『私に関わる人間が全裸で直立していく ~帰り発つ~』(本文1183字)
Added 2021-07-23 07:00:00 +0000 UTC~前書き~ 何も投稿しないよりは、細切れでも投稿した方がいいと判断しました。 反省しています。 ~本文~ アパートに帰ってきた私は、その前の歩道に一人の女性が立っているのを見つけた。 三十代半ば、背は高くもなく低くもなく、胸と尻の肉付きはほどよいバランスで、髪型はベリーショートの一つ手前くらい、目鼻立ちはくっきりしているというか、パーツが全体的にやや大きい印象である。 足元に脱ぎ散らかされた衣類やバッグを見るに、会社の帰りでも遊びに行くのでもなく、近くのコンビニかスーパーにでも向かっていたようなラフな服装だった。もちろん、普段からこの格好で仕事に行っていたのかもしれないし、彼氏との待ち合わせ場所に行く途中だったのかもしれないが、いずれにせよ私と遭遇してしまったのが運のつきである。 実験にはちょうどよかったので、その手を軽く引いていっしょにアパートに入った。 自分の部屋に入れ、ベッドの向かいの壁際に立たせると、彼女に見守られながら普段着に着替え、旅の準備を始める。 準備といっても、この現象が続く限りは食料も着替えも現地調達できるので、いつ終わっても帰れるようにスマホの充電器、財布や通帳に印鑑などと、適当な生活必需品をいくつか入れておく。 それらを部屋の隅に置いていつでも出られるようにしたところで、時計の針は午後六時になっていた。 ベッドの上に座り、ずっと立ち続けていた彼女を観察する。 相変わらず無表情で正面を見つめ続けていて、動き出す様子はない。 私は一度立ち上がると、窓際に置いたままになっていた洗濯カゴの中から洗濯バサミを二つ取り出し、彼女の大きめの乳首を挟んだ。彼女は少しだけ目を見開かせたがすぐに元の大きさに戻し、取ろうとする素振りも見せない。 そのままベッドに戻った私は、スマホのタイマーを一時間後にセットしてから横になり、目を閉じた。 アラーム音で目を覚ますと、彼女はその場からいなくなっていた。しかし、部屋から出ていったわけでもなかった。 両方の乳首を洗濯バサミに挟まれたまま、玄関のドアの前に立っていたのである。しかもそこで立ったままおしっこを漏らしていた。 この移動からわかるのは、彼女が乳首の洗濯バサミは無視したまま、部屋から出ようとしていたことである。それも移動してから、私がかけた内鍵とチェーンは外すことができずに、その場で立ったまま漏らしたということだ。 つまり、私が眠っている(意識を失っている?)間は、私が遠くに離れたのと同義になるらしい。 自由に動けるが、私が移動させたことやしたことは認識できないようだ。認識したなら真っ先に洗濯バサミを外すだろうし、チェーンも内鍵も開けて逃げ出していただろう。 一時間ほど眠っていくらかすっきりした私は、準備したものを身につけて彼女と共に部屋を出ると、いちおう鍵をかけてアパートを後にする。 付き合ってくれた彼女に例を言ってから別れ、歩きながら最初の夕飯と宿について考えることにした。