闇の王を退け、王の力を手に入れたとは言うものの、その力をまだ十分に操ることができていなかった。
ふとするとその力に呑み込まれそうになる。
<役割>が人格を食らっていき、やがては乗っ取られてしまう。そういう例を何度か見てきた。
暴走する<破壊>の姿を見て、やがて自分もああなるのではないかという不安がよぎっていた。
「君の力は強力すぎる。そうだな、例えるなら溢れ続ける盃のようだ。それはやがて世界に禍をもたらすだろう。そうなる前に、適切な受け皿が必要だね。」
フムニールはそんな助言をくれた。
「いわば君だけの<騎士>だ。」
力をあえて分散することで、制御しやすくし、暴走を防ぐ。だが誰でもいいわけではない。
「本来ならばパートナーであるアイリス君にお願いできればいいのだが……彼女は光の王だからね。僕も何が起きるかわからない。別の人を選んだほうが良い。」
慎重に検討を重ねた。仮初めとはいえ、一時的にパートナーとなる相手だ。
ただの女性ではいけない。器として相応しい肉体と精神をもっていなければならない。
熟考の末、選んだのはルウシェだった。
「その役目、喜んでお引き受けします。」
ルウシェは快諾してくれた。
「そろそろお辛くなってきたのではありませんか?」
ルウシェはどこに行くにも一緒に付いてきてくれる。
そして、力が溢れてきたのを見計らって、いつでもその役目を果たしてくれる。
「あなたのそのお力、私にください……」
*
「ああ……っ!いいです……力が……溢れてきます……!」
ルウシェは特異体質だった。そのソウル許容量には限界が見えず、いくら注いでも全てを受け止めてくれる。
多いときは朝と夕と晩に一日三回することもあった。
「ください……なかに……私の中に……!」
何度求めても嫌な顔ひとつせずに、むしろ歓んで引き受けてくれる。
身体がよく馴染む。まるで自分を受け入れるために作られたかのように。
どくどくと中に注ぎ込んだあとも、まだしばらく繋がっていたいと感じた。
*
「申し訳ありません、少し、お休みを頂けるでしょうか。」
10日10晩、その身体を犯し続けた翌朝、ついにルウシェからそんな一言があった。すっかり愛想を尽かされてしまったのかと思ったが、そうではないようだ。
「いえ、違うのです。お役目は今後も引き受けさせて頂きたいのですが、その、月のものが……」
どうやら穢れの期間に入ったようだ。
あれだけ毎日中出しし続けたのに、それが来た事にほのかに惜しさを感じつつも、正直ほっとしていた。ルウシェはあくまでも一時的なパートナーで、ここで二人の間に子供が出来てしまうといささか厄介なことになる。アイリスをがっかりさせてしまうだろう。
これからの事も考え、抜本的な解決策を考える必要があった。
少なくともあと一人、騎士となるパートナーが必要だ。
生理期間とその後に来る排卵日に伴う危険日は避けるようにして、もう一人のパートナーに相手してもらう。二人交代制にしてもらえば妊娠の確率を下げつつ、毎日の必要を満たすことができる。
ただ、誰でもいいというわけではない。
キングスクラウンのメンバーは、アイリスの騎士たちなので、できれば避けたい。
優しく献身的で、無限のソウル受容量を持つ、ルウシェほど適任な人はいないように感じた。
だが選ばなくてはいけない。
果たして誰が適任だろうか……
ねこトトラ@猫虎屋
2022-07-22 15:01:07 +0000 UTCカイビャク
2022-07-19 19:52:47 +0000 UTC