【リクエスト】融合と分身と
Added 2022-10-23 12:17:46 +0000 UTC20XX年、人類はかつてない繁栄を謳歌していた。 科学の進歩は目覚ましく、環境保全と文明の発達両立を成し遂げ、新たな革新的技術が次々と開発されている時代。 文化的にも豊かになった人類は、その多様性も大きく広がりを見せた。 それは性風俗分野においても同様であり、繁華街には多種多様な業態の店舗が軒を連ねていた。 その中の一つが、セルフ・ディプリケーション体験だ。 読んで字のごとく、自分自身の“複製”と出会うことのできるエンターテイメントで、通常の生体複製に用いられる特殊な細胞分化による分裂ではなく、空間変調装置による鏡面効果を利用し、簡易に自分自身との触れ合いを可能にする施設だ。 基本的には宿泊が可能な個室での営業をしている施設がほとんどである反面、必ずしも“性的なサービス”を目的としていないために、年齢を問わずに利用できるのが特徴だった。 そんなセルフ・ディプリケーション体験施設の一つである「ホテル・ミラー」の一室に、二人の女性が立ちすくんでいた。 「えーっと…あれ、ここって401号室ですよね…?」 「え、そうだと思うけど、おかしいな…アタシ、部屋間違えたかな…?」 大きなダブルベッドと浴室があるだけの部屋の入り口で鉢合わせた二人は、互いに手にしたルームキーを見せ合って首を傾げている。 一人はパンツスーツに身を包んだ黒髪ショートヘアで大人の落ち着きを感じさせる女性は、坂本真美。 もう一人は、流行のファッションに身を包んだ茶髪のロングヘアの若い女性、笠井恭子。 二人がお互いに確認したルームキーには、どちらにも401の部屋番号が刻まれている。 「…これって…」 「ダブルブッキング的な…?」 「…フロントに確認してみましょうか…」 「…そですねぇ」 二人はそう頷き合うと、ひとまず二人で部屋へと入り、内線の通話装置でフロントを呼び出す。 しばらくして応答したフロントの担当者は、確認をする、と一声かけて黙ったのち 「大変申し訳ありません」 と謝罪を述べた。 「こちらの手違いで、同室にご案内してしまいました。すぐにもう一部屋ご用意いたしますので、少々お待ちください」 そう返答を得た二人は、互いを見合わせて肩を竦めて通信を終えた。 「なんだか、面倒なことになっちゃいましたね」 真美の女性が落ち着いた様子でそう言う。 するとそれを聞いた恭子は、ケタケタと笑い声をあげた。 「まぁまぁ、こんなこともあるっすよね。話のネタにはなりそうっす」 そう言いながら真美の全身に舐めまわすような視線を送る。 「お姉さん、どうっすか?“セルディプ”する前に、アタシと遊びません?」 その言葉に、真美はピクリと眉を動かした。 「…楽しそうではありそうだけど…私けっこうイジメたいタイプだから、そういうの平気なら」 その言葉に、恭子はニヤリと口元を歪める。 「もちろん。アタシも負けず嫌いだから…反撃はさせてもらうかもしれないけどっ」 「ふふ、そういう子を躾けるの、好きよ?」 真美はそう言いながら、腰掛けていたベッドにそっと恭子を押し倒した。 着ていたシャツを脱がすと、ブラジャーに包まれた控えめな胸があらわになる。 ジーンズを脱がしてみれば、ショーツの中には二本のふたなりが熱を帯び始めていた。 「二本も付けてるなんて…そうとう欲張りなんだね?」 「んふふっ、気持ちいいの好きなんすよねぇ…お姉さんも付けてるんでしょ?」 「そりゃぁね…女の子に喜んでもらえるように、立派なヤツ」 真美はそう言って、体をくねらせつつ着ていたスーツを脱ぎ捨てる。 彼女の下半身には、ショーツから先端がはみ出る程の大きさのふたなりが備えられていた。 「ひひ、ホントだ、でかっ」 「骨抜きにしちゃおうかなっ…♡」 「できるんならやってみてよ」 二人はそう言葉を交わしながらねっとりと唇を重ね、互いの体を抱き合った。 互いのブラとショーツを脱がし合い、全身を擦り合わせるようにして互いを攻め合っていく。 ほどなくして全身に熱がこもり、体が蕩けるような感覚に頭の中心がボヤけた。 そして、二人は互いの体の違和感に気付く。 まるで物理的な存在を無視するかのように、体が相手の体に沈み始めていたのだ。 「ちょっと、これっ…!?」 「あ、ヤバ、忘れてたっ」 「あなたまさか…有機体融合薬 を…!?」 「ごめんごめん、自分と融合して楽しもうと思ってたんだけど…」 えへへ、と笑う恭子に、戸惑いを見せる真美。 二人の下半身はすでに有機体融合薬の効能による融合が始まっていた。 「まったく、想像してたよりもずっと変態ね」 「ふふっ、お姉さんもイヤがらないってことは、割とアブノーマルなんすね?」 「そりゃあ、こんなところに来るくらだからね…」 「それもそうっすね」 そう言葉を交わす間にも二人の体は溶け合い、腹から胸、肩、そして唇、鼻、頭とが触れ合い、結合し、混然一体となる。 折り重なり合うようにしていた二人はやがて、一つの個体になっていた。 「…これ、初めて使ったけど変な感じね…」 「ポワポワしてて、悪くないっしょ?」 黒髪のショートに茶色のメッシュが入り、巨大なふたなりを二本垂れ下げたその個体は、声を出しながら、体を共有しているもう一人と言葉を交わす。 「この薬、副作用があるって話聞くけど、大丈夫なの?」 「たぶん、そんなにひどくはないっすよ。元に戻ったときに、ちょっと感覚が混乱する程度っす」 「ふぅん…それなら良いけど…って、ちょっと!?」 真美の意識がそんなことをしゃべっている間に、恭子の意識が体を動かし、自身の巨大な二本のふたなりを握り込んでいた。 「ふふふっ、楽しむっすよ?」 恭子の意識に動かされた手が、二本のふたなりをまとめて握り込む。 手のひらに包まれた感触と、ふたなり同士が押し付け合わされる圧力に、ジワリと快感と興奮がにじんだ。 「あぁっ…なんか変な感じっす」 「もうっ…本当に変態ね」 今度は真美が体の主導権を握り、ふたなりを握っていた手を小刻みに動かし始める。 途端に二人の体に腰が抜けような快感が迸った。 「んっ…あぁっ…これスゴイっすね…」 「はぁっ…んんっ…感覚がダブってる感じ…」 二人の神経回路網は厳密にいえば結合してはいない。 一つの体に二つの神経が通っているような状態だった。 しかし、結合していなくとも、身体的な反応を通して二人の感覚は確実にリンクしている。 一方の神経が快感によって筋肉を強張らせればそれによってもう一方の神経が刺激され、それがさらに筋肉を強張らせてもう一方の神経を刺激する。 そんな快感のハウリングは、二人の想像をはるかに超えて、身体を昂らせていた。 「んくっ…はぁっ…ほら、どう?気持ちいでしょ…?」 「ぐっ…あぁっ…ば、バカ言ってんじゃねえっす、今責めてるのはアタシっすよ?」 「ちがっ…今体を動かしてるのは私…」 「違う、アタシっす…」 「「んんっ…あぁっ!?」」 一つの体に宿った二人の精神が言い合いを始めたのも束の間、昂った快感は限界を超え、熱い白濁液となってふたなりから込み上げた。 二本の巨大な複根から、噴水のように精液が噴き出る。 波のように繰り返し押し寄せる快感に、脳がチラチラと白んだ。 「はぁ…はぁっ…はぁっ…」 彼女達は、体をヒク付かせながら、呼吸を整える。 不意にそんな彼女たちに、耳鳴りのような高音が聞こえて来た。 「えっ…これ…」 次の瞬間、パッと目の前が明るくなって、二人は反射的に目を閉じた。 恐る恐る目を開けてみると、そこには、黒と茶色の混じったショートヘアに巨大なふたなりを二本生やした人物がいた。 それは融合した真美と恭子、彼女達自身だった。 「嘘…部屋が機動したの…?」 「へへへ、この状態でセルデュプとか、興奮するなぁ…」 「ふぅん、これが融合した私達なんだ?」 「ふふふっ、おもしろそっ…ヤリ甲斐ありそうじゃん?」 融合して一つの体のままの二人は、それぞれに感想を漏らす。 精液を吹き出したばかりの二本のふたなりは、互いの姿を見てすでに臨戦態勢を整えていた。 「まぁ、最初から目的はこれだったから良いけど…」 「そうね、一度自分を躾けて見たかったの」 「躾けられるのはあなた達の方だけどね?」 「ふふっ、もっと強がってくれて良いよ?その方が、這いつくばらせたときに興奮するから」 真美達の意識がそう言葉を交わして互いの体をにじり寄らせる。 「へへへ、ヤバイなぁ、興奮するなぁ…」 「ふふふ、ホント…イカせまくって泣かせてやるっすよ?」 「いや、それはこっちのセリフっすから」 「なんでもいいっすよ、アタシ達は負けないんで」 恭子達も体を動かして、互いの腰に腕を回した。 真美と恭子たちは、共有されている体を動かして、目の前の“分身”の二本のふたなりに手を添える。 互いに微笑み合うと、誘うようにして互いのふたなりを擦り始めた。 途端に先ほど以上の快感が体に沸き上がってくる。 互いの神経網が感じ取る快感が体にフィードバックされ、その身体的な反応がさらに神経網を賦活させた。 ほんのわずかな快感が、二人の感覚神経が詰まった体の中で乗算的に増幅していく。 「「んぐっ…あぁっ…」」 二人の融合体の声が重なる。 その喘ぎ声は真美のものなのか、恭子のものなのか、本人たちにも判別がつかなかった。 込み上げる快感に二人は焦りを感じ、さらに相手を責めるため体に指令をくだす。 しかし、慌てた二人の意思には差異があり、体が言うことを聞かない。 (ちょっと、ちゃんとやってよ!?) (そっちこそ、こんなんじゃイカされるっすよ!) 頭の中で、そんな言い合いが始まる。 一方で 「ふ、ふん…そっちの私達はずいぶん下手くそね?」 「ど、どっちが下手くそなんだか?全然気持ち良くないんだけど」 「アタシ達に触られてこんなに硬くなってるんすね?」 「硬くなってるのはそっちの方じゃないっすか?」 と二人の意識は代わる代わるもう一人の自分たちと煽り合う。 しかし、そんなやり取りとは裏腹に、融合体たちの体の動きは一層鈍くなる。 (違う、今は擦るタイミングよ!) (何言ってんすか、カリを責めた方が効果的っす!) (それは最後の仕上げで良いの!) (そんな悠長なこと言ってる場合っすか!今追い込みかけないと、体の方がヤバいっすよ!) (くっ…こ、こうなったら!) (ちょ、何するっすか!?) 意思がかみ合わないことに憤りを感じた真美は強引に体を動かして、相手の融合体の腰に手を回して一気に引き寄せた。 硬くそそり立った二本のふたなり同士が体の間に挟み込まれてぶつかり合う。 腰が砕けそうな快感が湧きたち、それが反響して二人の神経系を逆撫でした。 「「んぐぅぅぅぅぅっ!!?」」 二人の意思に反してガクガクと腰が震え、押し合わされたふたなりから精液が迸って互いの体を白く染め上げる。 快感に脱力した体を制御できずに、二人はベッドの上に崩れ落ちた。 (ちょっと…ちゃ、ちゃんとやってよ…) (そ、そっちこそ、しっかりタイミング合わせて欲しいっす…) (あなたが先走るから…) (そっちが焦りすぎなんすよ…) 射精の余韻に体をヒク付かせながら、二人は脳内でそう言い合う。 それでも体を起こし、分身である融合体に視線を送った。 「ふ、ふふっ…ずいぶん気持ちよさそうにイッたじゃない?」 「あ、あら…白目剥いて感じてたのはそっちの方でしょ?」 「みっともなくイッて情けないっすね」 「精液まみれのあんた達には言われたくないっすね」 震える体を制御しつつそう互いに挑発しあうものの、真美と恭子は融合体していることによって得られる快感には脅威を覚えていた。 このまま攻め合いを続けても、勝ち目はない…それどころか、強烈な快感に心がへし折れそうになる。 勝負を決するためには、一気呵成に責め掛かる必要があった。 (アタシに考えがあるっす) (…体が繋がってるって考えてることまで分かるのね…) (話が早くて助かるっす…今度は息を合わせて責めるっすよ) (分かったわ…私もこのまま感じさせられっぱなしは趣味じゃないの) そう意思統一を図った二人は、僅かに力が戻り始めた体を動かして、もう一人の融合体にしがみ付く。 二本あるうちの一本のふたなりを互いの秘所に突きこみ、もう一方のふたなりを再びぶつけ合わせた。 巨大なふたなりが膣内に侵入してくる背筋を貫くような快感、暖かく窮屈な膣内がふたなりを推し包む溶けるような快感、ふたなり同士がぶつかり合う疼くような快感。 そのすべてが体の中で増幅され、乗算され、二人の脳へと叩きつけられる。 それだけで意識が飛びそうになりながらも、二人は呼吸を合わせて腰を振り始めた。 巨大なふたなりが膣内に抽挿され合い、腰が前後するたびに硬いふたなりが音を立てて弾ける。 ふたなりが突きこまれた膣内からはとめどなく愛液が溢れ出し、ぶつかり合うふたなりからはカウパーが迸った。 「ほら、ほらっ!気持ち良いでしょ!イッて…イッていいんだからね!」 「そっちこそ、こんなに濡らして気持ちいいじゃない!?我慢しなくって良いんだからね!」 「アタシ達が勝たせてもらうっすよ!」 「勝つのはアタシ達っす!」 真美と恭子は息を合わせて懸命に腰を振る。 しかしそれは分裂したもう一つの融合体である真美と恭子も同様だった。 当然二人の肉体は強烈な刺激で快感を覚え、それが二人の神経網に伝わって肉体にフィードバックされていく。 乗算される快感は二人が想像していたよりも早くに閾値を超えて、全身の筋肉を収縮させた。 「「んぐっ…あぁぁぁぁっ!!!!」」 二つの融合体は声をあげて腰ののけぞらせた。 ふたなりが挿入されていた互いの膣口から、ぶつけあわされていたふたなりから、それぞれ精液が噴き出る。 ガクガクと快感に腰を震わせながらも、融合体同士はキっと互いを睨み付けた。 (くっ…まだっ!) (負けないっすよっ…!) 絶頂の快感が収まる間もなく、二人の意思に突き動かされた融合体がさらに腰を振り続ける。 敏感になった性感帯が先ほど以上の快感を体に伝え、それがさらに増幅されて二人の脳を白く染め上げていく。 「「イグっ…!!イグぅぅぅぅっ!!!」」 再び腰を逸らせた融合体は快感に塗り潰されて精液を吐き出す。 しかしそれでも、二人はもう一人の自分達を打倒するべく腰を動かし続けた。 十回、数十回の射精と絶頂を繰り返した二人は、気付けば気を失い、ベッドの上に倒れ込んでしまっていた。 真美と恭子が目を覚ましたのは、数時間後。 チェックアウト時間を知らせる内線通信が鳴り響いたからだった。 有機体融合薬の効能も切れ、元の姿に戻っていた二人は、もう一人の融合体との勝負が決していないことを悟って、その場で連絡先を交換する。 そして次こそは、必ずもう一人の融合体に勝利して躾けようと、誓い合うのだった。