
昨今クジョウの遊郭には、若い娘を次々と攫う鬼が世間を騒がせている。 その遊郭の鬼を狩るため、先日からトワ達が遊女として潜入していた。鬼は必ず客の男に扮してやって来る。 だが鬼は決して巫女たちの前には現れず、いつも別の遊女を攫っていく。まるでこちらの正体を知っているかのようだった。 そこで自在に姿を变...
コリンはどんなものにも化けることができる。
とはいえ、あくまでも相手の認識を惑わすだけなので、実際の体型が変わるのではない。機械を騙すことはできないので、カメラには本当の姿が映ってしまうのもそのためだ。
とりあえず遊女の姿に化けてみたが、中身までなりきるつもりはない。
そんな姿に騙されて、遊郭の客は大喜びのようだった。
(んー、これは普通の人間ぽいね~)
化けているのは向こうも同じ。
ターゲットの鬼も人間に化けている。ただしあちらは体格そのものを変化させてくる、本格的な变化の術を使ってくるらしい。
だがコリンの直感が、この客は鬼ではないと告げていた。人一倍強い嗅覚が、たんなるスケベオヤジであると認識する。
(ま、てきとーにあしらっておきますか~)
*
「ええと、あーん、あーーーん」
極めて棒読みの喘ぎ声を上げる。
一応、人間だとわかっても最後までやらないといけないらしい。
本当はじっくり気持ちを高め合うらしいが、そういうのはよくわからないし、めんどくさいだけなので、さっさと挿入してもらった。
(こんなのの何が楽しいのかねぇ)
参考までにと、カスミがやっているところを一度影から見させてもらったことがある。最初は嫌そうな顔をしていたのに、なんだかんだでまぐわいが始まると気持ちよさそうにしていた。
自分にはあれがわからない。子供をつくるわけでもないのに何が楽しいんだろう。
(およ……?)
だが、そうして虚無心で突かれているうちに、突然どくりと心臓が鼓動した。
そして次の瞬間、雷鳴のような感覚が突き抜ける。
「ん…ああっ…っ!!」
今のは演技ではない。思わず溢れ出てきた喘ぎ声。
さっきまでなんとも感じなかったのに、今は心が燃え立つように熱い。
(まずい、まずいなぁ、このタイミングで来るとは……)
コリンには覚えがあった。この感覚。
狐の獣人であるコリンは、年に一度、冬の間だけ発情期が来る。すっかり忘れていたが、今がちょうどそのシーズンだった。
性交による刺激で、それが始まってしまったらしい。
一年に一回しか来ないぶん、発情期はなかなかに強烈だ。何もしていないのに突然走り出したくなったり、叫びたくなったりする。そしてなんといっても性欲が非常に強くなる。排卵も毎日行われ、受精率は極めて高い。
「あっ……!!ああーーっ!!」
そんなタイミングで突かれてしまうものだから、声を止めることができないほどに気持ちが昂ぶってしまう。
(こんなおっさんに孕まされるなんて……勘弁なんですけどっ……!)
心とは裏腹に、身体が求めてしまい、がっちりと奥でそれをくわえ込む。
その反応を見て客も喜んだのか、射精に向けてスパートのピストンを始めた。
(だめ、中は、ダメだって……!)
「ください、中に、中にたくさんーっ!!」
まるでもう一つの自分が吼えるかのように、勝手に言葉を紡ぎ出す。
そしてそれに呼応するように、客の男はびゅくびゅくと膣内に遺伝子を吐き出した。
「くううっ……っ!!」
その瞬間、幸せのオーラが前身を包み込み、喜びに五肢が打ち震えた。
*
「まっずいな~」
さっきの客は案の定、鬼ではなくただの助平親父だった。
ということはこれからもまだここで接客を続けなければならないということだ。
発情期間は1週間は続く。シラフでやり過ごすよりもマシと見るべきか。いや、それ以上に妊娠の危険のほうがまずい。
トワたちが困った顔で助けを求めてきた理由が、少しだけわかった気がした。
ねこトトラ@猫虎屋
2023-02-11 14:56:53 +0000 UTC皐月狐
2023-02-10 20:31:14 +0000 UTC