エマの住むリンツ島は辺境の地にあるため、外部の人間の来訪が極端に少ない。
この島には、外部の島の有力者の男性が訪れた時、村の娘がその身体でもてなすという因習がある。
島の人間だけで交配を繰り返すと必然的に近親姦となり、血が濃くなって遺伝的な障害が生じやすくなる。
外の遺伝子を取り込むことで種としての生存を図る、きわめて合理的な因習であった。
17歳のエマにも、その順番はやってきた。
本来なら15歳になっていれば果たす務めだが、この二年間はこれといった有力な男性が現れなかったのだ。そのため、まだエマは生娘である。
だが、たまたま訪れた赤髪の冒険者が、飛行島の管理者であるとわかると、エマが呼ばれることとなった。
生娘を差し出すのは客人に対する最大のもてなしでもある。同時に、それは保護と同盟を約束してもらうための政略結婚でもあった。
そこにエマ個人の意思は関係しない。
エマは処女だったが、枕元に焚かれた香にあてられて、遊女のような姿を晒した。
リンツ島特産の香であり、排卵を促し受精率を高めるものだという。
愛を囁き合うわけでも、快楽を求めるわけでもない、ただ純粋に互いの遺伝子を混ぜ合わせるための生殖行為。最も原始的な子作りの儀式。
香に包まれた二人は、明け方まで休むことなく獣のように交わり続けた。
ねこトトラ@猫虎屋
2020-09-25 08:55:51 +0000 UTC