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【リクエスト進捗】〜レース前譚〜オリジナル魔法学園羞恥箒レースモノ(仮)【早読ver】

進行中のskebリクエストの進捗早読になります。 (リクエスト)初のオリジナルです。 魔法学園の箒レースで巻き起こる、パンチラ中心の羞恥コメディ?作品になる予定です。 レース前のキャラ紹介のための章的な感じです 作品の世界観がわかる?序章はこちら https://jo-itazurad4c.fanbox.cc/posts/8528792 (10月からは支援プラン移行の予定です) ──以下、本文── サーシャとミランダ  「あ~~んっ、また失敗しちゃった~~っ。皆んなに見られてる前であんな恥かしいところ、もう嫌ぁ~~っ」  サーシャが寮の部屋に帰ってくるなり、ミランダの泣き言が響いてきた。彼女はベッドの上で、枕をブンブンと振り回しながら、足をバタバタさせながら悶えて叫ぶのだ。  そんなルームメイトを横目にサーシャはローブをかけると、やれやれと言った具合で嘆息してみせる。ミランダの愚痴を聞く時の、お決まりのポーズである。しかしそんな態度とは裏腹に、内心はソワソワと落ち着かず心配でたまらないのだ。  それをおくびにも出さない辺り、サーシャの日ごろ徹底しているポーカーフェイス振りが伺えるというもの。 「もうっ、今度はなにがあったって言うわけ? 」  サーシャが創りあげた呆れ声でそう尋ねると、ミランダは潤んだその大きい瞳をサーシャに向け、 「聞いてよ~、サーシャ~」  と、泣きついてきた。サーシャは仕方ないわね、といった具合に肩を竦めてベッドに腰を下ろす。ミランダの方を見やれば、まるで飼い主を待つ子犬のよう。早く撫でてご機嫌をとって、と、そんな風に思えてしまう。  思わず脈略も無く、そのふわふわな髪を数回撫でてしまいたくなもなるが、そこはグッと我慢した。  ミランダ・ポラリオス──彼女は、両親からのたっぷりの愛情を受けて育ったことが所々に見え隠れする、そんな幸せそうな少女。育ちの良さも伺えながらも、天然な面も強く、所謂おっちょこちょい。ちょっと内気で、小柄で、可愛らしい雰囲気がふんだんな、守ってあげたくなるタイプだ。クラスメイトの男子達もそんなミランダへの密かなファンは多い。 「それでいて着痩せするタイプで隠れ巨乳なんて、最高なのよ。オーバーキルよ」 「今……なんか言った?」  脳内解説が思わず口から漏れ出たサーシャは、ミランダにそう指摘されて慌てて咳払いで誤魔化す。ともかく、そんな美少女をルームメイトという幸運な立場から独占しているのだ。その優越感に浸りながら、ミランダの愚痴を聞く。  役得であり尭孝なこの瞬間に思わず口元が綻びそうになる。サーシャはそんな感情を押し殺し、その長い脚を組みながら、ミランダの語りかけに耳を傾けるのだ。 「ふむふむ……って、それでアナタ、またパンツ見られちゃったって訳?」  ミランダは、コクリと頷いた。曰く──妖精召喚の授業で、ミランダは失敗してしまったらしい。  妖精を召喚及び使役する為の魔法は色々あるが、初心者が扱うにはうまくいかない事が多々ある。それを避けるため必要なのが、彼らの好むものを用意すること。彼らの好む色で着飾ることで、少しでも彼らに好感を与えるのが基本となっているのだ。  ミランダは課題の妖精を使役する為に、息巻いて赤色のシュシュを身につけていた。髪を括るに使うにはミランダの肩までの栗毛では長さが足りなかったので、リストバンド代わりにそれを付けていたのだ。  しかし、召喚した妖精が好む色は、赤色ではなく青色だったらしい。情熱的なレッドではなく、穏やかなるライトブルー。ミランダのシュシュは全く意味を成さなかったどころか、怒りをかってしまうことになる。 「で、目ざとい妖精にスカート捲りの悪戯をされて、水色パンツが丸出し、って訳ね」  サーシャは、ミランダの失敗談をそう纏めた。その表情は冷静さを取り繕っているが、内心はその場に居た男子生徒の目を全て潰してやりたい程の想いに駆られている。握る拳に力が入り、爪が強く食い込む。しかし、その怒りはおくびにも出さず、真っ直ぐにミランダを見据えるサーシャ。 「でもアナタ、ショートパンツいっつも穿いてるわよね? パンチラ対策。 もしかして今日に限って穿き忘れてたって事? 」 「う……うん。風魔法とか、箒の授業とかあるからもちろん穿いてたんだけど……あっ、あの子達……」  ミランダが言い淀む。顔を赤く染め、両の手でそれを隠すように頬を覆った。その庇護欲を唆る仕草に、思わずサーシャはミランダを抱き締めたくなる衝動に駆られる。しかし、理性を総動員してそれをやり過ごし、 「あの子達? 妖精のこと? 達ってことは複数なわけ? 」  と、サーシャは問う。ミランダはコクリと頷いた。 「うん。あの子達、わたしの方に集まってきて……両手押さえながら、ショートパンツ脱がして……きて……」  そう告白するミランダの声は羞恥により小さくすぼんでいく。その様子はサーシャの目に実に扇情的に映り、思わず生唾が湧いてきてしまう。 「そ、それは妖精の悪戯にしては過ぎるわね……」  その場面を想像し、サーシャの鼓動が早鐘を打ち始める。抵抗を奪われ、なすがままスカートめくりの憂き目に遭うルームメイト。その秘めたるライトブルーの布地が、白日の下に晒されてしまう。レース模様とリボンは、ミランダの純真さを表すように白色。クロッチ部は少しだけ水色を濃くし、晴れ渡る蒼穹のような清らかな芸術性を彩っている。  そう言えば、人知れずミランダの下着を仕舞っているタンスを拝見した時に、水色のそれがあった事を思い出す。しかし、重要なのはそのショーツを誰が穿いているのかという事。ミランダという未曾有の美少女の、その秘密の花園を守るという役割を得て、そのヴェールは初めて神聖で尊いものとなるのだ。 「……あ、あの……。サーシャ……?」  と、ミランダの怪訝そうな声でサーシャは、ハッと、我に返る。いつの間にやら妄想世界の住人と化してしまっていたらしい。トリップしてしまっていた事を悟られないよう、サーシャは眉を無駄に凛々しく吊り上げて、 「ん、んー? 何かしら?」  と、白々しく返答した。そんなサーシャの様子を訝しそうにミランダが覗き込んでいる。上目遣いで、その大きな瞳をパチクリとさせるキュートさが過ぎる仕草に、サーシャの理性はまた彼方へと飛び立ってしまいそうだった。心臓が何度も大きく跳ね、サーシャは息苦しさを感じてしまう。 「だ、大丈夫……? なんか、顔赤いけど……。それに、なんか鼻息荒いし。もしかして具合悪いの? 」  ミランダは、サーシャの額に自分のそれを当てるという、体温の計測の常套手段をとってきた。その行為にサーシャは、思わず天を仰ぎ見てしまう。辞世の句すら詠んでしまいそうな程に、サーシャの未練を洗い流しそうな幸福感。しかし、サーシャは持ち前の強靭な精神力で何とか持ち堪たせ、 「んー? 熱はないみたいだけど……」  なんて自分の失敗をさておいて痛心の面持ちを向ける愛しのひとに、 「い、いや、大丈夫よ。ちょっと考え事してただけだから。それよりアナタのことよっ、と、とにかく──」  と、平然を装いそう答える。 「ホントッ、災難だったわね、それは! ほら、お菓子でも食べて、元気だしてっ! すぐに箒レースの日なんだから、あまりクヨクヨしてらんないわよ、ねっ! 」  と、言いながらサーシャは慌ててベッドサイドから腰を上げた。戸棚の方へと移動すると、隠していたとっておきのクッキーをいそいそと取り出した。それを皿に乗せ、魔法瓶からハーブティーをカップへと注ぎ入れる。 「さっ、いっしょに食べましょう?」  ベッドのミランダに手を差しのべながら、そう笑いかける。それはさながら舞踏会でのダンスの誘いのよう。実際サーシャは紳士的な所作を意識していたが、少し芝居がかった大袈裟なものになってしまっていた。それに気づき恥ずかしさが少しづつサーシャの身体を包んでいったが、ミランダはその手を柔らかく握り返してくる。 「うん……そうだよねっ。これからわたし達レースに出るんだし……それに向けて頑張ろうっ! サーシャのお菓子で元気100倍だよっ」  そう言いながら満面の笑みを向けてくれるミランダは、さながら天使。心臓を射抜くような、そんな愛らしさを堪能しながらのティータイムは筆舌に尽くし難い至福のひとときだ。この時間が少しでも長く続いて欲しいと切望して止まないサーシャではあるが、等しく夜は更けていく。やがて朝はやってきて、学園の日常を繰り返し──箒レース、その日を迎えるのだ。 中等部・ティム・ベルナルド  日々は巡り、ついに箒レース当日を迎えた。学園の過半数以上が参加するレースだ。レース前の参加者の待機所は、グラウンドから学園の入り口まで大規模に設営されている。  参加者は皆待機スペースで、緊張を紛らわせるような他愛のない話をしたり、ストレッチをしたり、愛機である箒の整備に勤しんだり、精神統一したり──と、それぞれ思い思いに過ごしていた。  そんな屋外の待機所の一角、薄ぼやけた朝日が降り注ぐ中、一人の少年が居た。パーマがかった髪の毛先を指でクルクルと巻きながら落ち着かない様子で、とある少女と会話を交わしている。  少年の名は、ティム・ベルナルド。学園の中等部三年で、無論箒レースの参加者だ。そして、ティムと会話を交わすその少女の名は、マオ・ユーリンド。ティムが所属する箒スポーツ部の先輩で、学園では珍しい黒髪をポニーテールに纏めている。中等部という年齢からしてもかなり小柄と言えるティムに対し、マオは頭二つ分ほど高い。  レース前特有のピリついた雰囲気の中、そんな二人のやり取りも御多分に漏れず緊張感を帯びているものであった。 「たっ、確かに、マオ先輩の瞬間のスピードには目を見張るものがありますが……考えなしに飛ばすだけじゃダメっスからね! 」  ティムは小さな体を前のめりにしながら、声を上擦らせていた。それに対しマオは、溌剌とした表情で白い歯を見せた。ドンッ、と自分の胸を叩きそうな勢いを感じたのは、信念に満ちた瞳を真っ直ぐに向けてきたからだろう。 「うん、わかってる。だから、今日は最初から全力で行くつもり。箒の性能と、わたしの度胸、その両方を信じて全力で、飛ぶ」  そうティムに答えるマオ。声色にいっさいのブレは無く、揺るぎない言葉だ。ティムはそんなマオの自信に気圧され、思わず後ずさってしまう。が、後輩としてフォローすべき点は我を通さないと、という義務感に背中を押される。 「いや、全然わかってないじゃ無いっスか!?」  それはシンプルなツッコミとなって喉を通り、空気を震わせた。マオはそのティムのリアクションに目を丸くしていた。不思議そうな顔をして小首を傾げる様は、本気でティムが何を言っているのか分からないといった様子だ。  その反応にティムは頭を抱えたくなった。そう、マオ・ユーリンドという少女は、常々かくも猪突猛進。自分がこうと思ったらという情熱のカロリーは果てしなく高く、そしてそれを実行に移す行動力も並ではない。その情熱が、彼女の箒スポーツ及びに、箒レースでの並ならない功績に繋がっている事はティムとて百も承知だ。しかし、余りにもストレート過ぎるその性格が時として空回りし、失敗を招いてしまう事もしばしばだ。 「だ、だから~っ、もう少し冷静に周りを見ろって、事っスよ!  全部が全部、ボクがフォロー出来るわけじゃ無いんですからね!」 「周り?」  マオはそう呟くと、辺りをキョロキョロと見回した。天然っぷりの発揮である。そんな動作はティムの不安を更に煽るには十分だった。思わずため息が漏れてしまう。 「もう……っ。例のリリン嬢がまたよからぬ事企ててるって噂もあるんスからね……」 よ!? 」 「リリンって、あの三年の目立つ人よね……? 去年のレース優勝者で、今年も優勝候補の筆頭って聞いてるけど……。そのひとがどうかしたの?」  マオが曇りなき眼を真っ直ぐにティムに向けてくる。ティムは、その純真な瞳に射抜かれて思わずたじろいでしまうが、 「そ、そのリリン嬢が、また、け、けしからん罠を張り巡らしてるかもって事っスよ!」  若干言い淀みながらも、ティムはそう答えた。 「罠? どんな?」  マオが小首を傾げながら、そうティムに尋ねる。 「だから、その……。レース中に妨害するとか、そういう事っスよ」 「妨害って……? 別に初級魔法による攻撃とかは違反じゃないわよね? 真剣勝負のレースなんだもの、勝つために全力を出すのは当然じゃないッ」  自分で喋りながらテンションが上がってきたのか、マオは、ふんっ、と鼻を鳴らすして胸を張る。 「だ、だから……それは……えっと……」  ティムはまたしても頭を抱えて、マオから視線を逸らした。声を詰まらせ、どう説明すべきかを熟考してしまう。何故なら、それが異性に対してするにはいささか憚られる内容なのだ。しかし、マオはそんなティムの様子を気にもとめず、 「わかんないよ……っ! ティムが言おうとしてる事の意味が全然っ」  段々と苛々してきているようだった。「いや、だからつまり……その、あれ……」 しどろもどろになりながら、顔が熱くなってくる。憧れの先輩に対して、こんな下劣な話を口にしなくてはいけない状況を呪いたくなるティムだった。しかしそれでもマオを守りたいという思いは本物である。 「はっきり言ってよっ」  頬を膨らませたマオがティムに迫る。もう覚悟を決める時は今しかないとティムは悟った。 「ス、スカートめくって……下着とか……っ、見られたり……っ」  ティムは顔を真っ赤にしてそう答える。マオは訝しげに眉を顰めた。そして、 「……下着? レース中に? なんで? 普通ちゃんと短パン穿くなりスカートの中ガードしてるでしょ? 当たり前じゃん。箒に乗るんだよ? 」  と、マオは疑問符を頭の上で連続発生させてくる。常識的に考えれば、真っ当な意見であり、そんな事はティムも重々承知していた。コホン、とひとつティムは咳払いをする。そして、 「いや、それは知ってるっスよ。うん、知ってる。当然っスよ! でも、リリンは、武装解除の魔法とか、リリーフの魔法とかでそれらの対策を無効にしてしまうんスよ!! 」  と、ティムは気恥ずかしさからか捲し立てるようにそう告げた。事態の本質を吐露は出来たものの、ティムは後ろめたさが抜けきらない。聞き耳を立てられていなかったか不安になり、辺りを見回す。しかし、それよりも目の前で沸き立つ怒りオーラに、背筋をビクッと大きく震わせることになった。 「ハァァァッ?! 」  マオが、それはまるで叫びのような、大きな声を発した。そのトーンは地を揺るがすように凄みを帯びている。 「なによ、それっ!! 」  マオは叫びながら、拳をわなわな震わせた。眼には怒りの火が灯っているのが明らかで、文字通り逆鱗に触れたと言わんばかりである。ティムはマオのその怒気を近距離で浴びせられ、思わず尻もちを付きそうになってしまう程だ。 「そんなの反則じゃない! 女の子のパンツわざと見させて妨害って……っ! 最低ッ!! そんなの許しがたいわ!」  マオは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のリリンを除かなければならぬと決意したたか、しないとか。 「そんな卑怯な事する人が、優勝候補だなんて信じられない。決めた、わたし、その人に勝つ。勝って、そんな卑劣な行為を悔い改めさせる」  マオは、愛用の箒を力強く握りながら、そう宣言する。その眼差しは真剣そのもので、純粋なる正義感に燃えているのが傍目からも見て取れた。剛直で勇ましいその意志に、ティムは思わず見惚れてしまう。先程とは違う種類の熱を顔に感じ、ティムは振り切るように頭を振った。そんな折、にわかにとある一角が喧騒に包まれた。 「きゃあっ?!」  魔法発動の光と共に、女の子の悲鳴じみた声が上がったのだ。それも何度か。何が起きたのかと、ティムも、マオも、その出元へと視線を向ける。そこには、杖を振り回しながら、待機中の生徒の間を駆ける、ひとりの男子生徒。その後ろには、膝までズリ下がった短パンを慌てて引き上げる数人の女子生徒の姿があった。 「これって……」  と、ティムがマオに視線を向けると、 「武装解除……ラストの魔法ね。やたらめったらかけてるせいか中途半端だけど……。そして、アイツ……チャームにかけられてる」  と、マオが淡々と告げる。チャームは読んで文字の如く、異性を魅了して混乱、もしくは操り人形のようにしてしまう魔法だ。すぐさまその男子生徒に向かって杖を振りかざしたマオだったが、 「チャームが強力でディスペルが効かないようね」  と、苦虫を潰したような顔をした。そうこうしてる間にも、件の男は次なるターゲットを見つけたようだった。二人組の女子生徒を見やり、下衆な顔で近づいていく。 「……あっ」  それを眺めながら、ティムは心臓が跳ね上がらんばかりになった。  その女子生徒達のうち一人はティムもよく知る少女だったのだ。サーシャ・セレヴィア。去年、中等部二、三年合同授業で見かけてから、ティムにとってマオとは別の種類の憧れを抱いた少女。  どこか気怠そうな雰囲気を纏いながらも、何故か目を惹かれて仕方なかった。一目惚れに近い感情を抱いてしまったティムは、学園内でサーシャを無意識に探すようになった。恋する少年としてのピュアな想いを、自分ではまだ消化しきれはいなくても、そうなってしまったものは仕方がない。 「サ、サーシャ嬢……。た、助けな……きゃっ」  そんなサーシャがピンチに陥っているのである。動かない道理などなかった。彼女達はその不埒な男の存在に気づいてすらいないようだった。  ティムがその一歩目を踏み出す──より早く、その肩をマオが掴んでいた。と、ほぼ同時にその姿は残像のようにブレ、そして消えた。そう錯覚してしまう程、マオは早過ぎた。 「え」  と、ティムがそう漏らした時には、男の傍らにマオは居た。次の瞬間には、一陣の疾風が男の髪を逆立てる。  マオの回し蹴りが、男の側頭部を捉えていた。それは衝撃より正確さを優先させたような、流麗なフォームでの一撃。声すらあげることなく、男は膝を折った。そして、そのまま地面に崩れ落ちる。  これが、学園箒武術部エースであるマオ・ユーリンド。その実力の片鱗を、このハプニングの場でまざまざと見せつけたのだった。 「さっ、さすがぁ……」  と、感嘆の声を漏らすティム。憧れのサーシャの危機を颯爽と救うマオへ、尊敬の念を強めざるを得ない。が、当のマオは平然とした様子で、 「さ……っ、実行委員会に引き渡さなくちゃね。で、これも、そのリリンってひとの仕業って事ね 」  男の首根っこを掴みながら、そう呟く。彼は気を失っているようで、チャームの効力も切れているように見えた。 「た、多分……」  ティムはあやふやに肯定する。しかし確信に近いものを感じていた。ただ、明らかに憤る様子のマオに気圧され、そうとしか返答出来なかったのだ。何故か若干のバツの悪さを感じ、ティムはサーシャ達の方へ視線を向けようとする。サーシャ達の後ろ姿はもはや遠くなってしまっていた。 「ほら、行くよティム」  男を引き摺るようにしながら、マオはティムにそう声をかける。ティムはどこか後ろ髪を引かれるような思いを抱きつつ、しかしマオに遅れないよう小走りでついて行くのであった。彼が気になったのは、サーシャが後ろ手に構えていた指のひとつに、魔法力の残穢が感じられた気がした事──

【リクエスト進捗】〜レース前譚〜オリジナル魔法学園羞恥箒レースモノ(仮)【早読ver】

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