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ヌードランナー:新入りコーチの奮闘⑤(終)

前回⤵

ヌードランナー:新入りコーチの奮闘④

前回⤵ ~ 「君は確か、堀内くんだね。それは本当にごもっともな意見だが、それがここの決まりだからなぁ……照れくさい気持ちは分かるが、置かれた環境に適応するのもアスリートとして大事なことだぞ」 「どこ見てもチンコだらけの環境になんて適応したくないですよ!しかも、試合も裸で出なきゃいけないんですよね……知り...


「お待たせ……」


そう言いながらおずおずと薄暗い寝室に入ると、下着姿の怜子がスマホを見ながら返事をしてきた。


「ずいぶんと長風呂だったねー、寝ちゃいそうだった」

「ご、ごめん」

「今日はそういう気分じゃない?」

「そんなことないよ、この前おあずけ食らったし」


俺がTシャツを脱いでパンツ一丁になると、嫁はスマホを枕元に放り投げてこちらに向き直った。


「今日は口でしてあげよっか」

「どうしたの?めずらしいじゃん」

「だって、ノブくん今日新しい職場で初日だったでしょ?なんか疲れてそうだったし、ご褒美。ほらほら、早く」


ベッドに膝を付きながらボクサーブリーフを下ろし始めると、嫁相手に今更恥ずかしいなどと思っている自分がいた。


「……あ、あのさ……笑わないで欲しいんだけど……」

「えー、なになにー?」


俺が膝立ちで股間を丸出しにすると、とうに見飽きているだろう俺の陰部を前に怜子は目をキラキラさせた。


「えっ?!すごっ、なに?なんで?」


笑い交じりに詰め寄る怜子に俺は堪らず目を逸らした。


「いや、部員たちと話してたら剃った方が蒸れなくて快適だって言うからさ。最近のアスリートは皆ツルツルなんだって」

「へぇ……前に私が試しに剃ってみてって言っても絶対にしてくれなかったのに。えー、ホントすごーい、スベスベで赤ちゃんみたーい」

「お、おい……照れるだろ……」


妻は普段は陰毛で隠れている竿の上部の肌を優しくさすり、やけにうっとりとした表情を浮かべた。


「前のところは色々とややこしかったみたいだけど、今度は随分フランクな感じなんだね。男って出会ってすぐに下の話とかするワケ?」

「まぁ、普通はしないかもしれないけど……」

「あ、勃ってきた。見られて興奮しちゃった?」

「だからよせって……」

「……始めていい?」

「う、うん……」


その夜は二人ともやけに盛り上がってしまい、妻とのセックスはいつもより気持ちよかった。朝の自己紹介での宣言通りゴムは使用せず、最後はありがたく妻のナカで出させてもらった。いつもより興奮していたため二回戦を試みたが、仕事初日の疲れが災いし、惜しくも叶わなかった。



ガコン!ガコン!……ガシャン!ガシャン!……


筋トレ器具の金属音がジムに心地よく響いた。朝の授業を済ませた選手たちはそれぞれのマシンで真剣な表情で汗を流していた――もちろん、すっぽんぽんなのだが。


「あまり無理はするなよ!体がなまってる休み明けが一番ケガをしやすいからな!」

「「「はーい!」」」


まだ体が出来上がっていない一年たちは走ることよりも体づくりが大事という事で、二日目の練習メニューは筋トレが主だった。室内のトレーニングと言えども部の決まりは変わりなく、選手たちは初日と同様に裸だった。


「いい眺めですねー、柵田さん」


声の主に振り向こうとした瞬間、太い腕がずしりと首と肩にのしかかってきた。


「みんなウブそうだけど、体だけ一丁前にエロくなっちゃってさぁ……」

「真壁さん……あの、ちょっと近いです」

「えー、俺たち同期でしょう?そんな水臭いこと言わないでくださいよー」


昨日の自己紹介の時と同様に、同期の真壁テツタは余裕の笑みを浮かべて俺の顔を覗き込んだ。出会って二日目にして俺はすでに彼のにやけた口元や掴みどころのない態度に苦手意識を持ち始めていた。真壁は長距離走の一年たちを担当しており、筋トレは俺の担当する中距離走者たちと合同で行うことになった。俺としては不本意だったが、長距離と中距離のトレーニングメニューが類似しているため、致し方なかった。


「……あの、真壁さん」

「んー?」

「その、何か当たっているんですが……」


俺の尻の側面には生暖かい棒状のモノがフニャリと押し付けられていた。


「やだなぁ、柵田さん。わざと当ててるんですよ!ガハハッ!」


同期は指摘されてもソレを俺の尻から放そうとはしなかった。


「そういえば、柵田さんって帝央学院から来たんですよね。実はオレ、セフレが帝央でコーチをやってましてね、あそこは『色々』あるって聞きましたよ。やっぱりあなたもそういうのに嫌気がさしてここへ?」


不意を突いた問いかけに俺の背筋には寒気が走った。


「……君には関係のないことだ」

「オレ、柵田さんのことをもっと知りたいんですよ。コーチとしても……オトコとしても――」


最後は耳元で囁かれ、俺は反射的に真壁を押しのけた。同期のふてぶてしい男根は若干硬さを持ち始めているように見えた。


「不謹慎な発言はいい加減にしろ。仕事中だぞ」

「じゃあ、仕事中じゃなかったらオッケーってこと?」


俺が睨むと真壁は降参しましたとばかりに両手を上げ、豪快に笑い声をあげた。


「ハハハッ、冗談ですよ!すぐには取って喰ったりしませんから、安心してください。でも、あなたのことをもっと知りたいのは本当ですよ」


(……一体こいつはなんなんだ?なぜここまで俺に絡む?)


「……っていうか、確か帝央のコーチは男しかいないはずだが……」


真壁は腰に手を当て、堂々と俺と向かい合った。


「そうですけど……あれ、柵田さん、ソッチは嗜んでない感じですか?界隈でモテそうなのになぁ、もったいない」

「界隈って、どんな界隈だよ……」

「まぁ、でも――」


真壁は今度はトレーニングに勤しむ若い選手たちを端から端まで眺め、再び不敵な笑みを浮かべた。


「――ここでコーチになったからには、いずれ嗜むことになるんですから、抵抗感をなくすぐらいはしておいた方がいいですよ」

「そ、そんなこと、言われなくても……!それも込みで、俺はここでコーチになることを決意したんだ」

「……ふーん……真面目なんですね、柵田さんって」


突如、真壁の声色がヒヤリと冷たくなった気がした。同期は俺の丸出しの股間をじろりと見下ろすと、急に驚いたように目をきょとんとさせた。


「――あれっ、柵田さん」


真壁はまたひょうひょうとした調子に戻っていた。


「今度はなんだ?」

「柵田さん、昨日は剥けてたのに今はずっぽりじゃないですか!せっかく剥けチン仲間だと思ったのになぁ……」

「うぐっ……見栄剥きで悪かったな!ったく、ちょっとズル剥けだからって……」

「あっ、でも被ってるのも可愛くてオレは好きなんで、気にしないでください」

「べ、別にはなから気にしていないが?」

「まぁ、それはともかく……」

「そっちが振った話だろうが……」


同期はこちらに手を出してきた。


「とりあえず大会に向けてお互い頑張りましょう。これから一年、よろしくお願いします」

「……こちらこそ、よろしく」


急に真面目モードになった真壁と握手を交わしながら、俺は彼に抱いていた苦手意識を再認識した。ニヤリと笑みを浮かべる真壁を呆れ半分に見上げながら、俺は少しだけ先のことが不安になった。真壁だけのことではない――俺は選手たちとちゃんと向き合っていけるだろうか?そして、ちゃんと彼らの役に立てるだろうか?


(……今度こそ、俺は絶対に間違えない……!)


汗を流す裸の選手たちを眺めながら、俺は拳をきつく握りしめた。



ここまで読んでいただきありがとうございます!ここでひとまず「新入りコーチの奮闘」は完結です。次章は選手たちに焦点を当てた話になります。投稿の目途が立ち次第、皆さんにお知らせしたいと思います。次の更新は【4/19】の予定ですが、内容は今のところ未定です!(最近花粉症の影響で作業が全然進められていないので……。)今月もよろしくお願いします!


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