遊郭に現れるという<鬼>を討つために、トワ達は遊女のふりをして潜入していた。
<鬼>は必ず客として現れるはず。
その絶好の機会を狙って、毎晩客を取り続けていた。
客の男がトワのお尻を乱暴に掴んで、その秘所に己のモノを突き立てる。
先日まで処女だったそこは、もはや何の抵抗もなくぬるりとその太いものを飲み込んでいく。
大切なところを内側から押し拡げられ、侵入を許したことに、トワは深い息を吐き、身震いをした。
いつまでこんな事を続けるのだろうか。
鬼を探し始めてからはや二週間が経とうとしており、経験人数は両手では数え切れないほどになってしまった。
もう一生分の経験をしたかもしれない。
いや、クオン家の方針では、一人の男性に一生を尽くさなくてはならない。
ならば来世の、そのずっと来世のぶんまでもしてしまったのではないだろうか。
この状況にどんどん慣れていく自分が恐ろしくなる。初めの頃は知らない男に抱かれるのが嫌でたまらなかったのに、今となっては自ら腰を突き出して誘うほどになった。遊女のふりをしていただけなのに、すっかり自身が遊女になろうとしている。
男に突かれる事の悦びを知ってしまった自分が、この仕事を終えたあとも、果たして元の自分に戻れるのだろうか·····。そんなことを考えたりもする。
「出すぞっ!」
背後の男が激しく腰を打ち付けて、強烈なピストンをしたかと思うと、一番奥まで腰を突き出してその中でびゅくびゅくと白濁を放った。
外の島では薄いゴム製の避妊具なども売られているが、この島ではまだ普及しておらず。生でするのが主流である。
そのため避妊するには直前で抜いてもらわないといけないのだが、トワが気弱そうなのを見て、遠慮なく膣内に射精していく客も多い。
だがそれも計算のうちだった。
「かかりましたね」
射精の余韻に浸っている男の隙をついて、トワは隠しておいた弓を取り出した。
ついに見つけたのだ。
その男は間違いなく<鬼>。この二週間、苦汁をなめながらも探し続けていた相手であった。
射精された精液を通して呪いをかけ、男を動けなくする。通常の呪術よりも、触媒を通しているため強力な作用がある。
「あなたを討ちます。お覚悟を。」
弓を構えて矢をつがえ、心の臓に狙いを定める。だがその手が震えていた。弾くはずの指が言うことをきかない。
「どうした?巫女よ。」
「う…動けな……っ」
「くくく、私がなんの対策も講じていないと思ったかね、巫女よ。その呪い、そっくり返してやったわ。」
鬼の言う通り、強力な呪縛がトワの全身を縛っていた。膣内に射精された精液が触媒となっているため、それを振りほどくということができない。
手足を思い通りに動かすことができなくなり、布団にどさりと横たわった。
全ては計算ずくであったのだ。罠にはめるつもりが、逆にはめられてしまった。<鬼>は自分が討伐対象であることにとっくに気がついていたのだ。
「ふむ、食ってしまうのは勿体ない美貌だな。」
<鬼>は正体を隠すのをやめ、本来の姿に戻っていた。
「だ、誰か……っ!」
「無駄だ、巫女。この部屋に入ったときからとっくに結界を張っておいたわ。貴様は気付いていないようであったがな。」
そういわれてみるとやけにしんと静まり返っている。
いつもなら隣室から壁越しにいくつものあえぎ声が聴こえてくるものだが、まるでこの世界には二人しかいないような静けさだった。
「さてと、その胎に我が子を宿すまで、犯し尽くすか……」