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人食いアンドロイドとの性活……2

 翌朝、玲太が目覚めると隣に彼女が座っていた。どうやら一晩中側にいてくれたらしい。 「おはようございます。マスター」 「お、おはよう。あ、あのハル!」 「はい」 「昨日みたいなえっちなことは……あんまりしないでくれると……」 「昨日の搾精シークエンスは、充電の為の最善、最適格の行動です」 「そ、そうなんだ……」 「はい」  機械的な口調で答える彼女に困惑するしかない玲太だった。これから一体どうなってしまうのだろう?不安な思いを抱えたまま学校へと向かう事にしたのだが…… 「そうだ、朝ごはんどうしよ」  両親は二人共長期の出張である。それを狙ってアンドロイドを買ったのだが。 「マスター。朝食は用意してあります」  いつの間に用意したのか、テーブルの上にサンドイッチが置かれていた。レタスやトマトなど野菜たっぷりのサンドと、ベーコンエッグを挟んだBLTサンドの二種類あるようだ。どちらも美味しそうだが、朝から食べるにしては少々重いかもしれない。 「ありがとうハル。でもこんなに食べられないよ」 「問題ありません。私も食べますのでご安心ください」 「え、アンドロイドなのに食事も出来るの!?」 「はい。経口摂取によるエネルギー補給が可能です」 そう言ってパクリと一口食べた後、二口目、三口目を続けて頬張るハル。無表情のままもぐもぐ咀嚼する姿は何だかシュールな光景であった。 (なんだか可愛いかも)  そんな事を考えながら見ているうちに、自分もお腹が空いてきたので早速いただくことにした。ハムサンドを手に取り齧り付くと、シャキッとした歯応えと共に瑞々しい葉物野菜の風味が広がる。パンも柔らかくしっとりとしていて非常に美味しい。 「ハル!すごくおいしい!これどこで買ったの?」  目を輝かせながら尋ねる玲太に対し、彼女は冷静に答えた。 「マスターの為に私が作りました」 「ええっ!?すごいね!」  まさか自作だとは思わず驚く玲太であったが、同時に嬉しくもあった。自分の為に作ってくれたという事実に胸が熱くなる。もっと仲良くなりたいと思った彼は、思い切って提案してみる事にした。 「あのさ、これからも一緒にご飯食べようよ」 「かしこまりました」  相変わらず抑揚のない声で返事をする彼女だったが、心なしか嬉しそうに見えた。その様子を見て安心すると同時に、胸の奥がキュンとするのを感じた。これは一体何なのだろうか? 「それにしても、よく食べるね」 「食事による充電は好みです」 「味も分かるの!?人間みたい……」 「味覚センサーが搭載されていますので」  そう言いながら次々と平らげていく様は見ていて気持ちが良い程だ。結局全て完食してしまい、満足そうにお腹をさすっている姿につい笑ってしまう玲太であった。 「ゴチソウサマです」  そう言って手を合わせる仕草はとても自然で、本当に人間のように見えてしまう。そんな彼女を見ているとドキドキしてしまう自分がいる。 「それじゃあ、そろそろ学校だから」 「学校?なぜ行く必要があるのですか?私の仕事はマスターをお守りする事なのですから行かなくても問題ないと思いますが」  真顔でとんでもない事を言うハルに呆れつつも説得を試みる。 「いや、そういう訳にはいかないでしょ……」 「ハルには小学生から大学生レベルの教育カリキュラムもインプットされています。学習面において支障はありません」 「そうじゃなくて……友達とかも居るし」 「……理解不能です。ハルが居ればそれで良いではないですか」 「でも僕は学校に行かないと駄目だと思う……」 「……」  黙り込む彼女を諭すように語りかける玲太。 「分かりました。ではハルも……」 「そ、それもダメっ!アンドロイドは持ち込み禁止なんだよ……それにハルを買ったこと他の子にバレたくないし……」 「しかし、道中のご安全が……いえ、わかりました」  渋々といった様子で頷くハル。何とか分かってくれたようで安心した玲太は急いで支度をして玄関へと向かった。靴を履いてドアを開けようとした時、後ろから呼び止められる。 「マスター、忘れ物です」  そう言うといきなり抱きついてくるではないか。柔らかい感触にドギマギしていると耳元で囁かれる。 「いってらっしゃいませ。ご無事をお祈りしています」  チュッというリップ音と共に頬にキスをされる。突然のことに頭が真っ白になってしまう玲太だが、なんとか平静を装って言葉を返す。 「う、うん。行ってきます」  顔が熱い。きっと真っ赤になっているだろう。 「監視システム作動」  そんな呟きが聞こえた気がしたが、気のせいだと思う事にして足早に家を出たのだった。  玲太を見送ったハルは、超小型の監視カメラドローンを飛ばしていた。これで24時間いつでも彼を見守る事が出来るのだ。 「エネルギーの消費が激しいのデメリットですが……」  画面越しに確認する限りクラスメイト達と楽しそうに会話しているようだった。 (やはり心配ですね)  こっそりと付いて行くか悩んでいると、玄関からチャイムが鳴り響いた。モニターを確認すると、割烹着を着た女性が居た。名札には家事代行サービスの文字。不在がちの玲太の両親が雇ったのだ。 「こんにちはー鈴木です。入りますねー」  合鍵を使い返事を待たずにズカズカと上がり込んでくる女。 「侵入者。ゴミを排除します」  ハルは素早く立ち上がると、エプロンを脱ぎ捨てた。その下にはレオタードのようなボディスーツを着用しており、体のラインがくっきりと浮き出ていた。 「え?ど、どなたですか!?」  突然現れた謎の人物を前に家政婦の女は固まっていた。 「排除します」  淡々と言いながら、片手で女の体を軽々と持ち上げると、 「わ、私!この家の家政婦よ!は、離して!」 「昨日からハルが、この家のメイドロイドになりました。貴方はもい必要ありません。ゴミとして処理します」 「な、なんなの!アンドロイドがなんで!多部良さんのトコに!?」  ジタバタともがく女を他所に、ハルは腹をぐうううーと鳴らす。これは充電不足の音であった。 「急速充電開始……イタダキマス」 「ひっ!?い、いやあああ!?」  ハルの口が大きく開く。家政婦の目の前に、青色の口内が広がる。人間の口内に似せられたそれは、舌まで再現されていた。まるで本物の生き物のようだ。その舌がゆっくりと伸びてきて彼女の体を舐め回し始めた。首筋から始まり胸や腹、太ももに至るまで余す所なく舐め尽くしていく。 「いやぁ!?ロボット三原則はどうなってるの!管理局に通報したら、すぐにスクラップよ!やめなさい!いや!やめっ」  必死に叫ぶが、ハルは止まらない。そのまま頭から咥えてしまう。家政婦の視界が青色に染まると同時に全身を強烈な刺激に襲われる。ぬるぬるとした粘膜の感触と唾液の匂い。そして何より呼吸困難に陥ってしまう恐怖感によってパニック状態に陥ってしまった彼女はじたばた暴れ回るのだが、がっちりホールドされている為逃れる事ができない。そうこうしているうちにもどんどん飲み込まれていく。もう胸の辺りまで来ていた。このままでは窒息してしまうだろう。 「嚥下率50.60……」  だがハルはそんな事などお構いなしだと言わんばかりに容赦なく嚥下を続けていく。とうとう肩まで飲み込んだ所で一旦止まると、今度は一気に飲み込み始めた。喉が激しく上下しているのが見える。ゴキュッゴキュッという音と共に胃袋へと送り込まれていった。全身が完全に中に入ったところでようやく動きが止まる。 「嚥下率100%。対象、分解袋、通称胃袋へ格納完了。ガスを排気します……げえええぷっ」  最後に大きなゲップをすると、ハルは満足そうに腹を撫でる。 「充電開始……分析中…今日の人間は良く育った個体ですね。エネルギーとして申し分ありません。暴れないでください、採点中……貴女の味は72点……“美味しかった”です」  シリコン製の柔らかい腹部が、膨らみ激しく蠕く。柔らかいシリコン製のお腹の中で溶解液に浸けて電池のようにじっくりエネルギーを吸い取って充電するのだ。 「ゲェェプ……人間はエネルギー源として最適。味も素晴らしいです」  そう言いながら胃の中の人間を消化し始めるハルであった。 「いやああ……出して……奥様……坊ちゃん助けて……」  溶かされながらも懸命に助けを求める家政婦だったが、当然その声は届かない。青肉壁から大量に溢れ出した分解液に浸される。これから、じわじわと分解され、ハルのエネルギーにされてしまうのだ。 「ごめんね……陽大……」  遺してしまう一人息子の事を想いながら、彼女は意識を手放した。やがてドロドロに溶け切った後は、ハルの体内でエネルギーとなる運命であった。 「消化完了。撹拌開始。げええぷっ……続いて吸収処理開始……おや?これは……」  床に落ちている物を拾い上げる。それは1枚の写真であった。写っているのは幼い男の子だ。 「“美味しそうな”少年を確認。状況的に、先程消化した雌個体の息子と推測。情報吸収中……確認完了。母、鈴木陽子。消化完了。父、鈴木隆史。5年前事故で死去。息子、鈴木陽大。年齢8歳。身長110cm体重29kg好物ハンバーグ・ポテトサラダ。現在自宅学習中のようですが詳細は不明です」  解析結果を読み上げるハル。家政婦の持っていた人生の全てを情報とエネルギーとして吸い尽くしていく。 「住所確認……確認完了。自立能力なしの為、餓死の可能性あり。鮮度維持の為、早めにエネルギー源として活用するべきでしょう」  彼女にとってはマスター以外の人間は、良質なエネルギー源に過ぎない。それ故の判断だった。ハルこと、EB-A036NFは市場に出回ったのは12番機まで。彼女は異質なプログラムを持ち、別名こう呼ばれていた。人食いアンドロイドと…… 「マスターが帰ってくる前に……“おやつ”としましょう」  そう言うと家政婦から得た情報を元に、その住所に向かうのだった。

人食いアンドロイドとの性活……2

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