本日、BOOTHショップ【ておぴの書物庫】にて「ハダカノシゴト~男性露出恥譚集①」を販売開始いたしました!⤵
「裸で働く男たち」をテーマにした、書き下ろし二作を含む四作品(+おまけ)の短編集となっています。こちらは書き下ろしの「丸出しライフセーバー・ワタルくん!」のサンプルです。ちょっと調子に乗った大学生がライフセーバーのバイトで「丸出し」にされちゃう、少しエッチで甘酸っぱい夏物語となっています。どうぞ!⤵
「金が無ぇー!」
ジリ貧大学生の水原ワタルは一人ぼっちの部屋で大げさに声を上げた。しかし、金欠なのは彼自身の責任に他ならなかった。
『最近遊びすぎだかなぁ……あいつらと出かけたらついつい服やらアクセやら買っちまうし。いや、一番の出費は先輩に乗せられて契約した全身レーザー脱毛か……だって、元々毛深いのは気になってたし、その方が女にモテるって先輩も言ってたし……でも、さすがにVIOオプションは余分だったか……』
彼女もいないくせに、ワタルは一丁前に全身ツルツルボディーになりつつあった。高校生活のほとんどを水泳部の部活動に費やした彼は去年の春、所謂「大学デビュー」を果たしたのだった。髪型を変え、服装にも気を遣うようになったワタルは順調に交流の輪を広げ、今ではちょっと調子に乗った大学二年生になっていた。とはいえ、相変わらず彼女はいなかった(重要な事なので、もう一度)。
『っつーか、マジでこのままじゃ欲しいゲームどころか、食費もやばい……。そもそも仕送りが少なすぎるんだよ!コンビニのバイトは相変わらず給料安いし、どんだけシフト入れても賄えねぇ……。もっといいバイトそこらへんに転がってねぇかなぁ……』
もうじき夏休みに入るワタルはスマホの仕事検索アプリを開いた。オススメの求人募集をさらっと一見してみたが、目ぼしいものはなかった。
『そういえば、高校の頃に市民プールでバイトしたことがあったな……給料は結構よかったけど、退屈ですぐ辞めたんだよな。ライフガードの資格も一応持ってるし、なんかねぇかな……』
ワタルが「ライフガード」と検索すると、数件がヒットした。何気に画面をスクロールしていると、一つの求人募集が目を引いた。
『えっ!これだけ他より時給高いじゃん!詳細詳細っと……場所は、森浦ビーチ……聞いたことないな。ちょっと遠めだけど、バスの沿線上ではあるか。町中から離れたビーチならプールなんかよりも空いてて楽かも……なにより、この時給!よしっ、先を越される前にとっとと申し込んどこ!』
まともに仕事の概要を確認しないまま、ワタルは急いでアプリ内の申込フォームに記入して送信ボタンを押した。早速その数時間後、募集元から連絡があり、これまでの経歴や資格の有無、勤務時間などの簡単な応答の後、ワタルはあっさりと仕事に採用された。
『よっしゃ!頑張って金貯めて、思う存分遊ぶぞー!』
高収入の夏のバイトが決まり、ワタルは能天気に喜んだ。しかし、自身の勢い任せな行動を後々呪うことになるとは、その時の彼は夢にも思っていなかった……。
~
バスを降りると、ワタルの前には林が広がっていた。
『本当にこんなところにビーチなんてあるのか?』
だが、確かに下調べをした時にはここが最寄りのバス停だった。狭い道脇を少し先まで進むと、ワタルは道路と直角に伸びる下り階段を見つけた。さび付いた標識には辛うじて「森浦ビーチ」という文字と斜め下を指す赤い矢印が確認できた。
『なんだ、やっぱここじゃん!俺ってば天才!にしても、なんでこんな見つけにくくしてるんだ?穴場的な感じなんかな?』
階段を下りていくと、すぐに潮風の匂いと波の音に迎えられた。林を抜けて砂浜に足をつくと、予想以上に広い海岸が広がっていた。晴れた朝の生暖かい風が髪を通りぬけ、人っ子一人見当たらない浜辺をワタルはしばし無心で見渡した。降りてきた階段を振り返ると、茂った木々により浜は道路から完全に遮断されていた。
『こんな場所、この町にもあったんだな……なんで知らなかったんだろ?』
浜辺の端っこに事務所らしき小屋があり、ワタルはまずそこに向かった。ビーチサンダルで温かい砂を踏みしめる音が耳に心地よかった。
「――あっ、もしかして水原くん?」
小屋にたどり着くと、ちょうど中から日に焼けた筋肉質な男が出てきた。歳は四十ぐらいだろうか、タンクトップに短パンの軽装はいかにも海の男っぽい雰囲気だった。
「はいっ!初めまして、水原ワタルです。今日からお世話になります!」
「初めまして、ここの責任者の鳥海エイタです。と言っても、僕もライフガード業務が主だから堅苦しいのは無しね。まぁ、とりあえず入って」
鳥海は机に置かれたプリントを漁りながら陽気にペラペラと喋り続けた。
「いやぁ、君が応募してくれて助かったよー!普段は僕ともう一人でまわしてるんだけどね、そのもう一人が本業の都合で急に来れなくなってさ。ここはちょっと特別だし誰も来てくれないかと思ってたけど、まさか君みたいに若いコがきてくれるとはね。はい、こことここにサインしてね。確認までに、ライフセーバーライセンスも見せてくれる?」
「あ、はい、今出します」
ワタルがカバンの中から書類を取り出していると、鳥海は更に畳みかけた。
「ここの給料結構いいでしょ?大学生だよね、何に使うの?」
「えーと、まぁ……ゲームとか服とか、遊びとかっスかね」
「若くていいねぇ!僕にもそういう時代があったなー、家庭持つとそうも言ってられなくなるんだよな。まぁ、嫁も娘も可愛いんだけどね」
ムキムキのライフガードは若い見た目とは裏腹に中年のオッサンみたいな物言いだった。
「はぁ……あの、サインしました」
「おぉ、ありがとね。勤務日と勤務時間はこの前話した通りね――今日は初日だから二人体勢だけど、業務は基本一人で行う。君と僕が交代で出勤して、海水浴シーズンの終わりまで切り盛りする。急用とか体調不良で出勤できなくなった時は遠慮なく僕に連絡してね。大まかな説明はそんなところかな……なにか他に質問ある?」
「……いえ、今のところないです」
『給料もいいし、上司もめっちゃ緩そうだし、ホワイトバイトにありつけてラッキー!』
すました顔の裏で、ワタルはしめしめと浮かれていた。そんなヘラヘラした態度を隠すぐらいの社会性はさすがの彼でも持ち合わせていた。
「じゃあ、浜の案内を兼ねて研修的なやつをしようか。ということで、まず着替えだね」
「あの、私用の水着も持ってきたんですが、指定のやつとかってあるんですか?」
「え、水着?指定なんてないよ、っていうか、水着とかいらないし」
「えっ……じゃあ、私服でオッケーってことっスか?」
「いやいやいや、さすがにそれは」
笑い交じりに「違う違う」と手を左右に振る鳥海だったが、ワタル全く話の脈絡が掴めずにいた。
「その反応を見るところ、さてはワタルくん、ちゃんと仕事の詳細を確認せずに申し込んだな」
図星を突かれ、ワタルはあからさまにうろたえてしまった。
「はっはっはっ、やっぱりね!じゃないと君みたいなトシゴロの男のコが応募してくるわけないよな」
「……あの、すいません、全然話が見えないんですが……」
「君知らないでしょ、この『森浦ビーチ』は知る人ぞ知るヌーディストビーチなんだよ」
『……ヌーディスト、ビーチ……あれか、海外とかの素っ裸で歩き回れるビーチのことか……そんなの、まさか日本にも存在したとは……』
「だから、ウチではライフガードも全裸になるのが決まりなんだ。利用者全員がヌードになるわけじゃないから、僕たちが率先して脱ぎやすい環境を作らないといけないからね」
「……えっ、全裸って、フルチンってことっスか?!」
「フルチンもフルチン、全部丸出しのすっぽんぽんだよ」
「じょ、冗談キツイですよ!まさか、そんな……えっ、本当に、マジですか……?」
「マジマジ」
ワタルの恐れおののく姿を見て鳥海は呆れ笑いをこぼした。
「仕事の概要にもその事を記載してたんだけどね。やっぱり知らなかった感じかぁ……」
「えっ、じゃあ鳥海さんもいつも裸で働いてるんですか?」
「そうだよ」
「ちょ、俺そんなの無理っスよ!」
「まぁ、そうなるよなぁ……でもワタル君、もう書類にサインしちゃったよね?」
「うっ……」
鳥海は少しだけイマドキな若者をいじめてみたくなって声を低めたが、すぐに元の陽気な態度に戻った。
「ははっ、冗談冗談!こっちも無理強いはできないからね。まぁ、君が本当に無理っていうなら、また求人募集を掲載しなおすしかないね。でも、君はいいの?こんな条件のいいバイトなんて、中々見つからないと思うけどなぁ。それに、もう夏休みに入っちゃったし、求人も結構減ってるんじゃない?よく知らないけど」
「ううぅ……」
あまりのショックに混乱していたワタルだったが、鳥海の言う事も一理あった。そもそもワタルがこのバイトに急い任せに応募したのも先を越されないためだった。まともなバイトなんてとうに先着済みだろう。
「で、どうする?僕はどっちでもいいよ。まぁ、やるとなったら真面目に取り組んでもらわないと困るけど」
「……あの、二分――いや、五分!考える時間をください!」
「ふふっ、いいよー。じゃあ僕トイレ行ってくるから、戻るまでに決めてね」
鳥海が事務所の奥に消えると、ワタルはガラにもなく必死に考えを巡らせた。
『条件良し、給料も高い……だが、チンコ丸出し……!でも、このチャンスを逃したらまたコンビニバイトに逆戻り、あそこの時給じゃあ全然足りねぇ……だが、チンコ丸出し……!!ど、どうする、俺……?!』
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(続きは「ハダカノシゴト~男性露出恥譚集①」で読んでいただけます!ここまで読んでくださってありがとうございます!)
〆