ジョカの島の酒場にしばらく厄介になることになったエルフ母娘は、宿泊費がわりに少しだけお店を手伝うことになった。親子と言っても血は繋がっていない。
「人間界の歌姫は、みんなこういう仕事をするって聞いたわ」
「おかーさん、それ絶対騙されてるって!」
「ほら、お客様が来たわよ。あーちゃん、ご挨拶。」
「えぇ~……」
「ムジカエルフのノクタリカと申します。本日はよろしくお願い致しますね。」
「同じくムジカエルフのアリアシカ……よろしく。」
「あーちゃん、表情がかたーい」
「こういうの初めてだから、よくわからないんだけど。」
「ふふふ、お母さんがお手本を見せてあげるから、あーちゃんはよく見ててね。」
「はいはい」
(うわ…そんなことまでするんだ)
普段はおっとりしている母の垣間見せる妖艶な表情に、アリアシカはどきりとした。
D4C
2022-10-17 11:27:38 +0000 UTC