ルウシェは贖罪の聖女として、人々の様々な罪を受け取り、それをアラストルに喰わせるという役目を背負っている。
このたび贖罪することになったのは、貪欲のあまり闇として変質してしまった哀れな人間の残滓だった。
人としての姿を失いつつあり、多数の触手を蠢かせている。
これを贖罪する……。これまで多くの逆境を受け止めてきたルウシェにとっても、さすがに逃げ出したくなるような禍々しさがあった。
だが他に誰が代わってくれるというのか。
その全てを受け入れる覚悟で、ルウシェは一歩前に進み出た。
「あなたの罪を……私にください」
触手は最も原始的な欲求に従って、ルウシェに襲いかかった。
すなわち性の欲求。秘所をまさぐり、その中に捻り込み、欲望を吐き出して、子孫を残さんとする獣の欲望。
生殖器のみならず、肛門や口からも入り込んで、犯し尽くそうとする。
その欲望の激しさに、ルウシェも身を悶えて苦悩した。
先端から吐き出される白濁の量も人間のそれとはまるで違う。
とりわけお尻から入ってきているものは、限界がないためどこまでも逆流してしまう。お腹がゴロゴロと鳴って、それを排出しようと抵抗するも、すっかり塞がれてしまってそれができない。
口から入ってくるものは嫌悪感が強い。ゼリーのような粘土の高い触手なので、喉の奥まで入って窒息させられないように抵抗しなくてはならない。
膣内に入ってくるものは甘美な刺激を与えてくるが、孕まされてしまうのではないかという本能的な恐怖感がせり上がってくる。
だがその一本一本を、慈愛によって包み、受け止め、その罪を食らっていくことで、時間をかけて少しずつ鎮めていった。
「あなたに、安らかな眠りがあらんことを…」
すべての触手が動かなくなり、その闇が消失した時、ルウシェはぐったりと浅く息をしながらも、聖母のような笑みを浮かべていた。
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