「ええーー!またあたしーー!?」
テーブルゲーム部の部室に、悲痛な叫び声が上がった。
「へへ、すまんな。そいつが直撃だ。」
純チャン三色一盃口で親ッ跳。18000点。
「そろそろ脱ぐ準備でもしておいたほうがいいんじゃないか?セツナ」
「くやしいいーー!」
セツナの手元にある点棒は残り6000点。もはや風前の灯火であった。
「なんで罰ゲームありの時は、あたしばっかり狙われるの!」
「はは、そいつは気の所為だぜ。なあ?」
残りの面子がにやりと笑う。あれは絶対狙っている顔だ。
テーブルゲーム部は色々なゲームをやる部活だが、中でも盛り上がるのはやはり麻雀であった。麻雀には賭けありと賭けなしの二通りがある。といっても現金を掛けるのではなく、敗者に罰ゲームが課されるという特別ルールだ。内容は優勝者が決める。
最初はモノマネとかかくし芸とかジュースおごりとかありがちなものだったが、回を重ねていくにつれてだんだんとエスカレートしていった。
敗者は服を脱ぐ、というのが最近よく使われる罰ゲームの一つである。
賭けなしの麻雀ではセツナはなかなか強いのだが、なぜか賭けありとなるとトコトン負けやすい。
「ロン!」
そして次の局でセツナの点棒は全て尽きた。
「うむ。いつ見てもセツナの乳は小ぶりだな」
「うるさい!!あたしはまだ成長期なの!!」
「トワちゃんに少し分けてもらったほうがいいんじゃないかな」
「このーー!あたしが気にしていることをーー!巫女パンチ!パンチ!」
「どれ、今日はこのへんにしておくか?」
まだ部活は始まったばかりだったが、あんまりセツナをいじめ過ぎるのも可愛そうだ。部員の一人は切り上げようかと提案した。
「いや!あたしはまだやるよ!負けてばっかりじゃ悔しいもん!」
今日のセツナはいつになく強気である。
ジャラジャラと部室に洗牌の音が響いた。
「ロン。立直一発平和一通ドラ1。18000点。」
「おや、これはまたセツナが飛んだかな?」
「う…うそ……」
もう脱ぐものはない。
セツナはすでに一糸まとわぬ姿まで脱がされている。
この部でも、さすがにここまでやったことは今までもなかった。異様な興奮と空気がその密室空間を支配していた。
「さーて、次の罰ゲームは……」
皆の脳裏にある可能性が頭をよぎる。しかし勝者が告げたのは、ある意味でその予想を超える罰ゲームの内容だった……。
「全裸で、校内一周だ!」
(無理無理無理無理……!)
放課後とは言え、生徒の往来も普通にある廊下に、セツナは靴下と靴のみを身につけた状態で、ほぼ全裸で立っていた。
廊下を吹き抜けるわずかな風が、全身に直接あたるのがわかる。
何も身に着けていない状態が、これほど心細いものだとは。
(どうか誰も来ませんように……!)
校内一周といっても、部室のある階の廊下をぐるりと回ってくるだけでいい。距離にして200~300mといったところ。普段なら3分もあれば戻ってこれる距離だ。
そう、服を着ていたなら……。
そろりそろりと進んでいくと、曲がり角から不意に3人の男子生徒が現れた。
顔は見たことあるが、特に知り合いというわけでもない。
(う…そ……)
とっさに柱の陰に隠れたが、物陰というにはあまりに頼りない。横を通れば確実に見られてしまう。
不意だったので、今から逃げても間に合わない。どう考えてもこのまま遭遇してしまう。
こちらを見て、男子たちは何を思うだろうか?
着替えの途中?いやいや、こんなところで着替えをする人がいるものか。
シャワーを浴びてたらGが出たことにする?シャワー室には遠いし、ちょっと無理がある。
露出狂の変態趣味?どう考えてもそれだ。変態だとしか思われないだろう。すぐに校内中に噂は伝わり、風紀委員から取り締まられ、生徒会に裁かれるだろう。そして退学……
最悪の想像が頭を駆け巡る。なんとなく部活の流れで慣れてしまっていたが、こんなところで全裸でいるというのが異常事態なのだ。
自分のあまりの非常識な姿に、改めて絶望した。
(あたしは……終わりだ………)
3人の足音が、すぐそばまでやってくるのが聞こえた。
-つづく?-
ねこトトラ@猫虎屋
2019-01-31 15:09:12 +0000 UTCねこトトラ@猫虎屋
2019-01-31 15:08:50 +0000 UTCねこトトラ@猫虎屋
2019-01-31 15:07:49 +0000 UTCねこトトラ@猫虎屋
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2019-01-31 03:23:10 +0000 UTC