もう一つの飛行島の一味とは敵対関係にある。
同じ目的のために一時的に共闘したことはあっても、決定的なところで軸がずれているため、結局のところ和解することはなかった。
あれ以来、全面的にぶつかり合うことは無いが、時折小競り合いのようなことは起きている。
そんな中、無防備に一人で歩いているサヤを発見し、飛行島に"保護"することに成功した。
能力を発動できないように厳重に消魔のルーンを施した後、地下室に仮置くことにした。捕虜として、全ての衣服を剥ぎ取り、拘束している。
「で、どうするつもりだ。」
ダンテがジロジロと眺めながら口を開く。
集まった飛行島の主要メンバーで、彼女の今後の処遇について話し合っていた。
「どこかの国に引き渡せば、間違いなく死罪になるであろう。」
ウマルスが神妙な顔で言う。
「まーしゃーないよな。あの事件でどれだけの人が犠牲になったか。」
ダンテもバルラ島の被害状況を思い出して眉を潜める。
「しっかし、そういうのはさ、ちょいと後味がよろしくねーな。」
コジローが頭をかきながらめんどくさそうに言う。
「うむ、我々もそういう結末を望んでいるわけではない。」
ウマルスが真顔で同意する。
「しゃーねーな。しばらく皆に尽くして貰おうじゃないの。」
その日から、サヤは飛行島の宿屋で働くことになった。
それが彼女の贖罪となり、皆に許してもらうための最良の方法であろう。
それに加えてもう一つの目的もある。
彼女にこういうことを続けされれば、いずれ間違いなく兄が現れるだろうという予測だった。
幼児のような見た目に反して、すでに子供を作れる身体のようだ。だがあえて避妊具の類は与えていない。そんな状態で毎日接客し続ければ子を授かるのは時間の問題だが、果たしてそれまでに兄は来るだろうか。
もちろんやすやすと奪い返されるつもりはない。サヤの身体を研究したおかげで〈破壊〉の力対策は万全であり、いつ来ても大丈夫なように罠を張っていた。
飛行島同士の決戦が近づいていた。