鬼を討つため遊郭に遊女として潜入したカスミ達だったが、すでに作戦が始まってから10日が経とうとしていた。
しかし一向に鬼の気配すら現れない。
その間毎日客を取る羽目になっていたので、すでにのべ9人の男と寝ていることになる。そして今夜は累計で10人目を迎えていた。
元々男嫌いのカスミにとって、この遊郭でのご奉仕は苦痛そのものだったが、10人目ともなるとさすがに慣れてくる。
これだけ性交を繰り返していると、いつ妊娠してしまうかという恐ろしさもあったが、何よりもカスミはこの状況を受け入れつつある自分が怖かった。
大きく分けると二種類の客がいる。
自分の快楽だけを考えている客と、カスミをイかせようとしてくる客だ。
前者の、自分の快楽だけを追求する客のほうが、ある意味で気楽だった。
カスミをただの性処理道具のように扱い、欲望のままに肉体を貪る客。道具として扱われるのだから、こちらも道具に徹するだけだ。ただ壊されないようにだけ気をつけながら、天井を見てひたすら無心で事が過ぎるのを待つことができた。
しかし後者の場合、カスミを気持ちよくさせようとしてくる。
これは厄介な客だった。
時間をかけてゆっくりと愛撫し、お互いを高め合おうとする。
否応が無しに身体の熱が上がっていき、挿入されると最高の快楽の頂点を迎えてしまう。それが悔しい。
「は、早く入れなさいよ……。」
今夜の客はねっとりと時間をかけて愛撫してくるタイプの男で、カスミは大いに翻弄されていた。
もどかしくてそこに欲しくなってしまう。これ以上愛撫を重ねられると溶けてしまいそうだった。なので早く終わらせたくて催促する。
「はぁああん……っ!!」
待ち望んでいたものがぬるりと入ってくると、思わず歓喜の吐息をついてしまう。
手で触れているときもかなり大きいと思ったが、そこで受け入れると改めてその大きさを実感する。
一番奥の子宮口の下の空間をぴったりと埋めるように亀頭が当たる瞬間、息が出来なくなるほど気持ちいい。それを連続でやられるのだから、たまったものではなかった。
「ああん!ああっ!ああっ!」
自分でもはしたないと思うような声を上げてしまい、思わず口を噤もうとするが、身体の内側から来る溢れるほどの快感に、声を抑えることができなかった。
いつから自分はこんなに淫らではしたない女になってしまったのだろう。
果たしてこの作戦が終わってからも、もとの自分に戻ることができるか、カスミは不安になりつつあった。