あれはまだ魔幻獣が全て目覚めていない頃……。
シェリルはカペナ教団の研究所で、キーとしての役目を果たすため、日々、実験を繰り返していた。
研究主任はジェファーソン。彼女に改造を施した張本人である。
そしてシェリルが13歳の誕生日を迎えた日から、その特別な研究は始まった。
「シェリル、あれはまだ来てないかな?」
「う……うん、まだだけど……んっ!」
「そうか。普通ならそろそろ来ているはずなんだが。」
「ご、ごめんなさい…っ!」
「いや、謝らなくていいんだよ。しかしこの部分には手を加えていない。生殖機能は失われていないはずだが……。君に眠っている力を一日でも早く目覚めさせる。そのためには何度だってやるさ。」
「こ、これって、本当に大事なの!?」
「当たり前だろう。君の二号を作るんだから。できれば初めてのタイミングで作りたい。」
「にごう・・・」
「それ、これが赤ちゃんの素だ……!もっとも君にはまだその力がないようだがね…っ!」
遠慮なくびゅくびゅくと注ぎ込まれるその白濁に、シェリルは思わず身震いした。
*
「そんなことがあったんですね……」
シェアハウスで同じ屋根に住むエレノアは、シェリルの口から飛び出てくる思わぬシビアは話にため息をついた。
「でもね、博士は悪い人じゃないよ!あれのときはちょっと嫌だったけど。」
「シェリルさん。この事はきちんと伝えておく必要があります。今後そういうことは、好きな人以外としてはいけません。無闇に身体に触れさせたりしてもダメですよ。」
「わかった!私もっとかしこになる!」
シェリルは元気よく頷いた。
「でも好きな人って?おとーさんもおかーさんも大好きだよ!」
「うーん、ちょっと難しいですね。家族とか友人ではなく、もっと特別な人。世界でいちばん大切な人のことですね。」
「わかった!エレノアさんにとっての赤髪さんのことだね!」
「え!?いや、別にあの方は、そんなに特別ではない……ですけれど…。好きでも…ありませんし。」
「えー、でもあの人と話してるとき、声のとーんがぐっと上がるよね。エレノアさん。あと背筋もぴーんと伸びるし。」
「そんなことありません!」
「エレノアさんはもうしたの~?」
「しません!」
その日以来、エレノアは妙に意識してしまって顔をまともにあわせられなくなったという。