セツナ達が住むクジョウの島には、自由恋愛という概念がない。
結婚相手は親が勝手に決めるもので、幼少期も学校も完全に男女別。
また、クジョウの島にはこれといった産業基盤がなく、外貨獲得のために観光に大きな力を入れていた。
アオイの島ほど立派な温泉が湧くわけでもないので、遊郭が主幹産業のひとつであった。結婚していない庶民の若い女性は遊郭で働く者も多い。
親の決めた許婚と結婚するか、遊郭で金持ちに身請けをしてもらうか、いずれにせよ当人に選択の余地はない。
しかしセツナは外の学校に通ったことで、島の価値観が大きく歪んでいることに気がついた。人生ってそういうものじゃない。自分で選択して好きなように行きていく。そう気付かせてくれたのが茶熊学園での生活だった。
3年間の学園での生活を終え、クジョウの島に戻ってきたセツナを待ち受けていたのは、彼女が密かに恐れていたことだった。
「あたしは結婚なんてしないからね!」
親の決めた縁談が勝手に進んでおり、どこぞの知らない庄屋の息子に嫁がされそうになる。
トワも勝手に許婚を決められてしまったようで、二人を引き剥がす両家の工作にしか思えなかった。
アラヤの家とクオンの家は水と油の関係で、今は多少軟化しかものの、やはりトワとセツナが一緒にいることをあまり快くは思っていないらしい。
「こんなくだらない島、もう出ていこう。ね、トワ。二人で暮らそ」
「はい……私もそうしたいです。」
その事はトワも異論が無いようだった。しかし比較的庶民寄りであるアラヤの家と比べ、クオンの家は名家でしきたりのしがらみが強い。
外の島の学園に通うことすら大変だったのに、出ていくとなると勘当されて親と絶縁関係になる可能性が高い。そうなると、誰の支援も受けずに自分たちでやっていかないといけない。
「今必要なのは、お金…か」
慎重に予算を計算した所、別の島に二人で移り住んでやっていく初期費用として、100万は必要だった。
トワとふたりで50万ずつ稼ぐ。期限は縁談が進んでしまう3ヶ月以内。
幸いにもこの島には遊郭がある。若い女性が稼げる手段はここしかなかった。
今またがっているのは外の島の人間だ。
この島は外貨獲得のために外国人向けの遊郭を充実させており、ここもその一つだった。昔ながらの座敷ではなく、ソープランドと呼ばれるモダンなスタイルの売春施設だ。
外の人なら後腐れなく、その場限りの関係になるのがいい。
ただ島の男に比べて男性器のサイズが一回り大きく、入れるのにはなかなか苦労した。
ちゃんと避妊具を使えるのもこの施設のいいところである。ここで望まぬ妊娠してしまったら元も子もない。
その代わり、積極的にこちらから奉仕しなくてはいけない。
「んん……っ!」
手のひらに余るほどのサイズのものを自ら秘所に導くと、熱くて硬いものがぬるりと入ってきた。背筋にぞわりとした感覚が走る。間もなくずっぽりと全て呑み込んでしまった。
「んっ……んっ…」
体重を後ろに傾け、少し反るような体勢で腰をグラインドしていく。
こうすると、へその下の気持ちいい所に当たることに気付いてしまったのだ。
今日の客はいつもよりサイズがあるようで、腰を落とすとGスポットをなぞるようにして、一番奥にゴツゴツと当たる。当たるたびに電流のようなものが全身に走って、気持ちよかった。
知らない男と身体を合わせるのは不愉快だったが、気持ち良さがその不快感を打ち消してくれる。
(……はあっ…ああ…っ……)
隣の部屋からトワの声が聞こえる。あっちも始まっているらしい。
なんだかそれが悔しくて、こちらも負けじと声を出してかき消した。
先輩のカスミさんが20万ほど援助してくれることになったので、二人で40万ずつ稼げば外に出られる。彼女もこの遊郭で働いている。
客一人が払う料金は4万だが、そこからセツナ達が受け取れるのは2万。つまりは20人ほどから搾り取れば40万用意できる算段だ。
自由な生活を夢見て、セツナは深く腰を下ろした。
ねこトトラ@猫虎屋
2022-01-16 16:28:00 +0000 UTCカイビャク
2022-01-14 14:22:26 +0000 UTCねこトトラ@猫虎屋
2022-01-14 10:47:20 +0000 UTCみょん
2022-01-13 15:17:41 +0000 UTC