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G.O.E 〜第1話〜【出会い】

5月。 春もそろそろ終わりを迎え、雨の季節へと変わろうとしている時だった。 俺がG.O.Eという組織と出会ったのは......。 ・ それはよく晴れたある日の出来事だった。 大学の授業を午前中に終え、バイトまで時間があった俺は、友達の修二と一緒に喫茶店に入ることにした。 テラスの席について、店員にアイスコーヒーを2つ頼む。 それからボーッと辺りを眺めていると、修二がスマホの画面を見せながら話しかけてきた。 「なぁ、これ知ってるか?」 画面に映っていたのは、最近起きた男子大学生が暴行されたという事件について書いてあるページだった。 「知ってるよ、ニュースで見たぜ」 「最近多いよな、こういうの。俺達と年近いし、怖いよなぁ」 確かにこの1年で暴行事件、とりわけ若い男が襲われるというのが多発していた。 幸いなのは、死亡者が1人もいないことか。 「お待たせしました、アイスコーヒーです」 持ってこられたアイスコーヒーを受け取り、飲みながらまた辺りを眺める。 修二はまだスマホを見てる。 俺は......あんまりスマホ見ないんだよな。 誰かと会話したり、調べ物でしかあまり使わないから。 だから、友達が携帯を見ている時は、大体辺りを見て暇を潰しているんだ。 そうして辺りを眺めていると、俺はある男を見つけた。 名前は知らないけど、何でかよく覚えてるんだ。そいつのこと。 そう......あれはセンター入試の時だった。 万全の準備で臨んだと待っていた俺が、筆箱の中に消しゴムがないと気づいたのが、テストが始まってすぐのことだった。 あん時のことは今でも覚えてる。 答えを初っ端から書き間違えて、このままじゃテストに落ちちまう! って焦ってた時に、俺のことに気づいたのか隣の人が消しゴムを貸してくれた。 それが、今さっき見つけた男の人なんだけど......。 ......あ、見えなくなっちゃった。 大学の中でも見たことあるから、同じ学生なのは分かるんだけどなー。 ・ その時だった。 街中に突然甲高い悲鳴が響き渡った。 その声に思わず立ち上がり、声のした方を見る。 大勢の人間が右から左へ走っていく。 皆必死な形相で、誰かにぶつかるのも気にせず狂ったみたいに走ってる。 一体...何が起こってるんだ? 「な、何だよこれ」 スマホを見ていた修二もさすがにこの騒動に気づいて、俺と同じように立ち上がって人の流れを見つめる。 「お、おい蒼汰、あれーー」 修二が指さした先。 そこにいたのは、紫色の布に全身を包まれた見たことのない怪物だった。 「何だあれ...?」 全身紫の怪物は ゆっくりと、見定めるように辺りを見回しながら歩いている。 微かに見える顔部分の隙間から覗く赤い目が、ギロリとこちらを見る。 全身に一瞬にして悪寒が走った。 あいつの狙いは俺達。 たった一瞬。それだけで理解した。 「やべぇよ、逃げなきゃッ!」 あいつの視線に気づいた修二が、一歩後ずさる。 それと同時......いや、それよりも速く怪物の体から布が伸びた。 真っ直ぐ、修二に向かって......。 「修二っ!」 何も考えなかった。 いや、考える暇がなかった。 俺は修二を突き飛ばして、ただ叫んだ。 「逃げろ!」 ......って。 紫の布が左腕に巻きつき、次に胴体、そして右腕が捕まった。 「蒼汰!」 「早く逃げろ修二! このままじゃお前も捕まる!」 「でもお前がっーー」 「いいから行けっ!」 「...くそっ!」 修二はすぐさま立ち上がって、テラスの柵を飛び越えていった。 ......よし、ひとまず修二は見えなくなった。 「うっ!」 体に更に布が巻きつき、絞める力が強くなる。 「あぁぁっ!!」 足が床を離れ、体がゆっくりと化け物に近づいていく。 どれだけ体を動かそうと思っても、布はビクともしない。 それに、何だか息が上がってきた。 体が......熱い。 「捕まえた捕まえたっと」 「くそっ、離せ!」 「せっかく捕まえたのに逃がすわけないだろ? それにお前は質が高そうだ」 「はぁ? 何言ってーー」 その時、俺は自分が見たものに言葉を失った。 怪物の背後に、俺と同じように捕まった男が何人もいた。 そして全員......下半身に何も穿いておらず 己のイチモツを脈が浮き出るほどにぴんと勃たせて、白い液体を付着させて、情け無い喘ぎ声を漏らしていた。 「何だ......これ」 「心配するなよ、お前もすぐあぁなる」 あぁなる。 それが、あの男達の事を意味しているのはすぐに理解できた。 あぁ、マズイ。 熱い、身体が熱い! 俺のイチモツまで、ジーパンの中で元気になってきやがった。 「ど、どうしてっ」 「どうして? へへっ。教えてやるよ」 俺の顔の前に、紫の布がプカプカとやってくる。 「この布には媚薬が染み込ませてある。それもウィル様特製のな。これがお前達の肌に触れただけで、お前らのここはビンビンになる」 「あぁ!」 俺の高く張った股間を怪物は指で突く。 今まで感じたことのない衝撃に、思わず声が漏れた......。くそッ。 「さぁて、ご開帳といくか」 怪物は手慣れた様子でベルトを外し、一気にジーパンをずり下げる。 ギンギンに張り詰める俺のモノを 布に黒いシミを作り出しているそれを見て 怪物がニヤリと笑ったのが分かった。 「こりゃ上質だ。ウィル様もきっと喜ぶぞ〜」 毒々しい布が俺の両腿に巻きつく。 「あっ⁉︎」 気持ち良い......。 気持ち良すぎる。 多少の振動だけで、イチモツの先っぽから更に我慢汁が溢れ出した。 「まだイかないの? 皆これでイッたのになぁ。やっぱりお前のは上質なんだな」 ......上質? こいつまさか、精液の事を言ってんのか? そんなもん、どうしようっていうんだ......。 「さてさて、これも脱いでねっと」 パンツも脱がされ。その反動でイチモツがぶるんと揺れる。 「おぉ、大きい大きい。いいねぇ」 こんなに張り詰めた自分のチンコ...... 今まで見たことねぇ。 友達にもデケェデケェって言われてきたそれは ヘソまで張り詰めて、シャツにも黒いシミを作り出す。 「ぁ......」 「気持ちいいだろう。イッていいぞ」 息が荒くなって、いつもより上下する視界に映り込んだ紫の布。 それが何の迷いもなく俺のイチモツに巻きついた。 「あぁぁぁぁッーーー‼︎‼︎」 何の躊躇いもなかった。 いや、我慢することなんて考えなかった。 化け物の前でどれだけ叫ぼうが どれだけ射精しようが、どうでもよかった。 『キモチイイ』 ただその一言が俺の頭の中を埋め尽くした。 「出た! いっぱい出たぜ!」 腰がガクガクと震えて、大量に吐き出した先っぽからはまだまだトロトロと漏れ出ている。 「あぁ......ぁ」 「こりゃすげぇ、もっとだ!もっと出しやがれ!」 「なっ!」 俺のイチモツを締め付けていた布がもっとキツくなる。 「かはッ! やめ......」 イッたばかりで敏感なそれを、布は容赦なく締めつける。 痛い......のに、キモチイイ。 何だこの感覚。 やべぇ......今さっき出したはずなのに また興奮してきた。 何で......? 「心配すんなぁ〜、媚薬のおかげでまだまだ出せるはずだぁ」 「や...めて......」 「何言ってんだ、ホントはもっと出したいだろうに」 ダメだ 意識が飛びそうだ。 さっきまでチンコに感じてた痛みが もう快感に変わってる。 いっそ ......もうこのまま、イッちゃえばーー。 「うぎゃあ!!」 気味の悪い声が聞こえた瞬間 背中に鈍い痛みが走った。 イッテェ...... 感じていた快感 頭にかかっていたモヤが背中に感じた痛みで掻き消された。 「大丈夫か?」 「え?」 顔を上げると、俺を見つめていたのはプラスチックの......マスク。 青を基調としたマスクと これまた全身青で、体にピッタリ張り付いているスーツ。 浮き出る筋肉は、今まできついトレーニングをしてきた証。 そう、それはまるで...... 子供の時に見ていた戦隊モノのヒーローまんまだった。 「悪いな、背中を打っただろ?」 「え、あ、いや大丈夫...です」 「そうか、よかった」 「おい蓮! サボってんじゃねぇぞ!」 「今行く!」 青いスーツに身を包んだその人は怪物の下へ躊躇なく向かっていく。 他にも緑、黒、黄色のスーツを着た奴らがあの怪物と戦っている。 何だよこれ......本当に戦隊モノじゃないか。 ・ ・ そこからは一方的だった。 駆けつけてきた4人のヒーローは 華麗な連携技で布野郎を圧倒、そして撃破してしまった。 「よし、終わったぜ!」 「何偉そうなこと言ってんの涼くん。全然動いてなかったでしょ」 「奏多ぁ、お前年上にそういうことーー」 「事実だろ。認めろよ」 「で、でも蓮お前だって」 「蓮は頑張ってたよ?」 「育也ぁ、お前までェ」 「それより、被害者の保護が先だ」 それまで仲良さそうに話していた4人が、青い奴の一言でキビキビと動き出す。 青い奴は俺の下に来ると、すかさず手を差し出した。 「立てるか?」 「あ、ありがとう」 自力では立ち上がることができず、ほぼ引っ張り上げてもらう。 そして「これ」と言ってジーパンを差し出してきた。 「早く下を履いたほうがいい」 「え」 そうだ 俺 イッて、そのまんまだった......。 「うわぁぁ!す、すいません!」 「いや、仕方ないことだから......」 慌ててパンツとジーパンを履いて前を見ると 青い奴は何か1人でぶつぶつと喋っていた。 「はい。今から被害者をそちらへ連れて行きます」 「蓮、こっちは準備できたぜ」 黒いスーツを着た男が、青い奴の隣に来る。 蓮......青い奴は蓮っていうのか。 「悪いが君にもついてきてもらいたい」 「へ? どこに」 「被害者を俺たちの基地まで連れて行き、記憶を消去して書き換える」 「記憶を、書き換える?」 「あぁ。普通なら被害者は気を失っているんだけど......君はほら、意識がある。君にとっても、こんな記憶はなくなった方が良いと思うんだけど」 そりゃ......ごもっともな意見だ。 こんな記憶......ない方が良い。 「あ、じゃあ...連れてってください」 「分かった。動かないでくれよ」 その言葉を待っていたみたいに、黄色と緑が他の気絶している被害者を俺たちの周りに連れてくる。 「では転送を開始する」 蓮が呟いた瞬間、地面が青く光り出し そしてその光が俺の視界を一瞬にして覆い尽くした。 「う......え?」 光が収まり、やっと目を開けられるようになって辺りを見回してみると そこはさっきまでいた街中ではなかった。 どこかの室内なのだろうか? 銀一色の壁と天井、そして大人1人が横になれるベッドが10台以上、規則的に並んでいる。 「ここは?」 「さっきも言っただろ? 俺たちの基地だ」 「基地って......」 『みんなおかえりぃ〜! 待ってたわよぉ〜』 うわっ、何だこの声......。 口調は女なのに ......声は完全におっさんだ。 「あと任せたぜー」 黒い奴が、肩を揉みながら部屋を出て行こうとする。 「あ! 涼くん逃げんなよ!」 『ちょっと待って〜』 あのオカマの声が、室内に響く。 『ねぇ、蓮くん。そこの起きてる被害者の子だけど......』 「は?」 蓮が俺を見る。 俺も急に呼ばれて、目の前のマスクを見ることしかできない。 『支部長室までつれてきてくれる? 私も行くから』 「いや、それはどういう意味でーー」 『いいから連れてきて! 待ってるわよぉ〜!』 「はぁ......ったく。そういうことだ、ついてきてもらえるか」 「はぁ...」 「そういうわけだ涼。お前は育也達を手伝え」 「ちぇー」 そして 言われるがまま、連れて行かれるがまま 俺は青い奴のあとについていく。 『支部長室』と書かれた扉の前で立ち止まり ノックをして返事が返ってくると、すぐに扉を開けた。 「待ってたわよぉ〜」 「うわ」 ケバい...... とにかくケバいとしか言えない 何なんだあの化粧は? もう原型がないじゃないか...! 「やだ僕ちゃん、私に惚れてしまったのね」 「いやいやいやいや‼︎」 全力で首を振ると、オカマさんは残念そうに微笑むだけだった。 「それより物隙博士、一体どういう用件でこの人を?」 「あぁ、それはね......」 博士? このオカマさん結構すごい人なのか? 「それについては私が話そう」 物隙博士の二の句を継いだのは 執務机の奥...... 黒革の椅子に座っている老人だった。 「初めまして、君の名前は何というのかな?」 一体誰に聞いているのか、最初は分からなかったが 自分に聞かれているのだと気づいて慌てて名を名乗った。 「い、一ノ瀬蒼汰です」 「ふむ、一ノ瀬君か。初めまして、私は大山。こちらが物隙博士。そして君の隣にいるのが二宮君だ。二宮君、もう変身は解いたらどうだい?」 「あぁ、そうですね」 青い奴がそう呟いた直後、彼の体が淡い光に包まれる。 次の瞬間にはスーツが消え、普通の姿になった。 「...初めまして、二宮蓮です」 「......あぁぁっ!!」 嘘だろ。 目の前にいるのは 俺を救ったのは...... 『この消しゴム使って』 俺を昔助けてくれたあの人だった。 ・ ・ 「......二宮君とは知り合いか?」 「いえ、そのはずはないのですが」 「あぁいや、何でもないです......」 「まぁいい。君に提案したいことがあるんだ」 「提案?」 「君もその身をもって体験したと聞いた。あの怪物達のことだ」 「あぁ......」 「奴らはエデンと呼ばれる組織の手先でね、信じられないかもしれないが奴らは若い男性の精液、とりわけ顔の良いもの達の精液を集めている」 ...確かにあの布の化け物も同じようなことを言ってた。 もう大山さんが言ってることを疑う気力は俺には残ってないし 何より疑うという行為自体が今はダメな気がする。 「そして我々はエデンに対抗するべく設立された組織、ガーディアンオブアース...略してG.O.Eだ」 「......はぁ」 「あまり信用できてないようだね。まぁ無理はない。だが君は理解しているはずだ。何せ、その身を持って味わったのだから」 「確かにそうですけど、でも俺にそんな話をしてどうするつもりなんですか?」 大山さんが微かに微笑む。 どうしてだろうか...... その笑みに、若干の恐怖を覚えた。 「本題はそれだ。我々は彼らに対抗するため、数人のヒーローを作り出した。それが君を救った二宮君達なんだが」 ヒーロー? やっぱヒーローなのか。 「君にもその一員になってもらいたい」 「はぁ⁉︎」 「はぁ⁉︎」 俺が叫ぶと同時に、蓮も叫んでいた。 お互いに顔を見合わせ、そして大山さんを見る。 「君の中にある才能を、こちらの物隙博士が見抜いた。実際に五条君......あぁ、黄色いスーツの子をスカウトしたのも彼なんだ」 「彼女、ですよ支部長♩」 「......おっほん。ともかくだ。君には才能がある。ぜひ我々に協力してもらいたい」 ......嫌かどうかと言われれば 嫌ではなかった。 俺は昔からヒーローってものに憧れていて 自分で言うのもなんだけど、正義感は人一倍強くて そのせいか将来の夢は警察官だ。 親にどうしてもと言われて大学に行ったけど 本当は高校を卒業してすぐにでも入りたかったんだ。 ......でも この選択は間違っていなかったのかもしれない。 だって...... 幼い頃に憧れた あのヒーローになれるっていうんだから。 断る理由は ......少なくとも、今の俺にはなかった。 「俺でよければ、お願いします」


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