軍隊において、階級は強力な意味を持つ。
階級が一つでも違えば、命令への絶対的な服従を求められる。
とりわけ海軍においては、船という密閉環境に長期間拘束されるため、その指揮系統は厳格であった。
ゆえに船によっても、キャプテンが誰であるか次第でまったく雰囲気が違う時がある。艦長がおおらかであれば居心地がいいし、厳しければその逆にもなる。
「あの船はあまりいい噂がない。気をつけるんだ、中尉。」
転属の際にシン大尉に耳打ちされたことを思い出す。マナは中尉だが、技術将校で部下を持たない。索敵能力に優れているため、急遽シグルド中佐の艦隊に配属されることになった。
中佐は数々の戦功を上げた叩き上げの軍人で、その存在は軍にも一目置かれている。一方で、手癖が悪いという噂も囁かれており、女性士官が何人か定期的に転属を繰り返しているそうであった。
「呼ばれた意味は、わかっているな。」
「はい……」
配属初日、艦長室に呼ばれたマナは、その異様な雰囲気を悟っていた。待っていたのは勇壮な軍服姿の中佐ではなく、ベッドに座り、半裸で目をギラつかせた中年の男だった。
「我が艦にようこそ。歓迎するよ。マナ中尉。」
「ありがとう……ございます」
服を一枚ずつ脱いでいく。海の上では上官の言うことは絶対で、逆らうという選択肢はない。
船に乗る前にあらかた情報を集めてきたが、機密情報を調べて出てきたのは、この船を降りた女性士官はいずれも産休を取っているということだった。
「くぅ……ん…っ」
マナは必死に声を押し殺す。艦長室は個室とはいえ、狭い船の防音効果はほとんどないと言っていい。各部屋は伝声管で繋がれており、その蓋を閉じていても音が漏れ出す可能性は充分にある。
こうなることは分かっていたので、心を無にすることに決めていた。何も考えなければいい。ただ終わるときを待つだけ。
しかし大切なところを深くえぐられ、太いものでかき回されると、身体が勝手に反応してしまう。多くの女性を泣かせてきただけあって、その大きさもテクニックも味わったことのないものだった。
「く……あ……っ!」
中佐の手癖の悪さをこの艦の船員で知らぬものはいないが、ときおり下士官たちにも"おこぼれ"が貰えるため、その士気は惣じて高かった。
海の上というのは娯楽が極めて限られており、性欲の発散の場も少ない。中佐が転属させてくる女性士官はこぞって美人ばかりなので、部下たちも美味しい思いをすることも少なくなかった。そのまま嫁に貰うものもいる。
マナもその一人に加えられてしまったのだ。
「はあっ……はああっ…んっ!」
この船を下りる頃には、果たして自分は無事でいられるのだろうか。
ドクドクと注ぎ込まれる熱い精を中に感じながら、マナは狭い艦長室で嬌声を上げた。