「いいよ、中に入りたいんでしょう」
そう言った瞬間、魔法生物は喜びに打ち震え、エマの一番敏感なところに入り込んでいった。
「ん……っ」
無機質なゼリー状のそれが花弁を押し広げて、奥まで中に入ってきても、ちっとも不快感がない。これなら受け止められると思う。
「待って、順番…ね。」
無数の触手が羨ましそうにその周りに集まるが、流石に二本は入らない。代わりの穴を探して入ってくる。
「そっち…は…」
前の穴に比べれば不快感が強いが、じきに慣れそうな感覚だった。手持ち無沙汰になった他の触手たちは甘えるようにすり寄ってくる。それぞれが別の意志を持っているのだろうか、それとも一つの意志によって蠢いているのか。お互いが争うこと無く平和的にエマの身体を共有していた。
見た目は下等生物に見えても、高い知能を持っている生き物に他ならない。
エマは崇高なる幻獣様のことを思い出す。
幻獣様は見た目は無骨で恐ろしいけれど、その心は確かに真っ直ぐとしたものを持っていた。
難しい事情により幻獣様とはお別れせざるを得なくなったけれど、今でもあの時のことを懐かしく思う。崇高なものに仕え、自らを捧げる精神。それを思い出していた。
「慌てなくていいよ。私は、ずっとここにいるから」
エマは静かにそれに微笑みかけた。
ねこトトラ@猫虎屋
2022-09-24 15:14:05 +0000 UTCみょん
2022-09-22 13:35:43 +0000 UTC