冒険家とは、文字通り、危険を冒して仕事をする人々のことである。
その依頼には様々なものがあるが、失敗の果てに待つものは、死。というものも決して少なくはない。
例えクエストの成功率が9割であったとしても、裏を返せば1割の確率で失敗するということで、それを10回も繰り返せばいつかは失敗に遭遇する。
あるいは100の戦場で勝ち続けた百戦錬磨の将であったとしても、たった一度の些細な過ちのために命を落とすということもある。
ゆえに、失敗を避けるようにするに越したことはないが、いつかはその時が来るものだと考えて予め備えておくほうが現実的である。
犯罪者を相手にするような依頼が失敗してしまうと、 "ならず者" に捕らえられてしまうという結果が待っていることも多い。若い女性冒険家の場合、その先に待っているのは性的な辱めである。
しかし裏を返せば、美人であれば男性冒険家よりも生還率が高くなるのではないだろうか。従来はそう考えられてきた。
だがギルドの調査した統計の数字が、決してそうではないことを裏付けていた。凌辱の末に奴隷として売られるのであればまだいい方で、実際にはその前に命を奪われることが多い。そのような場合の生還率は、一般に想像するよりかなり低い。それが絶世の美女と呼ばれるような場合でも、だ。
なぜ彼らにとって性処理道具としての"利用価値"が残されているはずの女性たちが、死に至らしめられるのだろうか。
犯罪学を研究している学者は、二つのパターンを見出した。
1つ目は激しく抵抗した場合。
死にものぐるいで抵抗し、手に負えないと判断された場合はあっさり処断されてしまう。しかしこれはあまりケースとしては多くない。
2つ目は、凌辱の末に、ならず者たちの加虐性が強く刺激されて、致命的な傷を負わせてしまうようなケースだ。実際に起きるのはこのパターンが非常に多いことがわかった。
どうすればこの惨劇を避けることができるのだろう。
研究の末はじき出されたのが、囚われた者の人格が否定され、道具として扱われるようになった場合に、そうなりやすいという傾向だった。
凌辱の果てに精神が壊れ、全てに絶望したような反応を見せたとき、ならず者達にボロ雑巾のように扱われ、引き裂かれてしまう。
そのため、ひとたび囚われてしまったなら、過剰な抵抗を避けつつも、決して絶望することなく明るく振舞い続ける。常に会話の糸口を見つけて、彼らの神経を逆撫でしない程度に積極的に話しかけ、対等の関係を築くように心がける。
それが最も生存率の高いルートであることが明らかになってきた。
たとえどんなに性的な辱めを受けようとも、望まぬ子を孕もうとも、命さえあればまたやり直すことができる。
なによりも生き抜くこと。それが冒険家にとって一番大切なことであった。
*
茶熊学園では優秀な冒険家を育てるために様々なカリキュラムを組んでいる。
この極限状態における生存のための訓練は、あらゆる人が受講する訳ではないが、王女ソフィのようにとりわけ命を守ることが最優先である人の場合は受講が強く推奨されていた。
この訓練では、文字通りの"ならず者"達のところに預けられ、"好きに"してもらう。身体に不可逆な損傷を与えない限りは何をしてもいいとされており、大抵の場合は性処理道具として扱われる。
期間は48時間。その間にどのように自分の力で対処するかを訓練する、実践的な実習となっていた。命の危険が迫ったときに即座に実習を中止する最後の手段だけは用意されていたが、それを使ってしまうと不合格になり、実習は初めからやり直しになる。
「あっ!!ああっ……あああっーーっ!」
ソフィはとある島のギャング団のところに預けられていた。
彼らは"比較的"温厚なほうではあったが、金と暴力と女に飢えており、ソフィを喜んで受け入れてくれた。
到着するとすぐに、有無を言わさず裸にされ、団員たちに次々と輪姦される。二つの穴を同時に埋められて、精神が焼ききれてしまいそうなほどの刺激が襲いかかってきた。
だがそんな状況下でも、決してくじけてはならない。ソフィが目指すのは、この48時間の間に全員の顔を覚え、名前で呼び、友達になることだった。
「す…すごいです…アルバートさん……」
乱暴に前の穴を貫いていた男が、名前で呼ばれると、バツが悪そうに顔を背ける。
「ちっ、何で俺の名前を知ってるんだよ。」
「あちらの方が、そう呼んでおられました…。」
「ふん。」
相変わらずピストンが続いていたが、心なしかそれが優しくなったような気がする。
「ボブさんのも、大きくて…っ」
「ああ、こいつは俺の自慢さ。」
下から後ろの穴に入れている男が誇らしげに笑う。
「はやくしてくれよ。姫さん。ちなみに俺はチャーリーな」
ぎちぎちに起立している一物を向けながら、三人目の男がそれを押し付けてくる。
ソフィは確かに手応えを感じていた。
一見、乱暴で分別のないならず者たちだが、一人ひとりに個性があり、良いところも持っている。それを少しずつ見出していき、引き出すことができれば……。
だがこのギャング団には、少なくとも構成員が25人はいる。
果たしてそれら全員の名前を覚え、対等な立場を築けるかどうかは、今後の頑張り次第に掛かっていた。
その前に心と身体が力尽きてしまわないか……。容赦なく体内に注ぎ込まれる精液の熱さに身震いしながらも、ソフィは一人ひとりの顔を観察し続けるのであった。