「私、この力を使いこなしてみせる!」
そうティナが決意したのは、たびたび暴走する危険に見舞われた末のことだった。
今のところ、ティナは自分の意志で力の扉を開いたり閉じたりすることはできない。
鍵穴式のリミッターをつけている間は暴走しにくいものの、それも圧倒的な出力の前には紙のように脆く、一度暴走してしまうとあっという間に砕け散ってしまう。
かといってリミッターを外せばすぐに力が溢れ出すわけでもなく、発動には強い感情の高ぶりと、身体の奥底から来る熱いエネルギーが必要である。
発動のトリガーを任意でON/OFFできるようにし、かつ暴走しないようにするというのは極めて難しい。力任せに押さえつけるのではなく、繊細な火加減の微調整がいる。
それがティナにとってはなかなかもってハードルが高い。
しかしプレシャスチルドレンについて記した書物を見ると、ある興味深い方法でその力の制御を特訓できることがわかった。
「イく……いっ…ちゃう………ーー!!」
ティナは腰をガクガクと震わせながら切なそうな声を上げた。
繋がっている部分がぎゅっと締め付けて収縮を繰り返す。
そして同時に、見えない扉が乱暴にガバっと開かれて、そこから嵐のような膨大なソウルが溢れ出してきた。
暴走だ。完全に制御できていないプレシャスチルドレンとしての力の暴走。
全てを破壊し、めちゃくちゃにしてしまう素朴で圧倒的な暴力。
それを優しき闇で包み込み、静かに抑え込んでいく。
(ふう……)
少し冷や汗が出るが、予め待ち構えていたことなので、冷静に対処できる。そうでなければ、このベッド、いや部屋ごと吹き飛んでいただろう。
「すみません…また、いっちゃいました……。」
ティナは申し訳なさそうに涙目で謝罪する。その涙を拭ってやり、特訓を続けることにした。
ティナの内部のトリガーを開ける最も簡単な方法が、性的快感で絶頂を迎えることである。
だがそうやって開かれた扉は一度に大量の力を放出してしまい、制御できなくなる。
やかんをひっくり返すのではなく、まずは急須でちょろちょろと小出しにするように、少しずつ力を出すよう制御できるようにならなければならない。
しかしそういう抽象的な事を言ってもなかなか理解が難しいので、手っ取り早くわかりやすい目標として、ティナ自身がイくまえに、相手をイかせることを目指すことにした。
その特訓の相手として、暴走状態に陥っても解除することができる、闇の王の後継者である自分に白羽の矢が立った。
役得のようだが案外辛い立場である。
キスをしようとするとすごく怒るので、肉体だけの繋がりであることを実感させられる。もっともキスも性行為にとっては重要な役割を持っているはずなのだが…。
そして特訓のパートナーとして選抜されたからには、安易にこちらがイかされてしまうわけにもいかない。
できるだけ肉のディルドーに徹しないといけない。そして暴走したら即座に止めなければならず、その魅力的な身体を味わうというお得感をもってしても、なかなか大変な役回りだった。
-つづく-
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