G.O.E 〜第10話 【恐怖のニャンパワーだにゃん!】〜
Added 2020-10-02 10:44:23 +0000 UTC......それは恐れていたことだったが、何となく予想していたものでもあった。 何体もの怪人と自分の部下を倒した奴らならば......。 だから今回のライトの失敗にも...大して驚くことはなかった。 「大変申し訳ありませんでした、ウィル様」 「......残念だぜ」 ウィルはとってつけたように大きくため息をついてライトの反応を見る。 だが彼が顔を上げることは無く、その表情を伺うことはできなかった。 「分かってるとは思うが、俺はお前に期待はもうしてない」 「......承知しております」 「......ふん。まぁエナジーは集めなきゃいけないからな」 「ではどうするおつもりで?」 「こうすんのさ」 頬杖をついていたウィルは身体を起こし、両手を突き出す。 手の平から途端に漆黒の瘴気が溢れ、床に触れたかと思うとそれは不安定に揺らめきながら上へと伸びていった。 ウィルは額に玉のような汗を浮かばせ、何かを堪えるように歯を食いしばっている。 ライトは立ち上がり、その様子を見守る。 ーーそして 不気味に揺らめいていた瘴気は人型に固まると、2体の怪人を生み出した。 「ハァ......ったく、疲れるから嫌なんだよ...これ」 その言葉は遠回しにライトへの嫌味でもあったのだが、当の本人はただ怪人を興味深そうに眺めているだけで、無視しているのか気づいていないのか分からなかった。 「......さて、お前らのやることは分かってるな?」 人の形をしてはいるが、その身体は柔らかな毛に覆われていた。 頭には小さな耳がポツンと乗っかっていて、口元には線のようなヒゲが生えている。 生み出されたのは猫の怪人。 しなやかに伸びた手足をくねらせて、2体の内黒い毛の怪人が元気よく答えた。 「当然でございます!」 「僕達に任せてくださいにゃ!」 黒とは正反対の白い毛を持つ怪人が勢いよく胸を叩いた。 ......部下の失敗に仕方なく自ら怪人を作り出したはいいものの、彼の作る怪人にはとある欠点がある。 だがそんな事を気にしていられない程に最近は失敗続きだった。 そもそも何故猫の怪人が生まれたのかも、ウィルにはよく分かっていないのだ。 「よし、お前らエナジーを集めてこい」 「了解だにゃー‼︎」 くるりとその身体を回転させると、猫達は瘴気に包まれその姿を消した。 「......ふっ」 場が一気に静寂に包まれ、ライトが顔を伏せる。 そして、彼が鼻で笑ったのをウィルは聞き逃さなかった。 「おい、お前バカにしてるだろ?」 「...そんな事は......ございません」 「な、何なんだその間はぁッ!」 ** 「きゃあぁぁッ!」 白昼の街中に、甲高い女性の悲鳴が轟いた。 「おいやめろ!」 壁際に女性を追い詰めていた2体の怪人に対して叫ぶ。 怪人の頭に乗っかっている小さな耳が微かに震えて、奴らは俺達を見た。 「やっと来たなお前ら!」 「......何あれ、猫?」 「みたいだけど......」 何ていうか、今までの怪人は完全に人ではなかったから何とも思わなかったんだけど 目の前にいるのは人なんだけど毛むくじゃら...... 得体の知れない不気味さに、何故か悪寒が走った。 「涼くんは......まだみたいだね」 「蒼汰くんと蓮くんはパンツのメンテナンス中だし、俺達だけでやるしかないよ」 今ここにいるのは俺と育也くんだけ。 蒼汰くん達は月に一度のパンツのメンテナンス日でまだここには来れないし、涼くんはいつも通りまだ来てない。 「よーし、お前らもすぐに倒してやるにゃ!」 「やれるもんならやってみろ!」 「とにかく油断はダメだからね奏多くん?」 「分かってるよ!」 育也くんは能力的にもサポートがメインで武器も持ってないし、ここは俺がやるしかない! さっきの女性が逃げ出したのを確認してから、俺は走り出した。 ハンマーを両手で持ち、怪人達めがけて振り下ろす。 「そんなん当たらないにゃ!」 怪人達は一斉に横へ飛び、そこから猫らしく軽やかな動きで縦横無尽に辺りを駆け巡る。 「にゃはは! 捕まえてみろ!」 「くそッ......」 俺がまだ使いこなせてないのもあるけど......俺の武器じゃ素早いこいつらとは相性が悪い。 「くらえにゃ!」 指の先から鋭い爪を出し、白い毛を持った怪人が走ってくる。 そして反対側からは黒い毛の奴が迫ってきた。 どちらも対処できるように腰を落として構える。 ......でもその必要はなかった。 「うぎゃッ⁉︎」 俺の周囲にバリアがドーム状に展開し、怪人達はそれに見事に衝突した。 ーーなんつーか、間抜けだなこいつら。 顔を押さえて悶えている白毛の怪人に近づいて、ハンマーでコツンと突くと、大声を出しながら飛び上がって黒毛の方へ逃げていった。 「怖いよクロー!」 「大丈夫かシロー!」 白と黒の猫はお互いに抱き合って、ぶつけた頭をピンク色の肉球で撫で会う......。 「何なのこいつら......弱すぎじゃないか?」 動きがすばしっこいのは厄介だけど、俺と育也くんが協力すれば倒せないこともなさそうだ。 「おい!」 聞こえた声に振り返ると、変身した涼くんが育也くんの隣に立っていた。 「お前らだけで大丈夫そうだな!」 「ちょ、手伝ってよ!」 「...冗談だよ」 育也くんと涼くんが俺の隣にやってくる。 怪人達は人数が増えたことで更に怯えの色を表情に浮かべた。 「うぅ......ヤバイよクロ」 「安心しろシロ。俺達には“アレ”がある」 「...そうか、そうだね!」 「よし、やるぞ!」 「何だあいつら、 急に元気になったぞ?」 ナイフを手に召喚して、涼くんが呟く。 「何か隠してるのかも」 「......だな。さっさと終わらせるか」 「グリーンの話聞いてた?」 「聞いてたよ。ビビってんのかイエローちゃん?」 「ビビってないってば!」 「2人とも......それぐらいにしようね」 顔が隠されたマスクの中から いつもより少し、低い育也くんの声が聞こえた。 「......お、おう」 普段優しい人が怒ると怖いっていうけど もしそうだとしたら......育也くんはきっと悪魔に変わる。 ・ 「行くぞお前らッ!」 「うん!」 俺らが走り出すと同時に怪人達も動き出した。 身体をしなやかに伸ばして、人の身体でありながら4足歩行で俺達の周りを走り回る。 「ちょこまかすんなッ!」 涼くんが蹴りを繰り出すが、それは当たらない。 俺も何とか攻撃を当てようとハンマーを振り回すけど、擦りさえもしなかった。 「当たらなきゃ怖くないもんねー!」 白い怪人が舌を出しながら俺に手を振る。 くっそぉ......頭の後ろで揺れている尻尾にもムカついてきた。 育也くんのバリアも、展開する前にあいつらは動きを変えてしまうからあまり効き目がなくなってきた。 「イエロー後ろッ!」 そう言われて咄嗟に振り向くと、黒い怪人が足元まで迫ってきていた。 「隙ありだにゃ」 下から身体を跳躍させ、キラリと輝いた爪が俺の身体を切り裂いた。 ......だけど 「あれ?」 強烈な痛みを覚悟したのに、どれだけ待ってもそれを感じることはなかった。 むしろ、孫の手で撫でられるみたいな気持ち良ささえある。 「全然痛く......ない」 「やっぱダメかにゃ。だったら、ニャンパワー‼︎」 猫が俺にその手を向ける。 肉球が妖しく光り出して、それを見た瞬間俺の意識が一瞬飛んだ。 視界が黒く染まりまた元に戻る。 でも自分の身体には何の異常も感じなかった。 「お前何がしたいんだよーー」 「イエローッ!」 育也くんに呼ばれて振り返る。 他の2人がすぐに駆け寄ってきて、俺を庇うようにして前に立った。 「2人とも、何してんの?」 「それはこっちの台詞だッ、お前こそ何で変身が解けた?」 「えっーー」 そう言われて自分の身体を見下ろすと、確かに着ていたはずの黄色いスーツが消えて競パン一丁になっていた。 ーー強制解除された? 別に俺の身体には何の異常もーー。 「あ、あれ......?」 「どうした?」 俺の上げた声に、2人が振り向く。 「身体が......勝手にッ」 身体が勝手に動いて、地面に座り込んだ。 そして右手が股間へと伸びて、黄色い膨らみを上から揉み始めた。 「何してんだお前⁉︎」 「わ、分かんないよ......ぁっ...ん! 身体が言うこと聞かないんだ!」 勝手に動く手は元気になった俺のイチモツを競パンの中から取り出して、激しく扱き始めた。 手を止めたいのに言う事を聞かないーーッ 「何で......ァ、ハァッ!」 自分でシゴいてるはずなのに、感じる感覚は誰かにやられてるみたいで 2人の前で喘ぎながら、俺の身体は勝手にオナニーを始めてしまった。 「と、とりあえず止めて奏多くんっ!」 「だか...ァらぁ......ァ、止められな......」 育也くんが近づいてきて俺の右腕を掴むが、左手が彼を払いのけた。 そして左手は乳首を指先で弄りながら、足は大きく開かれ、まるで見せつけるように俺の身体は体勢を変える。 「どうしよう、これじゃ......」 「お前らこいつに何したッ!」 涼くんの怒鳴り声が聞こえる。 ......けど 「止まんなァッ......んぁ...ッ!」 自分でやってるはずなのに...気持ち良すぎてもう何も考えられない......ッ イチモツの鈴口から溢れる透明な汁は淫靡な音を生み出して、俺の手の動きを滑らかにする。 快感はどんどん高まり、イチモツの根元に熱が集まり始める。 「どうすれば......」 「ァ......いく....や...くッーー」 快楽でうまく頭が働かない中で 俺の視界に......育也くんの背後に黒い何かが現れた。 何とか伝えようとしても口はうまく回らず......背後に現れたそれは肉球を光らせて、振り向いた育也くんはそれを見てしまった。 俺と同じように変身が解除されると、育也くんはプツンと糸が切れたみたいに頭をうな垂れて動かなくなった。 ・ ・ ・ ・ ・ 「お前らこいつに何したッ!」 奏多におかしな事をした怪人達に視線を向けた。 だがそこにいたのは白い怪人だけだった。 「もう1人はーーうわッ」 突然背後から何かがのしかかってきて、俺は押し倒されてしまった。 「何だよーーッ」 のしかかってきた何かに身体を回転させられて仰向けにされると、俺の視界に映ったのは素顔を晒した育也だった。 「おい育也ッ!」 「無駄だにゃー」 育也の背後から姿を現したのは黒い怪人だった。 「そいつはもう俺のニャンパワーで操られてるのにゃ。何を言っても無駄なんだにゃー」 俺の両手を押さえつけて、育也は冷めた視線で見下ろしている。 こんな目の育也は見たことねぇ。 操られてるっていうのは......嘘じゃなさそうだ。 「さて、お前もだ」 目の前で怪人の肉球を見せられると、それが妖しい光に包まれた。 「......ぁ」 一瞬目の前が暗くなったかと思うとすぐに元に戻った。 自分の身体を見てみると、育也達と同じように変身は解除されてしまっていた。 「くそ...俺に何した?」 「お前はただ動けなくしただけだにゃ。でもこいつには......」 怪人が育也の頭を柔らかい肉球でポンポンと叩く。 「面白いことをしてやったにゃ」 「面白いこと?......な、おい育也⁉︎」 怪人が呟いた直後、育也が俺に顔を近づけて首筋に唇を当てた。 吸い付かれる感覚を覚えて、リップ音がそこから聞こえる。 手はまさぐるみたいに俺の股間を揉みしだき、足は股の間に差し込まれる。 「アッ!」 「何喘ぎ声出してんだお前」 「ーーッ⁉︎」 突然乳首を強くつねられて、痛みに歯を食いしばった。 顔を上げた育也は口元に挑発的な笑みを浮かべてまた俺を見下ろす。 「勝手に気持ちよくなってんじゃねぇぞ涼」 「育也...お前......」 目の前の育也から出る言葉...低い声は俺が知っているものではなくて 浮かべるサディスティックな笑みも雰囲気も、前の育也とはかけ離れたものだった。 「そいつは元の性格が良さそうだったからにゃ、超ドSにしてやったにゃ!」 「何だと?」 「じゃ、俺達は捕まえた男達のエナジーとってくるから。存分に楽しむんだにゃ」 「おい待てッーー」 頬に平手打ちをくらって、口を鷲掴みにされた。 育也は俺の鼻先に触れるか触れないかの距離まで顔を近づける。 「お前は俺だけ見てればいいんだ」 「育也......正気に戻れよ!」 「あ? 俺は正気だよ。 ったく......口の利き方を直してやらなきゃな」 育也は立ち上がると徐ろに競パンを脱ぎ捨てた。 俺を跨いで膝をつくと、イチモツを俺の口に近づけてきた。 「やめろ、おいっ!」 「...黙れ」 「おぃ......んんぅッ...‼︎」 顔どころか指先さえ動かせない今の俺の身体は育也の行動を拒否することはできなかった。 口の中に無理やりイチモツを突っ込まれて、育也は俺の髪を掴むと腰を動かし始めた。 「舌使えよ。気持ちよくねぇだろ」 育也のイチモツは俺の口の中で大きくなっていき、咥えるのもつらくなってくる。 俺がむせても育也は腰を止めることはなく、むしろスピードを速めていく。 「ん...んぷッ......ウッ...!」 「あぁ気持ち良い......涼の口最高だな」 育也はそう言うと俺の口からギンギンに張り詰めた肉棒を引き抜いた。 ようやくまともに呼吸できた俺は、ただ大きく息を吸うだけで、育也の行動を気にしている余裕がなかった。 「じゃあさ......」 俺の腰を持ち上げて、競パンに手をかけると一気に脱がせて適当に投げ捨てた。 「こっちの“くち”もさぞ上手なんだよな?」 何をされるのか......。 それに気づいて育也を見ると、自分の口に指を突っ込んで唾をつけていた。 それを俺のケツの穴に撫でるように擦り付けて、ググッと強く押し込む。 「おいッーーぁ...ダメだ育也......ッ」 「何言ってんだよ。今までで1番良い声出してるじゃねぇか」 育也の指は俺の肉を押しのけるようにゆっくりと進み、あの場所に触れた瞬間思わず声が漏れてしまった。 育也はまた挑発的な笑みを浮かべて、執拗にそこを擦り始めた。 「アッ...アッ...やめ......ろッ」 「前立腺だろこれ? 本当に気持ち良いんだな」 新しいおもちゃでも見つけたように呟きながら、育也が指の動きを止めることはない。 俺の身体の動きは封じられているはずなのに、腰がビクビクと跳ねる。 俺の肉棒はすっかり限界まで勃ち上がり、先端からはガマン汁が溢れ出ていた。 「ケツ弄られただけでこれかよ。相当変態だな涼は」 「んッ......ちがっーー」 「こんなに勃たせちゃってさ......可哀想だからもう挿れてやるよ」 指が抜かれ、後孔に熱いモノが押し当てられる。 足を持ち上げられ、間を置かずにそれは俺の中へ侵入してきた。 「んぅぅッ⁉︎......育也ァ......やめッ」 「はぁぁぁッ......結構すんなり入ったな」 ひと突き......腰に感じた弱い振動は徐々に強く速くなり、育也の肌が俺にパンパンとぶつかる。 「ぁ...ぁ...ぁ...育也、やめて......ッ...オレこのままじゃッ」 「あぁ、気持ち良い......」 ......何だよこれ。 何でこんなに気持ち良いんだ...... 育也の肉棒は正確にあの場所を突いて、緩急をつけながら腰を動かす。 時折俺の竿をしごき、玉を揉みしだきながら顔を近づけてきて、腰の動きを緩めることはないままーー 『涼がエロすぎて......俺までエロくなっちゃった...ッ』 育也は耳元で、やけに耳に残る低音でそう囁く。 そのニヒルな笑みを見た瞬間に、俺の理性を繋ぎ止めていた鎖は千切れて......快楽の波の中へ引きずり込まれた。 身体を押さえつけていた謎の力が消えて、俺は起き上がろうとした育也の背中に腕を回して、強引に口づけを交わした。 「アァッ...育也ッ‼︎ もっと気持ち良くしてッ‼︎」 気持ち良い...... 今まで俺を抱いてきた誰よりもキモチイイ......ッ! ......育也ぁ...お前セックスうますぎッ! 「おい涼......ッ」 「もっと腰動かしてッ、俺の中グチャグチャにして‼︎」 逃がさないように腕に力を込め、育也の唇に吸い付いて舌を絡める。 俺の肉棒は育也の腹筋に擦れ、鍛えられたそれを粘ついた汁で濡らしていく。 「ぁぁ......育也お前ッ...最高......ッ!」 「んっ......ハッ、分かってるよそんな事ッ」 汗で額についた髪を整えて、育也は笑う。 ......もうどうでもいい。 お前から来たんだ育也...絶対に逃さないぜ......。 ** 「何だよこれ......」 パンツのメンテナンスが終わり、俺達は急いで現場へと向かった。 しかし時すでに遅く、ようやくたどり着いた俺と蓮の視界には、淫靡な......いや、異常な光景が待っていた。 「アァッ‼︎ 気持ち良いッ...育也ッ!」 「もっと声出せ! 掘りがいがねぇだろ‼︎」 真昼間の街中で、涼の上に育也が覆い被さり、夢中で腰を振っていた。 地面に寝る涼は恍惚とした表情を浮かべて......そして、そんな涼をまるで別人のような口調で育也が犯している。 「おい2人共やめろ!」 「邪魔すんなッ!」 俺が止めに入ると、育也は怒鳴りながら俺の手を振り払った。 仕方なく蓮の方を見ると、向こうもどうにもできない状況のようだった。 「奏多、どうしたんだ?」 「んんぅッ...! 身体が......ァ、操られてる...ンッ‼︎」 蓮が聞くと、奏多は喘ぎながら何とか言葉を紡いだ。 地面に座り込む奏多の股下には大量の白濁液が溜まり、それは浅黒い肌にも線となって飛び散っていた。 一体何回射精したのか......。 それでも奏多の手は止まらずただ勃起し続ける肉棒をシゴいている。 奏多の顔を見る限りでは、快楽よりももはや苦痛さえ感じているようだった。 「アーッ‼︎ お前らそいつらの仲間だにゃ!」 突如聞こえた声に視線を向けると、そこには毛むくじゃらの怪人が2体立っていた。 片方は白、もう片方は黒。 頭には小さな耳があり、その顔は猫のようだった。 「おい! 3人を元に戻せ‼︎」 「それは無理だにゃー。戻して欲しけりゃ俺達を倒すしかないにゃ」 「ちょっとクロッ。僕達じゃ勝てないよッ」 威勢良く喋っていた黒猫に、白猫が慌てたように声をかけた。 「う、う、うるさいッ。だったらあいつらを痛めつけてやろう。俺達の方が強いと思い知らせるんだ! 俺達にはニャンパワーがあるじゃないか」 「そうか、そうだね! あいつらを痛めつけてやろう!」 ......何を話しているのかはよく聞こえなかったが、俺達に対して構えているところを見るとどうやら戦う気らしい。 負けるわけにはいかない。 涼達を元に戻さなきゃいけないからな。 「行くぞレッドッ!」 「おう!」 剣を構え2人で走り出すと、怪人達も4足歩行で動き出した。 ーー速いッ 剣で斬りかかろうにも、すばしっこくて読めない動きのせいで踏み出せない。 「もう少しあの3人から引き剥がせれば力を使えるんだが...ッ」 蓮の言う通り...... 炎を何とか制御できるようになっとはいえ、戦いに集中してしまえばあの3人まで巻き込んでしまうかもしれない。 しかも3人は全裸だ。 スーツを着ていればまだしも......。 「ここだにゃッ!」 視界の端から突然姿を現した白い怪人が、足元まで飛び込み俺に手を見せつけた。 ピンク色の肉球が光り出したと思った瞬間、目眩のような感覚を覚えた。 怪人はすぐに俺から離れていく。 「レッドーーしまったッ」 蓮の声が聞こえたが、視界のぐらつきのせいでまともに動けない。 ようやく視界を取り戻して蓮を見てみると、さっきの俺と同じように頭を抑えてフラついていた。 「ブルーッ!」 どうやら蓮もあの光を見てしまったようだ。 ......俺達まで涼達のように操られてしまうのか? 「さぁシロ、ここからがお楽しみだ!」 「そうだねクロ!」 「くッ......ぁ、これは...?」 身体が熱くなったと思ったらその熱は下半身へと集中して、俺のイチモツがスーツの中で窮屈そうにその存在を主張し始めた。 「何だこれは......ッ」 蓮も俺と同じように勃起してしまったようだ。 でも、これ以上の変化が俺達にないのを見ると、あの怪人達は俺達を勃起させただけか......。 だけどこれじゃ、まともに動けない...ッ。 「それならまともに動けないだろ!」 「お前達で憂さ晴らしさせてもらうにゃ!」 鋭く尖った爪が日の光を浴びてキラリと輝く。 怪人達が動き出し俺達も構えるが、相手の動きに勃起した状態では対処することができなかった。 スーツを爪で引っ掻かれ、その部分から火花が散る。 直接的なダメージはまだ無いものの、このままではスーツが破損してあの爪を直に食らってしまう。 「さっさとてめぇらの肌見せろにゃ!」 「切り裂いてやるにゃー!」 怪人達が飛び上がり、腕を高く掲げる。 「下がれ蓮ッ!」 蓮の肩を引き、入れ違いで前に出た。 何とか剣を構えてみても、俺の動きはゆっくり過ぎて奴らの爪を受け止めることはできないだろう。 少し足を動かしただけで、身体にピッタリ張り付くスーツとイチモツが擦れて快感が走る。 「くッ......!」 「くらえニャーッ‼︎」 怪人の腕が振り下ろされるーーッ‼︎ ・ ・ ・ 「ぐにゃッ⁉︎」 何かが俺の目の前を通り過ぎた。 大きな何か......目で追いきれなかったそれが、怪人達を離れた所まで吹き飛ばした。 「えっ......?」 「...嘘だろ」 俺達を助けてくれたのは見慣れた背中。 光を浴びて輝く後頭部が、あの人を顔を思い浮かばせる。 「だいじょーぶ2人共?」 いつも着ている白衣は着ておらず、奇抜なファッションセンスを存分に見せびらかせながら...... 物隙博士は振り返ると満面の笑みで俺達に手を振った。 「博士......なんで?」 「大山さんに言われちゃってねぇ。とにかく、2人はそこで見てて」 博士があの怪人達と戦う? でも、博士は技術開発としてG.O.Eに呼ばれたはずじゃ......? 「くそ、何だよアイツッ!」 「せっかく良い気分で痛めつけてたのにぃ......」 いやとにかく......博士が戦ってくれるなら、俺達は手伝わなきゃ。 「博士、そいつらの手を見ないでください!」 「あら心配してくれるのね蒼......レッドくん! でも心配しないで、お姉さん負けないから!」 「おいオカマッ‼︎」 黒い怪人が叫ぶ。 ーー刹那。 俺達を見ていた博士の目つきが一変した。 あれだけ柔らかかった表情が無表情に変わり、機敏な動きで博士は前を見た。 「ただの人間のくせに! 今すぐギタギタにしてやる!」 「......あ?」 ......博士がどれだけ強いのかは知らないけど とりあえず......あの怪人死ぬな。 「行くぞーーッ」 怪人が言い終わる前に、突如強烈な風が巻き起こった。 それは自然のものではなく......博士が移動したことにより発生したものだった。 目の前にいたはずの奇抜な背中は、いつの間にか怪人達の向こう側にいて 気づいた瞬間には怪人達がその身を悶えさせて地面に倒れていた。 「うぅ......何だよこいつッ」 「見えなかった......にゃ」 「若い時だったら今ので倒せてたんだけどぉ、やっぱ老けちゃったわね......」 一体何をしたのかは分からないけど...博士は両手をぶらぶらさせながら振り返った。 「さてと」 「ま、待てッーー」 立ち上がった黒い怪人の前に博士が一瞬で移動する。 「これ以上あの子達をいじめさせるわけにはいかないのよ」 博士が右腕を引き、そして打ち出す。 ......もはやそれは人間業ではなかった。 拳に蜃気楼のような霞がかかったかと思うと、それに触れた瞬間、黒い怪人の姿は一瞬で塵となって消えた。 「ク、クロ......」 博士は次に、地面に倒れたままの白い怪人の前に移動し、ゆっくりと足を持ち上げる。 「助けーーッ」 ピンと伸ばした足が 落雷のごとく振り下ろされる。 微かな揺れ...地面が砕ける鈍い音が聞こえ 宙に舞う土埃が消えると、そこに怪人の姿はなかった。 すると、勃起していた俺と蓮のイチモツは段々収まっていった。 つまり本当に怪人が倒されたってことだ。 ......博士の手によって。 「あぁん、やだーもう恥ずかしいー」 博士は何故か顔を隠しながら近づいてきて、俺達を指の隙間からチラ見する。 「博士、助かりました」 蓮が律儀に頭をさげる。 いやそんなことよりも! 俺は博士の強さの方がめちゃめちゃ気になるんですけど‼︎ 「てか博士めっちゃ強いですね! 何でそんな強いんですか?」 俺が訊くと、博士は不敵な笑みを浮かべて俺のマスクに人差し指で触れる。 小さな円を描くように動かしながら、博士は口を開いた。 「蒼汰くん......男はね、あ間違えた。 女ってのは...いや、母親ってのは子供を守る時は物凄い力を発揮するものなのよ」 「はぁ......」 ......博士は男なのに その表情からは溢れんばかりの母性が感じ取れる。 「さってと、3人と被害者の皆さんを連れて帰りましょうか」 博士が手をパンっと叩いて俺達の間を通り過ぎる。 「......あ、はいっ」 博士が怪人を倒した事......。 博士の母親発言......。 衝撃があまりに多すぎて固まっていた俺達は、博士のその一言で慌てて動き出した......。 ** 〜少し前の出来事〜 ・ ・ ・ ・ 支部長室では、大山と物隙博士が向かい合って応接ソファに座っていた。 神妙な顔の大山と、困惑を浮かべる物隙博士。 「蒼汰くん達は向かいましたよ大山さん。何故私を呼び出したのですか?」 「......嫌な予感がするのです」 「え、予感?」 「今回現れた怪人達......あれは今までの奴らとは少し毛色が違うようだ」 「はぁ......」 困ったように毛の無い頭を掻く物隙博士を、大山は冷静に見つめる。 「それで私にどうしろと?」 「物隙博士。貴方も昔はヒーローとして戦っていたでしょう」 「あらやだ......何十年も前のことですよ」 何故か頬をポッと赤らめて、物隙博士は恥ずかしそうに微笑む。 「その時貴方につけられた異名は“破壊神”。 資料には残っていませんが、私は知ってますよ。貴方はたった1人でG.O.Eのヒーローとしてエデンと戦っていた」 「破壊神って名前はエレガントじゃないから好きじゃないんです。私が考えたのは麗しのーー」 「博士、彼らを助けに行ってください。まだその力は衰えてはいないでしょう?」 「......この身体が見えてますか大山さん?」 物隙博士はそう言って、膨らんだ腹をさする。 その姿からは......過去のヒーローとしての面影は見られない。 「......頼みましたよ」 ーーもう何を言っても無駄ね。 物隙博士は深くため息をつき、着ていた白衣を脱ぎ捨て...頭をひと撫でした。 目を閉じ、両腕で自分の身体を抱きしめる。 ーーでもその強引さが好き...ッ。