑張ってくれたんだな」 蒼汰くんはそう言うと立ち上がり、俺の前に背を向けて膝をつく。 「背負うから、乗ってくれ奏多」 「…ありがとう」 今はつべこべ言っている状況ではない。 皆に出口までの道を教えられるのは自分だけなんだ。 ゆっくりと背中に乗り、俺をしっかりと両手で支えて蒼汰くんは立ち上がる。 「奏多、道案内は頼むぞ」 「うん」 「瘴気は僕のバリアで防げるから、側を離れないでね。涼くんは周りを警戒しておいて」 「りょうかい」 ・ ……俺は、蒼汰くんにあんなひどいことを言ったのに、どうして優しくしてくれるんだろう。 ただただ不思議に思った。 スーツ越しに感じる蒼汰くんの背中は暖かくて、大きい。 ヒーローとしては俺の方が先輩だけど、人としては蒼汰くんのほうがずっと先輩で。 自分たちを騙し、陥れた仲間を自分ならこんなすぐに受け入れられるだろうか。 そう考えると、蒼汰くんには勝てないなって、単純に思った。 俺なんかよりもずっと大人で、優しくて、思いやりがある。 蓮くんが蒼汰くんを選んだのも、何となくわかったよ。 俺なんかじゃ、太刀打ちできないわけだ。 そう思うと何だか自分がとてもみじめに感じたが、それと同時に、蒼汰くんに対して尊敬も抱いた。 蒼汰くんが仲間でいてくれることが、俺はとても嬉しかった。 ・ ・ ・ ・ 外に続く扉を開けると、目の前に見えたのは川だった。 横に視線をずらすと、そこには宙に浮かぶオウンと黒い十字架に磔にされた蓮の姿があった。 「蓮!」 「お、ちょうどいいタイミングで戻ってきたね」 オウンが俺たちを見て、見飽きた笑みを浮かべる。 蓮を捕らえる十字架が俺たちの方へ移動してきて、その下に涼と育也が動く。 瘴気の十字架が消失し、落ちてきた蓮を二人が支える。 どうやら快楽攻めにされていたようだ。 その姿は見るに堪えないことになっている。 「君たちは厄介だよ。僕も長く生きてるけど、これほどまでにイライラさせられたのは初めてだ」 オウンの背後に瘴気のゲートが作り出される。 「僕ももう遊ぶのはやめる。しばらく君たちの前には姿を見せられないかもしれないけど、悲しまないでね。その時が来れば、また会えるから」 そう言って、オウンはゲートの中に姿を消した。 俺たちはみな、一斉に安堵したと思う。 全員が満身創痍の状態でオウンと戦闘になれば、どうなっていたかは明白だ。 周りに戦闘の被害も出ていないようだったので、俺たちは転送機能ですぐに基地へと戻った。 ・ ・ ・ ・ ・ 気づいたら気を失っていた。 オウンが消えたところまでは意識があったけれど そこで安心してしまったせいかすぐに意識を失ったらしい。 目を閉じたまま覚醒して、体に感じる感触で自分がベッドに寝ていることを理解した。 目を開けるとそこには見慣れた天井があって、基地の医務室だとわかった。 どれだけ寝ていたんだろう。 時計がこの位置からだと確認できない。 顔を動かすと、横のベッドには蓮くんが寝ていた。 何故かその顔を見たら安堵感を覚えた。 蓮くんとの約束を守れたんだと思うと、嬉しくなった。 すると、扉が開く音が聞こえた。 いくつかの足音、その正体は蒼汰くん達だった。 「お、奏多起きてんじゃん」 涼くんが椅子を引っ張ってきて俺の足元に座る。 蒼汰くんと育也くんも椅子に座って、俺と蓮くんの間に座った。 「体調は大丈夫?」 「うん。ありがと」 育也くんの言葉に頷く。 蒼汰くんはそれを聞いて、「よかった」と呟いた。 俺は目を伏せて、すぐに蒼汰くんを見た。 「ごめんね。俺、みんなにひどいことした。蒼汰くんにはひどいことも言った」 三人は黙って、俺の言葉に耳を傾ける。 「俺……情けないよ。操られてたとはいえ、自分の中にあった隙につけいられて…ヒーロー失格だ」 「何言ってんだよ」 涼くんが呆れたように呟く。 「俺なんか一度逃げ出してんだぞ? 平気だよそんなん」 「そうだぞ奏多。逃げた涼に比べたらなぁ?」 「んだよ蒼汰その言い方」 「え、別に…」 ……あぁ、みんな、優しいなぁ。 「奏多くん。しっかり謝ってくれたじゃん。それだけで十分だよ」 今の俺には…育也くんの声は、あまりにも優しすぎて どうしてか分からないけど、彼の声を聞いた瞬間に涙があふれ出して 「うぅッ…ありがとう、みんなぁ……」 声を押し殺すこともせず、わんわんと泣いてしまった。 「一番年下なんだから、甘えていいんだよ。泣きたかったら、気が済むまで泣いてよ奏多くん」 育也くんの手が、俺の頭をなでる。 安心する。人に触られて、こんなに安心感を感じられるなんて、思いもしなかった。 「まぁ、焼き肉ぐらい奢ってくれてもいいけどな?」 「じゃあ涼も逃げたんだから二人の奢りだな?」 「な、なんでそうなるんだよ」 「……高校生に奢らせるな」 俺は聞こえてきた声に横を見た。 見ると、蓮くんは目を覚ましていて、体を起こしているところだった。 「奏多……よく頑張ったな」 「……うん」 小さく、頷くことしかできなかった。 ただ今は、取り戻せたこの日常が、どれだけ大切なものだったか。 皆と一緒に感じられることがとても、とても幸せだった。
Comments
四人に仕込まれた紋様が何なのか、いつどういった形で発動するのか、そしてオウンの目的とは・・・先の展開が想像できそうでできないので、続きが気になりますねw
めーぷる
2021-03-04 14:00:44 +0000 UTC