怪盗が盗んだものを隠す秘密の穴がある。
そのポケットは、ぴっちりしたスーツを着ている時も動きを阻害することなく収納することができ、たとえ裸に剥かれてボディチェックされても見つかることはない。入口付近なら見つかる可能性もあるが、奥の方に入れてしまえばその心配もない。大変便利な空間だ。
この秘密のポケットを開発して、いつでも使えるようにしておくのは怪盗としての基本的なスキルの一つだった。
とはいえそこは基本的に入れる穴ではなく出す穴である。
故に、不慮の事態として上から望まぬものが降りてくる事も起こりうる。
それを防ぎ、清潔なままでいつでも使えるようにするために、スペーサーを入れておくのは怪盗としての嗜みであった。
前の穴と違ってそちらは無限の奥行きがある。使えるスペースが長ければ長いほど、それだけ大きなものを運ぶことができる。
今のところピアナは20インチ、50cmものスペーサーを呑み込むことができる。
だが熟練者は最大で60インチ、150cmもの奥行きを使用できるものもいる。それ以上は人体の構造上不可能である。
任務に備えて、ピアナは24インチの透明なスペーサーをポケットに差し込んでいった。今日はいつもより長いのにチャレンジだ。
それは簡単な作業ではない。よく準備して丁寧に行わないと、腸壁を傷つけてしまう可能性がある。まず浣腸液で腸内洗浄を行う。その後スペーサーにたっぷりとローションをつけて、少しずつ挿入していく。
ひんやりとした感触が侵入してくるのを感じた。
まず当たるのは直腸内の3つの弁、いわゆるヒューストン弁というやつだ。
そのうち真ん中のものが一番大きく、コールラウシュ壁とも呼ばれる。ここを越えるときに鈍い圧迫感がある。越えた瞬間にグポッとするような感覚があり、これがいわゆるK点超えだ。
それを超えればいよいよS字結腸に到達する。ここがいちばんたまらないポイントだ。
強い快感に襲われて意識が飛びそうになる。だが快感が欲しくてやっているわけではない。目の前が真っ白になる感覚をなんとか押さえつけて、S字を抜けるイメージを作った。大きく蛇行しているので、ここを通過させるのがなかなか難しい。
S字越えを果たすと、その先は大腸だ。ここは意外とストンと入っていく。このエリアをどれだけ使えるかが、怪盗としてのレベルの高さにも繋がる。
ピアナが試したことがあるのはまだ下行結腸まで。その先に行くのが怖かった。
だが今日の24インチのスペーサーならその先の横行結腸まで到達できる。
下から上に来ていたものが、大きく横に曲がる。そこを抜けるのは至難の技だ。
結局横には少ししか入らなかったが、今回はこれで行くことにした。
腹部に強い圧迫感がある。このまま抜き取って解放されたい。抜くときの快感がそれはもう天にも昇る心地である。
だがそれにはまだ早い。今日は任務でこのポケットを使うのだ。その時まで入れたままでお預けである。
きちんと綺麗にしたので大丈夫だとは思うが、念の為水分以外は取らないようにする。
盗んだものが汚れてしまっては大変だ。
そして入れるのも技術だが、出すのも技術である。中には取り出せなくなって医者のお世話になるものもいると聞く。そんな事になったら恥ずかしすぎて死んでしまうかもしれない。もちろん怪盗としても失格だ。
ピアナは気を引き締めて任務に臨むことにした。
ねこトトラ@猫虎屋
2020-12-29 15:52:31 +0000 UTCせれす
2020-12-28 18:47:01 +0000 UTCねこトトラ@猫虎屋
2020-12-06 18:26:30 +0000 UTCカタス
2020-12-06 11:32:59 +0000 UTCねこトトラ@猫虎屋
2020-11-29 18:48:18 +0000 UTCほしみな
2020-11-26 22:26:55 +0000 UTC