順調にAV出演を重ねていたティナだったが、苦手なことが一つあった。
撮影に先立ち、ブラッドがそれを指摘する。
「お前さ、フェラだけは絶対にやりたがらないよな」
「当たり前でしょ!あんなもの口に入れるなんて絶対無理!」
「なんなら俺ので特訓するか?へへへ」
「汚いものを、近づけるなー!」
本日一度目の拳が炸裂する。
「でもさあ、基本中の基本だろ。」
「じゃあブラッドおじさんがお手本見せてよ。できるでしょ?」
「そ…それは…」
ブラッドのトラウマが蘇る。ヤクザの下っ端ともなると色々思い出したくない経験があるもんだ。
「ほらー。やっぱりできないでしょ。それは私も同じです。」
「でも本番は嫌いじゃないんだよな?」
「あれは…その……結構気持ちいいから。でも口でしてもちっとも気持ちよくならないじゃない。」
「ほう、なるほどな」
ブラッドがにやりと笑う。
そして撮影が始まった。
*
前戯が済み、ティナは四つん這いの体勢でそれを待った。
ティナが一番好きな後背位の体勢である。これなら相手の顔を見なくて済むし、相手に顔を見られないのもいい。
ともかく快楽だけに集中できる、お気に入りの体位だった。
お尻を上げて、ぬるりと入ってくるのを待つ。
「ん………はあ……っ……」
男のそれが花弁を押し拡げて、ゆっくりと侵入してくる。まるで鍵穴が開かれ、身体に適合していくようだった。欠けたパーツが繋がり、満たされていく。この瞬間がティナは一番好きだった。
「はぁ……~っ!」
深呼吸していたところ、突然息が止まるほどの衝撃が走る。一番奥を突かれたのだ。それは痛みに近い感覚だが、子宮全体を震わせて、やがて快感に置換されていく。
一度の衝撃でそれだけ気持ちいいのに、それが連続で何度もされたらどうなってしまうのだろう。
ゆっくり動いていたのが、次第にペースを上げてリズミカルにピストンを始める。
(やっぱりこれ好き…っ!)
どんなに美味しいご飯を食べたときよりも、強烈に快楽中枢が刺激される。身体の奥底からやってくる快感の波が、いつまでも止まらなくなる。
もっと欲しい。もっと刺激が欲しい。腰を高く上げてリズムにあわせる。
気がつけば、もう一本のペニスが目の前にあった。
ティナは夢中でそれを掴むと、手で擦り上げる。
なんて大きくて立派なのだろう。
これと同じものが今自分の中に入っているのだ。そして気持ちよくしてくれている。
そう考えるととても愛おしく、素敵な存在に見えてくる。
「んむっ」
あれほど嫌だったはずの行為も、今は自然にできる。
亀頭に舌を這わせ、唇をつけてその先端を吸い、そして口の中に含んでいく。ちょっと癖のある味がするが、それほど気にならなかった。
手でしごきながら舌を回転させると、どんどん太く固くなっていった。
今にも射精しそうな勢いである。
でもティナは勿体ないと思った。せっかくこんなに太くなっているのに、今出してしまってはすっかり縮んでしまう。それに、口の中にアレを出されるのはやっぱり嫌だ。
「うッ…」
そんな中、後ろの男がうめき声と共に限界を迎え、腰を激しく打ち付ける。そしてびゅくびゅくと射精を始めた。
目の前に意識が集中したせいか、後ろのことを忘れていた。無断で膣内射精をされたことも気になるが、それ以上にイけなかった事がちょっと悔しい。
でも幸いにもアレは一本ではない。
「あの……、こっちでしませんか?」
眼の前のそれから口を離し、ティナは押し倒すようなかたちでその上に跨って、騎乗位の体勢で自らそれを導き入れた。
*
「結局、台本通りにはやらなかったな。ま、いいけどよ」
すっかり撮影が終わった後、ブラッドがひとこと言ってきた。AV撮影にも一応シナリオと脚本がある。だが必ずしも守られるとは限らない。
「やっぱり口でするのは嫌です。」
「結構美味しそうに咥えてたじゃないか」
「でも、口に出されるのだけはぜーったいに嫌!」
「ナカに出されるのはいいんだな」
「それも本当は嫌なんですけど……。というか台本だと中出しはナシって書いてたんですけど!今日は結構危ない日なんです!」
結局あの後も膣内射精を繰り返され、まだ溢れて垂れてきそうな感覚がある。
「まあそのへんは臨機応変ってことで」
「都合のいいところで改変するなー!」
本日二度目の拳が炸裂する。
やっぱり口で受け止めておけばと後悔するティナであった。