G.O.E 〜第9話 【抗えない快楽】〜
Added 2020-10-02 11:41:03 +0000 UTC「それで、エナジーはどれだけ集まった?」 腕を組んで眼前に広がる奇妙な光景を見つめながら、ライトは背後で跪く怪人に尋ねた。 「レフト様ほどではございませんが、前年に集めたエナジーは超えました。このままエナジーの回収を続けるつもりです」 「......だが一般人ばかりだな」 ライトのその言葉を聞いた怪人は、少しの間硬直し...恐る恐る口を開いた。 「そ、それは......G.O.Eのヒーロー達を捕らえろという事ですか?」 「貴様にできるならな。無理にとは言わん」 「はぁ......」 正直言って奴らに勝てるとは思えない。 怪人はライトに見えないように眉間をシワに寄せて、ため息をついた。 自分が何故男達を誘拐し、こんなにもチマチマとエナジーを集めているのか...... それは臆病だったからだ。 自信もない。1対5になれば、必ず負けてしまうと理解している怪人はどうしたものかと頭を悩ませた。 ......しかし、そんな彼の脳裏に 1人の男の姿が浮かんだ。 「そういえば、1人だけ良いカモがいました」 「カモ?」 「えぇ。まずは奴から捕らえてみせます」 あの男なら...... 『あぁ‼︎当たって......るぅ......』 『もっとッ、もっと動かしてッ!』 随分前に直接犯してやったあの男なら...... ・ 部下の浮かべる気味の悪いに笑みに嫌悪感を示しながらも、ライトは頷いて立ち上がった。 去ろうとする彼の背中に、慌てた声で怪人が声をかけた。 「何だ?」 「いえ、その......戦闘になった時の事を考えて、新たな武器を頂けないかと」 「武器......。分かった、持ってこよう」 「ありがとうございます」 ーー武器ぐらいならば、俺の瘴気で作れるだろう。 そんな事を考えながら、ライトは薄暗い通路を歩く。 レフトの死......。 それはウィル様に大きな影響を与えた。 奴の死、自体が問題ではない。 命を糧にし強化した部下が、G.O.Eのヒーローにやられた事が問題だった。 ......倒したのはガーディアンレッド。 「ふふっ......」 溢れる笑みを抑えきれず、通路に笑い声が不気味に響いていく。 さすが俺が見込んだだけはある。 再び相見えるのが楽しくなってきた。 制帽の下......白髪の隙間から覗く瞳には子供のように無邪気な光が宿り、秀麗な口元はいびつに歪められた。 奴がレッドを捕らえてきたら ......その時は、2人だけで殺し合いをするとしよう。 ** 「ハァッ......ハァッ...!」 薄暗い部屋で...キングサイズのベッドを軋ませながら2人の男が濃密に絡み合っていた。 「良い具合に締まってるよッ......」 男の股を開き、上から覆いかぶさり腰を全力で動かず浅黒い肌の男が、手の甲で額の汗を拭いながら爽やかに笑った。 「......んッ...もっと、もっと速く......ッ」 「えぇ、もっと? 相変わらずキッツイな涼くん」 涼の止まらぬ欲求を抑えるため、貪るように口づけを交わしながら男は腰の動きをさらに速める。 一方涼はその顔に笑みを浮かべて、男のイチモツがより奥に当たるように腰をくねらせる。 今の涼の頭の中は、ケツの疼きを消すために快楽を感じることだけがすべてだった。 ・ 前回怪人に襲われて以降、ケツの疼きに悩まされていた涼は風俗店に通うようになった。 それも女性が相手をしてくれるものではなく......端正な顔立ち、ほどよい筋肉のついた若い男達が快楽を与えてくれる場所である。 涼が求めたのはもちろん己のケツを掘ってもらうことであり、あの事件以降足しげくこの風俗店を利用しているのだ。 ・ 浅黒い肌と...... 水泳をしているとは思えない涼の白い肌がぶつかり合う。 パンパンッ...と乾いた音を鳴らしながら、2人は絶頂へ向けて快楽をむさぼり食らう。 「ほら、涼くん自分のシゴいて」 男に手を握られ、カチカチに勃ち上がった自分の肉棒に持っていかされる。 「掘られただけでこんなに硬くしちゃって。こんなにカッコいいのに変態だね涼くんは」 男の言葉が聞こえているのか、いないのか......。 涼はだらしなく口を開いたまま、喘ぎ声を漏らしながら一心不乱に肉棒をシゴいている。 男はそれを見てニヤリと笑い、己の動きに全神経を集中させた。 「アッ...アッ...! アァ......キモチイィ...ッ」 涼の後孔から聞こえるのはグチュグチュという淫らな音。 イチモツを握る涼の手は既に鈴口から溢れる液体に濡れ、6つに割れた腹筋は絶頂の近さを知らせるが如くへこんでいく。 「イクよ涼くん......ッ」 「うッ......うんッ」 腰の動きが最速になり、軋む音が大きくなる。 男の口から小さな喘ぎ声が聞こえて数秒後......大きく息を吐きながら腰の動きを止めて、首を仰け反らせる。 視線を涼に向けると、いつの間にか彼の腹筋には大量の精液がぶちまけられていて...... 男はそれを指ですくってペロリとひと舐めしてからイチモツを抜き、涼の隣に寝転んだ。 「気持ち良かった?」 「......うん」 胸を上下させながら余韻に浸る涼の耳元に近づいて、男は優しく囁く。 「また来てね、涼くんが来るの俺も楽しみなんだ」 「......あぁ。また来るよ」 ......望まずして知った快楽ではあったが、涼は既にそれの虜になってしまっていた。 抗えない快楽への欲求は彼の性癖さえ変化させた。 もう元に戻ることはできない。 ......だがそれで良かった。 ケツにチンコを突っ込まれてる間は快楽が全てを忘れさせてくれる。 変わってしまった自分について考えることを恐れ 涼は全てを快楽で塗りつぶすことを選んだのだ......。[newpage] レフトとの戦いから数日後......5人は博士からの電話で基地へと集められていた。 内容は行方不明になった男性達の情報収集と捜索。 行方不明者のリストと顔写真を手渡され、最後の目撃情報が多かった新宿近辺を探すことになった。 ・ 「そうだ奏多くん」 基地を出発する前、何故か奏多だけが博士から声をかけられた。 「あなたは2丁目入っちゃダメよ」 「2丁目⁉︎ は、入らないよ‼︎」 「うーん......心配だわ。誰か一緒に行動してあげて」 「ちょ、博士ッ! 子供扱いしないでよぉ」 5人の中では1番年下ということもあるのか、奏多はよく子供扱いされやすい。 高校生だからもうしっかりしてるってのは分かってるんだけど......なんだろ。 弟を心配する兄の気持ちっていうか......。 まぁ、涼なんかは単純にイジってるだけっぽいけど。 「僕が奏多くんと一緒に行きますから。ならいいですよね?」 「育也くんなら......大丈夫そうね」 心配そうに頷く博士。 不満そうに口を尖らせる奏多の頬を、涼が両手で突然引っ張った。 「いたっ、痛い!」 「奏多きゅんは育也お兄ちゃんの側離れちゃダメだぞ」 「やめてよ涼くんッ」 手を振り払われても、意地悪な笑みを浮かべながら涼は奏多の頭をポンポンと叩く。 「危ない所は俺が調べといてやるから」 「涼くんは心配してくれてるんだよ。奏多くんが危ない目に遭わないように」 「育也の言う通りだぜ。俺はお前の事を心配してやってんの」 「......いいよ心配しなくて」 「涼、それぐらいにしろ」 3人の間に蓮が割って入って、涼の肩を軽く押した。 「怒んなって、分かったから」 3人のこのやりとりは今までにも何回か見てきてる。 涼が奏多を小馬鹿にして、育也が間に入る......。 俺が何回も見てるんだから...蓮は見飽きてるに違いない。 表情に若干の苛立ちを募らせながら、涼がミーティングルームを出て行くのを見送り ため息をつきながら蓮は俺を見た。 「行くぞ一ノ瀬」 ・ ......そういえば最近気づいたんだけど 蓮は何故か俺のことを皆の前では苗字で呼ぶ。 2人きりの時は名前で呼んでくれるんだけど......なんでなんだろうな。 訊くにもなんか気まずいっていうか......わざわざ訊くことじゃないっていうか...。 嫌われてるわけではなさそうだし、俺も気にしないようにはしてるんだけど ふとした瞬間に『一ノ瀬』って呼ばれると、なんか変な気分になるんだよなぁ......。 ・ ・ ・ ・ ・ 「全然手がかりないね」 朝から探して昼過ぎになっても、これといった情報は集まらなかった。 お腹も空いてきたので、育也くんと俺は休憩がてらにファストフード店で昼ごはんを食べることにした。 「蓮くん達からは何か連絡あった?」 「ううん。特にないみたい」 俺と育也くん、涼くんの3人は新宿で行方不明者の捜索。 蒼汰くんと蓮くんが行方不明者の親しかった人達から話を聞いてまわってる。 ......だけど、どっちも成果は得られてない。 「涼くんからも......連絡はないね」 携帯を確認しながら、育也くんが呟く。 「ふぅん......」 「涼くんのことまだ怒ってるの?」 俺の無愛想な反応が気になったのか、育也くんは携帯をしまって訊いてきた。 手に持っていたカップを置いて俺は首を振った。 「怒ってないよ、いつものことだし。......でも」 「でも?」 「なんか......涼くん少し変っていうか」 「変?」 「最近ちょっと変だと思わない? 俺のことイジるのは変わらないけど......なんか、無理におちゃらけてるっていうか」 「おちゃらけてる...ね。元々涼くんはそんな感じだけど」 「そうなんだけど、最近は無理にそうしてる気がするんだ」 ポテトを1つ掴んではみたものの、何故か手が上に動かない。 涼くんに感じるこの違和感が何なのか......それが俺の心を掻き乱してる。 「何かに悩んでたりしてるのかな」 「そこまでは分からないけど」 ......これが俺のただの思い過ごしならいいんだ。 イジられるのは好きじゃないけど......涼くんに悩んでる姿は似合わないから。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ そもそもこの作戦には無理があったんだ。 俺たち5人だけで行方不明者を見つけられるわけがない。 博士が言うには...この前襲ってきたレフトの時の被害者、目撃者が多すぎて隠蔽工作に大量の職員を割いてるんだとか。 まぁ確かにあの時は今までで1番の被害だったから納得できるんだけどさーー 「...にしても無理があるよなぁ」 喫茶店で買ったマンゴーフラペチーノを飲みながら俺は1人呟いた。 ベンチに腰掛けて束の間の休憩を取りながら、俺はしまっていた紙を取り出した。 行方不明者達が最後にいたとされる場所を育也達と手分けして当たってみたものの、誰に聞いても大した情報は手に入らない。 とりあえず半分は調べ終わったからこうやって休憩してるわけだけど この後もどうせ何も見つからないのかと思うと多少憂鬱だった。 ・ 「......んッ」 おかしい。 ここに来てからなんでかケツが疼いて仕方がない。 この前店に行ったからしばらくは大丈夫なはずなのに......ジンジンとした熱が下半身で渦巻いている。 ーーダメだ。 この熱を感じると、考えたくないことを考えちまう。 ......前までは女が好きだったのに、今は男にしか目がいかない。 でも、女が嫌いになったわけじゃない。 動画を見れば興奮するし、チンコもちゃんと勃つ。 けど...イくことができない。 俺がおかしくなったのか、元々おかしかったのか......。 自分の身に起きた変化を素直に受け入れることができなかった。 ......でもケツの疼きには抗えない。 これを忘れるには、あの店に行くしかない。 だけど今は行けないし、そもそも昼間に行くってのは罪悪感を感じる。 だからどうにかして気を紛らわさないとーー ・ 「ちょっと涼くん」 誰かに呼ばれて振り返ると、奏多が1人で立っていた。 「奏多......」 「何サボってんの?」 「サボってねぇよ。休憩してただけだって」 「もうこっちは全部調べ終わったんだけど」 「マジか?」 「マジだよぉ」 ため息をついてから呆れる奏多の背後に、育也がやってくる。 俺は立ち上がって手に持っていた紙を差し出した。 「よし、3人で調べればすぐ終わるな」 ......ちょうどよかった。 これなら何とか疼きを紛らせそうだ。 ** 朝から活動を始めて今の時間は夜の7時。 蓮くん達から連絡をもらったのは、すべての場所を調べ終えて休憩している時だった。 どうやら蓮くん達も行方不明者どころか、彼らに繋がる情報すら手に入れることができなかったらしい。 今日の成果を物隙博士に報告したところ、もう解散していいといわれたので俺達に連絡してきてくれたんだ。 解散のことを伝えると、涼くんは待ってたと言わんばかりにベンチから立ち上がった。 「じゃあ俺......用があるから」 涼くんはそれだけ言うと足早に去っていこうとする。 ......やっぱり変だ。 何がって言われればよく分からないけど 去っていく涼くんの背中を見ていたら...俺の中の不安が一気に大きくなって 何も考えずただ彼の背中に声をかけた。 「涼くんっ」 振り返った涼くんは、困ったように眉を上げて俺を見る。 「...な、なんだよ?」 「何か...悩み事でもあるの? 俺でよかったら話し相手ぐらいにはーー」 「......ありがとよ奏多」 小さく笑って 涼くんは俺に手を振る。 「でも別に悩んでねぇから。じゃあな」 ......まただ。 涼くんは笑ってた。 けどそれはいつもの笑顔じゃなかった。 引きつったみたいに下手くそな笑みは......俺の中の不安を増大させただけだった。 「行っちゃったね」 育也くんが隣に立って呟く。 「......うん」 子供扱いされるのは嫌だけど こんな時に何も出来ない自分は......力の無い子供と一緒のようで惨めだった。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 俺が通っている店は、薄暗い路地の奥......錆びた扉の中でひっそりとやっている。 そこに気づいたのは偶然だったが、何故か惹かれた俺は足繁く通うようになった。 扉を開けて中に入ると、いつもなら受付に立っているはずの若いボーイさんがおらず 中でしばらく待ってみても誰かが出てくることはなかった。 ......ていうか、人の気配が全く感じられない。 店は確かにやっているはずなのに、一体どうなってるんだ? ーーッ⁉︎ 「これは...?」 背筋を走る一瞬の悪寒。 久しぶりに感じた感覚だった。 まさかこの中に......怪人がいるってのか? 「タイミング悪りぃな」 店の奥に駆け込んで、怪人の気配を感じる場所へ向かう。 「どこだよ...ッ」 こっちは何時間も......疼きに耐えてたんだ。 怪人なんかに時間を取られたくない..。 扉を片っ端から開けて、部屋の中を確認する。 だが怪人の姿は見当たらない。 そして次の部屋の前に立った瞬間、感じたのはより濃い怪人の気配。 「......ここか」 ドアノブに手をかけ、一気に押し開く。 中にいたのはーー。 ・ 「よぉ、久しぶりだな」 扉を開けた瞬間感じたのは甘ったるい匂い。 部屋を端から見渡し、そして目に入ったのは......あの怪人だった。 『良い声を出すじゃないか』 『......この淫乱野郎が』 あの時の......ホテルでの記憶が俺の脳裏に一瞬にして蘇った。 ベッドの前に立ち、前と変わらぬ迷彩服を着ているそいつは俺を見てニヤリと笑った。 「どうして......お前が?」 「どうして? そんな事考えるなよ。お前は気持ち良くなりたいんだろ?」 怪人はゆっくりと踏み出し、俺に近づいてくる。 「な、何言ってーー」 「いいから来いよ、ベッドに横になれ」 ......怪人の言いなりになるなんてありえない。 なのに......腕を掴まれて、耳元で囁かれても拒絶することができなかった。 腕を引っ張られると、足が勝手に前に出る。 ......俺の...俺の身体は今でも覚えてるんだ。 奴の姿を見ただけで身体が芯から熱くなってきて、呼吸が苦しくなってきた。 『駄目だ』 頭の片隅にあるなけなしの理性が俺を呼び止める。 ......だけど、それでも俺の歩みは止まらない。 怪人は俺の腕を強く引いて、ベッドの上に無造作に放り投げた。 「あ......ッ」 バウンドする俺の上に素早く怪人は跨り、俺の両腕を抑えつけながら顔を近づけた。 「何をためらってる? あの時はあんなに快楽に素直だったじゃないか」 「や、やめ...ろ」 「何をだ?」 下卑な笑み浮かべて、怪人は俺のシャツの襟に手をかける。 指先にグッと力を込めると、シャツを横に引っ張って破いてしまった。 「おい......ッ」 「黙ってろ」 「うぁ...ぉぉ...ん......ッ」 口の中に指を突っ込まれて、もう1つの手で怪人は曝け出された俺の上半身を弄ぶ。 乳首を摘まれ、乳輪の周りを撫でられる。 手は次第にゆっくりと下がっていき、腹筋や脇腹を触れるか触れないかのソフトなタッチで刺激していく。 「か......ぁッ」 「前戯は別にいらないだろ? 分かってるぜ」 乳首を弄られただけで......いや、これからされる事を想像するだけで勃起した俺の肉棒を怪人は布越しに強く握る。 「脱がしてやるよ」 相変わらず口に指は突っ込まれたまま、ベルトを外す音が聞こえる。 パンツを膝までずり下げられ、外気に晒された肉棒がピクピクと震えるのが分かる。 「...ったく、もうグチョグチョじゃねえか」 「あぁぁぁッ‼︎」 亀頭に手の平を押しつけられ、執拗に擦られる。 しかし巻き起こる痛みはすぐに快楽に塗り替えられて、意識が徐々に蕩け始める。 「......思った以上だな」 着ていた服はすべて脱がされて、ベッドの中央まで運ばれると、怪人は俺の股を開いてその間に膝をついた。 俺の唾液で粘ついた指を俺の後孔に押し当て、何回か擦り付けると一気に押し込んだ。 感じる厚さからしておそらく3本の指を......俺のケツは何事もなく飲み込んでいく。 「おいおい、前はあんなにキツかったのによぉ。お前......一体ここで何人の男にこのケツ掘られてきたんだよっ!」 「んッ!」 ケツを叩かれ、乾いた音が部屋に響く。 おそらく根元まで飲み込んだであろう怪人の指は、腸壁をめちゃくちゃに引っ掻きまわし ......そしてあの場所を見つける。 触れた瞬間に発生した快楽は一気に全身に広がり、俺の脳みそを溶かしていく。 「......ァ」 俺のあげた嬌声を怪人は鼻で笑い、指を引き抜く。 熱い......。 アツイ......。 頭がボーッとする。 何も考えられない......いや、考えたくない。 こいつが怪人とかもうどうでもいい。 もう一度......あのぶっといチンコで俺のケツの中をかき乱して欲しい......ッ! もう一度、俺をあの快楽の中へ堕としてほしい......ッ‼︎ 「はやく......いれてっ...!」 「はっ......やっぱお前はとんでもない淫乱野郎だな」 ......あぁ。 もう何言ってるのかわかんない。 ベルトを外すカチャカチャという音が聞こえ、両足を持ち上げられて怪人の肩に乗せられる。 ケツの穴に熱を持った何かが押し当てられ、そして間を置かずググッと侵入してきた。 「ハァァ......ァ...ァッ」 「せいぜい楽しめ。これが最後のセックスになる」 「喋らないでッ......はやく動かしてッ」 言葉なんて......もう理解できなかった。 ベラベラ喋られるよりもさっさと腰を動かして欲しかった。 「......ふん、ワガママだな」 俺の中で静かにしていた肉棒がゆっくりと動き出し、腰に感じる律動が大きくなっていく。 体内の肉が押し開かれる感覚...... 痺れるような快楽が迸り、怪人の肉棒は最奥までたどり着く。 あの場所に先端が擦れただけで...息が止まるような衝撃が襲った。 「ァ......っ、んぅ...!」 俺のピンと勃った乳首を指先で弄りながら、抜き挿しされる怪人の肉棒による快楽は一瞬で俺を染め上げて...... 股間に感じる熱が急激に高まったと思った瞬間ーー顎先に何かが当たったのを感じた。 首...次に胸...そして腹筋。 温かい何かが......俺の身体に付着する。 「おいおい、もうイッちまったのか?」 微かに聞き取れたのは『イッちまった』だけ。 だけどその言葉で、俺は射精したんだと気づいた。 何とか視線を下半身に向けると...... 俺の肉棒はビクビクと震えながら、先端から白濁液が漏れ出ていた。 扱かれてもいないのに......俺はケツを掘られただけで精液を吐き出してしまった。 「まぁいいや。出すだけ出しちまえ」 射精した俺の肉棒が萎えることはなく、むしろさっきよりも硬く怒張する。 だがそれに反して俺の意識はどんどん混濁していき...... 勢いよくケツを突き上げられた瞬間、俺の視界は暗く暗転した。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ あれから数時間...... 怪人に掘られ続けた涼は意識を失い、濁った瞳には天井しか映していなかった。 怪人もようやく満足したのか、萎えかけのイチモツを抜いてズボンを穿き、ベッドの傍らに立って涼に顔を近づける。 ......どれだけ顔を近づけても、涼が反応することはない。 「良いケツだったぜ」 その呟きに答える者はいない。 怪人は涼を両腕で抱きかかえると、足早に部屋を出て行った。 ** 基地に至急集まるようにと博士から連絡を受けたのは、夜の7時過ぎのことだった。 電話越しに聞こえた声色はかなり切羽詰ったもので、俺は急いで基地へと向かった。 博士の研究室に入ると、中にいたのは博士と涼以外の3人だけ。 「蒼汰くんが来たわね。始めるわ」 まだ涼は来ていないのに、博士は機械を弄りながら俺達を呼び出した目的を話し始めた。 ・ 「......涼が事件に巻き込まれた?」 「えぇ、おそらくね」 「でも博士はどうやってそれを知ったんですか?」 俺達に背中を向けたまま、博士は右手を挙げて人差し指を立てる。 「良い質問ね」 振り返った博士は、「この画面を見てちょうだい」と俺達を機械の前に集める。 画面に映っていたのはどこかの見取り図、そして4つの赤い点だった。 「これって......」 「この4つの点はあなた達よ」 「俺ら?」 「あなた達が穿いている競泳パンツには特殊なチップが埋め込まれていてね、それで居場所が分かるようになってるの。GPSみたいなものよ」 「......じゃあ涼は今どこに?」 俺が訊くと、博士は再び機械を操作する。 画面が変わり映し出されたのは別の場所。 そこにポツンと赤い点が1つだけ示されていた。 「涼くんは今新宿にいる。調べてみたら、昨日の19時からずっとここにいるの」 それを聞いた奏多が、腕を組みながら険しい顔をした。 「あぁ......その、涼くんってよく女の人と遊ぶけど...そういうことだったりしない?」 博士はそれを聞いて小さく微笑む。 「普通はそんな長くできないわ。特殊なプレイ以外はね」 博士の言う通りだ。 もし昨日からやってるのだとしたら......涼は相当な絶倫ってことになるけど。 「この場所から考えても、きっとここが怪人の隠れ家なのよ。皆で今から向かってちょうだい」 「分かりました」 ......涼が負ける相手だ。かなり手強い怪人に違いない。 俺達の間にピリッとした緊張感が流れる。 涼の正確な居場所を教えてもらい、俺達は急いでそこへ向かった。 ・ ・ ・ ・ ......意識だけが覚醒した。 目は開けられないが、確かに俺は起きている。 「ん......ッ」 ケツの中で何かが蠢いている......硬く大きい何かがその身を震わせながら、俺に快楽を与える。 重い瞼をゆっくりと開いて、自分の今の状況を確認した。 何か柔らかいものの上に寝かされている俺は素っ裸で、ケツにピンク色のディルドを入れられていた。 「あぁ......くそ...ッ」 痛いほどに張り詰めた自身の肉棒は、壊れた蛇口のように透明な液体を出し続けている。 不意に足音が聞こえそっちに視線を向けると、あの怪人がその手に謎の機械を持って俺の前で立ち止まった。 「ようやく目を覚ましたか」 膝をつき、機械を床に置いて怪人は俺の肉棒に触れる。 片手で掴むと、もう一方の手で機械を持ち上げた。 「なに......するつもりだ...よ」 「これは搾精機だ。これでお前達のエナジーを回収する」 これだけ近距離にいれば、こんな奴すぐに倒せるのに ......ケツのディルドが、俺の身体の自由を奪っていた。 「...このケツの......ものを...取ってくれ」 「何言ってんだ。これは俺からの情けだぜ?」 取ってくれ、というのはヒーローとしての言葉だった。 ......俺自身としては、そのままにしておいて欲しかった。 だけどそれではダメだと俺の中の何かが告げる。 ここでまた快楽に堕ちてしまえば......俺は人として大事な何かを失う、と。 だが、俺の思考を遮るようにチンコに機械が被せられる 吸いつくような感覚がしたと思ったら、中は次第に液体で満たされていった。 おそらく媚薬のようなものなのだろう......。 数秒すると、何も考えられなくなるほどの強烈な快楽が俺を包み込んだ。 「ぁぁ......ハァッ...! 外して......くれ...ッ」 「悪いね、これも俺の仕事なんだ」 怪人が立ち去っていくのを見つめながら、何とか逃げれないか考えようとしても...... ケツで振動するディルドと...チンコを刺激する搾精機がそれを許さない。 無様に身体を震わせるだけで、もう俺にはどうすることも出来なかった......。 ・ ・ ・ ・ ・ 『ヒーローを捕らえた』 新たな武器を渡しにやってきた俺に部下はそう告げた。 何の期待もしていなかっただけに...俺は驚きを隠せなかった。 捕らえた人間達を収容している空間に向かい、部下の後についていく。 「んッ......」 「ぁ......あッ!」 ......捕らえた人間達は全員この空間にいる。 柔らかなビーズの詰まったクッションの上で死んだように全裸で横になり 股間部分には媚薬とローションを常に循環させる機械が取り付けてある。 逃げようと思えば機械を壊して逃げることもできるが......男達の頭にその考えが浮かぶことはない。 ウィル様の力によって作られる媚薬は人間達が使うものとは違う。 一瞬肌に触れただけで動けなくなるというのに......長時間浴びてしまえばほとんど廃人と化す。 うわ言のように喘ぎ声を漏らし、永遠の快楽にその身を委ねるようになるのだ。 それは、ヒーローとて同じ。 普通の人間より耐性はあるかもしれないが、壊れる前に早く解放しなければ。 ......俺は全力の奴と戦いたいのだ。 ・ 機械から伸びるケーブルを踏まないように男達の間を歩き、部下は1人の男の前で足を止める。 「こいつです」 「......誰だこいつは」 「ガーディアンブラックです」 ......俺は馬鹿だ。 なぜこいつが捕らえるヒーローがレッドだと思い込んでいたのか。 よく考えれば、こいつごときに奴を捕らえられるはずがない。 「......そうか。だが何故こいつの尻には電動の張り型が挿入されているんだ?」 怪人は困ったように言葉を詰まらせ、手をバタバタと動かしながら俺に説明する。 「せめてもの情けといいますか......はい」 ......こいつが何を考えているのかは分からないが...もうどうでもいい。 「俺はもう行く」 おそらく奴らはこの場所に気づいて乗り込んでくるはずだ......レッドとは戦いたいが、他の奴らがいては興ざめだ。 どうせこいつは負ける。 新たな怪人の力でも考えることにしよう......。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 俺達がたどり着いたのは、路地裏にある錆びた扉の前だった。 「この中に涼くんが...?」 「多分ね」 奏多の独白に育也が答える。 「じゃあどうやって入る?」 「そんなの決まってるだろ」 俺は剣を手に持ち、錆びた扉を見つめる。 「はぁぁぁッ‼︎」 壁ごと強引に扉を切り裂き、足で思いきり蹴り飛ばすと、面白いぐらいにそれは吹っ飛んだ。 「おい、一ノ瀬ーーッ」 「どうせバレるんだ。最初から突っ込もう」 「ったく」 「いいじゃん、分かりやすいよ!」 奏多が一目散に中に入り、俺もそれに続く。 しかし、予想に反して中ではひと1人の姿さえ見つける事が出来なかった。 「誰もいないね」 「奥に部屋がある。調べるぞ」 警戒しながら蓮が奥へ進む。 いくつもある部屋を全員で手分けして探し始める。 少しすると、奏多が大声で俺達の事を呼んだ。 急いで向かうと、部屋の中には奏多1人......だがその手には黒い競パンがぶらさがっていた。 ......あれは涼のものだ。 「この服、涼くんが昨日着てたやつだよ」 床に散乱している服を指して奏多が呟く。 シャツは引き裂かれているようでよく分からないが、一緒にいた育也も頷いているんだ...間違いないだろう。 だけど、肝心の涼はどこだ? ここにいないとしたら、一体どこに......? 「......まだ調べてない扉が1つだけある。通路の1番奥だ。その先にいるかもしれない」 全員で部屋を出て通路を進む。 奥には蓮の言う通り、扉が1枚だけ存在していた。 「開けるぞ」 ドアノブに手をかけ、蓮がゆっくり開ける。 しかしその中は真っ暗で何も見えなかった。 「どうなってるんだろう」 「...俺が先に入る」 ここでジッとしてても意味はない。 蓮の視線を感じる気もするけど、無視して暗闇に近づいた。 まず左手を入れる。 普通に通り抜けた。何かに触れている感触はない。 ......何ビビってんだ、俺。 「よし!」 自らを鼓舞するために声を出し、一気に暗闇に飛び込む。 通り抜けた際に感じた奇妙な感覚。 しかしそれについて考えるより先に、俺の思考は目の前のことに奪われた。 「......何だよ、これ」 目の前に広がっているのは......今までに見たことのない異様な景色。 大勢の男性が大きなクッションの上で全裸で横になり、股間に謎の機械をつけられ喘いでいた。 あまりの衝撃に言葉を失っていると、蓮の声が背後の暗闇から聞こえた。 無事であることを伝え皆にも入ってきてもらうと、俺と同じように目の前の光景に衝撃を受けているようだった。 「これだけの数の人達が捕まってたなんて......」 「G.O.Eが把握していた数よりも多いな」 「助けなきゃーーッ」 「待て奏多」 動き出そうとする奏多を蓮が手で制す。 数歩前に出ると、振り返って俺達を見た。 「まずは涼を見つけよう。まだ動けるはずだ」 俺達は頷いて、手分けして涼を探し始める。 これだけの数だ。すぐには見つからないだろうと思っていたけど、意外にも涼をすぐに見つける事ができた。 他の被害者達はあまり動きを見せないけど、涼は捕まってすぐということもあったのか他より動きが大きく、遠目でもすぐに気づく事ができた。 全員で涼の下へ向かうと、他の人達と同じように全裸で股間に機械を取り付けられていて......何故か尻には電動式のディルドが差し込まれている。 他の人達にはない......涼だけだ。 「......お前...ら」 意識はまだある。 けど声は弱々しい。相当体力を削られているみたいだ......この様子だと俺達と一緒に動くのは無理そうだな。 「とりあえず、この機械を外さなきゃ」 奏多が涼に取り付けられた機械を掴み、上に引っ張る。 「あぁっ!」 涼が声を上げたのを見て、奏多は慌てて手を離した。 「ごめん! 痛かった?」 「ち......違う。引っ張られたら余計気持ち良いんだ。外すなら...ぁ、まずこの機械を止めてくれ」 肌には汗がうっすらと滲み、腹筋は何回もへこみ、涼は小さく何回も喘いでいる。 「止めるっていったって......」 機械を調べてみても、ボタンらしきものは見当たらない。 これを止めるには電気の元......機械につながるケーブルの先に行くしかない。 「よし、すぐにこの機械を止めてくる。それまで耐えてくれ涼」 「......あぁ」 ・ ケーブルが伸びる部屋の奥へ全員で向かう。 巨大な布で仕切られた更に奥へ向かうと、そこには見たこともない巨大な機械が設置されていた。 ......おそらく発電機。 これを止めれば、あの機械も止まるはずだ。 ーーしかし、そう簡単にいかないのは分かっていたことだ。 「邪魔はさせないぞ!」 発電機の裏から軍服姿の怪人が姿を現す。 大量の戦闘員を引き連れ......肩にはロケットランチャーらしき武器をぶら下げている。 「あいつ確か......」 「前に逃げられた怪人だ」 「こそこそ隠れてこんな事をーーッ!」 「こそこそして悪いか! これが俺のやり方だ!」 こいつ、開き直りやがって......! 「ここで負けるわけにはいかねぇ......やっとライト様から信頼を得られそうだってのに、失敗はできねぇんだよ!」 ライト......? この怪人はライトの部下なのか? ......いや、今はどうでもいいことだ。 とにかくこいつを倒さなきゃ。 「やっちまえお前らっ‼︎」 怪人の掛け声で、戦闘員達が一斉に走り出す。 「行くぞッ‼︎」 俺が叫び走り出し、他の3人も続く。 戦闘員の強さはよく知ってる......俺達がこいつらに負けることはない。 ただ相変わらず数だけは多いから、全てを片付けるのに時間がかかる。 「こいつら弱いけど...ッ、多すぎじゃない⁉︎」 「くッ......レッド! お前はあの怪人を頼む。ここは俺達だけで大丈夫だ!」 「分かった!」 これだけの数がいても3人なら充分か......。 俺は蓮の言う通り戦闘員を無視して、発電機の前に立つ怪人の下へ向かう。 立ち塞がる奴らを斬り伏せ、一気に決めるため剣に炎を纏わせる。 怪人は慌てた様子で後ずさったが、すぐに肩にロケットランチャーを乗せて砲口をこっちに向けた。 「くそッ、使えない奴らだ!」 ーー来るかッ 例え撃たれても、炎で破壊してやる! 動きを止めて、怪人の攻撃に備える。 「これでも喰らえッ‼︎」 鳴り響く爆音で全身が一瞬硬直したが、何の問題もない。 炎で包まれた剣を横に構え、ミサイルの軌道を読んだ。 ......しかし、放たれたミサイルは俺を通り過ぎてそのまま後ろへ進んだ。 「しまったーーッ」 狙いは他の3人かッ! まっすぐな軌道を描くミサイルは、夢中で戦う奏多に向かって突き進む。 「イエローッ!」 「えッ......うあぁぁッ‼︎」 奏多を助けようと蓮が走り出した。 しかしミサイルはそれよりも速く地面に着弾し、ピンク色の煙が2人を覆い隠した。 煙が晴れて現れたのは...膝をつく蓮と、変身が解除され床に横たわる奏多だった。 「ぅぅ......」 「ハァ......くっ、大丈夫かイエロー?」 苦しそうに背中を上下させ、奏多を見下ろす蓮。 しかし奏多は対照的に瞳を潤ませて、口元に笑みを浮かべながら蓮を見ていた。 「ぁ......蓮くん...ッ」 「おい、奏多ーーッ」 起き上がったかと思うと奏多は蓮を押し倒して、青いスーツにその浅黒い肌を擦りつけ始める。 「蓮くぅん......気持ち良いことしたいよぉ....!」 「やめてくれ奏多...ッ、ァ......!」 普通なら簡単に押し返せるはずなのに、蓮は奏多の肩に手をかけるだけで何もしない。 「2人に何をした‼︎」 振り返って怪人に叫ぶと、奴は意気揚々と喋り始めた。 「あのピンクの煙には人間の意識を奪い、快楽だけを求める身体にする効果がある。青い奴にはまだ意識があるようだが、すぐにあのガキと同じようになる」 ......あの煙の中にいたのは蓮も同じ。 それでも精神力だけで自我を失うのを耐えているのか。 「レッドっ‼︎」 今にも怪人に斬りかかろうとしていた俺に、育也の叫び声が届く。 すぐに振り向くと、蓮と奏多を守るように育也がバリアをドーム状に展開させていて、その周りには大量の戦闘員達が群がっていた。 「こいつらをどうにかして!」 どうにかって......炎を放てばなんとかできるけど、それだと育也達も巻き込んでしまう......。 「でもそれじゃーーッ」 「僕なら大丈夫だから!」 「......仕方ない、頼むぞグリーン!」 剣に留めて凝縮させていた炎を解放し、横になぎ払って戦闘員達に放つ。 嵐の海を思わせる激しさで荒れ狂う炎は戦闘員達を飲み込み、一気に消滅させる。 育也のバリアには幾つかヒビが入っていたが、どうやら無事みたいだ。 「嘘だろ、あれだけの数の戦闘員が......ッ」 絶句する怪人に向き直り、俺は改めて剣を構える。 刃に沿うようにして炎が噴き出し、俺はすかさず走り出す。 もう邪魔者はいない。 一気に終わらせてやる! 「うわぁぁ! く、来るなぁ!」 怪人はロケットランチャーを構えるが、そんな事はさせない。 俺が炎の刃を放つと怪人は驚いた拍子にロケットランチャーを落とした。 一気に詰め寄り、腰を低く落として剣を振り抜く。 放たれた炎は一気に膨張し、怪人とその背後にある発電機もろとも飲み込んだ。 「ぐあぁぁぁッ‼︎」 怪人の断末魔の叫びが部屋中に響き渡り、その姿が塵になって消えていく。 そして、後ろの発電機が爆発した。 ......これであの機械は止まるはずだ。 後はーー。 「うぅん...蓮くん変身解いてよぉ〜」 「奏多ぁ......あ、そんな所触るな...ッ」 「ちょ、奏多くん離れてっ!」 蓮に覆いかぶさる奏多を必死にはがそうとする育也の姿を見て......俺はため息をついてから歩き出した。 ・ ・ ・ ・ ・ 股間で起動していた搾精機が止まった......。 蒼汰達はうまくやったみたいだ。 ボーッとする頭で搾精機に手をかけて、力を込めて上に引っ張る。 吸着しているせいで少し時間がかかったが、何とか取り外して床に落とした。 「......んッ!」 後はケツのディルドだけ。 だけど、搾精機にはすぐに伸びた手が......何故か動きを止める。 ーーあと少し、どうせならあいつらが来るまでこのままにしておいたって。 そんな考えが俺の脳裏を掠める。 気持ち良い......。 だって気持ち良いから。 この快楽を味わうことの...何が悪いんだ? ・ 『本当にそれでいいのか?』 このままでいいのか? 今の俺は......端から見たら惨めな男だ。 与えられる快楽に抗うこともせず自ら受け入れて、挙句ケツのディルドを抜くかどうかで悩んでいる。 ......哀れだ。惨めだ。 『そんな所まで......俺は堕ちたくない』 その心の声が 俺の中の黒い何かを掻き消していく......。 こんなもので......俺はーーッ 股間に置いてあった手をケツに伸ばして、ディルドを一気に引き抜いた。 ーー快楽に堕ちるなんて、男としてダサすぎるんだよ。 「うっ......くそったれ...」 呼吸を整えて、寝返りを打つように床に手をついてゆっくりと立ち上がった。 他に捕まった人達の機械を取り外すため、俺は小さく一歩を踏み出した......。 ・ ・ ・ ・ ・ 医務室でずっと寝ているのも飽きた俺は、何か飲もうかと思ってミーティングルームへ向かった。 ここにある自販機は俺達なら無料で使える。 温かいココアの入った紙コップを手に持ち、俺は席に着いた。 一口飲むと...甘さとほのかな苦味が口の中に広がっていく。 ......あの後話を聞いてみると、俺が通っていた店は元々怪人が用意していた店だったらしい。 俺は......まんまと敵の罠に引っかかっちまったてわけだ。 「だせぇよな」 ボソッと呟いてココアをもう一口啜る。 すると、扉が開く音が聞こえて 振り向くと物隙博士が入ってくるところだった。 「あら涼くん。ダメでしょ医務室で寝てなきゃ」 「寝れねぇんだよ......寝すぎたからな」 博士は俺と同じようにココアを手に持って向かいの席に座り、何も言わずそれを飲み始める。 ......俺の悩みに、この人なら答えられるんだろうか。 博士は俺が唯一知る同性愛者だ。 博士なら、受け入れられない俺の変化に何かしらの答えを示してくれるのだろうか。 「なぁ博士......」 「何かしら?」 「博士はさ......男が好きじゃん」 「そうね」 「......俺もさ、男が好きなんだ」 「...あら、そうだったの」 博士は素っ気なく呟く。 「でも女も好きなんだ」 「......ふーん」 「最初は女だけが好きだった。でも怪人に襲われてから俺の中の何かが変わっちまった。 これってさ......変なことか? 俺、おかしいのかな?」 博士は何も言わず、ココアを一口飲む。 目を閉じてゆっくり息を吐き出すと、まっすぐと俺を見つめた。 「涼くんは自分に起きた変化が受け入れられないだけよ」 「......そう、なのかな」 「私は涼くんが羨ましいわ」 「え?」 にっこりと優しい笑みを浮かべて、博士は言葉を続ける。 「私は男性しか愛せない。普通の人は女性しか愛せない。でも涼くんはどちらも愛せる。それって、素晴らしい事だと思わない?」 「......」 「すぐには受け入れらないとは思うけど、これだけは忘れないで涼くん。あなたは何もおかしくない。私達と何一つ変わらない、1人の人間よ」 ......何だろうな。 博士の言葉を聞いてみると、自分の視界が狭かったのかなって思った。 ......そうだよな。 俺がポジティブに考えないでどうするんだよ。 拒絶するんじゃなく受け入れる。 そういう方法も......あるんだよな。 「......ありがとな博士。なんか...楽になったよ」 「そう。それじゃーー」 テーブルに置いていた俺の手の上に博士が手を置き、相変わらず優しく微笑む。 「お礼だと思って私にチューでも......」 「あ、それは無理」 俺はすぐに手を引き抜いて立ち上がり、ココアを飲み干して紙コップを握りつぶした。 ゴミ箱に向けて放り投げたそれは綺麗な曲線を描き、箱の中へと吸い込まれていく。 「悪いけど俺、ゲテモノは無理なんだ」 「......ゲテモノ?」 “ゲテモノ” そう言った後に気づいた。 ーーこれは禁句だ。 ガチャリと扉が開き、蒼汰が入ってきたのに気づいた。 「あれ、珍しいな2人が一緒なんて」 「蒼汰ーーッ‼︎」 蒼汰の下に逃げようと一歩踏み出す。 しかし、後ろから押し倒され起き上がる事が出来なくなった。 「誰がゲテモノだゴラァァッ⁉︎」 俺の上に馬乗りになった博士が俺の両手を背中で拘束する。 「蒼汰助けてくれッ‼︎」 「え、マ、マジで襲われてるじゃんか⁉︎」 蒼汰は博士を引き剥がそうと全速力で走ってくる。 ・ ・ ・ ......結局蒼汰1人ではどうする事もできず、騒ぎに気づいた蓮と育也が来てようやく俺は解放された。 捕まっていた時間は約30分......。 博士は蓮の太ももを手で擦りながら、育也に宥められている。 パンツ一丁にされた俺に、蒼汰は剥ぎ取られた病衣を差し出した。 俺はそれを着ながら、改めて博士の恐ろしさを噛みしめたんだ......。